CLOSE

【ママがおばけになっちゃった! 絵本作家 のぶみの世界展】トークショー(全10記事)

キンコン西野「本屋の敵はAmazonではない」 恋人とのLINEよりも読書を選んでもらうために考えるべきこと

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ」。今回は、8月に行われた「ママがおばけになっちゃた! 絵本作家 のぶみの世界展」の会場から、2人のトークショーをお届けします。本パートでは、Amazonと本屋の関係について両氏が語りました。

新刊を発売日までに2万冊売り上げる

西野亮廣氏(以下、西野):いやもうね、(サイン会を)最近減らしました。もうサイン会やめて飲み会にしようって言って。

のぶみ氏(以下、のぶみ):それがいいよ。

西野:それにしたんですよ。次に10月に本が出るんですけど。

のぶみ:発売日までに2万冊を売り上げようと思ってるんですよね、今ね。

西野:はい。

のぶみ:それは、今どのくらいいってるんですか?

西野:いや、これは2万冊はいけると思います。2万冊はいけるんですよ。

のぶみ:さすがだねえ。難しいんだよ?

西野:それはいけると思うんですけど。問題は、Amazonでどれくらい売れてるかわからない問題があるんですよ。つまり、僕は1ヶ月ぐらい前から……『革命のファンファーレ』っていうビジネス書なんですけど、その予約をスタートさせてるんですね。で、広告の本なんですけど、広告のランキングで1ヶ月ぐらいずっと1位なんですよ。

のぶみ:広告のランキング?

西野:あれですよ、ビジネスとか。なんかあるじゃないですか、カテゴリで。

で、それがどれぐらい売れてるかわからないじゃないですか。僕が受け持ってる僕のクラウドファンディングだとか、僕のネットショップだったら、今日50冊はけました、昨日100冊はけました、今のところ累計これぐらいですね、っていうのがわかるんだけれども。それで僕のほうで2万冊売るっていうのは決めてるんですよ。そこは計算ができるんですね。でも、Amazonで今どれぐらい売れてるかがわからない問題があるんですよ。

のぶみ:それって、出版社に聞いたらわかるんじゃないの?

西野:これって出版社ごとに違うみたいで。1週間ぐらい前にわかるんですって。

のぶみ:ああ、そうなんだ。

西野:ってなってくると、極端な話、今Amazonで100万冊売れてる可能性もあるわけですよね。でも、初版はたしか5万部なんですよ。

のぶみ:5万は高いよね? すごい高い。

西野:僕が個人で2万ですよね。あと残ってるの3万ですよね。で、Amazonで、3万以上もし売れてしまっていたら、じゃあ本屋に流通するぶんどこに行く、どこから用意する? でも、1週間前にそんなことを知らされたところで、今から急いで刷っても発売に間に合わないじゃないですか。本屋さんに。

今そういう問題になってるんですよ。だから教えてほしいんですけどね。で、どうにか知る方法があるのかな? でもわかんないですけどね。

Amazonのバナーを1記事に40個貼った結果

のぶみ:僕、昨日『スッキリ!!』に出たときに、出版社から教えてもらったんですよ。Amazonに2,000冊入ったんですよ。もう、放送終了後に1時間しない間に売り切れたそうですね。だから、それが瞬間1位になるんですよね。だいたい200冊くらい売れると、本のランキングで1位になる、らしいんですよね。

西野:その瞬間に200冊売れたら。

のぶみ:そうです、そうすると。そうか、わからないんですね。

西野:目安としては、あの1位っていうのは、1時間にだいたい200冊ぐらい売れているってことですか? どうなんですかね、それぐらいなんかな?

のぶみ:それぐらいなんかな?

西野:それがわかんないじゃないですか。だから今Amazonで、そこどうするんだろう? っていう。

のぶみ:そうなんだ。

西野:実は前回の、出した本は、最初1ヶ月ぐらいずっと品切れだったんですよ。

のぶみ:そうだよね。10万部売れたんだよね。

西野:10万部売れました。

のぶみ:けっこう置いてあったけどね、本屋にもね。

西野:はい、でもAmazonのほうは、ずっと品切れだったんですよね。そうなるのが嫌だなあっていうのが。そっちですね。

のぶみ:でもそれだけ、よく著者の人が、売り上げをちゃんと気にしてうまくやってるよね。すごいよね。あれ、誕生日のときに、西野さん1位になったんですよ、本ランキングで。

西野:今年の誕生日ね。僕、誕生日7月3日なんですけど。『えんとつ町のプペル』が出たのって、去年の10月とかなんですよ。だから、ほぼほぼ1年前の本が、今年の誕生日にまた1位になったっていう。

のぶみ:ブログで「絶対買え」っていうの推したんだよね。

西野:そうなんですよ。そっちが、あれなんて言うんですか、バナー? Amazonのバナー。あれ、ブログのケツにいっつも、えんとつ町のプペルのバナーを置いてたんですけど、みんなあんまりクリックしなかったんですよ。なんでしないんかなあと思って。これもしかしたらバナーの数が少ないのかもしれない。で、1つの記事にバナーを40個ぐらい貼り付けてやったんですよ。Amazonチャンスをたくさんあげてですね、お客さんに。

今だぞ、今押せたぞっていう。何回かチャンスあげたら本当にみんな、シャレでけっこう押してくれたっていう。あれバナーの数だったっていうのがわかりました。

のぶみ:バナーの数なのか(笑)。

西野:僕はそこにバナーにいくまでの、感動の文章みたいな。ここで胸打つ文章をやって、最後にバナーやったらぽちっと押してくれるのかなって思ったらそうではなくて。単純にバナーの数です。

のぶみ:俺もやってみよう、今度(笑)。俺が、だってもうここでも、この会場でもプペルずっと売ってるって。

西野:本当ですか!? ありがとうございます。

のぶみ:売ってます、売ってます。

西野:じゃあ僕のときも、のぶみさんの本もぜったい売ります。

「Amazonで買って」で本屋から苦情

のぶみ:買おうみんな、ね。でもこの前僕、炎上したことがあるんですよ。『このママにきーめた!』が出たときに、それがなんで炎上したっていうと。

西野:聞いてください、炎上のこと。

のぶみ:「Amazonで買って」って言ってたんですよ、ずっと。発売前だったから、「本屋に売ってないのでAmazonで買って」って言ったんですよ。そしたら、本屋さんたちが、「じゃあのぶみさんの絵本はもう置かない」とか言い出したんですよ。

西野:え、本屋さんから!?

のぶみ:うん。本屋さんから、すごい苦情がきたんですよ。

西野:えー!?

のぶみ:でもさ、俺の本、そもそも本屋さんに置いてないときあんの。そもそも、絵本のコーナーが本屋さんにないときがあるから。

西野:そうですね。

のぶみ:「お前のところは本当に俺のコーナーが絶対あって、充実してた上でそれ言ってんだな?」と思ったんだけど。「のぶみさんの本は絶対もう置きませんから」みたいな声がいっぱい来たんですよ。そんなこと言われるの初だったんですよ、実は。Amazonのやつつけてて、「全国本屋さんと」って書かないと今怒られるんですよ。そんなんだから本屋が潰れるんだって思ったんだけど。

西野:言っちゃうんですね(笑)。

のぶみ:これ、俺よくないと思うわ。頑張って、Amazonじゃないメリットを探さないと、本屋も。

西野:そうですよね。

のぶみ:ああしよう、こうしようって考えないと。なんか、じゃあ作家はこっちのほうに向くからって言ったら、本屋をちょっと推せなくなるよね。そのほうがもっとね。

西野:その、本屋さんの言い分は……。

のぶみ:Amazonばっかりおすすめするから。「じゃあもう腹立ったから」みたいな。「じゃあもう知らない」みたいなやつを、やるんですよ。

西野:ええ。もう潰れてしまったらいいですよね、そんなあほな。

のぶみ:西野さんのとこの紀伊国屋がやばいって話を前してたけどね。

西野:はい。

のぶみ:でもそれはそうなるわと思ったけどね。

西野:そういう本屋さんは潰れてしまったほうがいいと思います。っていうかもう時間の問題だから早く潰れたほうがいい。世の中のためだと思うんですけど。

のぶみ:「何の権限があって?」とも思ったんだけどね。

本屋の敵はAmazonではない

西野:でも、やっぱりその本屋さんって、すごく頭が悪いと思うんですけど。

のぶみ:頭が悪い(笑)。(会場に)本屋さんいる? 大丈夫?(笑)。

西野:いや、その本屋さんがですよ。僕は基本的に本屋さん好きなので。

のぶみ:これ見てる本屋さんは好き(笑)。

西野:僕は本屋さんが好きなので。その本屋さんが非常に頭が悪いのは、Amazonで売れてしまったら自分のとこの売り上げが下がっちゃうっていう前提で喋ってるじゃないですか。

のぶみ:そうですね。

西野:じゃなくて、自分のとこの、っていうかAmazonで100冊売れようが、1万冊売れようが、お前のとこの本屋の売り上げにはあんまり関係ない。どころか、Amazonでどんどん売れる本やったら話題になるんだから、お前のとこの本に……。っていうか、世の中の人の興味を、本に持っていったほうがいいんだから。

のぶみ:本当ですよ。それは絶対そうだよね。

西野:人間の時間は24時間しかなくて。お客さんはどういうふうに自分たちの時間を選ぶかっていうと、『ママがおばけになっちゃった!』とか、恋人からのLINEだとか、EXILEのライブだとか、シルク・ドゥ・ソレイユのライブだとか。それがもう、同じ棚に並んでるじゃないですか。スマホっていう。

のぶみ:そうですね。

西野:で、まず、『ママがおばけになっちゃった!』を選んでもらう前の段階に、まず本を選んでもらわないとだめじゃないですか。

のぶみ:そうですね。

西野:「本っておもしろいよね」ってならなきゃ、その先に本屋さんなのか、その先に『ママがおばけになっちゃった!』なのかとか、お客さんそっちに流れないですよね。まず本に興味持ってもらわなきゃいけないんだから、本屋さんの敵はAmazonではなくて、もっとほかのLINEだとかサイゼリヤとか、そっちですよね。

のぶみ:もっと大きく見ろと。「お前ちっちゃいぞ、言ってることが」ってことですよね。

西野:ここでは同じ棚に並んでるんだから、サイゼリヤとか。だから、「Amazonキー!」ってやってる場合じゃなくて(笑)。でもちゃんと潰れると思います、そういう本屋さんは。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!