2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
Is There DNA in Dirt?(全1記事)
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ハンク・グリーン:みなさんはもしかしたら、古代生命についてわたしたちが知っていることのほとんどは化石からの情報だと思っているかもしれません。
ほら、骨とか地中に埋まっているものとか。
さて、今まさに掘り起こされるのを待っている生き物の歴史に関するその他の手がかりがたくさんあるということがわかっています。それらは絶対に見えないレベルに小さい、最小の化石よりもずっと小さなものです。そう、古代のDNAのことです。
こういった本当に古いDNAのかけらが土の中や氷の中、湖や海の底といった場所にもあり、それらはみんな科学者たちから沈殿DNAと呼ばれています。それらはずっと前に死んだ植物や動物の残骸で、剥がれ落ちた皮膚の一片や髪の一部だったり、落ちて来た羽や卵の殻だったり、落ち葉だったり。
そしてDNAを浄化し、拡大し、分析する能力が進んだおかげで、わたしたちはそういった残骸を使って、何十万年も前の地球がどんな環境だったかを再現することができるのです。骨や歯のような化石をまったく使わずに。
いつか、沈殿DNAはわたしたちの世界からはるか遠く離れたところの生命についてさえ教えてくれるかもしれません。ともかく科学者たちがこの古代の遺伝物質を見つけることができたというのはすごいことなのです。
なぜならDNAは厳密に言うと長持ちする分子ではないからです。DNAは一度細胞の外にある要素にさらされると簡単に壊れてしまいます。とくに温度の高い場所では。
だから、最古の沈殿DNAのいくつかがグリーンランドの氷河やシベリアの永久凍土層のような、地球上で最も寒い場所のいくつかで採取されたサンプルから取ったものだということは、ある意味当然の結果です。
でもそのほかにもDNAがウロつく方法があります。
DNAは土の中、とくに粘度の中にある荷電粒子と結合しますが、その土や粘度は泥の中にある病原菌によって放たれた酵素にやられないように分子を守ってくれます。そして、そういった病原菌はDNAを助ける場合もあるのです。DNAを壊してしまう代わりに、バクテリアは一連の他の有機体のDNAを自らのゲノムに組み込んで保護することができるのです。
しかし沈殿DNAに隠された秘密を解くために、科学者たちはそれを見つけ出して拡大しなければならない。そのために、純古生物学者たちはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と呼ばれる技術を使います。
彼らは泥や氷、あるいは何でも彼らが興味を持ったもののサンプルからDNAを抽出し、そしてよく調べるために一定の範囲のコピーをたくさん作ります。
これを行うために、彼らはDNAポリメラーゼと呼ばれる酵素と一緒に、DNAの基本的構成単位の化合物であるヌクレオチドを大量に追加します。
その酵素はこれらの構成単位を使ってDNAを複製し、最終的に何百万ものコピーを作ります。これらのコピーを用意して、次に科学者たちはDNAを配列し、何年も前にその泥や小さな氷の一部をどんな植物や動物が占有していたかを調べることができるのです
残念ながらPCRは完ぺきではないので、DNAポリメラーゼがサンプルの土ではなくて研究者のDNAを拡大してしまうといった間違いを犯すこともあります。小さな咳をした程度でも、ほんのちいさな唾液の飛沫が管に入ってしまうこともあるのです。
そしてPCRは自らが行う作業がとても得意なので、極小の量の外部DNAによってすべてを壊してしまうのです。でももし研究者がそのサンプルと作業場を申し分なく清潔に保ち、お呼びでないDNAを排除することができたら、彼らは驚嘆すべきことを発見することができます。こういった多くのことは地球の歴史上で実際に起こったことと関係があります。
沈殿DNAは小さな遺伝物質がどのくらい古いものかに関する感覚をわたしたちに与えるのに実に役立ちます。
それは完ぺきではありませんが、科学者たちは普通、自分が掘っている層がどのくらい古いものかを知っています。だからもし彼らがそこにDNAを見つけたら、その遺伝情報もそのくらい古いと考えるのが妥当です。
例えば2009年に、研究者のチームは中央アラスカにあるユーコン・フラッツから沈殿物のサンプルにドリルで穴を掘りました。そして彼らはそのサンプルの中に、ほんの10,500年前にマンモスがアラスカ本土を彷徨いていたことを示す沈殿DNAを発見しました。つまり毛深い厚皮動物はわたしたちが考えていたより少なくとも2,600年長く生きていたということです。
もう1つの研究では、わたしたちが最新薬に使うという考えに至るずっと昔、3万年前にバクテリアが抗生物質に抵抗する方法を進化させていたことがわかりました。そして2015年には、研究者たちがイギリス諸島にある8,000年経った小麦の沈殿DNAの痕跡を発見して、それは以前考えられていたより2,000年も早く人々が農耕を行っていたことを示唆していました。
しかし、以来ずっとこの結果に異議を唱えて、もうみんなわかってると思うけど、「そのサンプルは汚染されていた」ということを議論している科学者もいます。
わたしたちもDNAに基づいているから、汚染は恒常的な関心ごとです。しかし、沈殿DNAに関する成長途中の科学が、火星のような他の世界にある生命の徴候を見つける手助けになるかもしれないと考えている科学者もいます。
どっちみちそこは恐ろしい寒さなので、その辺にDNAがある、あるいはあったとしたら、どこかに保存されている可能性は高いのです。
わたしたちはそれをただ見つけて持ち帰るか、あるいはそこで研究するか――地球の豊富な遺伝物質のすべてから汚染されずに。ほら、とても簡単です。たくさんの秘密が、わたしたちの足の真下にあるのだから!
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