2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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夏生さえり氏(以下、さえり):ちなみに食と恋って言われてパッて思い出すことってありますか?
犬山紙子氏(以下、犬山):食と恋?
さえり:本当になんでも。けっこうささいなこととかあると思うんですけど。
犬山:食と恋……カレーライスかな。
さえり:カレーライス?
犬山:私、料理をまったくしないということをずっと言ってまして。まったくしないんですよ。
さえり:はい(笑)。
犬山:するとゲロ吐くんですね。
さえり:え?
(会場笑)
犬山:そんぐらいトラウマなんです。私にとって料理は。
さえり:へえ。
犬山:その私が、1回カレーを彼に作ってみようと思ったときがあったんですよ。なんかの拍子に、たぶん焦ってたのかなんか。それで作ったときになんか悲しくなってきちゃって。
それは、私の精神がちょっと危うかったんだと思うんですけど、作りながら「どうせこれ作ったとしても、なにも変わんねぇんだよな」とか思い始めて。
さえり:あはは(笑)。
犬山:号泣しながら作る……。で、彼もドン引き。
さえり:しかも彼、それ見てるんですね。
犬山:見てます、見てます。
さえり:それ、彼が「作って」って言ったとか。
犬山:ぜんぜん違うんですよ。私が勝手に「自分で今日は作る」とか言って、で、1人で泣きながら作って。
さえり:怖い、怖い、怖い(笑)。
犬山:しかも、出来上がったものはぜんぜん美味しくなくって。で、彼はちょっと無理して食べようとしてくれるんですけど、私がもう癇癪を起こして「こんなもん食えねぇ!」みたいな。
さえり:(笑)。
犬山:っていう恋と食の。
さえり:状況がめちゃめちゃ怖いんですけど。
犬山:そのときの私は追い詰められてましたね。たぶんね。
さえり:そうなんですね。え、追い詰められてるから料理を作ったんですか?
犬山:なんか、私が料理をすればなんか変わるのかなとか、そのとき思ったんですよね、1回。まあ、なんも変わらなかったです。
そもそも料理しないっていう女と付き合ってますからね。そこは。
さえり:「料理してくれ」って言われたわけでもないけど作り始めて泣き始めて。
犬山:もう一人相撲ですよ。
さえり:あはは(笑)。その思い出が一番最初に。
犬山:そうですね。
犬山:だから私、今料理をしないっていう話をしたので、この家ご飯の章があるんですよ。さえりさんがご飯を作るだったりとか、彼がね、たまに作ってくれるみたいな。
さえり:一応、外ご飯とかありますからね。
犬山:家ご飯は、いいんですよ。
さえり:家ご飯はね、私も欲しいんですよ。
犬山:これ、さえりさんはけっこう作るっていうパターンが書かれてるんですけど、これが男だったら最高だと思って。
さえり:あー。
犬山:だってオムライスとか作ってくれるんですよ。
さえり:オムライス作ってほしいな。
犬山:え? 作ってほしいんですか?
さえり:いや、私も作ってほしいです。
犬山:だって、妄想だと作るほうになってますけど。
さえり:いやいや、私はもう作ってほしい。本当は。「もう作ってくれ」っていうタイプなので。どっちかっていうと。
犬山:あ! そうなんだ。じゃあ一緒じゃないですか、私と。
さえり:そうですね。私も自分で料理とかあんまりしたくない感じですね。それよりはね。料理が得意な人がいたりとかして、作ってくれてって最高じゃないですか?
犬山:いや、最高です。
さえり:ですよね。今、でもお家は。
犬山:今はそうなんですよ。夫が家事担当してるんですけれども、でも子どもが産まれてちょっと料理に手が回んなくなっちゃって。
さえり:そうなんですね。
犬山:今、ほぼ外食というか。テイクアウトだったりとかになってます。
さえり:へえ。そうなんですね。
犬山:子ども産まれる前は夫にちょっと作ってもらってましたけど。
さえり:旦那さんがつるちゃん(劔樹人氏)。
犬山:はい。つるちゃんという。
さえり:つるちゃんっていう旦那さんが。
犬山:顔がカラアゲにそっくりな。
(会場笑)
さえり:カラアゲ?
犬山:調べるとわかると思います。
さえり:顔が。
犬山:似てるって。カラアゲに。
さえり:カラアゲ……それ本人はどういう評価なんですか? 「たしかに(似ている)」みたいな。
犬山:たぶん、「たしかに」だと思いますね。
(一同笑)
さえり:つるちゃんの漫画は私けっこう見ていて。
犬山:ありがとうございます。
さえり:はい。すごい好きです。家事をしてる毎日の様子。犬山さんが酔っ払って帰ってきて靴下をどっかに飛ばしてる、その靴下片っぽ見つからないっていう漫画とかありますよね。
犬山:そうですね! ありがとうございます。宣伝を。そんな漫画を、この間つるちゃんが出しまして。
さえり:すごい好きです、あれも。
犬山:はい。男性が家事をするっていう漫画なんですけれども。(『今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻のほうが稼ぐので僕が主夫になりました』)
さえり:私は今回は犬山さんの新しい本、『私、子ども欲しいかもしれない。』を読みながら、「子どもが欲しい」っていうとこまで飛躍しましたね。
口説き文句とかゆるふわとかどうでもいいんで、「ちょっと子どもください」みたいな気持ちになって。
犬山:いや、だからそこがすごいなと思って。私はぜんぜん子ども欲しいと思えなかったんですよ。
さえり:うんうん。
犬山:自分が子どもを欲しいかどうかわからなくって、悩んで悩んで。でもまわりはなんか産んでてすごく楽しそうだし、でも苦しそうでもあるし。私ストレートに欲しいって思えなかったから、どうしたらいいのっていう、そこからスタートだったんですけど。
素直に子どもがほしいと思える気持ちを、ちょっとどういう感じなのか聞いてみたくて。
さえり:私はもうずっと子どもが欲しいんですよ。結婚はしばらくしてからしたいな、あんまり若いうちにしたくないな、みたいな自分の気持ちはあって。
理想が29とか30とかで結婚するみたいなのが、まあ理想なんですけど。それはいったん置いといて。子ども欲しいっていうのは、もうずっと高校生くらいのときから。
犬山:え!?
さえり:「子ども欲しい」「子ども産みたい」「御子(みこ)~」とか言いながらジェットコースター乗ったりしてますからね、たまに。
(会場笑)
犬山:えー!?
さえり:いや、まじひくんですけど。最近はもう友達とそういう話が多くなってきて、「結婚したいね」とか、「子ども産んだらどうなるのかな」とかそういう話、すごいするんですけど。
さえり:独身同士でジェットコースター乗って「子ども産みたーい!」とか言いますからね。
犬山:それはなんで、そう素直にそう思えるとか。分析とかすると。
さえり:単純に子どもが好きとかはもちろんあるんですけど、それよりも母親になったときの自分の気持ちにすごく興味があるんですよ。
まあ産んだからって突然母親になれるわけじゃないと思うんですよね。自分の気持ちがどんなふうに変わっていくのかな、とか、そういうところにすごい興味があって。
犬山:なるほど。自分がどう変わっていくのか。
さえり:自分がどう変わっていくかとか、自分がどういうお母さんになるかなとか、自分が育てた子どもってどんな感じになるんだろうみたいな。
「子どもと○○したいから産みたい」とか、そういう感じではあんまりなくて。それよりは関係性が楽しみみたいな。
それが、もしかしたら思いもよらぬことになるかもしれないし、自分とはもちろん別の人間が出てくるわけじゃないですか。
犬山:うん。そうっすね。
さえり:ですよね。そしたら、なんかこう自分とこの人から生まれたのに、例えばなんでこんな変わった子なんだろうとか。こんなことに興味あるんだとか、なんかそういう発見が楽しみなんですよね。
犬山:私はなんでそう思えなかったんでしょうかね。なんかね。
さえり:思えなかったって書いてありましたよね。
犬山:そうなんです。不安ばっかりでしたね。
さえり:それは、どういう不安なんですか?
犬山:まずはすごく趣味が大事だったので。趣味ってたいそうなもんじゃなく、ゲームなんですけども。
さえり:ゲームですよね。あはは(笑)。
犬山:でも、ゲームする時間とか、私の生きる中でランキング上位なんですよ。生きる理由。ゲームができるって。
さえり:すごい。
犬山:そうなんですよ。将来自分は長生きしたくて。長生きした分、進化したゲームが遊べるからって、ただそれだけのけっこうな理由なんですよ。
てか、体が動かなくても、ゲームとかってもう私がばーちゃんになる頃は、たぶん目つぶっててもできるんですよね。
さえり:あー、ありそうですね。
犬山:こうやってVRみたいなものがあるんでしょうね。ずっとモンスターと戦ってられるわけですよ。そんな素晴らしい世の中が待ってるんだから、長生きしなきゃいけないっていう。
そんぐらいの私の中で趣味って、漫画とか読書とかゲームとかはすごく優先順位が高かったので、(子どもが生まれると)まずその時間がガリガリ削られるっていうイメージと、あとは旅行も好きだったので、旅行もあんまり行けなくなるのかな、とか。
犬山:あとはお金ですね。お金も、もう自分の好きには使えなくなるかなあとか、フリーランスなのにやっていけるのかなとか。
さえり:うんうん。フリーランス、すごい最近不安なんですよ、だから。
犬山:おっ。
さえり:去年の4月に私、独立をしてフリーランスになったので。「子ども産みたい」とか言ってたけど、子どもに全部時間持ってかれるんじゃないかみたいなのは、最近になって不安になってきました。
やっぱりかわいいだろうし、仕事とかね、したくなくなりそう。
犬山:でもなくなったりとかしない。その間休むっていうのは1つの手ですよね。相手が稼いでたら。もしくは自分で貯金をしてたら。
さえり:相手が稼いでたら。そうですよね。
犬山:そうですね。だから、なんかそのへんの不安がすごく大きすぎて。なんかあんま良い人生が待ってる感じがしなくって。
さえり:うんうん。犬山さんに激しく同感です。社会人になってから、ますます子どもが欲しいとは思えなくて、「『子ども欲しい』って思って、言える友人が羨ましいです」って書いてありますね。
犬山:本当に心からスッと言えたら「どんだけ楽なんだろう」って私も思いながら。
さえり:子ども自体は、他人の子どもとかはかわいいと思ってはいたんですか?
犬山:それまでは1ミリも思ってなかったです。
さえり:そうなんですね。
犬山:子どももそんな好きじゃなかったっていうのと。子育てっていう事に対して私、あんまりポジティブなイメージがなかったんですよ。
めちゃくちゃ面倒くさそう、大変そうというか。自分の好きな作業があんまり入ってないイメージがあったんですね。
家事……どっちかっていうと家事の割合が大きそうなイメージだったんですけど、まあ産んだら産んだでどうにかなったっていう。
犬山:でも子どもってギャンブルですね。
(会場笑)
さえり:あはは(笑)。
犬山:どんな子が生まれるかわかんないですもん。
さえり:(犬山氏が出産したのは)1月でしたっけ。
犬山:1月生まれです。はい。
さえり:今年の、1月に産まれまして。
犬山:今、9か月なんですけれども。(2017年10月現在)
さえり:ギャンブルね。
犬山:はい。ギャンブルですね。保育園に入れるかも、まじでギャンブルですし。
さえり:そうそう。そのへんの話もすごい書いてあって。子どもが欲しいと思う人だけじゃなくって、「私は欲しくない」っていう人とか。どうしようか迷ってるっていう人とか、いろんな人の声を聞いて作った本なんですよね。
犬山:はい。もう本当にレズビアンの方から子ども産まない方から。あとは、子育て終えた方の話とかも。
さえり:すごい良かったですね。子育て終えた方のどうやって育てたかみたいのとか、どう思ってたかみたいなのとかも書いてあったり。中にアンケートとかもね。
リアルな声とか入っていてすごくおもしろかったです。
犬山:やっぱり私、この本を書く上で、「子ども産んだほうがいいよ」って本には絶対したくなかったんですよ。
私は悩んでるし、私は産んだけれども、だからといって「みんな、子ども産もうね」っていう本ではなくって。
いろんな方に話を聞いていて、すごい思ったのが、みんながいろんな人生の生き方してるんですよ。
でも、それを精一杯自分で自分のことを後回しにしないで、「私はこういうふうにしていきたい」っていうふうに進んでいる人であれば、子ども産んでようが産んでなかろうが、どんな生き方しようが、それぞれ幸せになれるかたちっていう道がちゃんとあるんだなっていうのが、すごくこれをやってみえたので。
すごい自信がわくというか、自分がどの選択してもそれをしたいっていう欲求がちゃんとあるなら大丈夫だっていうのを、なんか思いましたね。
さえり:本当、いろんな選択されてる方いましたもんね。子どもをフルに預けて自分がめちゃめちゃ働きますみたいな方も。
犬山:そうです。
さえり:子どもを産まないって理由もすごいしっかり書かれていて、こういうふうにしていきいき暮らしている方もいるんだって思えるとか。
犬山:子どもをもたない方が、子どもをもたないことで後悔してることとか悩みとかありますかっていうアンケートをとったら、ほぼないっていう答えだったんですよ。
犬山:あるとしたら、周りからの「子どもは?」っていうハラスメントの声ですね。
さえり:それはありますよね。
犬山:それぐらいで。なんだーっていう。結局やっぱみんな、なんかまだ言いにくい世の中かもしれないけど、自分で選んだ道だったら、ちゃんと幸せになってるんだなっていう。
さえり:うんうん。この本の執筆中に妊娠発覚みたいな感じだったんですよね。
犬山:そうです、そうです。
さえり:中に「妊娠しました」みたいなのと、「出産しました」みたいなのが入ってて、前から読んでると、「えー!」みたいな感じになるんですよね。びっくりしました。
犬山:出産……はい、妊娠しましたね、この本書いてる最中に。
さえり:なんていうんですかね。やっぱ子どもを持とう! と思ってというわけじゃあ……。
犬山:じゃないんですね。
さえり:ないんですよね。
犬山:運に任せた感じです。もう子ども欲しいかどうかで最初からわかんない人は、どんだけ考えてもわかんないっていう答えが出たんですよ。
どんだけ考えても答えが出ないから、じゃあまあ、できてももう後悔はしないって決めて。で、本当にゆるい妊活というか……。
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