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【ママがおばけになっちゃった! 絵本作家 のぶみの世界展】トークショー(全10記事)

「サイン会って一見人気者みたいに見えるけど…」絵本作家のぶみ氏が、ぶっ続けでサインを書き続ける辛さを吐露

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ」。今回は、8月に行われた「ママがおばけになっちゃた! 絵本作家 のぶみの世界展」の会場から、2人のトークショーをお届けします。本パートでは、サイン会をぶっ通しで続ける難しさについて両氏が語りました。

多様なファン層に向けて講演する難しさ

西野亮廣氏(以下、西野)これいつからですか? のぶみ展は。

のぶみ氏(以下、のぶみ):え?

西野:スタートいつから?

のぶみ:3日からはじまって。

西野:夏休みいっぱいですか?

のぶみ:お盆、明日までですよね。だから、過去最長なんですよね。今、こうやって大人がいっぱいいるじゃないですか。

西野:はい。

のぶみ:で、この昼間の講演見た人わかるけど、もう全員、子どもとママしか来ないんですよ。子どもとママで、俺講演会しないといけないんですよ。そしたら、ママ向きのことをやるのと、子ども向きのやつをやらないといけないのが、もう難しいんですよ。っていうのは、子どもが楽しいのと、ママが楽しいのって違うから。

西野:はい。

のぶみ:だから、難易度がね。すごい高いんですよ。

西野:それね、すごいわかって。自分が『えんとつ町のプペル』の作り方と届け方っていう議題で講演するときがあるんですよ。

のぶみ:はい。

西野:で、えんとつ町のプペルって、クラウドファンディングを使ってなのか、いろいろあの手この手で「こういう広告をうちましたよ」っていう、どっちかっていうと広告の話なんですよ、喋るのは。こういうふうにしたらお客さんが来て、こういうふうにしたら物が売れますよっていう、広告の話をするんだけれど。その題材がえんとつ町のプペルだから、子どもやっぱり来るんですよ。だから僕の講演会はそこがちょっと難しいときがあって。IT社長と子どもっていう……。

のぶみ:えー!

西野:「何を喋るんだ?」っていう。

のぶみ:子どもは何歳ぐらいの子ども?

西野:子どもは、こういう子たちですよ。

のぶみ:小学校低学年とかも来たりするの?

西野:そうです。で、僕は、そこの人もちょこっといていて。自分のファン層っていうか、ファンなんかいないですけど。おもしろがってくれる人は、そこのお父さんお母さんがいらっしゃるんですけど。けっこう、ビジネスマンが多いんですよ。

のぶみ:ビジネスマン多そう。

西野:ビジネスマンがもうめちゃくちゃ多いんですよ。

のぶみ:聞きたいもんねえ。

西野:なので、その子どもに、子ども相手に「クラウドファンディングの書き方はね」みたいな言うんですけど。「こう線引いて」とかって。

のぶみ:ぜったいわからないですよね。

西野:ぜったいわかってないですわ。だから難しいですよね。

のぶみ:「うわー!」ってなるよね。

西野:はい、もう最後歌います、だから(笑)。歌しかねえと思って、最後は。最後は歌うしかないと思って。みんなが楽しめるのは歌うしかない(笑)。

のぶみ:だから最後歌うのか。

西野:えんとつ町のプペルの作り方と届け方っていう講演会では、最後「オー・シャンゼリゼ」を歌うっていう。

(一同笑)

西野:もうこれがみんな幸せなんじゃないかみたいな。変な会になってますね。

6時間サインし続けると自分が誰だかわからなくなる

のぶみ:へえ……。西野さん毎日いろんなところに講演とか、漫才とかで行って、「もう人に会いたくない」なんて思うときないんですか?

西野:いや、私こう見えて、けっこう人が好きでですね。意外と好きなんですよ。

のぶみ:そうなんだ。

西野:はい。だから、地方に行くと飲めるので、それが良いですよね。

のぶみ:そうなんだ。

西野:飲めるのが良いですよね。

のぶみ:俺なんか、昨日、ずっとサインしてて疲れて。サイン会あと10名くらいのときに、隣に「シナボン」っていうシナモンロールのお店があるんですよ。

西野:ああ、はい。

のぶみ:で、ネットで調べたら、1個1,080キロカロリーあるのね。

西野:ええ。

のぶみ:で、それ買ってきてもらって。がーって食べて。ストレス溜まって。

西野:ストレス溜まるんですか!?

のぶみ:もう……。

西野:人と喋るのストレスなんですか?

のぶみ:なんかね、6時間ぐらいサインしてると、なんか誰が誰だかわかんなくなってきちゃうんですよ。

西野:わかる!

のぶみ:そうなんですよ。それで「なんでサインって欲しいんだろう?」とか「自分の名前は何だったんだろう」とかいろいろ思うんですよね。もう、なんだろう、「みんなで騙してんじゃないのかな」って思うときがあって。なんでサインってほしいんだろうとか。「そもそもここはどこ?」っていう感じになってくる(笑)。

西野:わかる、同じ作業をずっとやってるとね。あれ宛名はどうしてるんですか? 聞くんですか? その人に。

のぶみ:宛名は、子どもが多いんですよ。だから、(子どもの言い方を真似して)「なになにちゃん」って、言うから。

西野:言わないんだよ子ども! そう、本当あれむかつくんですよ。

のぶみ:もうひらがなで書いてもらうんだけど。書いてくれないお母さんとかもいるんですよ。

西野:はい。

のぶみ:あと、たまに来て、「のぶみさん、覚えてる?」って言われるんですよ。もうー!

西野:いや覚えてないって! 覚えてない、お前のことなんか。覚えてるわけがない。かわいかったら覚えてますけどね。

のぶみ:もう300冊くらい書いてるんですよ。俺、自分の名前もわかんなくなってるから。あなたが誰なのか……。「知ってる人だと思うよ」って言うけど。難しいんですよ。

西野:サインしてて、子どもに「お名前は?」って聞いたら、おっしゃる通り子どもはやっぱりもじもじするんですよね。

のぶみ:そう、「おにょにょちゃん」って(笑)。

西野:そう。でもお父さん、お母さんの気持ちもわかるんですよ。ここで、子どもに言わせたいっていう。

のぶみ:そうなのね。

西野:成長させたいってことですよね。でも、その子どもが名前言うまでお父さん、お母さんが微動だにしないんですよね。

のぶみ:そうなんだよ!

西野:それでもお父さん、お母さんは1回だからいいけど、こっちはこれ3,000回目やぞっていう。

のぶみ:もう、そうなの。

西野:もう早よ言うてくれってなる。ああわかるわ。

のぶみ:で、「ね、言えるよね、言えるよね」って(笑)。

西野:わかる、これ3,000回目! この「言えるよね」はお前は1回目やけどこっち3,000回目。

子ども相手のサイン会のつらさ

のぶみ:それで、もう思いもつかない名前だったりするときもあって(笑)。

西野:そう!

のぶみ:キラキラネームだかなんだか知らないけど。普通だったらゆうたろうなのに、「なんとかです」みたいなこと言って。え、そんな、何? その意味は。意味がまったくわからない名前のときもあるから。ぜんぜんわかんないよね。

西野:向こうが、「ゆうたろうです」っていうから、「あ、ゆうたろうね」って言って、ゆうたろうって書くじゃないですか。「ゆうたろうね」って1回僕言ってるんですよ。ゆうたろうって書くじゃないですか。そしたら向こうが、「ゆうまろうです」みたいなこと言って。

いや、でもやな、それわかるけどもやな、お前も1回聞き逃してるしやな。俺は1回「ゆうたろうね」って言ったの。で、お前そこで怒るんやったらお前の親に怒れ。そんなややこしい名前をつけた……。

のぶみ:もうゆうたろうにしてほしいよね(笑)。

西野:もうゆうたろうにしてくれ。

のぶみ:なんでゆうまろうにしたんだ。

西野:なんやゆうまろうってお前。「“ま”です」みたいなこと言われるんですけど。お前も俺が「た」って言ったとき1回も指摘せえへんかったやないか。そのときは「はい、はい」って。お前の耳も。

のぶみ:本当ですよね(笑)。

西野:お前の耳も故障してんのにやな。お前の耳もゆうまろうが聞き取れてないのにやな。なにをこっちに全部……。

のぶみ:なぜフォローしなかったのか。

西野:そうですよね。でもそれはもう、それが1回だったらいいんですよね。

のぶみ:はい。

西野:それが1回だったら、こうやって笑い話になってキャッキャでいいんですけど。

のぶみ:そうですよ。

西野:これ3,000回とかなるわけですもんね。ゆうまろうが。

のぶみ:もうずーっとやって、「なんでだろう?」って思うんですよね。

西野:わかるわあ。

のぶみ:この前も、あそこのサイン会ずっとしてたんですよ。そしたら、「“幼稚園頑張れ”って書いてください」っていうお母さんがいたのね。幼稚園行きたくないとか言ってるんでしょうね。で、「幼稚園行きたくないの?」って言ったら「幼稚園行きたくない!」って言って。何があったんだろう。「今幼稚園じゃないよ、今は幼稚園じゃないから」。「幼稚園行きたくなーい!」「今幼稚園じゃないからね」って。「ママ、ママといる!」「ママといるから」。幼稚園じゃないし、ママといる。もうずーっとそれが止まらなくて。

それでなんか俺が泣かせたみたいな感じになるじゃんか(笑)。「幼稚園行きたくない子なんですこの人」って。それで「俺じゃないんです」って(笑)。みんなに言わないといけないし。その子は幼稚園で何があったのかなって、いまだに謎だけどね。すごい、わかんないですよね。

西野:たしかにね、サインとかはなあ。ずっと続くとストレスですよね。

のぶみ:ずっとこうやって書いてて、サイン会って一見人気者みたいに見えるんだけど。ずっと書いててパッと顔上げると誰もいなかったりするんですよ。

西野:ああ、なるほどね、ありますよね。

のぶみ:なんか、利用されたなっていう気持ちになる。

西野:利用された(笑)。

のぶみ:なんかもう、ずっと使わされて、みんなの下僕となって書いて、書いた挙句だれもいないっていう。誰も最後、「わあ、おつかれさまでした」って言わないっていうね。

西野:はい。

のぶみ:でもすごい多いですからね、サイン会もね。

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