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How Do Toys Glow in the Dark?(全1記事)

暗闇でうっすら緑色に光るアレの仕組み

時計の文字盤や子供向けのステッカーなど、真っ暗になると薄ぼんやりと緑色に発光する物体、一度は見たことがあると思います。電気を使用せず、発熱もしないこの光は、「蛍りん光体」と呼ばれる化学物質によるものです。蛍光灯やランプなどの光を蓄え、暗くなるとそのエネルギーを発散します。この「蛍りん光体」、さまざまな物質に使われていますが、実はいろいろな種類が存在しているんです。YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」。今回は、暗闇で緑色に光るアレの仕組みを解説します。

暗闇で光るアレの仕組み

ハンク・グリーン氏: みなさんは子供のころ、暗闇に光るおもちゃが人気だったことを覚えていますか? 光るプラスチックのボールや虫たち、だれもが天井に張っていたあの光る緑の星たちです。僕もまったく同じように天井に張っていました。

ですから、人類の一員として、これらの蛍光おもちゃがどのような仕組みなのかという質問をしないわけにはいきません。テレビのコマーシャルは「これは魔法だ」といいます。しかし実際には、蛍りん光体と呼ばれる化学化合物のおかげです。

蛍りん光体とは、例えば蛍光灯やランプなど、他の光源からエネルギーを吸収する物質です。そして、その吸収したエネルギーを発することで、私たちには光って見えるのです。

みなさんの歯や爪にも自然の蛍りん光体が存在するので、ブラックライトからエネルギーを吸収して蛍光します。化学者たちも多くの蛍りん光体を作り出しました。一般的な暗闇で光るおもちゃの成分は、硫化亜鉛とアルミン酸ストロンチウムです。

硫化亜鉛はとても安全で、手に入りやすいので、プラスチックに混ぜて光るおもちゃにするには最適です。

アルミン酸ストロンチウムはより高価ですが、目に見える光をよりゆっくりと放射し、エネルギーの充填後に光り続けるという持続性があります。これらの蛍りん光体は、みなさんもご存知のように青白い、象徴的な緑がかった光を自然に発光します。製造者は、他の色素をプラスチックに加えることで、その他の蛍光色を作り出すこともできます。

こうしたおもちゃが、太陽の光やリビングルームのライトの光を充填することを、私たちは光輝性と言います。しかし、暗闇で光るすべてのものがこのような仕組みを持つわけではありません。グロースティック(光る棒)を例に挙げると、これは化学発光によって光ります。こうした製品は化学反応によって発光するのです。

典型的なグロースティックを折れば、過酸化水素水とシュウ酸ジフェニルが反応します。連続する化学反応は、蛍光色素分子の電子によって吸収されたエネルギーをスティック内のチューブに放出します。このエネルギーが、見える光子として放出されます。染料分子の化学構造の違いによって、さまざまな色があります。

暗闇で発光するいくつかの時計は、放射線ルミネセンスというまったく違った方法をとっています。こうした時計の蛍光物質は、ラジウム、トリチウム、プロメチウムなどの放射性物質が合成されています。

これらの物質は、時計を使う人間の体を危険にさらすことなく、絶え間なく蛍光物質にエネルギーを与えて発光させます。しかし放射線ルミネセンスは現在、ほとんど使われていません。なぜならエンジニアたちは、時計用により良いフォトルミネッセンス化合物を開発しているからです。

部屋の暗闇に光るたくさんの星に満足したり、グロースティックを闇夜にカチッとならして発光させることが好きな方は、こうした製品がどのように発光するのかについての知識をより得られたことでしょう。

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