PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
What Did Dinosaurs Really Sound Like?(全1記事)
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク
ハンク・グリーン氏:みなさん覚えていますよね、『ジュラシック・パーク』でのティラノサウルス・レックスの姿とあの象徴的なうなり声!
あの音響効果は見事でしたが、実はゾウの赤ん坊の声の録音を使って作り上げたもので、本物の恐竜の鳴き声からはおそらくほど遠いものです。
恐竜の鳴き声がどんなものだったかを知るには、まずは生存する最も近縁の動物に当たってみることです。すなわち、鳥とワニ類です。ワニ類というのは、ワニとその親類のことです。

この2種類の動物には、異なる発声器官があり、2種が分かれてから発声能力が進化したものだろうと考えられます。ワニ類には、喉に声帯を含む喉頭があり、振動によって音を出します。

一方で鳥には、胸部の下のほうに鳴管という器官があり、簡単に言えば気嚢に囲まれた小さな鼓室から成り立っています。

鳥とワニ類共通の直近の祖先は、恐竜の祖先だった可能性もあるわけですが、こうした発声器官のいずれも、必ずしも持ち合わせてはいなかったようです。
発声器官は軟部組織でできており、無機物に置き換わって化石となる代わりに朽ちてしまうことが多いため、はっきりと知ることは難しいのが現実です。
古代の鳥の鳴管の一部には化石となったものがあるのですが、恐竜の骨の化石に鳴管に似た構造が見つかったことはありません。ですから、恐竜は、現代の鳥のようにさえずったり歌ったりはしていなかったのでしょう。
……これは映画『ジュラシック・パーク』にとっても朗報だと思いますが(笑)。それに、喉頭があったことやうなり声を上げていたことを示す証拠もありません。
しかし、鳥とワニ類の両種が作り出すことのできる音があり、恐竜にも見られた可能性があります。それは両種が攻撃性を示す、シューッという威嚇音です。
威嚇音を出すのに発声器官は使われず、基本的にただ非常に大きな音で息を吐き出します。恐竜も怒ったガチョウのように威嚇音を発していた可能性があります。

また、ある特異な発声方法に口を閉じた状態で行う発声法があるのですが、両種はそれを何度も進化させてきています。そのメカニズムは動物の種類によって異なりますが、一般的に、開いたくちばしや口からではなく、気管や食道の小袋から空気を押し出して、低音を作る仕組みです。
この発声でいちばん馴染み深いのは、ハトの「クークー」という鳴き声ではないかと思いますが、ダチョウのような大きな鳥も、コミュニケーションを取るのに首部分を膨らませてこうした音を出しています。ワニ類も同様です。
鳥が行い、ワニ類も行っているのであれば、こうしたゴロゴロという鳴き声を恐竜が出していたとしても不思議ではありません。
次回、『ジュラシック・パーク』を観るときには、頭の中で、あの猛々しいうなり声をすべて、威嚇音やとどろくような低音に置き換えてみましょう。少しでも実在の恐竜に近づけることができるかもしれませんよ。
だからと言って、恐竜がカッコ悪かったというわけではなく……少しだけ、みなさんが考えていたよりも風変わりだった、というだけです。
Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。 ・公式チャンネル続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
すでに会員の方はこちらからログイン
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
関連タグ:
この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします