2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
5 Baffling Mysteries About the Universe(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:20世紀初頭、研究者たちは、物理学はほぼ解明され尽くしたと考えるようになりました。当然のことながら解明されていない謎もありますが、計測技術等の改良や、既知の事象の微修正で事足りるものだと見なされました。
ところが謎は、計測技術の改良や微修正をもってしても、解明されなかったのです。そしてこれらの謎は、人類が自然界を理解するための根源的な革命、つまり相対性理論や量子力学などのたいへん重要な発見を導き出しました。
このように、さまざまな発見はありましたが、物理学には、人類にはいまだ明かされていない、こまごまとした謎が存在し、宇宙の法則はとうてい解明し尽くされたとは言えません。
さて、これから挙げるのは、解明するには大議論を避けて通れない、大いなる5つの問題点です。
ニュートリノは、極小の素粒子です。何兆もの数のニュートリノが、今も刻々とみなさんの身体をすり抜けて飛んでいますが、みなさんを構成している原子に衝突することは、まずありません。1万4千トンのニュートリノ検知機が1日に検出できるニュートリノは、わずか数個です。
非常に不思議な現象ではありますが、ニュートリノが身の周りの物質に干渉しない理由は、物理学者たちには大体わかっています。しかし、なぜニュートリノには質量があり、その質量が極小なのかまではわかっていません。
素粒子物理学者が用いる「標準模型」とは、現在知られているすべての素粒子と、それらの相互作用を記した理論で、歴史的に見てもたいへん完成度の高いものです。標準模型は、文字通り何兆通りもの実験結果を、正確に予測できます。
ところがここに問題が生じました。標準模型の理論予測によれば、ニュートリノには質量が存在しないはずなのです。
1990年代、太陽から飛来するニュートリノを研究していた物理学者たちは、ニュートリノには質量が存在するはずであることに気づきました。ニュートリノには、いくつかの種類がありますが、太陽から飛来するものは、その種類が変化します(ニュートリノ振動を指す)。その変化には、質量が必要であるはずなのです。ここで、標準模型には大きな穴があることが判明しました。
標準理論の等式を、ニュートリノに質量があると導き出すように拡張することは可能です。また、ニュートリノに質量があるという事実そのものも、ありえないことではありません。
ニュートリノの質量は、あらゆる素粒子と比較しても法外に小さいものです。電子は、これまで見つかった中では2番目に質量の小さな素粒子ですが、それでもなお、もっとも質量の小さいニュートリノと比較すると、6億から1,260億倍も重いことになります。
このように、あまりにも大きな差から、多くの物理学者は、質量のあるニュートリノを現行の標準模型に当てはめるのは、言うなれば、がたつくテーブルの脚の下に、砂糖袋を無理に押し込んで、テーブルを直したと言っているようなものだとしています。
現行の標準模型に矛盾の無い説は、他にもいくつかありますが、その説を立証する確たる証拠はいまだ見つかっていません。
別の物理学者たちは、質量の謎を説明するには、標準模型そのものを廃して、新たな模型を構築するべきだとしています。
ニュートリノの質量の謎を解明するもう1つの説は、さらにもう1つある謎をも解き明かすことができるものです。
宇宙には、なぜこれほどまでに多くの物質があるのか?という問題です。
ご存じのとおり、物質には、反物質という双子のような対の存在があります。反物質の素粒子は、物質のそれとそっくりですが、ただ持っている電荷が反対です。物質には負の電荷を持つ電子があり、反物質には正の電荷をもつ以外は電子とそっくりな、陽電子があります。
物質の素粒子が、相対する反物質の素粒子と衝突すると、双方が爆発し消滅します。ここで問題となるのは、物質と反物質は、衝突をしない限りは多くの場合、同じ動きをするため、粒子加速装置で物質の素粒子を生成する実験を行う場合、反物質の素粒子も生成されます。反物質は、物質と同様に原子を生成することすらできます。
物理の法則はえこひいきはしませんが、この地球上と同様に、宇宙には物質しか存在しません。反物質の星、銀河、星雲などは無いのです。仮に存在したとしても、相対する物質と衝突し、閃光を放って互いに消滅することがあるはずです。しかし、こういった閃光は目撃されたことはありません。
では、なぜ宇宙は等量の物質と反物質をもって誕生し、それらが互いに消滅し合って何も残らない事態に陥らなかったのでしょうか。
さまざまな可能性が考えられますが、これには我らが古き友人、ニュートリノの関与が考えられます。ニュートリノの質量は、異常なほどに小さいことを覚えていらっしゃいますか。
仮に非常に重いニュートリノが存在するとすれば、その集まりが、軽いニュートリノを、より平均的な質量に落ち着けるでしょう。
このような重いニュートリノは、ビッグバン直後に存在したと考えれらますが、より小さく軽い素粒子へと変化を遂げました。そしてその過程において、反物質よりもわずかに多く物質を生成しました。
もし重いニュートリノといったものが実際に存在したとなれば、2つの謎が一気に解明されます。まず1つ目の謎である、なぜニュートリノの質量はこれほどまでに小さいのかということと、2つ目の謎、なぜ宇宙は反物質ではなく物質で溢れているのかということです。これらの謎が、たいへんわかりやすく説明できるのです。
問題は、こういった実験を裏付ける証拠が得られないということです。
では亜原子粒子から、銀河へとズームアウトしてみましょう。質量は重力を発生させるため、天文学者たちは銀河で観測された物質の質量から、その重力の大きさを算出できますが、1世紀近くの間、判明していないなにかしらの事象があることがわかっていました。
星は、星雲の中心を軌道に乗って高速で回っていますが、観測から算出された銀河の重力は、これらの星を捉えておくには十分ではなく、星は銀河間空間に逸脱してしまうはずなのです。しかし、実際にはそのようなことは起こっていません。銀河を維持するに足る、なにがしかの引力発生源があるはずです。
天文学者たちは、この発生源をダークマターと名付けました。
反物質と異なり、ダークマターが何からできているのかはわかっていません。わかっていることは、ダークマターは重力を介して物質と相互干渉できること、天体望遠鏡では観測不可能であること、宇宙を構成する要素の85パーセントがダークマターであることなどです。
ところで、もっとシンプルな可能性もあります。間違っているのは、天文学者たちが唱える万有引力の法則の方で、正しい法則が導き出されれば、ダークマターの存在が無くとも、事象の説明がつくといった説です。
しかしダークマターの存在は、広域に渡る銀河の分布から、ビッグバン後に物質が引き寄せられる様子まで、さまざまな事象をうまく説明できます。さらに、天文学者たちは、他の可視の物質とは完全に分離した、ダークマターの塊を発見しています。
つまり、何も物質が検知できない箇所で、重力により発生したある効果を発見したのです(光が重力により曲げられた「重力レンズ効果」のこと)。これは、万有引力の法則を変えたとしても、説明のつかないことです。
つまり、ダークマターは確実に存在するのです。
しかし、ダークマターの正体は不明ですが、ダークマターではないものが何かはわかっています。かつて、ダークマターとは暗黒色の普通の物質だと考えられてきました。恒星になり損ないである小さな褐色矮星や、ニュートリノであると考えられたこともありました。
しかし、実験によりそのような可能性は排除されました。他にも実験による裏付けが待たれる仮説は多々ありますが、いずれにせよ宇宙の構成要素のうち85%は、まったく未知のものなのです。
物質についても、多くの謎が秘められています。ビッグバン直後に誕生して3分後に、陽子と中性子が結合し、最初の原子核が生成されました。
原子核物理学者は、素粒子物理学と初期宇宙についての研究結果を用いて、元素の成り立ちを推測することができます。たとえば水素は、原子核には陽子が1つだけありますが、その単純な成り立ちから、宇宙に存在する元素のうち実に70パーセントは水素であると推定されています。天文学者が古い星を観測すると、同じ観測推定値が得られます。
同様の模型で、物理学者たちはビッグバン当時の陽子と中性子の27パーセントが結合してヘリウムが生成されたとし、原子の27パーセントがヘリウムだったであろうと推定しています。ここでも、天文学者たちが同様の観測推定値でこれを確認しています。
このように、元素についての物理学者と天文学者の見解は一致します。
次はリチウムを見ていきましょう。リチウムの一種に、リチウム7というものがあります。
リチウム7は3つの陽子と4つの中性子を持っています。しかし天文学者たちの観測推定値は、模型の理論予測よりも4倍も少なかったのです。この大きな差異は、計測のせいというよりもむしろ模型の方に誤りがあるか、双方ともに誤っているせいかのどちらかでしょう。
天文学者たちは、元素の成り立ちを推測し、宇宙にどれだけの元素が存在するかを推量するために、初期宇宙についてさまざまな仮説を立てています。それには恒星からの可視光線を利用しますが、それにはまず恒星の温度や安定性について仮説を立てなくてはなりません。
リチウムについて、矛盾がないよう仮説を改変することも可能ではありますが、ここに問題が発生します。
リチウム以外の元素については、この仮説はたいへん有効なのです。ここでリチウムに合わせて微調整をしてしまうと、仮説はリチウム以外の元素に適合しなくなります。多くの物理学者たちは、この「宇宙リチウム問題」について、物理学に未解明の問題が潜在していると考えています。
「超対称性理論」は、既知の粒子すべてに、より質量の大きい対になる粒子が存在するというものです。
もう1つの説は、超対称性理論が正しければ、安定して自然界に存在するものは、実は安定してはいないというものです。つまり、初期の宇宙においては、より多くの素粒子が存在していたのです。こうなると、素粒子の相互干渉が変わってきます。
両説は、裏付けが取られればリチウム量の謎をうまく説明できます。しかし、現時点では証拠は得られていません。
宇宙マイクロ波背景放射、通称CMBとは、宇宙でもっとも初期の光です。赤や青の光のパターンでの表現画がよく見られます。これらのパターンは、後に銀河などの巨大な構成物となる、物質の密度の差を表したものです。CMBはビッグバン論を確証し、1960年代における大発見です。
CMBは、「anomalous multipole alignme(「変則的多重極連合線」の意)」、つまり科学者による俗称「悪の枢軸」を内包しています。研究者たちは、初期の宇宙において物質は1ヶ所や一定方向に固まることはないと推定していましたが、CMBの観測値はそうではありませんでした。
観測されたのは、悪の枢軸により分断されたように見える、密度の濃い部分と薄い部分です。密度以外にも、他の多様で複雑な方法でCMBを分析しましたが、悪の枢軸は必ず現れるのです。
当初、天文学者たちはこれを観測方法の誤りや、近くの星雲からの影響だと考えましたが、何度精査しても、悪の枢軸は現れます。
さらに不思議なことに、悪の枢軸は私たちの住む太陽系の平面と同じ線に並ぶのです。太陽系は、まっすぐ悪の枢軸を指し示している形になります。とても不思議ですよね。
さて、天文学には「コペルニクスの原理」、つまり宇宙の中では、私たちが住んでいる場所は何も特別な場所などではない、という指針があります。しかし銀河系は、地球ができる何十億年も前にできた宇宙の軸と並んでいるのですから、やはり何かとても特別な場所であるように思えますよね。
しかしこの並列は、なんら不思議とは言えないことかもしれません。CMBにあるような物質の塊だらけの宇宙であれば、従来のビッグバンの模型であれば、ありえない確率ではないでしょう。何兆もの恒星を、何兆もの惑星が公転しているこの宇宙であれば、悪の枢軸と並んでいる天体があっても決して不思議ではありません。
つまり、私たちは単に運が良かっただけなのかもしれませんよね。それに、限りなく並列に近いとはいえ、完全に並んでいるわけでもありません。
いずれにせよ、科学者たちはこの軸がなぜ存在するのか、太陽系がこれと並列しているのかを調べていますが、残念ながらまだわかってはいません。
これまでに挙げた謎は、簡単には解明されないものですが、優秀な人材が究明に取り組んでいます。同時に複数の謎を研究している人すらいますので、いずれ近いうちに、みなさんにその答えをお伝えできるかもしれませんね。
これらの謎は、宇宙にはまだわからないことが数多く存在することを教えてくれているのです。
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