2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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ドラマ挿入歌『鳥の詩』ね。これもすごく好きです~。
杉田かおる氏(以下、杉田):今年は酉年ですが、36年前の酉の年に吹き込んだ曲です(笑)。阿久悠先生がずっと詩を書いていて、「この詩は流行り歌にはならないからずっと温めていて、誰に歌わせようかずっと悩んでいたのだけど」と。ちょうど池中玄太というドラマで、鳥を追いかけている写真家の話だから「ちょうどいいから、じゃあこれに曲を付けてもらったら?」と言って。
青田:そうなんですか。なにか衝撃的でしたね。バラエティのときもそうですが、映画もたくさん出ていらっしゃいまして。『青春の門』織江役でスクリーンデビューをされました。松竹映画の『口笛を吹く寅次郎32作』と『浪人街』。近年では『また必ず会おうと誰もが言った』などにも出演されています。
今年ですね。2017年秋以降全国公開の映画『バケツと僕!』に出演をされています。本もいっぱい出していらっしゃるんですが、これだけの芸歴の中で、最初の入り口はきっとお母様の勧めですよね? だって7歳ですものね?
杉田:単にテレビに出たかったんですよ。先ほどの、子どもの頃に最初に言った言葉が「おばけのQちゃん」で、テレビを見て「Qちゃん」と言ったんです。それが最初で、テレビに出たかったんです。
青田:杉田さんが?
杉田:はい、ちっちゃいときに。それでオーディションをずっと受けていました。テレビに出るという夢が7歳で叶ってしまったので。
青田:7歳で普通はそんなことを考えない。私なんて泥んこ遊びでいわゆる金の玉を作っていた頃に(笑)。
青田:当時から杉田さんは目指すものがあったということですよね。
杉田:単に願ったことがすぐ叶っちゃうんですよ。
青田:え~、そういう能力をお持ちなんですか!? もうちょっと鑑定してもらえませんかね。今の私の運を(笑)。
杉田:でも、そのためにはやっぱり奉仕をしなければいけませんよ。つまり、自分のためには効かないの。人を喜ばせるとか、親孝行をするとか、そうした気持ちでいつもいると、必然的にいいことが起きる。あとは、自分がお金儲けをしようと思わないと、お金が回ってくるなど。
青田:え!
杉田:逆なんですよね。力関係というのは。力関係というか(笑)。私、2度目の結婚ができまして。1回目はセレブ婚で、このときは逃げられちゃいましたが。
青田:(笑)。
杉田:ぜんぜん結婚するつもりじゃなかったんですが、若い頃は男の人をすごく追っかけ回していたんですね。そうすると、どんどん逃げるという(笑)。
やっぱり、お金と男の人は追うと逃げるということを学習しまして。追わないことにしましたら、ポトッと棚ぼたのように今の旦那さんが落ちてきた感じ。
青田:あ~そうなんですね。私も情報だけなんですが、今はスローライフというんですかね。少し田舎のほうに、都会からちょっと離れたところに住まれて、有機野菜を作られたりなどしている生活だと聞いたんですが。
(スライドの写真を見て)お~美しいですね!
杉田:土に触れていると、すごく地球に生まれて来たというか、土をいじるために生まれてきたと感じるくらいにホッとしますよね。
青田:そうなんですか!
杉田:やっぱり土のパワーはすごいですよね。何十年も何百年もかけて土というのは栄養素が、植物などが生きていけるようにできてきたものなので。本当に気持ちよくて。
(写真を指して)これは湘南ですが、震災の年に九州の母の実家の福岡の糸島というところに1年間農業の勉強がてら住んでいました。そこですごい師匠に出会って、人生観が変わっちゃって。
杉田:うちの主人では人生観は変わっていません。
(会場笑)
うちの主人には今教育をされていて、一般人という人種になるための訓練(笑)。
青田:なるほど。まぁ7歳からね、この世界に。
杉田:本当に一般の生活をするというのはこんなに大変というか。別に私は大変じゃないんですが、周りが慣れないというか。でもね、(青田さんは)ご主人様も宇宙人みたいな方だから(笑)。一般人になるということを考えないでしょ?
うちは主人が一般人なので。一般人というのは別に差別用語じゃなくてそういうカテゴリーなんですよね。一つひとつにおいてすごく教育をされている感じです。
青田:それは切符の買い方とか?
杉田:人との接し方とか。つまらないことですよ。肘をついてご飯を食べないとか、食べながらしゃべらないといった(笑)。「飲んでもこれくらいだな」など、いろいろあって。
でもそうした中で過ごしているから、先ほど言っていた歳をとってからの時間が短く感じないというか。50を過ぎてから長い! まだ人生50年なのと(笑)。本当に初めてのこと。
青田:目新しいことをたくさん今されているから、とても1年が長く感じる。あ~羨ましいですねぇ。
杉田:例えばうちの母の病院と介護と両方ね、医療保険と介護保険の手続き。何百円や何千円かのことで電車代を何千円もかけて行くような(笑)。お金の価値観もね、ありがたがっていいのか、ありがたがらなくていいのか。
このシステムというのは社会主義国家なのか資本主義国家なのか。日本という国の複雑さを、うちの母のシステムで初めて味わっているんですよ。いつも印鑑を持ち歩いて(笑)。とりあえずなんでもサインで印鑑。
お札の量くらいいろんな書類があるし、この書類いるのかなぁなど。いろんな無駄の中で生きている感じがね。すごく毎日が発見なんですよ。
その土が付いてる大根や人参などを彼のために料理するんですが、それによって私の心も治療されているところもあって。生きている野菜を触るだけでもなにか蘇るというか。
杉田:瞑想のような気がしません? 本当だったらパッとお惣菜などを頼んじゃってもいいんですが、そこでこうやって自分で作ったりしているとおいしくなるわけですよね。植物などが。
作っている農家さんから直接いただいて、農薬のかかっていない安心な皮ごと丸ごと食べられる野菜を自分で包丁で切って、なるべく無駄のないようにそれを生かすようにと考えながら無心で料理をして、そのあとお皿などを洗っていると、これはもう瞑想の時間だと思うんですよね。この時間が無駄な時間ではなくて、すごく自分の心が落ち着いているというか。
青田:とても深いのだと思う。土から始まって、土を掘って種から育てていき、実がなってそれをもぎ取って、まな板から料理し始めるという段階が、もう私とは雲泥の差だと思いますが。でもその喜びは……。
杉田:ご主人の玉置さんは、青田さんにいろんなことを教えてくれるために出会ったというか。私は母のことをそのように最近では思っています。
青田:そうかもしれません。
杉田:“バブル青田”なんて言われていたじゃない。
青田:はい、そうです(笑)。
杉田:泡のようだったというかね。バブバブしていたのが、地に足が着いちゃった。
青田:そうですね! 泡のような人生を生きていたんですが(笑)。
杉田:私もセレブの偽札みたいな、“セレブ杉田”のような(笑)。そういうところから、着実にちゃんと介護保険の手続きもできるようになって。何百円単位でもきちっと書類が作れるようになって。母や玉置さんというのは、単なるウサギや蚕じゃないというか。
(会場笑)
神様が宿っている蚕だったり、ウサギさんだったりするのかもしれない。
青田:そうかもしれない。人間性という意味ではすごく変わったと思います。大切なものの基準が変わったと言うんですかね。彼は「人の上に立つな」と言って、「誰よりも1番下に立って景色を見上げろよ」と。そうすると人の気持ちや人のありがたさがよくわかる、ということを。
杉田:ブータンの王様みたいなことを言うね(笑)。幸せの国の王様のような価値観の方。
青田:世間では暴れん坊的なイメージがありますが、本質はすごく繊細で。
杉田:じゃなきゃ、あんな歌を歌えないし、作れないですよ。
青田:確かにね。そういう意味では彼との出会いによって私も大きく変わったと思います。
青田:杉田さんもお母様の、今は介護と言ってよろしいんですかね?
杉田:看護と介護が今ではごっちゃになっているんですが。制度的には別とはいえ、ほとんど一緒ですね。病気を長く患って、もう20年経ちます。それでさらに高齢になってきて、介護になってきた。
だから良くなることはないんですよね。慢性病で、良くはならない。細胞も壊れてしまっているので良くはならない。お医者様ももう6軒目なんですが、「諦めてください。もう家で看取ってください」と何回も言われて(笑)。
だけどオーガニックの野菜で復活しちゃうんですよ!
青田:すご~い!
杉田:今、老人の栄養失調がすごく問題になっているらしいんですよ。同じような野菜を同じように食べていても、野菜自体の質が違う。
(写真を見て)もうね、だんだん仏様に近くなっていますが(笑)。
少量でも、吸収できる量も減ってきますから。そうしたときに栄養素が昔よりも20分の1くらいしかなくなった野菜を食べるよりも、昔と同じ在来種の野菜でずっと種採りをしている野菜をこの2年間、それだけを家で食べてもらったら、お医者さんが驚くほど良くなって、お薬の吸収率も高いし。
もうすごいんですよ。レントゲンを撮っても肺はスカスカ。タバコで全部細胞が潰れていて。心臓は石灰が貯まって、今この瞬間に心臓が止まってもおかしくない状態です。胆石もあるし、本当にいつ亡くなってもいい状態なんですが、ガンにはなっていないんですよ!
ご飯も食べられる状況で。バラエティで稼いでいたときに歯を5本インプラントにしてあげたので、噛めるんです(笑)。噛むことでしゃべることもできているんですよ。だから仕事をしてよかったなというか(笑)。
アンチエイジングという意味でも、いろんな意味で稼げるときにお金をかけておいてあげると、あとがすごく楽というか。本人も、この夏も倒れる寸前まで鰻などを食べていたので。
青田:いわゆる杉田さんが作られたオーガニックの畑の食べ物がお母様を支えているということですか。
杉田:私は種取りをしたり、野菜をそんなにたくさんは作っていないんですが、勉強をしたときの先輩や仲間たちのお野菜を分けていただいて。比較的在来種に近いというか、伝統野菜に近いものをけっこうお料理しています。苦味が強かったりアクも強いんですが、その分栄養素も高いので。
前に青田さんがうちに遊びに来たときにね! うちの料理が「味がない」と(笑)。
青田:そうなんです(笑)。あわあわした人生を送っていたのでね。サラダをいただいたんですね。1度ご自宅のお食事に招いていただきまして、お鍋もあるんですが、最初にいただいたサラダがまったく味がなくて……。
杉田:(笑)。
青田:「杉田さん、これ、なにか付けたりしないんですか?」と。「このままよ、このまま!」と言われて、「え~!?」と思ったことを覚えています(笑)。
杉田:私、確かにあのときはお料理もしていなかったので。ごめんなさいね、たぶん本当に味がしなかったと思う。今はお料理がうまくなったので(笑)。
青田:でも、私が思うには、野菜の味がわかっていなかったんだと思うんです。私の舌の感覚が良くなかった。
杉田:いや、私のお料理が本当に……。
青田:そうですか?(笑)。
(会場笑)
杉田:今だったらびっくりするくらい、あのときの野菜とはまたぜんぜん違う。すみませんでした(笑)。
青田:いえいえ。
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