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10 Things We Didn't Know 100 Years Ago(全1記事)

100年前に人類が知らなかった10のこと

科学は日々進歩しています。現代では、感染症にかかっても治す術がありますし、DNAが二重らせん構造になっていることや柑橘類に多く含まれるビタミンCが身体にいいことも当たり前のように知っていますが、もちろん過去にはそれが知られていない時代もありました。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、今では当たり前のように思える知識でも100年前の人類が知らなかった10の事柄について解説します。

100年前に人類が知らなかった10のこと

マイケル・アランダ氏:現在ご存命の約50万人の人々が、100年前にも生きていました。狂騒の20年代、漂流の60年代、失われた10年、戦争、芸術、Youtubeの可愛らしい猫の動画集まで、彼らは多くのことを見てきたでしょう。

世界の私たちの理解も、この間に少しづつ変わっています。

遺伝学や量子力学、あるいはなぜ特定の食物や菌類が私たちを健康に保つことができるのかについて、約100年前はあまり知られていませんでした。

しかし、20世紀の科学者たちは、人間、地球、宇宙全体についていくつか重要な発見をしました。

そこで今回は、1世紀前には未知だった10のことを紹介します。

1つ目が、中性子と呼ばれる原子に荷電していない粒子の存在です。1920年まで、すべての原子は負に荷電した電子と正に荷電した陽子の両方を持っていることは知られていました。

しかし、そこには問題がありました。例えば、ヘリウム原子は2つの陽子しか持っていませんが、4つ分の重さがあります。そして、少なくとも1930年代までは電磁気学的に相互作用しないなんらかの種類の中性粒子が存在したという証拠はなにもありませんでした。

研究者たちはアルファ粒子(基本的にはヘリウム核)を実験していましたが、ベリリウム元素にそれらを照射しました。するとベリリウムはさまざまな粒子を放出しました。

物理学者ジェームズ・チャドウィックは、これらの謎の粒子には電荷がないこと、他の原子から陽子を放出するのに十分な大きさであることに気づきました。

1932年までには、彼はこの粒子は電子と陽子は異なり、科学界が求めていた粒子であると確信していました。そう、それが中性子です。

ビタミンCの存在も知らなかった

2つ目は、DNAの二重螺旋構造についてです。

1950年代初頭まで、DNAを研究していた研究者たちは、DNAが遺伝情報の多くを保持し、親から子供に渡されるものだと確信していました。しかし、彼らは実際の構造を知らず、どのように作用しているのかわかりませんでした。

ロザリンド・フランクリンとモーリス・ウィルキンスという2名の科学者は、X線回折と呼ばれるプロセスを用いて実験を行っており、X線をDNAに照らしました。これらのX線は原子からはじき出され、フィルムのシート上にパターンとして現れ、螺旋構造を示しました。

1953年にこれらのデータは、DNAの化学に関するその他多くの研究と共に、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックの手に渡りました。そして彼らは二重螺旋モデルを作るため、それらすべてを継ぎ合わせていきました。

この構造を理解することは、DNAの化学コードがどのように我々のような複雑体を構成するのかを理解するための新しい生物学研究に多大な影響を与えました。

3つ目は、ビタミンCの存在についてです。

長い間、特定の食品を食べたり、もしくは食べるのを避けることで、私たちの健康が左右することはわかっていました。同様に、1700年代半ばの医師は、柑橘類を食べることで、潰瘍、貧血、疲労などの原因となる壊血病を予防できることに気づきました。

しかし、彼らはこれらの果物が共通していたものを知りませんでした。そう、それこそビタミンCです。

約1世紀前、科学者たちは現在知られているすべてのビタミンを研究、分類、命名し始めました。例えば、生化学者セント=ジェルジ・アルベルトは、私たちの細胞が食べ物をどのようにエネルギーに変えているのかについての研究のため、1920年代を費やしました。

そして彼は、腎臓の上のホルモン放出器でもある副腎で、ある分子を見つけました。

それは6個の炭素を持ち、砂糖や酸のように作用し、彼はそれをヘキソロン酸と呼びました。

1930年代、彼と他の研究者たちはモルモットでいくつかの実験を行い、モルモットの食事からこの化合物抜くと、壊血病を発症することがわかりました。

そこで彼らは、ヘキシロン酸は科学者が何年も隔離しようとしていたビタミンCであることを認識しました。

宇宙についても知らないことだらけ

4つ目は、病原菌の殺菌方法と感染症の防止についてです。

有害な微生物を死滅するという考えは昔からあり、いくつかの古代文化では、感染した傷をかび臭いパンの塊で治療するといったこともされていたようです。しかし、彼らはなぜその治療法がうまく作用しているのかは知りませんでした。

抗生物質と呼ばれる微生物感染を防ぐことができる最初の薬は、1928年にアレクサンダー・フレミングという科学者によって発見されました。

休暇から戻ってきたフレミングは、厄介な感染症や喉の痛みを引き起こす可能性のある細菌がのったペトリ皿を見つめていました。そして、彼はなにか変わったことに気付きました。

一皿の端に少しカビがあり、細菌コロニーがその近くでは成長していませんでした。

このアオカビが、様々な種類の有害な細菌を殺すことができるペニシリンと呼ばれる化合物を生成したことを、その時にフレミングは理解しました。そして長年にわたり、多くの研究者たちは異なるカビからペニシリンを精製し、人間で試験し、最終的に史上初の抗生物質を大量生産してきました。

このいわゆる「不思議な薬」は、生命を脅かす感染症から多くの人々を救ってきたのです。

5つ目は、宇宙が天の川よりも大きかったということです。

20世紀の初め、天文学者たちは宇宙が惑星、星、ガス、ほこりなどで満たされていることを認識していました。しかし、彼らは宇宙がどのくらいの大きさで、ガスとほこりからなる星雲がなぜ螺旋状で、遠く離れているように見えるのかは知りませんでした。

これは、1920年代の天文学のいわゆる「偉大な議論」となりました。天文学者の中には、宇宙のすべてがこれらのらせん状の星雲を含む銀河系に含まれていると考えていた人もいます。何人かの天文学者たちは、宇宙は想像よりもはるかに大きく、これらの星雲自体が銀河全体なのではないかと考えていました。

この議論を解決するために、エドウィン・ハッブルは当時、世界最大の望遠鏡であるフーカー望遠鏡を使って、1924年に螺旋形のアンドロメダ星雲を撮影しました。

彼は、様々な明るさを放ち、どれだけ遠く離れているかを知るために利用できるケフェウス型変光星を含む、星々を見つけました。

彼の計算により、アンドロメダは地球から数十万光年離れたところにあり、ほぼ確実に銀河であることがわかりました。

つまり、天の川は実際には宇宙に存在する数多くの銀河のひとつであるということです。

パンゲアを知ったのも100年前

6つ目は、水素が宇宙で最も豊富な元素であるということです。

1925年以前には、残りの宇宙は地球と同じ割合で同じ種類の元素でできていると仮定していました。しかし、天文学者セシリア・ペイン・ガポシキンは太陽に焦点を向け、全く異なるものを観察しました。

彼女の博士号取得の研究は、星がどのような要素から構成されているのか調べるため、星から放出される光と吸収される光を理解することに焦点を当てていました。そして彼女は、太陽が主に水素とヘリウムから構成されていることに気付きました。

彼女の1925年の論文は、水素が想定したいたよりも約100万倍も豊富で、宇宙で最も豊富な元素であることを結論づけました。

7つ目は、地球の地殻が構造プレートでできていることです。

20世紀の始めに、ほとんどの地質学者たちは、地球の地殻はほとんど石になっていると考えていました。彼らは、地球はかつて溶けた塊だったのが、表面が縮み、山と海のようなものを形成するように冷却されたと考えていました。ちょうど、レーズンになるブドウを想像してみてください。

しかし、1915年にアルフレート・ヴェーゲナーという科学者が、ずっと昔に大陸はすべてパンゲアと呼ばれるひとつの大地で、ゆっくりと離れていったという大陸移動説を説明しました。

同時期に異なる大陸から似たような化石が発見されたりと、その説を立証するものが積み重なり始めました。しかし、我々はまだ大陸がどのように動いたかは説明できませんでした。

1960年代後半、地質学者たちはこの理論を、溶けた岩石を染み込ませ、徐々に既存の海底を押しのけた大きな水中尾根についての考えと結びつけました。さらに研究を重ね、地球の地殻が構造プレートと呼ばれる巨大でゆっくり動く塊に分けられたと結論づけました。

ダーウィンやアインシュタインの功績も…

8つ目は、現代人はおそらく世界を渡って移住してきたアフリカの先祖に由来しているということです。

18世紀と19世紀の間、現代人がどこから来たのかについて全員が一致する考え方はありませんでした。それは今日でも議論されています。

何人かの科学者たちは、現代人類の異なる種族は別々に進化したが、世界中に渡ってきた共通の祖先から進化したと考えています。

一方、他の科学者たちは現代人類はひとつの大陸で始まり、最終的に世界中に移住したと考えています。

1980年代後半から、チャールズ・ダーウィンの現生人類アフリカ起源説は、研究者たちが人類の祖先を追跡するための遺伝的な証拠を探し始めたため、最も広く受け入れられている理論のひとつになりました。

ある科学者のチームは、母親から子供へと継承されるヒトミトコンドリアDNAを比較したところ、世界中の人々が非常に似たものを持っていることを発見しました。さらに多くの研究者が、現代人類がおそらくアフリカのあるグループから派生したものであり、何千年もの間に繁殖し、地球上を移動したというエビデンスを見つけ出しました。

9つ目は、CFC(クロロフルオロカーボン)が地球のオゾン層を破壊しているということです。

大気汚染、化石燃料の過剰な燃焼、地球温暖化について昔から議論されてきました。しかし、私たちは人工化合物がどれくらい大気に影響を与えているのかは知りませんでした。

CFCは、炭素、水素、塩素、またはフッ素のいくつかの組み合わせからなる有機化学物質です。

20世紀を通じて、CFCは冷蔵庫やエアコンなどの冷却剤として生産されていました。

しかし、化学者たちは、CFCが成層圏に浮かび、太陽からの強いUV光によって崩壊していることに気付きました。CFCはオゾン分子と反応した塩素を放出し、有害な紫外線から私たちを保護してくれるオゾン層を徐々に枯渇させていました。

初めのうちはこれら研究者たちの考え方は多くの批判を受けましたが、1975年に彼らはノーベル化学賞を受賞しました。そして1989年までには、世界各国はモントリオール議定書という環境条約に署名し、地球を守るためにフロンの使用を止めると約束しました。

最後は、アインシュタインがいかに正かったのかについてです。

アインシュタインが提唱した一般相対性理論があります。基本的な考え方は、宇宙は強大な時空の布のようなものであり、重い質量によってそれを曲げたり歪めることができるということです。

101年前に初めて出版されたとき、彼の考えを裏付ける証拠はあまりありませんでした。

しかし、時間とともに、数多くの立証実験がアインシュタインが正しかったことを証明してきました。

例えば、天文学者たちは、水星の軌道が実際に予想された通りに働いていないことに気づきましたが、アインシュタインは独自の方程式を使って軌道を再計算する、より正確な方法を持っていました。

重力レンズは、重い物体の存在によって光は曲げられるという彼の予測でできたものです。

また、望遠鏡で夜空を見上げると、銀河の周りで光が曲がり、円形の縞模様が見えます。そう、重力波です。

100年以上前、アインシュタインは、ボートが湖に波紋を残すように、時空の構造に小さな波紋があるはずであると予測しました。そして、数ヶ月前にLIGO Scientific Collaborationが初めての観察を行いました。

これらの重力波は、科学者がより多くの宇宙についての秘密を明らかにしてくれるでしょう。

私たちは過去一世紀に多くの発見をして、世界、宇宙、そしてその中の私たちがいる場所についての理解が変わってきました。そして、科学者たちは探求を終えることを知りません。

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