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りょかち × 設楽悠介「U-25が思うインターネットカルチャー」『インカメ越しのネット世界』刊行記念(全8記事)

メディアが伝える“若者のSNS事情”は「半分くらいウソ」 自撮り女子りょかちが警鐘を鳴らす若者への誤解

IT企業で働く傍ら「自撮り女子」として人気のりょかち氏が、初の著書『インカメ越しのネット世界』を刊行しました。これを記念して、トークイベントを開催。最新のネットカルチャーについて、りょかち氏が独自の視点で語りました。本パートではSNSネイティブの若い世代について触れました。

りょかちアカは深夜、“戦略的メンヘラ”

設楽悠介氏(以下、設楽):それでは次はTwitterについてすこし聞きたいです。昨日か一昨日に僕りょかちさんとの打ち合わせ場所に向かっている新宿駅で、靴の裏が取れちゃったんですよ。

りょかち氏(以下、りょかち):(笑)。

設楽:靴の裏が取れて。

りょかち:はい(笑)。

設楽:それで普通に「靴底取れた」ってつぶやいたら、数秒で「ぜんぜん遅れても良いですよ。近くに靴屋あります」みたいなのがりょかちさんからリプできて。「速いね」って言ったら、「私、Twitterと頭繋がってますから」みたいなことをつぶやいてましたね。

りょかち:私、脳みそがTwitter連携してるんで。

設楽:Twitter連携してる(笑)。

りょかち:はい。

設楽:りょかちさんなりのなんか、Twitterの使い方ってどういう感じなんですか? テクニックとかあるんですか? 逆に。今フォロワーがすごい、本出したってこともあるし、増えてるじゃないですか。なんかテクニックとか、考えながら使ってるやり方とかってあります?

りょかち:なんだろう……? でもやっぱり、5,000人を超えたあたりからは考えるようになりましたね。やっぱり、つぶやく時間帯は決めてます。

お昼のみなさんがランチをしている時間12時から13時半くらいまでと、あとはみんなが寝たくなくてダラダラTwitterしてる時間。23時から1時くらい。

それと朝の8時から10時くらいです。8時から10時くらいは、どっちかっていうとビジネスサイド寄りのとか、テック系のことをつぶやいて。

りょかち:お昼はなんでも良い感じで、夜の23時から12時半くらいは、宣伝みたいなものをつぶやいて。それで寝る前に、メンヘラツイートをして寝るっていう。

設楽:なるほど(笑)。

(会場笑)

深夜2時に起きている人は「Twitterが大好き」

りょかち:(笑)。でもこれちゃんと理由があってですね。AM2時くらいまで起きてる人って、だいたい寂しがり屋なんですよ。で、Twitterが大好きなんですね。

設楽:(笑)。

りょかち:で、ですね、23時とかは比較的みんなが見てるんですよ。だからマス向けの情報を入れる。宣伝を入れる。昼もそうですよね。朝はビジネスの人が見てるんで、ビジネスサイドを入れる。

深夜の時間帯は自分に対してロイヤリティを持ってもらう情報を出す、っていうようにしてて。メンヘラツイートとか、自分の弱い部分を見せるのは、夜中にツイートしてる人だけ。

だから、けっこう強気なことを記事では書いたりするんで、そういう人だと印象を持ってくださってる方もいると思うんですけど。そういう人と距離感をより詰めるために、夜はわざと強がったこととかを言わせる。“戦略的メンヘラ”なんです、私って。

(会場笑)

りょかち:はい。

設楽:やっぱりその時間をズラすと、レスポンスが違う? やっぱり。リーチするところは違う感じはしますか?

りょかち:そうですね、やっぱり深夜にやり取りしてる人のほうが仲いいです。自分の記事とかもシェアしてくれるし。

「りょかちが本を出させてもらって、とってもうれしいです」っていうような感想を抱いてくれるのは、やっぱり深夜でやり取りしてた人。ラジオみたいな関係性かもしれないですね。

設楽:あー、なるほど。そうですね。深夜ラジオとハガキの関係みたいな。

りょかち:そうだと思います。なので、とってもおもしろいです。深夜のTwitter。

設楽:りょかちさんのTwitter上手いですよね。僕ずっと前から言ってるんですけど。

りょかち:そうですね(笑)。自称“ソーシャルキャバ嬢”なんで。

設楽:ソーシャルキャバ嬢を自称してるんですね(笑)。

(会場笑)

りょかち:これはオフレコなんです。

設楽:オフレコ?

りょかち:建前はソーシャルアイドルって言ってるんですけど。

設楽:ちょっとリアクションしづらい(笑)。

りょかち:ソーシャルアイドルなんですけど、本当はTwitterのソーシャルキャバ嬢です。

設楽:みなさんぜんぜんりょかちさんに絡んでいただいても、ソーシャルキャバ嬢として上手いこと返すと思うので。

りょかち:はい、がんばります。

設楽:ぜひもう、気合い入れてメンションしていただくと。

りょかち:がんばります。

設楽:上手いですよね。

りょかち:やっぱリプライも、ちょっとでもおもしろいこと言わなきゃとか。ちょっとでも喜んで欲しいっていう気持ちがたくさんあって。

裏アカ、複アカは当たり前

設楽:なるほど。本の中でもサブアカウントを持つって話ありましたけど、Twitterで。りょかちさんもけっこう持ってるってことですか?

りょかち:そうですね……けっこう持ってますね。

設楽:サッカーアカウントがあるとか言ってましたもんね。

りょかち:はい、趣味アカを作ったりしてたり、アイドルアカを作ったり。あと、単純な裏アカというものもあります。

設楽:あるんですか!?

りょかち:あります。

設楽:僕知らないやつですか?

りょかち:知りません。

設楽:おおー、なんか怖いですねそれ。

(会場笑)

りょかち:大丈夫です、設楽さんの悪口は一切言ってないですね。

設楽:なるほど。

りょかち:今のところ。

設楽:今のところ。

りょかち:ない。

(会場笑)

設楽:ちなみに、りょかちさんのお友達とか、例えば会社の同僚とか。会社に限らないですけど、同世代の子たちって、同じような感じですか? 複数のアカウント使ってます?

それよりも下の世代でも良いんですけど。いわゆる社会人1年目、2年目の子たち。もしくは大学生とか。

りょかち:うちの下の世代は、けっこう2つに別れますね。なんかInstagramに傾倒しちゃって……。どちらかというとTwitterは趣味の情報集めるためだけに使うとか。そういうサブなSNSになっちゃってる人も、最近よく見ますね。Instagram大好き、みたいな。

一方で、むちゃくちゃアカウントが多い人もいますね。10個とかアカウント持ってる人。記事にも書いたんですけど、10個とか15個とか。

私たちの世代以降というか、上の世代と違って、「アカウントを持ってる人=ネットが好き」みたいな世代じゃなくて。もうすべての人がアカウントを持ってるのが当たり前の世界なので。

なんかあれですね、高校1年生のときのアカウント、高校2年生のときのアカウントっていうのがあるらしいんですよ。それぞれ見せてる自分が違うから、分けなければならない。

それはリアル世界と一緒なので。いる人も、自分も。なんで、やっぱアカウント増えちゃうっていう人もいますね。

設楽:たしかに、学年とか書いてるアカウントありますよね。

りょかち:あ、そうですそうです! 地元のときのアカウントとか、地元アカとか、あると思います。けっこう大きな違いだと思いますね。私たち以下の世代は。

本当に、ネットにその人がいるっていう。リアル世界と地続きであるっていうのは、けっこうなんか、私たちと上の世代が分断しているところかもしれません。

設楽:たしかに今、検索したら出てきちゃいますもんね。

りょかち:そうなんですよ。友達と、IT企業の美人社員特集みたいなのを見てて。この人「めっちゃかわいい」って思って本名で調べたら、Facebookでヒットしちゃって。そういう時代ですよね。

設楽:そうですよね。

若年層は会話のスクショをよくとる

りょかち:インターネット上に必ず誰かがいるし、自分もいるっていう。だからリアルとあんまり変わりがないっていうのが、現代だなって思ったりします。

設楽:逆にいうと、それでU-25みたいなテーマで話すと、僕なんかはだいたい大学生のときにガラケーをだいたい持っていて。

それでスマホが出てきたのはもちろん社会人になってからだし、メッセージアプリなんかもそのあとなんで。その、SNS時代の恋愛とかってどんな感じなんですか? やっぱり、Twitter、SNSだったりに非常に左右されるところってあるんですか?

りょかち:いやあ、あるんじゃないですかね。カップルアカとかありますしね。

設楽:おー、カップルアカ。

りょかち:カップルアカウント。Twitterで、2人で運営するアカウント。

設楽:すごいですね。誰が見てるんだってやつですね(笑)。

りょかち:自己満ですよね(笑)。あと今はやっぱり遠距離とかしてると、もうライブチャットがすごいできるんで。

昔よりはやっぱり寂しくないだろうし、もしかしたら逆に寂しいかもしれないし。コミュニケーションが他ともたくさんとれる中で、よりリアルに近いコミュニケーションがとれないっていうことで、より寂しいかもしれないし。

あとはみなさん気をつけたほうがいいのは、若年層の話をよく聞いてるとですね、ものすごい若者はスクショされてます。会話を。

「こんなこと先輩から言われたんですけどお、どうしたら良いかなあ」みたいなスクショめっちゃ撮ってるし。それに……。

設楽:LINEのやり取りとかを、それこそ……。

りょかち:そうですそうです。スクショに対して抵抗ない。だから全部オープンな情報な感じがしますね。

設楽:だからもう、フラレそうになったらスクショ撮られてるかもしれないですね。

りょかち:そうですよね(笑)。

設楽:怖いですよね。

りょかち:怖い。あと昔の彼氏とかがネット上に上がってても、なにも嫌な感じしないとか。昔の写真上がったままとか。

設楽:彼氏をFacebookとかTwitterでフォローしてた場合は、別れたらフォロー外すもんなのかな。

りょかち:あー、でも外す人と外さない人といるんじゃないですか。私外さないですけど。

設楽:なるほど(笑)。

変に若い子を宇宙人化しないでほしい

りょかち:でもやっぱりなんか、この本の最初にも書いたんですけど、コアは一緒です。なんか、私最近思うんですけど、若い子のSNS事情みたいな記事が上がってきすぎ、だと思ってて。

小学生がこんなふうに使ってるとか中学生がこんなふうに使ってるみたいな記事が、むっちゃ上がってくるじゃないですか。

設楽:Googleで検索しないみたいなね、最近の女子高生は。

りょかち:そうですそうです。で、私は仕事柄若い子と話す機会も多いんですけど、半分くらいウソです。やってない。一部の人だけ。それを誇大化して書いてる。

実際見てみると、使い方一緒だったりしますし。変に若い子を宇宙人化しないでほしいなっていうのはありますね。みんなと同じだなっていうのはあります。

設楽:なるほどなるほど。逆に出版とかそっちの側面からの質問なんですけど。やっぱりSNSとかの時代で、とくにりょかちさんみたいなガチガチSNSネイティブな世代にとって、表現することとか作品作るみたいなことは、なんかやっぱり影響ありそうですかね?

りょかち:うーん、そうですね……。でもやっぱりなんか、自分が発信しやすくなったとは思いますし。ハードルが低くなったし、見つけてもらいやすくなったとは思いますけど。

設楽:感想とかもやっぱりきます? 記事上げたり、それこそ本出したりしたら。

りょかち:そうですね、自分の発信が楽になったのの1つに、私の記事に対してコメントすることがアイデンティティの発信みたいな人もいると思うんですよね。

なんか、カフェ10選とかを上げてる自分、とか。コンテンツに対してのコメントがクリエイティブであるというような側面も今はあるのかなと思います。

今日ちょうど仕事で、検索を「Twitterでしますか」「Googleでしますか」っていう話をしていて。それでみんなの意見を聞きたいときはTwitterで検索するって話をしてたんですけど、本当に自分の意見を言うっていうのが簡単になってしまったので、それを発信することに対して積極的というか。

そういう人にとっては発信が、なんだろうな……一種のクリエイティブ、簡単な、インスタントなクリエイティブだなと思います。うん。

設楽:実験しやすいですよね。

りょかち:ああ、実験しやすい!

設楽:反応が見やすいなっていう気がしますし、仲間も集めやすいし。

インカメ越しのネット世界 (幻冬舎plus+)

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