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会議を見せるテレビ 第32回(全5記事)

「よかれと思っているのが一番たちが悪い」キンコン西野がイベント主催者に物申す

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ第32回」。とあるイベントで、主催者の対応の悪さにキレそうになったというのぶみ氏と西野氏が、「イベント主催者はどうあるべきか?」について率直に話しました。

イベントの主催者が本当に考えるべきこと

のぶみ氏(以下、のぶみ):俺、この前、山口県行ったんですよ。ちょっと名前言ったらまずいかもしれないけど、山口県行ったら、(ワークショップを)商店街のど真ん中でやれって言われたんですよ。

西野亮廣氏(以下、西野):へえ。

のぶみ:それでワークショップ、読み聞かせとかやってて。それで、「え、ここってプロジェクター映るのかな?」と思って。昼だったから。そしたら映らないんですよ。真っ白になって。「えー、どうすんの?」と思って。

プロジェクターやるのに「がんばりますんで」って言ってやるんだけど、僕のワークショップをやる前に、無料のちくわの掴み取りがやってるんですよ。それでこっちに無料でカレー配ってるんですよ。

それで、俺のところに時間になっても集まらないんですよ。なぜならちくわを掴みたいからなんですよ。みんな並びながら、「ここからでも見えるかな」的にやってるんですよ。もうずっとそれになってて、過去最悪でしたね。

西野:ああ、それつらいですね。

のぶみ:「準備してくれ」って言ったやつもぜんぜん準備してなくて、でも、もう気合で1時間前に「こうして、こうして、ああして、ああして」って、すごい言ったんですよ。そしたら、打ち上げの時に、「そんなに始まる前にスタッフに文句を言った人は初めてです」って言われたの。

西野:ああ、文句っていうふうになっちゃうんですね。

のぶみ:それでほら、ブチ切れそうになって、1回トイレに行って、帰ってきて「いや、文句じゃないんです」って(笑)。

西野:1回ちょっとトイレでフンッってやるんですね。

のぶみ:外で白かったから本当に映らなくて。「俺、東京から来たんですよ」「東京から来たのに映らなかったらいやだから、本当に一生懸命やってるんですよ」って言って。

西野:しかも、それ呼ばれて行ったんですよね?

のぶみ:呼ばれて行ってます。勝手に行ったわけじゃないです。「僕行きたいです!」って行ったわけじゃなくて。

小谷真理氏(以下、小谷):うわー。

のぶみ:けっこう高いお金出して呼ばれてるのに、あれだったから、「えー、無理無理」と思って。

西野:いや、でもこれはもう、素人だからね。わかんないんでしょうね。「そんなところでちくわの掴み取りしちゃダメじゃん」とか。

のぶみ:いや、絶対無理だよ。

西野:「プロジェクターやるんだから、こんな環境じゃ、こんなに明るいところでやっちゃダメじゃん」とか、「光ちょっと落として暗い空間作らなきゃダメじゃん」ということ、すごく当たり前のことをわからないんですよね。

だから僕、言うようにしてます。オンラインサロンとか、ブログとかで、けっこう名指しで、ファンの方からするとだいぶ耳の痛い話も、「それはダサいんだよ」「それよくないね。こういうときにはこれのために曲入れなきゃダメなんだよ」「こういう動線やっちゃダメ」とか。よく言うのはババア花ですね。

のぶみ:ババア花。今日も書いてたね。ババア花のこと。

小谷:ババア花(笑)。

のぶみ:ババア花というのは、とりあえずティッシュで作った花のこと(笑)。

西野:あのババア花をいいと思ってるんですよ。

のぶみ:いや、日本の伝統の花だよ(笑)。

西野:どんな状況であろうとババア花を貼ってるといいと思ってるんですよ。あいつらはそれで一級建築がどう塗られようがいいと思ってて、「なんでこんな一生懸命やったのに、そんなひどいこと言うの?」ってなるんですけど、でも、僕たちが本当に一番大事にしなきゃいけないのは、主催者の気持ちじゃなくて、そこに来たお客さんですよね。

まず大前提として、主催者さんがそれでいいって言おうが、主催者がどれだけ気持ちよかろうが、まず出演者・演者さんが気持ちよくないと、そのイベントというのはいいほうには絶対転ばないですね。

だから、演者さんは絶対にのせなきゃいけないし、それよりなにより一番考えなきゃいけないのがお客さんですよね。お客さんのところまで考えが及ばないんですね。やっぱり。

のぶみ:自分がやった感なんだろうな。

西野:教えてあげなきゃいけない。あれは。

小谷:ともに成長する。

「よかれ」が一番たちが悪い

西野:そう。俺も変だなと思ったんですよ。要は、自分もライブをしてて、そこに来るようなお客さんが運営するから、だいたいこのタイミングで曲を入れるだとか、ここで照明が暗転するだとか、見てるはずだからだいたいわかるはずなのに、主催者になった瞬間にスコーンって抜けるんですよね。

小谷:あれ、なんですかね。

のぶみ:一生懸命やってるよ感だろうね。一生懸命やってるよ感。

西野:あと、ちょっとプロの人とは違うことをやりたがるというか。個性を出したがるというか。

のぶみ:ああ、そうか。

小谷:なるほど。

西野:「こんなアイデアなかったでしょ。あなた方。プロのみなさん思いつかなかったでしょ」みたいな感じにやるんですけど、プロの人は、それら全部試した上で、そんなことやってもプラスにならないから削ってるのに、素人の人はそんなことは露知らず、「こんな演出見たことがない」みたいな感じでやるんですけど。

小谷:おもしろいでっしゃろ、と。

のぶみ:本当だよな。

西野:そうそう。だからもうほぼほぼマイナスですね。

のぶみ:ほぼマイナス(笑)。

西野:だから1回見ろってことですね。YouTubeでもなんでも、主催するんだったら、1回見てちゃんと勉強して。

のぶみ:本当、大事だよな。

西野:それは育てなきゃダメだと思います。主催者さんを。ファンの人、主催者の人なんて、そもそも自分のことを応援してくださる方じゃないですか。だから本当は、いい顔して「どうも、どうも。ありがとう」って言ったら一番いいんですけど。

のぶみ:本当ですよ。それは。

西野:長い目で見ると、そのミスをずっと続けられるほうが、僕だったり、主催者だったり、その周りの人にとっては損失であるから、ちょっと耳が痛い話でも、「お前、これダサいぞ」とか言うようにしてますね。

のぶみ:でも、ちょっとやさしいはやさしいんだよな。それ。だって、本当に「次はないぞ」と思ったら言わなくていいわけじゃんか。

西野:まあでも、そうですね。この子たちが次、僕以外でイベントをやるときにうまくいったほうが絶対いいから。となったら、やっぱり「そこは絶対やめておいたほうがいい」とか言わないと、ババア花をずっと続けるから。

小谷:ババア花、絶対ついてきますよね。

西野:絶対ついてくる。

のぶみ:俺もう嫌だったなあ。もうずっとちくわを。並んで来た人もずっとちくわ握ってるんだよね。ちくわ食べて。それで、「今度、カレー行こうぜ」みたいな話を読み聞かせの途中でされて。

西野:でも、たぶん向こうは、ホンマによかれと思っていて。

のぶみ:絶対集めたいと思ってやってるんだと思う。

西野:読み聞かせを楽しめるわ、ちくわ食べれるわ。

小谷:ああ、なるほど。

西野:なんかいろいろ、カレーもあったんですか?

のぶみ:カレーもあって。

西野:カレーもあるわ、もうフルコースやったほうがいいと思って。

小谷:盛りだくさんで。

西野:盛りだくさんで。だから、よかれと思って。でも、「よかれ」が一番たち悪いんですよね。

のぶみ:そうそう。いいと思ってるから。

西野:要は犯罪者のほうがまだ反省するじゃないですか。犯罪者のほうが悪いことしてるから、怒ったときに「お前、ダメだぞ」って言ったら「すいません」ってなるけど、よかれと思ってる人に「ダメだぞ」って言ったら、絶対に「一生懸命やったのに……」みたいな、そういう言い分でくるから。

のぶみ:そうなんだよなあ。

小谷:それ、いややな。

西野:だから、アホですよね。

小谷:気持ちええな(笑)。

音響スタッフにボロカスに言った話

のぶみ:それで、終わったあとに1回、来てたファンのこともちょっと「あのファンちょっと異常だよね」みたいなことを言い出したから。

小谷:あらあら。

のぶみ:ちょっとそれは怒ったほうがいいんじゃないのかなと思って。

西野:絶対、怒る。

のぶみ:俺、「すごい俺のファンなんですよ」って言って。「せっかくちゃんと来てくれて、それはごめんだけど、言わないでもらっていいですか?」って言って。それだけすごく怒りましたね。それは怒ったほうがいいもんね。

西野:それは怒ったほうがいいですね。

のぶみ:冷静に説明することと、「これはもうちょっと言ってることおかしいよな。大切にしてるんだもんな」というのは、ちゃんと怒ったほうがいいよなとは思いましたけどね。

西野:けっこうみんなそうなんですよね。わからないんですよ。それはプロでもそうですよ。僕、舞台の、要は吉本のもうごりごりやってるスタッフさんとかにも、キレるときむっちゃキレますもん。「お前バカだろ」みたいな。音、すごく怒りますね。音。

のぶみ:いやー、わかる。音。

小谷:はいはい。ボリュームね。マイクとか。

西野:そう。まずボリュームをいじるのが、そんなもんこっちでやるしというのと。あともう1つ言ったら、公演が終わるじゃないですか。公演が終わって客出しみたいな音を入れるんですよ。入れるんですけど、なんかええタイミングというか、自分たちが撤収するタイミングかなんなのか知らないですけど、お客さんがまだ会場から外に出ていってないのに、音切っちゃうんですよ。音響さんとかが。

のぶみ:ああ、あるなあ。

西野:なにしてるの? だって、ディズニーランドでも、USJでも、俺そんなの聞いたことないですよ。まだお客さんがぜんぜん残ってるのに、音響さんが帰るタイミングで音を切っちゃうみたいな。

小谷:冷めるなあ。

西野:「なんでそのタイミングで切るの?」みたいな。音だけ流してりゃいいじゃん。

開館の時間があって、音響室を閉めなきゃいけない、それ以上やっちゃうとお金がかかるというのであれば、じゃあそこは閉めて、ロビーにラジカセを置いておいて、こっちはまた流せるように手配しておけば、これはお金はかからないんだから、「やりゃいいのになんでこれやらないの?」みたいな。

それはけっこうね、プロの音響さんにもキレますよ。Facebookで噛み付いてきたルミネの音響さんがいたから、もうボロカスに言ってやって。「お前、この間、なにか言ったか?」みたいな。

のぶみ:なんで噛み付いてたんですか?

西野:それはやっぱり「劇場は延長するとお金がかかるから……」みたいなことを。

のぶみ:なるほどね。

西野:「音響にも理由があるんですよ」みたいなことを言ってたから、「バカ!」って言って。

「まず音響のお前」、もう名指しで言ったんですけど、「まずお前、偉そうに俺に言ってきてるけど、言っておくけど俺は自分がライブやるときはお金の管理は全部俺がやってる。つまり、延長したらいくらかかるというのもお前より知ってるし、赤が出たとき俺が払ってるから、俺がトップでやってるから、お前は人を雇ったことがないド素人だからわからないかもしれないけれど、お金のことで俺に言うなんて100年早い」って。ボロカスに言った。

のぶみ:すげえな(笑)。

西野:「お前よりもお金のシステム、集客のシステム、すべてわかった上で言ってる。その上でやれって言ってるの。プロだから。それは」。

小谷:なるほどね。なぜなら。

のぶみ:すげえな(笑)。

西野:なぜなら、プロだから、お客さんを最後まで楽しませる。

のぶみ:だってそれルミネの人でしょ。

西野:はい。だからもうむちゃくちゃ関係悪くなりましたけど、ボロカスに言った。

のぶみ:そうでしょ。すげえなあ。

西野:でも、ド素人だった。

のぶみ:会う人でしょ?

西野:会います、会います。ボロカスに。

のぶみ:すげえな。

小谷:いいですね。

西野:だってそのラジカセ用意するだけでいいんですよ。要は、音響室を閉じなきゃいけないんだったら、劇場内に流す曲はマジでラジカセを用意すればいい。ラジカセを用意してそこでCDを流せば、ロビーには流せるわけですから。だから劇場のドア閉めて。あとロビーは使えるので。

たったそれだけでいいのに、お前はそれサボったんだよ。お前はそれをサボったの。

のぶみ:すげえな(笑)。

小谷:徹底的やな。

西野:サボってるのに、自分がそこまでやらなかったのに、なんか自分たちがさも正しい「最善を尽くしました」みたいなことを言ってるから、ボロカスに言ったんですよ。むちゃくちゃ関係悪くなって、あんなん言うんじゃなかったと思ったんですよ。

小谷:後悔(笑)。

西野:後悔してますよ。

小谷:すごいな。

「言わないほうがいいのかな」とくよくよする

のぶみ:俺もだから「どうしよう?」と思うんだよね。

西野:いや、やさしいんですよ。のぶみさん。

のぶみ:もうあれの時に、なんか山口県なんですよ。俺、ちょっと人になにか言うと、帰り道で「あれ言わないほうがいいのかな」とかくよくよする男なんですよ。めんどうくさい男で。

西野:ああ。いや、やさしいんですよ。

小谷:のぶみさん、やさしいですね。

のぶみ:そうなのよ。だから、帰り道ずっとくよくよしてるのやだなと思ったの。でも、きっちりやったんですよ。その人に。

だけど、聞いてると、なばたとしたかさんという、僕の友達で、『こびとづかん』という絵本があるんですけど、その人が来たときも「プロジェクターが映らなかった」って。なばたさんとかほかの絵本作家さんは真っ白なままやったらしいんですよ。「えー、かわいそう」と思って。それで、僕のときも真っ白なんですよ。

西野:それ、なんで改善されて……。

のぶみ:いや、そうなんですよ。なんで改善しなかったんだろう? だから、なばたさんとかよしながこうたくさんとかが言わなかったから、「のぶみさんって言うんですね」的な感じになったの。「えー」と思って。「かわいそう」と思ったんだよね。

西野:えー。

小谷:よくわからんな。

のぶみ:だから難しい。

西野:アホなんですよ。

小谷:(笑)。

のぶみ:くよくよしちゃう男だからよくないのかなって。

西野:あと、人柄もあるんじゃないですか。のぶみさんがわーって言ったらたぶんびっくりするじゃないですか。

のぶみ:そうなんですよ。

西野:僕はもうそういうやつって思われてるし、口が悪いとか思われてるから。

小谷:すぐキレるみたいな。

のぶみ:俺も、高校生の時にすぐ殴る人だったんですよ。完全に(笑)。

西野:そうですよね。元暴走族ですもんね(笑)。

のぶみ:すぐ物をパーンって投げる人だったの。社会に出て、まあNHKでもアニメやってるし、ちょっともう大変なことになったらよくないぞっていうことで、すごくがんばって人格を高めようとがんばってるんだけど、散々丁寧にやったあげく、2日後に眠れないぐらい落ち込みましたね(笑)。

小谷:いい人や。

のぶみ:「どうしよう。もうあの人、山口やだ、山口やだ」って言って。「大丈夫? 『山口やだ』って言ってたよ」ってうちの奥さんが言ったぐらい(笑)。

小谷:ええ人やわあ。

のぶみ:もうダメなんだよな(笑)。偉いよな。言うの。

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