2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
The Next Step to a Holodeck(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:現代では、バーチャル・リアリティーを使えばなかなかおもしろいことを経験することができます。
ヘッドホンをセットすれば現実の世界では危険で不可能であったり、実現性が低いことであったりしても、ビデオゲームの中で実物大の恐ろしい宇宙人と対決するのはただ単におもしろいというだけではありません。VRには科学者やエンジニアにとって多くの可能性が秘められています。
例えば、スポーツカーをデザインしているとします。コンピューター上で3Dモデルを設計するために、さまざまなCAD(コンピューター支援設計)ソフトがあります。しかしVRを使えば、試作品を作らずに実物大の車の周りを歩き、さまざまな角度から車を見て、いろいろな要素で遊んでみることもできます。
最終的なVRシステムは、『スタートレック』で出てくるホロデッキのようなものになるかもしれません。自分が欲しい環境やシナリオをひとつの部屋の中に作り上げ、まるでそこにあるかのように見ることができます。
実際にヒトやモノに触れられて、本物に見えて、本物に感じることができます。まだホロデッキのレベルまで到達していませんが、だんだん近づいています。次の段階に進む大きなステップは、実際に触る感覚のシミュレーションかもしれません。
現在の最新VRでは、現実の部屋の中を歩くことで、周囲にシミュレーションされた世界と関わり合うことができるようになっています。敵にパンチしたり、仮想モデルに変更を加えたりしたい場合はコントローラーなどを操ることになります。
このような方法で仮想世界を体験すると、かなり直感的だし、コントローラーがちょっと振動するだけでより現実感が増します。例えば自動車をもっと大きくしてボンネットのカーブ具合を目で確認したりすることができます。しかし、自動車の金属的骨組みの滑らかさや曲線を実体験のように感じることはできません。
本当はそこに何も存在しないのに、あたかも存在しているかのように感覚に陥ることを触覚フィードバックと言います。
触覚フィードバックの中でも、コントローラーや特別な手袋を通して手で感じることができるようにするためのプログラム設計はそんなに難しくありません。この技術は何十年も前から開発されていますが、何も手に持っていないにもかかわらず薄い空気だけで敵の肌や自動車を手で直接感じたりするための技術は非常に難しいです。
その答えは「音」にあります。音波は単なる振動です。話す時、周りの空気分子が前後に動き、その振動が鼓膜を刺激し、脳が振動を音と認識します。
しかし、音として認識できるのはある特定の振動数に限られ、だいたい秒速20ヘルツから2万ヘルツの間です。秒速2万ヘルツを超える音波は超音波と呼ばれ、スーパーマンか何かでない限り、高音すぎて耳で音として認識することはできません。
たとえ聞こえなくても、音波は存在しています。ある程度の強さがあれば、音として振動を指で感じることができます。
詳しくお話ししましょう。超音波を正しい方法で集中することができれば、空気中の振動を固体物として認識できるようになります。これはまさにVRの専門家がここ数十年間の時間を費やしてきていたことです。
2008年、東京大学の研究者たちが、空気中のある特定の場所で指を触れた場合に超音波を放つ振動子の配列を使って初めてこの技術を成功させました。その特定の場所を触った際、何か固形物を触っているかのような感覚を受けます。
以来、専門家たちはこのアイディアの確立に努めてきて、さまざまな形や質感のものを作り上げる段階にようやくたどり着きました。もしある程度の強さで押すと、空想上の固形物を壊してしまうので、実際の自動車を触っているということとは異なりますが、ちょっと特別な感じですよね。
ある企業は振動子の配列が入っている特別な箱を用意し、3Dで触ることができるホログラムのプログラムを作成しました。この箱の中に手を入れて、鹿と触れ合ったり、ビーチボールを投げたりすることができます。
ここまでかなりの進歩ですが、このような触覚フィードバックを実際のVRに組み込むにはまだまだ長い道のりがあります。まず、単なる箱ではなく振動子を取り込んだ部屋が必要になりますが、当然価格も高くなります。コンピューター科学者たちは、手で触れる時の感覚をシュミレーションの中に組み込む方法を見出さなければなりませんが、そのための処理能力がたくさんあり過ぎて非常に難しいです。
したがって火星の土壌を足先で感じたり、自分がデザインしている自動車のボンネットを直接手で感じ取ったりするためにはまだ時間がかかるかもしれません。
しかし、触覚によってバーチャル・リアリティ体験の新たな道を切り拓くことになり、エンターテイメント、エンジニアリング、ありとあらゆる方面に変化をもたらすことになります。この過程は、ホロデッキに近づくための大きな一歩になります。
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