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Does Drinking Alcohol Kill Your Gut Bacteria?(全1記事)

飲酒で体内は消毒されるのか?

インフルエンザが流行するこの時期、建物の入口で消毒用アルコールを目にすることも珍しくありません。アルコールが除菌の役に立つことはみなさんご存知かと思いますが、ではお酒を飲んだ場合、体内でも除菌効果を発揮してくれるものなのでしょうか? 今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、お酒を飲んだときの体内で消毒は行われるかどうかについて、いくつかの研究結果を紹介します。

お酒を飲むと胃は消毒されるのか?

マイケル・アランダ氏:あなたの好きな屋台に置いてある消毒用アルコール液や、診療所にある使い捨てのウェットティッシュなど、アルコールは常にものを消毒するのに使われています。

そうなると、あなたがいつもアルコール飲料を飲むたびに、それは微生物を殺すジュースの役割を果たしているということなのでしょうか。そうなるとあなたの胎内にいる有益な微生物にとっては恐ろしい話です。

しかし実際、適量のアルコールを摂取することは食中毒や下痢を引き起こす微生物を殺し、有益なバクテリアを助けてくれるのです。

アルコールが極小細菌を殺すことは何世紀も前から知られていました。

ギリシャの医者であるガレノスは西暦150年に剣闘士の傷をきれいにするのにワインを使いました。

しかしビールやワインに含まれるエタノールはアルコールの一種です。

科学的にいうと、アルコールは少なくとも1つのヒドロキシルのグループの混合物で、それは単に水素と酸素が少なくとも1つの炭素により結びついているものです。

濃度の高いアルコール、抗菌ウェットティッシュに含まれる70パーセントのイソプノパノールなどは細胞膜を溶かし、それに触れるバクテリアやウイルスを殺します。しかしウォッカのショットはたったのエタノール40パーセントですし、グラスワインの平均は12パーセント、そしてビールは5パーセントです。

これらアルコール飲料は細胞膜を破壊することができるほどの濃度はありませんが、たくさん飲めばバクテリアやウイルスを殺すことはできます。しかしそれがどのようにしてかについては、はっきりとしていません。

我々は低い濃度のエタノールでも細胞膜を不安定にすることはできるのを知っています。それは反応的酸素の代謝物を作り出すのを促進し、それが大事な細胞の一部にダメージを与えるのです。ですからアルコールは胃や腸の上位にいるよくない微生物が体に害を加える前にやっつけることができるのです。

例えば、ビールやワインはコレラ菌、コレラを引き起こす原因となる細菌をやっつけることができるのです。

コレラという病はひどい下痢を伴います。それゆえに、ジャックスパロウ船長だけでなく、長い船旅で多くの人にアルコール飲料が好まれるのかもしれません。汚染された水を飲むよりはラム酒やビールを飲む方が安全というわけです。

しかしやはり飲み過ぎは禁物

アルコール飲料はコレラ菌を殺すだけではありません。研究によれば、ワインはとくにサルモネラやノロウイルスなどの食中毒を引き起こす菌が腸内で増え広がる前にそれを殺すことができるというのです。

他の研究によれば、ワインやアルコール度数10パーセント以上の飲料を飲む人のうち80人が、肝臓の病気を引き起こす、汚染された牡蠣を食べてもA型肝炎にかからなかったというのです。

もちろん、我々の体内には有益なバクテリアも住んでいます。ですから私たちがテキーラのショットを飲むたびにそれらを殺すことになるのは嫌ですよね。実際にはそんなことは起きません。なぜなら微生物のうちの多くは結腸にいて、胃にはいないから、というのが1つの理由です。あなたが飲んだアルコール飲料が胃酸と混ぜって腸の上部に到達する時までに、ほとんどのアルコールは吸収されてしまうのです。

しかし科学者たちの中には毎晩グラス1杯のワインを飲むと、腸の下部に良い影響を与えると唱えている人たちもいます。ワインの中に含まれるアルコール成分ではない、ポリフェノールと呼ばれる混合物は有益なバクテリアの餌になり、より小さな有効な分子へと分解されます。

科学者の中にはこれらの分子が病原菌となるバクテリアの細胞膜と結びつくことができると考える人もいます。例えばクロストリジウム属に入りこんで殺すのです。

それにポリフェノールが健康を促進するとも言っています。ある研究によれば、通常ワインをよく飲む人たちに心臓病が少ないのは、ポリフェノールの副産物のおかげだというのです。他の研究も、ポリフェノール副産物により、肥満から引き起こされる新陳代謝の問題を中和する助けを得られると述べています。

だからと言ってワイン樽を開けて祝いをするのは、ちょっと待ってください。これらの期待の持てる実際の益はまだはっきりと確証されていません。それに研究者たちは節度のある飲酒を推奨しています。ですから量としては1日にグラス1杯のワインか、1、2杯のビールが適量です。

度を越した飲酒やアルコール中毒はこれとは全く異なる問題です。

例えば、2001年に発表された、比較的大きな規模の研究によれば、定期的に少量のアルコールを摂取することは、ひどい胃潰瘍を引き起こす原因となるバクテリア、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染するリスクを減少させるようですが、研究者はそれ以上に飲酒することはよくないということも報告しています。

アルコールの摂取が増えて一定の程度に達すると、感染症に感染するリスクも増えるというのです。実際、短期間の間でも長期であっても飲みすぎる人の腸の上位にはバクテリアが多く住みすぎる傾向があるのです。

科学者たちは、アルコールを大量に摂取すると、腸の動きが遅くなり、有益なバクテリアに打撃を与え、それにより有害な微生物に、増え広がる時間とスペースを与えることになってしまうというのです。

アルコールはまた、腸と胃の細胞の遺伝子に影響を与えてしまうので、それにより長期に大量に摂取し続けるなら、胃酸を出しすぎたり、逆に全く出さなくなってしまったりする原因となります。

胃酸が全くなくなってしまうと、それは大変です。なぜなら胃酸は病原となるバクテリアから身を守るもっとも有効な手段のうちの1つだからです。慢性的なアルコールの乱用は免疫システムにも悪影響を与えます。それにより通常病原体に対する免疫がとても弱くなってしまうのです。それに、言うまでもなく肝臓を崩壊させてしまいます。

あなたの内臓に細胞でできた丈夫なゴミ袋の裏地がついていると想像してみてください。アルコールとその副産物はそこに無数の小さな穴を開けてしまうのです。そうするとそこからバクテリアの有毒物などのゴミが漏れ出し、肝臓がそれを掃除しなければならなくなります。肝臓が一生懸命働けば働くほどそのダメージはさらに大きくなります。

ですから夕食とともに赤ワインをグラス1杯飲むのは、実際食中毒からあなたを守ることができるかもしれませんが、それより飲みすぎるならば、二日酔いよりもっと深刻な結果になるかもしれないのです。

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