
2025.03.07
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Will the Moon Ever Leave the Earth's Orbit?(全1記事)
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オリビア・ゴードン氏: 月は地球から38万4千キロメートル上空で安定して周っていると、子供のころに教えられたと思います。しかし実際は少し違います。月の軌道は毎年少しずつ大きくなっているので、みんなが好きな衛星はすこしずつ遠ざかっているのです。
しかし幸運なことに、月が遥か彼方に飛んでいってしまうのを心配する必要はありません。平均すると月の軌道の広がりは年に3.8センチほどです。爪が伸びるのと同じぐらいの速度ですね。
この早さは45億年前に月ができた時と比べると大きく異なります。シミュレーションによれば、その当時は今より2万2500キロメートルも地球に近く、17倍も大きく見えたそうです。夜に見える月の話ですよ。
この調子で月が遠ざかっていけば、いつしか地球の重力圏を離れてしまうんじゃないかと思うかもしれません。ですがこの遠ざかっていく動きは、同時に遥か遠くに消え去るわけではないことも説明しています。「角運動量保存の法則」と呼ばれるものです。
物理学で角運動量とは、回り始めたものが回り続けようとする力と定義されます。フィギュアスケート選手のように1つの物体でも、地球と月のように複数の物体が一緒に動く場合にも成り立ちます。
角運動量には2つの要素で決まります。質量がどのように分布しているかと、どれぐらいの早さで回るかです。運動量が保存されているということは、同じ状態を維持しているということです。もし回転速度が変わったなら、その速度変化分だけ質量の分布も変わったということです。
その逆も起こりえます。回転しているフィギュアスケート選手が腕を広げると回転速度が落ちますよね?
これが角運動量保存の法則です。腕を広げるということは腕の質量が体から遠ざかるので、結果として角運動量が大きくなってしまいます。角運動量を同じにするために、回転速度が遅くなって増えた分を埋め合わせるわけです。
同じことが地球と月の間でも起きます。現状では月の重力が地球を引っ張っているので、満潮が生じます。ですが地球の自転は月の軌道より早いため、潮の膨らみは月より前に出ます。月に引っ張られることで地球の自転は遅くなります。ニュートンが解明したことですが、2つの正反対の力が常に釣り合っているため、地球は月を引き寄せ続けながら、同時に追いつこうとしています。
こうした一連の過程の中で、地球はその内部での動きや海のしぶきの摩擦によって多くのエネルギーを失い、自転速度が遅くなります。
地球の自転が遅くなると、地球と月の質点系における質量が外側、つまり月の側に移動します。
この地球と月の引っ張り合いが続くと、理論的には数百億年で地球の自転と月の軌道が一致します。1日の長さと、軌道が広がった月の1ヶ月、約6週間程度が一致するのです。月の一面しか見られない状態で、かつ地球も同じ面を月に向け続けることになります。これは「潮汐固定」と呼ばれます。
こうなると地球の満潮が月の方向へ向くことになり、これ以上遠ざかることはなくなります。ですが残念ながら20億年後には太陽が赤色巨星となってしまうので、そうなるまえに太陽が地球と月を飲み込んでしまうでしょう。
月が地球を離れていってしまったらどうしようと心配するかもしれませんが、太陽にとっての中年の危機(注:中年期に抱える鬱や不安障害)によって地球が壊滅するほうが先になります。
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