2024.10.01
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就活ファール!【面接#6-1】H大学 中川くん:何かが噛み合ない違和感(究極の面接指南シーズン1)(全1記事)
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ナレーション:就活。それは学生にとって、将来を決定づける最大の登竜門。そんな就活において一番の難所となるのが面接である。今年就活を始める学生たちが、本番を前に面接のプロ3人衆を相手に面接シミュレーションを行う。いわば就活“虎の穴”。
面接のプロ3人衆とは、株式会社フィールドマネージメント代表取締役、並木裕太。大手コンサルティング会社マッキンゼーにて最年少役員にのし上がった、日本を代表するトップコンサルタント。
株式会社サイバーエージェント取締役、人事本部長、曽山哲人。圧倒的なスピードで急成長を続けるこの会社の中核を担う人事のプロフェッショナル。
リクルートOBで、現在は就活相談BAR「とこなつ家」オーナー、鈴木康弘。よき兄貴分として、就活に挑む学生たちに熱いアドバイスを送る。
水谷健彦氏(以下、水谷):今日、「就活ファール!」に挑むのはこちらの学生です。
中川氏(以下、中川):失礼いたします。
水谷:こんにちは。
中川:こんにちは。H大学の中川と申します。
私は、日本のものだったり、サービスだったり、文化を海外にどんどん発信してる企業を目指しております。なぜかといいますと、私は去年オーストラリアに留学に行ってきたんですけれども、そちらでやはり自分の……。
ナレーション:理路整然と志望職種について話す学生。その優秀な回答に強者のアドバイザーたちも耳を傾ける。しかし、すでにある種の違和感が、幾多の人材と接してきた彼らに生じていた。
水谷:なるほどね。じゃあ、日本の存在感を高める仕事をしていきたい。そんな就職活動をしたいということですよね?
中川:はい。
曽山哲人氏(以下、曽山):まず1つ目におうかがいしたいのは、まあ日本の……。
ナレーション:まず、最初に曽山が質問を切り出す。
曽山:……この考え方はとてもすばらしいと思いますが、具体的な業界とか、なにか自分がイメージされているもの、どういうものがございますか?
中川:まず一番メーカーで。日本のメーカーの凋落、とくに家電業界はすごい言われてると思うんですけれどもね。やっぱりソニーだったりパナソニックがぜんぜん不振に喘いでいるなかで、やはりサムスン……。
ナレーション:最初はメーカーに興味があったが、近年における日本メーカーの凋落ぶりにその考えを変えたという。
中川:あまり調子がよくない。将来のことを考えるとどうしても、自分の人生を捧げるにはちょっとリスクがありすぎるのかなということで、最近はまったくメーカーに限らず、例えば……。
ナレーション:明快な回答を得られなかった曽山が、さらに質問を重ねる。
中川:日本の、今はやはりメーカーの製品ですね。日本の製品になってしまいます。
曽山:メーカーの製品? 例えばなんですか?
中川:例えばスマートフォンだったり、最先端の日本ならではの、ものすごく高品質すぎてあまり……。
ナレーション:日本のメーカーは否定しつつも、日本の商品を世界に発信したいという彼。
曽山:日本の製品で一番いいスマートフォンってなんですか?
中川:僕は、ソニーのXperiaのZだと思います。
曽山:なるほど。それはご自身も使って?
中川:使っています。
曽山:それ、アメリカとか海外とかに売るには、なにが一番売りになりますか?
中川:エンターテイメントのコンテンツもあるので、そういった相乗効果を生み出して、例えばゲーム、スマートフォンでプレステができたり……。
ナレーション:理路整然とはしているが、なにかが噛み合っていない。
中川:そういうところは間違いなくアメリカのiPhoneだったりサムスンにも勝っていると思うので、そういうところをどんどん知ってもらって、どんどん売っていきたいです。
曽山:なるほど。今現時点でも勝ってるポイントがあるんですよね。画像とか。
ナレーション:曽山は質問を重なることで、彼の真意を探ろうとしていた。
中川:どうしても日本人、例えば海外に行くと、向こうで大学の同窓会みたいのがあると思うんですけど、もう1年中ずっと同じ日本人のコミュニティで過ごしてるんですよ。ぜんぜん現地の人に馴染もうとしない。
ナレーション:日本メーカーの問題点は、日本人の内向性にある。曽山の鋭い質問に、持論を展開する学生。自分の体験を交えながら、冷静かつ論理的に主張を述べる姿は、まさに模範的な回答と言える。
中川:そういうのをどんどんやっていって、もう少し現地に馴染める、日本人が内向的から外向的になれば、もう少しましになるんじゃないかなと。
曽山:なるほど。今、ソニーができないのはなぜだと?
中川:やはり組織自体が日本人がほとんどを占めていますし、やはりこれからどんどん登っていこうというよりはどんどん……。
ナレーション:曽山と学生の静かな攻防を、鈴木、並木は黙って見守っている。この完璧ともいえる学生に対し、アドバイザーたちが持つ違和感。曽山の質問に隠された意図を、2人は感じ取っていた。
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