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Healing Ozone & Studying Ecstasy - YouTube(全1記事)

オゾン層、実はそんなに減ってないかもしれない

21世紀に入り、世界中で叫ばれている社会問題が「地球温暖化」です。二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの過剰排出が大きな原因とされている地球温暖化ですが、そのほかに、上空に存在するあるものも関係していると言われています。それは、「オゾン層」です。オゾン層はO3とも表記し、成層圏に存在しています。オゾン層は太陽からの熱エネルギーを大きくカットする役割を持っており、オゾン層が存在するお陰で、私たちは日々快適に過ごすことができているのです。そんなオゾン層は、フロンと呼ばれる物質によって分解される性質があります。このフロンはかつて冷蔵庫などの家電に使用されており、気化したフロンが長期間に渡ってオゾンを破壊してしまっていました。その結果、オゾンは大きく減少し、オゾンホールと呼ばれる極端にオゾンが薄い場所まで出現することに。しかし最新の研究結果では、もしかしたらオゾンは復活傾向にあるかもしれません。YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」。今回は、オゾン層とMDMAについての最新の研究結果を解説します。

オゾン層研究の今

地球の環境についてはいつでも心配なニュースが出回っていますが、最近の『Science』誌に載せられた報告はポジティブでした。オゾン層が修復されているというのです!

O3と呼ばれるオゾンは、成層圏において、作り出されては分解されるというのを繰り返しています。そしてオゾンは、太陽の有害なUV-B放射能をたくさん吸収してくれるのです。

そんな、至るところで崩壊が見受けられるようになったオゾン層ですが、1980年代に発見された北極大陸上空圏のオゾンの「穴」が大きく縮小したというのです。

CFCsと呼ばれるスプレーや冷蔵庫に入っている塩素ガスを含む化学物質は、オゾンが自然に回復するよりもずっと早くオゾン層を破壊します。1987年のウィーン条約や他の国際条約によりCFCの使用に制限がされるようになりましたが、科学者たちはいったいどれほどのオゾンレベルが実際に回復しているのかについて討論しています。

とくに2015年末のデータによれば、北極大陸のオゾンホールは記録的なほど大きくなってしまったからです。マサチューセッツ工科大学のスーザン・ソロモン率いる研究者チームはたくさんの大気計測と3Dモデル技術を用いてオゾンレベルの過去、現在、そして予測できる未来について調べてきました。

今まで科学者たちは「10月の記録」を研究するのが常でした。10月は1年の中でもオゾンホールが一番大きくなる時期なので、オゾン崩壊の理想的な反応を観測することができるのです。それにこの時期は、成層圏に雲が形成されるのに十分な寒さで、成層圏で反応しやすい塩素ガスが形成され、エネルギーを供給できるほど十分に光があるという状況です。

しかし、毎年10月の北極大陸の気温と気流は大きく異なるため、オゾンホールの大きさを歪め、大きな変化を観察するのは難しいのです。それに比べて9月の気候は比較的安定しているため、このような大きさの変化は少なくなります。このチームは9月のデータに基づき、南極大陸のオゾンホールは修復されているようである、としています。2000年から現在まで、インドの面積と同じくらいの範囲が修復されたというのです。

しかし、彼らの推測によると、CFCによる崩壊前のレベルに戻るまでには、少なくともさらに3、40年は必要になるというのです。彼らいわく、2015年末の計測は、年始にチリ南部で起きたカルブコ火山の噴火により停滞したと述べています。

火山が噴火すると成層圏に硫黄を噴出し、それによりオゾン崩壊の科学的反応が引き起こされてしまいます。大気圏は非常に複雑なシステムになっていて、そのモデルは不可解な点があります。実際、彼らによればCFC使用禁止による回復はたったの半分にしか満たないというのです。

それこそがオゾン崩壊の主要な要因であるとされてきたのにもかかわらず、です。そして他の半分の要因は、極地の気候の変動によるものであると考えられています。ですからオゾンの回復についての正確な理解が得られていない状態では、これから良くなるかも悪くなるかも、このモデルが正確であるのかでどうかさえ断言することはできません。

ですからこの良いニュースを喜ぶことはできますが、これを理由にオゾン層について無頓着になることはふさわしくはありません。1つ言えることは、私たちの頭上には、我々がまだ理解できていないことがまだたくさんあるということです。

MDMAは危険な薬物なのか?

それではここで今度は私たちの頭のなかのことについて考えましょう。今週、スタンフォード大学の1人の研究者が『Cell Press』誌に、通称エクスタシーとして知られるMDMAの影響についての研究における論文を発表しました。

MDMAは「エンパソーゲン」として知られています。それは人の周りにいる人たちに対して親近感や同情を感じる気持ちを高揚させます。ですから研究者たちはこの薬がどのように人の体や脳に影響を与えるのかについての研究をすることによって、特定の障害や精神病を患う人々、とくに社会活動においてこの問題を抱える人たちのための薬の開発につながるのではないかと考えたのです。

MDMAは1980年代初頭に流行し、すぐに規制物質法における「スケジュール1」に制定されました。つまり、「現在では医療用薬物とは認められず、乱用の危険性が高い」というカテゴリーに認定されたのです。これによりMDMAの研究もできなくなりました。しかし過去30年の間に我々はさまざまな種類の新しい科学技術を開発してきました。

スタンフォードの研究者たちはこれらの科学的ツールがMDMAの研究において有効であると考えていましたが、薬物がタブーとされているゆえに、このような研究を行うのは難しかったのです。

この点は明確にしなければなりません。科学者たちはこれにより違法薬物を合法にしたり、娯楽のために乱用したりできるように働きかけているわけではありません。代わりに、この研究によりもっと多くの科学者たちが、道理にかなった規律に基づきこの研究ができるようになり、MDMAのような薬物を研究することが自分のキャリアに傷つけることになるのではないかと怖れる必要がなくなるようにしたのです。

それに彼らはMDMAが未だに「スケジュール1」のカテゴリーにふさわしいかどうかも確認したかったのです。もしかしたらこれが厳重に規制された、オキシドコンやアデロールのような「スケジュール2」薬物として認定される可能性はないかどうかも知りたかったのです。

いくつか小規模の研究がされたことがありましたが、その数は少なく、期間も間が空いていました。例えば、1990年の非常に初期のレポートによれば、MDMAはPTSDの患者を助けることができると提案していました。この薬品により自分の療法士と信頼できる関係を築くのを助けることができるというのです。

さらにいくつかの最近の研究においてはラットやマウスを使って実験がなされ、彼らにMDMAをあたえた時に脳がどのように反応するのか、そして他にどのような神経伝達物質が関係しているのかをモニタリングしました。

しかしそれが人間になると、その知識の差は非常に大きなものとなります。ですからこれらの科学者たちは、私たちが今年初めにお話ししたイギリスの研究者たちの声を反映するものとなっています。彼らはLSDの研究費の一部をクラウドファウンドでまかなった論文を発表したのです。簡潔に言えば、彼らは、もっと多くの研究者たちが細心に注意を払った研究をすることがない限り、私たちはこれらの違法薬物がどのように働くのかを理解することは難しいと提唱しているのです。

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