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Earthquakes Probably Won't Destroy Us in 2018(全1記事)

地下資源の採掘や廃水の放出が地震の要因になっている?

地震大国と言われる日本。それだけに地震の恐ろしさを肌で感じている人も多いと思いますが、いつどこで地震が起きるかを予測するのは現在のところ難しく、そのために日々研究が重ねられています。もちろん、それは日本だけに限ったことではありません。海の向こうのアメリカでも地震の研究は行われており、最近興味深い研究結果が発表されました。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、科学者たちがアメリカのデータをもとに発見した最近の地震に関する研究結果を紹介します。

地震には地球の自転が関係している?

ハンク・グリーン氏:ここ最近、きちんとニュースを聞いていた方なら「2018年 史上最悪の地震発生」という見出しが気掛かりでしょう。地下壕のような地震用バンカーを用意しなければならないかもしれません。だってみなさん、確実に死にますから! 最後の言葉は大袈裟だったかもしれませんが、私の意図は伝わりましたよね。

最近開催された学会では、モンタナ州およびコロラド州の大学の科学者たちが地震予知に関する画期的な研究結果を発表しましたが、ニュースの見出しを飾るほどのインパクトには欠けました。

地球の地殻は、構造プレートと呼ばれる巨大な破片に砕け、これらのプレートがぶつかり合う場所では断層と呼ばれる割れ目があります。地球のかけらは常に多方面に動いているので、断層同士がぶつかり合い、ひずみが解放されると地震が発生します。

建物や人々に地震がもたらす被害について我々はよく知っていますので、いつどこで地震が発生するかをきちんと予見できるようにしたいと思うことは自然なことです。地震発生までに時間があればあるほど対策も取りやすいですが、これは非常に難しい課題です。 

そこで我々は、マグニチュード7.0という巨大地震につながる不思議な現象を8月に発表した地質学者たちの研究にたどり着きました。

マグニチュードというのは、地震の強度を示す国際的な数値であり、数値が大きければ大きいほど体で感じる大きな地震だということです。

1900年以降、だいたい30年ごとに世界中で巨大地震が発生し、1年間に15回程度ではなく25回程度地震が発生していると言われています。さらに驚くべき事実は、このパターン化している地震の発生が地球の自転と関わっているかもしれないということです。

地球の自転は一定ではなく、月や重力や他の要素によって自転速度は減速します。そしてある一定期間、地球の自転が遅くなった後、大規模な地震が発生しているということを科学者たちが発見しました。

地球の地殻が溶融層の上にあるため、地球の自転が少し遅くなると内側が少しバチャバチャと動くため地震が起きやすいと考えられていました。ブレーキを踏んだ時にコップの中のコーヒーが動くことを想像すればわかりやすいと思います。

元通りになるまで5年くらいかかると言われていますが、その間、断層の近くにエネルギーがたまる可能性があり、そのせいで地殻変動が起きやすくなり巨大地震が起きているのかもしれません。少なくとも科学者たちはここまで推測できています。

科学者たちが地震発生の要因となるデータを発表

地震学は多くの謎に包まれた科学であり、不確かなことしかわかっていません。地球の自転と地震の間に相関関係があるかどうかについては、議論の余地があると科学者たちは言っています。

直近の減速が2011年に始まり、すでに5年以上が経過していますが、過去100年間のデータに基づいて2018年に地震が起きるかもしれないと予測はしているものの、確実に巨大地震が発生すると予測しているわけではありません。

これはある種の地震学のモットーなのかもしれません。なぜなら、統計学やコンピューターモデルの発達によって科学者たちはさまざまなことを予測することができるようになりましたが、地震は非常に複雑でいったいいつ断層がエネルギーを蓄え始めるかをすべて解明することはできません。

しかし先日、科学者たちはアメリカ合衆国の中央地域で地震発生の要因となるデータを発表しました。これは決して新しい事実ではありません。

科学者たちは2009年以降、この地域で頻繁に起きている地震について調べてきていました。2012年以降の研究によると、地震の頻発は、天然ガスの採掘や不要な化学物質を含んだ廃水を抽出する過程で土壌に放出したりすることと関連しているかもしれません。

科学者たちは、アメリカ中部の地殻の間に天然に存在する気孔の気圧を変えて、地面を平衡状態にすることができるのではないかと言及しています。

地震がどこで発生しているのかを組み込んだ統計モデルを使うことでポンっと相関関係が明らかになりました、と言ってもこんな簡単に説明がつく議論ではありませんが、いまだに誰も地殻の岩を見たことがありません。

先日研究結果を発表した科学者たちは、いわゆる地震反射というデータを使用してアメリカ中部にあるホットスポットと呼ばれる地域にある地殻の地図を作りました。

地震反射は音波探知機(ソナー)のような技術で、科学者たちは特殊な機械を使って地下数キロメートル先にある岩に振動を伝えています。基本的にはこの振動が地上にいる受信者に反射し、地下で何が起きているかを知らせてくれる仕組みになっています。

天然ガスや石油の埋蔵を発見するために使われたりしますが、地震学者や地球物理学者はどんな岩が埋まっているのか、何年そこにあるのか、深さどれくらいのところにあるのか、どれくらい無傷なのかを調べるために使用します。

科学者たちがアメリカ中部の断層について詳しく調べるために記録データを見たところ、いくつかの断層は何百万年もの間、活発に移動しているのに対し、他の断層は動いていないはずだと思い込んでいました。人々が地殻について問題を引き起こすまでは。私たちはSF映画から何も学ばなかったのか……。

良い結末が待っているわけではありません。ポール・ジアマッティがどこかの部屋で警告しているかもしれません。

これは、人的活動と地震の間に現実に相関関係があるということの証です。統計モデルがあると確証を持てない場合もあります。でも誰かが岩について調べてくれたおかげで、小さな揺れの増加について何か新しいことを始めることができるかもしれません。

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