2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
A New Secret Ingredient to Making Queen Bees(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:もし女王蜂になれたら、ふんぞり返って他人が労働するのを眺め、豊富なプロテインと甘い糖分、美味なる脂肪酸を含む、ねっとりしたローヤルゼリーを食べることができます。以前のSciShowでもお話ししましたが、この栄養分を高密度に含んだ食べ物は、ハチの幼虫をコロニーの女王蜂に変えるのです。
ローヤルゼリーが女王蜂の発達に重要な役割を果たすことは長らく知られており、どの成分にその秘密が隠されているのか研究されてきました。その結果、ローヤルゼリーの驚くべき効果をもたらすものは、ローヤルゼリーの中にはないことがわかったのです。
中国の研究チームが昨日『PLOS Genetics』誌上で行った発表によりますと、女王蜂以外のハチがもらう「おこぼれ」には、ローヤルゼリーにはない植物RNA成分があることがわかりました。このRNAが、メス蜂の成長を低下し繁殖力をつけることを妨げ、働き蜂になるよう宿命づけるのです。
植物が動物の社会構造の変化に間接的に関わる、興味深い例だといえるでしょう。人間でいえば、食べたジャガイモが、大統領の選出に影響があるようなものです。
奇妙に聞こえるかもしれませんが、研究者たちが植物成分の関与に勘付いたのは、ローヤルゼリーが育児蜂の頭部の腺から分泌されるものであるため、つまり動物が産出するものだからでした。
働き蜂がエサとするのは、より単純な、ビーブレッドと呼ばれる花粉と蜜の混合物で、植物に由来が深いものです。植物にはmicroRNA(miRNA)という鎖長の短いRNAがあり、これはリボ核酸とも呼ばれています。これは植物の生体内で、発現する遺伝子を調整します。
ちなみに、私たち動物もmicroRNAを持っています。この短い配列のRNAは、他の大きなRNA分子と結合し、たんぱく質を合成します。また、たんぱく質と結合することにより老化プロセスへとスイッチングを起こします。
不思議なことに、これらの小さな植物由来のRNAは、食品として動物に摂取されても、消化されることなく動物の細胞内に移動します。つまり、ある種の植物由来のmicroRNAは、蜂が生成するたんぱく質を決定するのです。
ある研究チームがこの2種類のエサに含有される植物RNAを調べたところ、その量はローヤルゼリーよりもビーブレッドにより多く含まれていることがわかりました。そして研究室で精製した植物RNA入りのビーブレッドを幼虫に与えたところ、体重が軽く、体長は短く、卵巣は小さくなり、より働きバチに近い形態になったのです。
研究者たちがRNAの作用を知るために、RNAの標的が何かを調べたところ、その多くはミツバチの発達に関連することがわかりました。
精製エサは、社会性もカースト制もないミバエ(キイロショウジョウバエ)に投与しても軽く、小柄になり、繁殖力が低下することがわかりました。
しかし生物学者は、ごくわずかのメス蜂しか女王になれない理由は、ビーブレッドに含まれる植物由来のmicroRNAだけだとは考えていません。結局のところ、ローヤルゼリーにもさまざまな効能があるのです。
ローヤルゼリーには、このような発達を遅らせる分子は含まれていません。生成される過程で、分子は取り除かれてしまうのです。私たち同様、食の準備はハチにも重要事項なのです。
さて、今週のテーマはハチだけではありません。スミソニアン国立自然史博物館とイリノイ州立大学は、アリがアゴを使って獲物を捕らえる、まったく新しい方法の詳細を発見しました。「トラップ・ジョー・アント(顎を罠として使うアリ)」として知られるグループについての研究が、『Experimental Biology』誌上に発表されました。
このグループのアリは、すべてがバネ仕掛けのカタパルトのように機能するアゴを持ち、横向きにかみつくワニのように、下顎骨で獲物を串刺しにして捕らえます。
しかし、このアリは種によりそれぞれ少しづつ異なるアゴを持ち、それぞれ別の部位を掛け金やバネ、引き金のように使用します。実はトラップ・ジョー・アントのグループは、お互いがそれほど近い種ではないのです。
彼らは『モトリー・クルー』(アメリカの人気バンド名)、つまり雑多な寄り集まりで、長い時間をかけ4段階以上を経て、個別に口部を進化させたのです。
研究者たちはトラップ・ジョー・アントの中でも特に長くて鋭い下顎骨を持つ2種である、ハンミョウアリを調べました。恐ろしいことに、ハンミョウアリの下顎骨は、280度も開くことができるのです。
まだこれらの種については知られていなかったので、研究するにあたり、研究チームはマレーシアから複数のコロニーを持ち帰り、ラボで高速カメラで撮影してみました。すると、このアリは1000分の1/2秒でアゴの開閉をすることがわかったのです。これはまばたきよりもはるかに短く、通常のアリが筋肉だけを使った場合よりも、100倍もの力を出すことができます。
研究者たちは、ハンミョウアリにこのような芸当ができるのは、後頭部にある突起をバネのように圧縮してアゴを強化するためだと考えています。アリをCTスキャンで撮ると、頭内部には大きくてゆっくり動く筋肉があり、収縮することによりバネに負荷をかけていることが明らかになりました。さらに、小さいけれども極めて俊敏に動く筋肉が、すべてを猛スピードで動かします。
この2本の筋肉だけでアリの頭の1/4を占めており、脳と目を合わせた倍以上の大きさです。このように、たいへん驚くべきハンミョウアリですが、実はトラップ・ジョー・アントのグループの中でも動きは遅い方で、その差は10倍ほどです。しかし、目まぐるしく跳ねまわるトビムシという、昆虫に近縁の動物を捕らえるには、十分の速さです。つまり、これ以上速く動く必要はありません。昆虫が捕食する、ユニークで驚くべき方法の1つにすぎないのです。
昆虫の研究は、何世紀にもわたって続けられてきたものですが、世に何百万といる昆虫について、まだまだわからないことはたくさんあります。自宅の裏庭にいる、奇妙な虫についてちょっと調べるだけでも、多くのことを知ることができるでしょう。
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