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文春野球コラム出場ライター(ほぼ)全員集合!(全9記事)

体育会系から文系にプロ野球を取り戻す--文春野球コラムニストたちが挑む階級闘争

文春オンライン上でライターたちがコラムで対決を繰り広げる「文春野球コラム ペナントレース2017」。6月12日に行われた「文春野球コラム出場ライター(ほぼ)全員集合!」では、そのライターたちが集結し、独自の野球観を語り合いました。本パートでは、これまで書いたコラムを振り返っています。

筒香のお尻の話

村瀬秀信氏(以下、村瀬):後半第2部です。「野球を書くということ」がテーマです。もうみんな今、書ける状態ではありません!

(会場拍手)

村瀬:というところでね、みなさん、野球を書くのが初めての人もいれば、もう長年書いてきた大ベテランの方もいらっしゃる。

今、野球メディアではいろいろなニュースだったり、コラムだったり、インタビューだったりが出ておりますけど、みなさま、なにをもって野球を語っていくのかを、この第2部でやらせていただければと思っております。DOMIさんはまったく、コラムを書いたことない?

DOMI氏(以下、DOMI):ないですよ。

村瀬:0から始めた?

DOMI:言っておきますけど、国語の点数めちゃめちゃ低いですよ。5段階評価で2とかたくさんいただきました。

村瀬:そうだったんですか。

DOMI:はい。

村瀬:でも、コラムが初めてとは思えないないぐらい上手だった。

DOMI:あれは俺が書いてるようで、実は西澤さんが全部書いています。

(会場笑)

村瀬:だから自分の原稿は……大変なんですね(笑)。松中さんもそういう意味では……。

松中みなみ氏(以下、松中):なんですか?

村瀬:こういったコラムというのは、はじめてなんですか?

松中:はい、はじめてです。あ、レモンサワー来た! はい、ないですね(笑)。

村瀬:ですよね。ブログはずっと書いている?

松中:でも、ブログとコラムはぜんぜん違いますね。

村瀬:いや、同じような感じですよ。松中さんどっちかというと(笑)。

松中:いや、けっこう意識して、ブログ型コラムにしているんです。

村瀬:なるほど。それは自分の色?

松中:なんか……そうですね。

村瀬:でも、星とか顔文字とか。

松中:減らしました。

村瀬:はじめのほういっぱいありましたけど。

松中:全部消されたから!

(会場笑)

村瀬:ということですね(笑)。

松中:はい。ほぼ消されたから、「ダメなんだな」と思って、ルールにのっとってがんばっています。

村瀬:ということですよね。

松中:はい。

村瀬:大井さんは、ちょっと書いてらっしゃったんですよね?

大井智保子氏(以下、大井):いや、私はブログは書いていないです。『広島アスリート』という広島の媒体があるんですが、そこで観戦日記のようなブログを。

村瀬:一応そこでやってらっしゃった?

大井:はい。それぐらいです。

村瀬:ただ、これだけ長い文章を書くというのは……。

大井:はじめてだったんです。

村瀬:西澤さんは野球は書くのはじめて? でも、去年「おたぽる」で書いてたよね?

西澤千央氏(以下、西澤):そうなんです。サイゾーという会社が年間シートを持っていて、「そのチケットあげるから書け」みたいな感じで、もらったから書きました。

(会場笑)

村瀬:「筒香のお尻」というタイトルでしたね。

西澤:そうです。

大井:(笑)。

愛を取り戻せ

村瀬:次のテーマをお願いします。「あなたはなぜ、文春野球に参加した?」です。

これはみなさん即決でOKをいただきましたけど、文春野球の1年間の戦いは、正直大変だと思います。正直そんなにいい条件じゃないです。それでもやるのは、相当勇気がいることだと思いました。まずは、充四郎さん。

中川充四郎氏(以下、中川):西武ファンの代表として指名されたことが、光栄ですね。やはりその話をいただいて、すごくうれしかったですね。

(会場拍手)

村瀬:西武の代表として?

中川:そうですね。認めていただいたということで、ちょっとプレッシャーにはなっています。でも、やはりいいものを書いて、少しでも西武ライオンズファン、プラス、プロ野球ファンが増えてくれれば。これはあとのテーマだからやめておきますね。

(会場笑)

村瀬:なるほど。同じような感じで、竹内さん。「愛する中日を」。

竹内茂喜氏(以下、竹内):僕は、中日を愛するという気持ちを書けるということだけで、もう即決させていただきました。

(会場拍手)

村瀬さんからお電話いただいた時に、僕よりすごく上手に書く書き手の方がいっぱいこの部屋にいると思うんです。けど、選んでいただいたということで、これは使命感いっぱいで、もう中日を愛する気持ちを1年間書きたいなと、ただそれだけです。

村瀬:やっぱり愛を?

竹内:愛です!

村瀬:やっぱり愛を前面に。

竹内:愛を前面です! 今年1年は(笑)。

村瀬:今年1年は(笑)。DOMIさんは、大丈夫ですか?

DOMI:これですか?

(会場笑)

村瀬:「文春砲を打ってみたかった」と。これは……。

竹田直弘氏(以下、竹田):最近いろんな問題が起きちゃったので、あまり目立たないようにみんなしているんだよね。

(会場笑)

気をつけています。でも、そう言っていただけるのはうれしいです。

DOMI:バファローズ球団って、めちゃめちゃわけがわからないことをするんです。例えば、ファンクラブ会員の金額18万円。

いかんせん田舎のインディーズバンドなので、通らない。なので、ちょっと懐に文春砲を仕込ませて、ギャラやら何やら交渉しようかなと思いました。

竹田:でも、DOMIさんに出会うまでが大変でした。

村瀬:そうです。DOMIさんなかなか連絡が取れなかった。「本当にいるのかな?」と。

DOMI:仮にもアーティストですから。「簡単に連絡が取れると思うなよ」ってやつじゃないですか。

(会場笑)

村瀬:そうなんですね。でも、待ち合わせ場所が難波の高島屋前だったので、けっこうまともな人なんだと思った。

(会場笑)

ビジネス野球ファン

村瀬:すいません(笑)。じゃあ次ですね。長谷川さん。

長谷川晶一氏(以下、長谷川):僕、最初に言ったように、12球団のファンクラブ全部に入っているので、すごく12球団に満遍なくやさしい人みたいなパブリックイメージがついちゃったようなんです。

(会場笑)

参加者:そんなことはない。

長谷川:僕は本当にヤクルトファンなので、ヤクルトが好きでしょうがないけど、それこそ書き込みで読んだのが、「長谷川はビジネスヤクルトファンだ」と。

参加者:そんなことない!

参加者:そんなことない。

長谷川:ヤクルトでビジネスやる意味がまず 見えないですよね(笑)?

(会場笑&拍手)

長谷川:こういう流れがあるなかで、僕は本当にヤクルトが好きなんだということを書こうと思って、ついこの間ヤクルト本を出したんです。そのヤクルト本を出すちょうどいいタイミングの時に、連絡をいただいたんです。

同じように今、伊藤智仁さんの本を書いているんですけど、ちょうど今、半分ぐらい書き終えた。残り半分、ここからがちょっといろいろやり直したりするから大変なんですが、そういうヤクルト本出すんだということをちゃんと知ってもらいたい。言っちゃえば、計算であり、打算であると。

村瀬:ぶっちゃけていただきまして、本当ありがとうございます。

長谷川:ビジネスヤクルトファンではないと、他球団の方にも知ってもらいたい。

村瀬:なるほど。

長谷川:「本当にヤクルトが好きなんだ」と知ってもらうために、僕は1年間かけて書こうと。はっきり言って自信はあまりないです。隣にいる死亡遊戯、やっぱりちょっと……鬱陶しいんです。

(会場笑)

たぶん世代交代とか書いてるでしょ?

村瀬:そうですね。

長谷川:そういう彼と同じ土俵で戦うことに意味がある。後進のためにも、あと、僕自身だってまだまだこれからがあるわけだから、新しい挑戦をしようと(思った)。

村瀬:挑戦をしたいと。

長谷川:計算であり、打算であり、挑戦であり。もう本当にそういうものでしかなかったです。

文春コラムは野球界のUWF

村瀬:なるほど。死亡さんどうですか? これを受けて。「野球ライター界、世代交代」。

プロ野球死亡遊戯氏(以下、死亡):ちょっと業界の内側の話になっちゃうんですけど、今、すごくライターが高齢化している。それこそ、えのきどさんが道を作ってくれて……。

DOMI:(高齢化のあとに)えのきどさんの話をするんですか?(笑)。

(会場笑)

死亡:長谷川さんや村瀬さん、山田さんといった面々が広げてくれたんですけど、今、30代の野球ライターが本当に不足しているんです。

自分がある程度の結果を出したら、今、20代の子たちが「俺もやってみようかな」と思ってくれるんじゃないかなと。

ほかの媒体ですけど、「若手ライター登竜門」という企画が夏から始まりますので、そちらもあわせてよろしくお願いします。

村瀬:世代交代。けっこうこれだけ見るとすごい刺激的な感じですよね。えのきどさん。

えのきどいちろう氏(以下、えのきど):刺激的ですねえ。本当に。

(会場笑)

でも、例えば僕はサッカーのワールドカップも取材をしている。サッカーの現場と野球の現場がはっきり違うところって、フリーがいないんです。サッカーの現場だとフリーの席があって、試合に行くと、そこにフリーランスの記者の席が用意されている。

松中:へえ。

えのきど:野球は基本的にはOBのものなんです。OBの解説者。小関順二さんとか、何人かそういう人がやっと出てきたけど、だけど、つまり体育会系のものなんです。

この企画を始める時に村瀬さんとけっこう話していたのは、文系に野球を取り戻す。

村瀬:取り戻そうと。

えのきど:妄想や、そういう俺たちが持った、なんか……。

村瀬:童貞的な話ですね。

えのきど:童貞的なもの。童貞、妄想力。

村瀬:童貞で妄想力です。

えのきど:だから、本当に道がやっとでき始めている感じなんです。これで、世代交代という言い方もあるし、階級闘争じゃないですけど、なんかそういうやつです。

村瀬:そうですね。なんかそういう感じ。

えのきど:そういう1つのきっかけにこの文春野球コラムがなるといいなと、すっげえ思っています。

村瀬:でも、死亡遊戯さん、そうなると一番年下のように思えますけど。

死亡:そうですね。

村瀬:山田さんと僕がだいたい同い年ですけど……。

山田隆道氏(以下、山田):あまり変わらないです。

村瀬:ぜんぜん変わらないですよね。

山田:今言おうと思っていたけど、死亡遊戯さん、けっこう若いキャラでいってますけど、そんな若くないですよ。

(会場笑)

長谷川:40!? もう40……

山田:見た目がお若いのは、初めてお会いした時に思いましたけど、思ったよりいってる。

死亡:阿部慎之助と同じで38になりますね。申し訳ないです。

(会場笑)

長谷川:いや、本当、本当。むしろ、こっちよりなのに、なんか若作りしている。

(会場笑)

死亡:申し訳ないです(笑)。

長谷川:それは、ちょっと思っていたところ。

死亡:そうですね。アングルの都合上、そういう感じで。

長谷川:完全に「サクセス」のおかげですね。

死亡:そうですね。

山田:でも、「アングルの都合上」っていい言葉ですね。

死亡:そうですね。

山田:その短い言葉ですべてが説明できた気がします。

死亡:そこの枠って今、空いてるじゃないですか。上の世代に噛み付くという枠が。

村瀬:そうですね。

死亡:なので、若いライターもそこを目指して(欲しい)。別に世代交代とかどうでもいい方もいると思うので、一応アングル的に、ポーズ的に、そこを取っておいたほうが。

長谷川:気持ちとしては、前田日明?

死亡:そうです。

長谷川:UWFを作ったようなイメージ?

死亡:そうですね。意外と相手に合わせないってよく言われちゃうので。

村瀬:相手に合わせない(笑)。

死亡:それは反省してます。

野球が死語になってしまった

村瀬:中川さんどうですか? この若い子たちの間は。

中川:気取った言い方ですけど、今、自分としてはコメンテーターの気持ちなんです。また来週も文化放送に呼ばれて、3時間半しゃべりっぱなしでやる。

やはり書くことで、みなさんに残る。けど、同時に、しゃべりって、アドリブなので、ほとんど言い直しがききません。

もちろん言い直しをしてもいいですけど、やっぱりしゃべってしまったことはしゃべってしまったこと。だから、コメンテーターとライターは違ったおもしろさを感じています。

ですから、こういう場ってライターだけど、しゃべりの場。でも、みなさんライターさんなのに、しゃべりがすごく達者ですよね。そのへんも個人的に非常に勉強になります。ちょっとまじめすぎてごめんなさいね(笑)。

(会場笑)

村瀬:いえいえ。山田さん、「文春野球で知り合いがほしかった」。

山田:石井一久みたいなことを言いますけれども。

(会場笑)

山田:いや、僕、本当にふだんプロ野球の話をできる友達がいないんです。

村瀬:あんなに周りに阪神ファンがいっぱいいるのに!?

山田:例えば、家族も全員巨人ファンなんです。僕は小さい頃からお父さん巨人ファン、母親は東京の人やし、姉ちゃんは大の巨人ファン、原さんの写真を一生懸命集めているような人。まず、僕、小学校の時はイラスト部でしたし。

(会場笑)

山田:中学高校、野球部なかったんです。大阪で野球部ないってあまりないでしょ?

村瀬:そうなんですね。

山田:それで自分の周りに野球を一緒に観に行ったり、野球の話ができる友達がいなかった。仕事でたまに会うカネシゲタカシさんとか、阪神ファン芸人の山田スタジアム君とか、亀山努さんとか。

村瀬:元選手ですけど(笑)。

山田:いや、本当にそういうときしか野球の話ができない。ふだん大学で若い世代と交流していますけど、びっくりするぐらい若い世代は野球に興味ないです。それに危機感を感じた。

そう考えると、私がこういう場に参加したら、学生たち、若い子たちにも広がっていくんじゃないかなと。あとは単純に野球の話ができる友達がほしかった。

村瀬:じゃあ今日は楽しくてしょうがない感じですか?

山田:はい。こんなに野球の話、ひさしぶりにしましたよ(笑)。

(会場笑)

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