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第61回『天才編集者・柿内芳文ふたたびっ!〜いま明かされるあのベストセラー「嫌われる勇気」誕生秘話!』(全6記事)

「精神的童貞は失っちゃダメ」天才編集者・柿内芳文氏が警察と戦って得た教訓

ニコニコ生放送の人気番組「山田玲司のヤングサンデー」。今回は1月28日放送の「第61回『天才編集者・柿内芳文ふたたびっ!〜いま明かされるあのベストセラー「嫌われる勇気」誕生秘話!』」の内容を書き起こしでお届けします。

駐車禁止をめぐる警察とのバトル

山田玲司氏(以下、山田):じゃあせっかくだから、去年カッキーの話いろいろ聞いてて、いろいろあったんですよ。千葉の家の屋根が飛んだとか。

柿内芳文氏(以下、柿内):あー屋根が飛びましたよ。

山田:飛んだよね。

柿内:見事に飛びました。

山田:(笑)。で、すごくおもしろかったのがいっぱいあったんだけど、俺が個人的におもしろかったのが、この人、標識を変えたんです。駐禁とられた時。

柿内:そうそう。それ言えって言われたから持ってきたんだ。

山田:持ってきたの。見せて見せて。この人1年間、警察と戦ってました。

柿内:1年間じゃない。1ヶ月(笑)。

山田:1ヶ月か。1ヶ月で済んだの? そうなんだ、戦ってたんですよ。1回駐禁とられて、納得いかなくて。

柿内:タクシーの運ちゃんにウケがいいんですよね。

山田:そうなの? 見せて。

乙君:どういうこと?

山田:ちょっと聞いて本人に。

柿内:これこれ。これですね。

山田:これマジで(笑)。これそのときのやつ?

柿内:はい。

山田:本当だ麻布……。はいはいはい。

柿内:3月9日の8時24分ですね。駐停車禁止違反で切符きられたんですよ。切符というか委託されている2組のおじさんがやるじゃないですか。

乙君:あれ委託なの?

柿内:はい、委託です。それができるようになったわけですね、いつからか。だからすごく増えたわけです。パーキングメーターに停めてたんですよね。パーキングメーターは8時半、9時だったかな、細かいところまでは覚えていないんですけど、夜の7時から9時までは作動しなくて、長時間停めちゃダメなんですよ、ちょっと停めるだけならいいんですよ。

で、もともと駐停車禁止のところだから停車すら、いわゆる時間指定されているわけですよね。この時間帯はこの標識があれで、っていうまあ一般的な交通ルールなんですけど、僕そのパーキングメーターにちょっと停めてたんですよ。で、戻ってきたら駐禁貼られてて、僕何度も標識確認してから、家の近所だったんですけど停めて、絶対に駐禁はきられるはずないし、交通ルールを僕は100パーセント守りたいからやったのにきられていて。

意味わかんないからこれはミスだと思って、目の前に交番があるから問い合わせたら、「そこは駐停車だめですね」みたいな感じになって、おかしいだろうとなって、いろいろ調べながら戦って、交番じゃ埒が明かなくなって、そのあと麻布警察署なんですけどね、本局の麻布警察署の交通課とやって、で、1ヶ月したら、麻布警察署でも判断ができなくなって、本庁マターになって。

乙君:えっ!?

山田:本庁まであがって、最高裁まで(笑)。それ1ヶ月でやってたのか。

柿内:その結果、最終的に連絡がきて、まあ無しになったと。

山田:撤回させました。

見えない標識を信じなければいけないのか

柿内:撤回。厳密に言うと、罰金も違反の点数もとらないっていう特別措置みたいな。

乙君:えっそんなのいいの?

柿内:僕も「そうなんだ」って思って。

(会場笑)

乙君:えっ、まさかの他人事?

柿内:他人事じゃないですけど、一応これは無効っていうことですよね、だから違反をした記録までは消せないですよね。実質無効。

乙君:バツはついたんだけど、ペナルティーはないって事ね。

柿内:ペナルティーも罰金もないから、携帯実質0円とかあるじゃないですか、お金払ってるけど差し引くから0円になるよねって感じに近いのかな? と思うんですけどね。最後は麻布警察署長の名前の文面に署名して、終わりって感じです。それを持っていこうとしたら持っていっちゃダメって言われるし、携帯で撮ろうと思ったらダメって言われて撮れなかった。

山田:それはなんでそういう問題が起こったかというと、標識に問題があったんでしょ。

柿内:もうそのあといろいろあったんですけど、これ話すとめっちゃ長くなるから、思い切って端折って言うと、標識の時間指定のところってあるわけですよね。バッテンがあって、何時から何時って書いてあるじゃないですか、あれが劣化して消えてるんですよもう。

劣化して消えてて、見て確認したわけですよね、確認したら見えなかったからやっていたわけで、「それあるよ」って言われたんです。あるよって言われて見ても、薄くなっていて、わからないくらい劣化してるんです。ただ、夜に懐中電灯当てるとはっきり見えるんです。あれってそういう素材できてるから。昼間に肉眼で見てもわからない。

その理屈で言うじゃないですか、警察ってそれが通らないんですよ。「じゃあ、あなた例えば、暴風雨かなんかあって、道路の標識が倒れました、そうしたらその道路はその標識の法律はなくなるんですか?」っていう。

乙君:それは正論だと思う。

柿内:そうです、そういう理屈に理屈を重ねてくるんですよ。じゃあ「わかりました、これはずっとある。でも表示が見えないと、見えないものを僕は信じないといけないとなったら、今後どうやって運転していけばいいんですか」と。

山田:『ダンガンロンパ』ですよ(笑)。

柿内:要するに、標識の裏には隠れた意図があるかもしれないって疑いながら運転しないといけなくなるわけですよね。そういうことじゃないですか。

乙君:「ここは進入禁止って書いてあるけれど、本当なんだろうか。俺の目にはそう映ってるけど、もしかしたら懐中電灯で照らしたらいけるかもしれない」みたいな。

柿内:そうそう、その裏を懐中電灯で毎回照らせば、隠れたメッセージがフッって浮き出てくるかもしれないし。倒れて誰かが持ち帰った標識が、30秒前まではあったかもしれないですよね。

(会場笑)

山田:それを、本庁でやったんでしょ?

柿内:うん、もちろん。本庁っていうか麻布警察署。「その理屈がもし仮に正しいとするならば、僕は今後運転ができなくなります」「あなたはそれは運転をするなってことですよね。教習所でもそういうこと教えているんですか?」とか、教習所の教本も取り寄せたんですよ。もちろん(手元には)ないので。

山田:やるから、そういうこと。

柿内:教本も全部取り寄せて。原稿のやつも取り寄せて、過去の……。

乙君:そういうの話してくれ。ただペナルティーなしになったって話だけだったじゃない(笑)。

柿内:で、交通専門の弁護士も調べていて。

乙君:そこまですることなの?(笑)。

柿内:埒が明かなかったらそこまでやるくらいの感じで。最終的にそこを決めてたから。警察の人って、みなさんあると思いますけど、すごい上から言ってくるわけですよね。

乙君:まあそうでしょうね。

柿内:僕みたいなのって、けっこうなめられるんですよ、ビジュアル的に。

山田:若く見えるからね。

柿内:そうなんですよ。年に1回知らないおっさんから怒鳴られるんですね、街中で。あ、でも去年なかった。あっそう、今日手土産にイカ飯持ってきたのにね。

山田:マジで?

柿内:あまりに急いでて忘れてきちゃった。

山田:そうなんだ、じゃあイカ飯の話もしようよ。

精神的童貞を失ってはいけない

柿内:怒鳴られるくらいなめられるんですよね。警察だとなおさらそうで、ものすごく態度悪いなって思いながら、こっちも別に喧嘩しに来たわけじゃないんで、なるべく冷静に、論には論で返すって感じで。お互い感情論になってもしょうがないので、別に感情のぶつけ合いをしたいわけじゃ……、どっちが偉いとかじゃなくて、単純に「これはおかしいから取り下げて下さいね」っていうだけで。

でも同時に難しくて、これがタイムズカーシェアだったんですよ。今度は同時にカーシェアのほうの会社とのやりとりがあったんです。カーシェアのほう、車の所有者に警察から連絡いくんですよね、これって。で、カーシェアのほうとしては即座に違反金を払わないと強制退会って規約があるんですよ。で、僕タイムズカーシェアのめちゃめちゃヘビーユーザーなんですよね。

乙君:そうなんだ、自分の車じゃなかったんだ。

柿内:そうなんです。僕東京に自分の車持ってないんで。

乙君:それはまた面倒くさいね。

柿内:そうなんです。だからそっちには、実は今警察とこういうふうにやっているから、退会にしないでくれと。それで、そんなこと言われても、判断がつくまでタイムズも困るわけですよ。だから警察に「タイムズに電話してくれ」っていう交渉もしつつ、タイムズに「警察に連絡してくれ」って。

タイムズは「それは知らない」と、お客さんの事情は知らないってなるから、「僕がどんなにタイムズ愛してると思ってるんですか!」って。

(会場笑)

柿内:「僕、タチ悪くて払わないんじゃないんですよ」っていうところで、途中からタイムズに対する愛を語る場になっちゃって。

(会場笑)

乙君:感情論じゃん(笑)。

柿内:パーク24ってところが運営会社をしてるんですけど、パーク24の経営がいかにすばらしいかっていう話までして、株価も上がってるんですよ。そういう感じの1ヶ月、疲れ果てたんですけど、まあ最終的には「You Win」って感じで。

乙君:You Winだった?

柿内:まあそういうことですよね。

乙君:おめでとうございます。

山田:お疲れ様でした。

柿内:教訓は、納得できないことは納得できないって言わないと、流されるよね。

山田:そうね。

乙君:まあね。

柿内:最終的にどうでもよかったんですよ、結果はね。納得できないことが、例えば本を作る時も起点がそれだったりするんですよね。

乙君:自分で納得するまで掘る。

柿内:「なんでこうなんだろう」っていう疑問が日々生活しているとたくさんあるんですよね。その答えが知りたくて、答えを持ってる人に、「話聞かせてください」とか「これを企画しませんか」とかいうのをずっとやってきたんで。でも、だんだん歳をとってくると、そういうのって「まあいっか」ってなってくるじゃないですか。

どうしても人間、僕もそうなるんで。だってどう考えたって労力とあれ考えたら。

乙君:まあだいぶ損してるよね。

柿内:だからこれやってると「暇ですか?」って言われる。

(会場笑)

柿内:でも、ここで納得しちゃったら、なんか大事なものを失う気がするんですよね。

乙君:それが大人になるということとちょっと違う。

柿内:童貞を失ってもDTであり続ける、みたいな。

山田:そこは失わないってマインドの話ですね。

柿内:精神的童貞は失っちゃダメだと思うんですよね。肉体的な童貞を失っても。

山田:(乙君に)あなたはそうですから大丈夫ですよ。

乙君:えっ。

山田:「えっ」じゃない。あなたちゃんと失ってないですから、DTマインド。

乙君:そういうことか……。

ファミマはがんばればもっといいコンビニになる

柿内:すごく去年のなかでは教訓で、なんか納得できないことって多々あると思うんですよね。それのなかでファミリーマートの話とかも出てくるんですよね。「ファミリーマートってなんでこうなんだろう」ってずっと思ってるわけなんですよね。

山田:関係ないのにね(笑)。仕事を依頼されたわけじゃないんだけど、ファミマが気になってたんでしょ?

柿内:で、判官贔屓なんで、ファミマを応援したくなるわけですよね。セブンイレブンに飽きるわけですよ。毎回会社も家もセブンが近所だから。で、ローソンもいいんですよ。ファミマだけ行く気しないんですよね。なんか暗いんですよ。

山田:(笑)。

乙君:ディスってるやん。

(会場笑)

柿内:いやいや、これ応援です、愛の。ファミマって3番手くらいのポジションにずっといて、圧倒的な勝者がいて、「これ逆転できない」ってあきらめてるのかなって。でもがんばればもっといいコンビニになると思うんですね。僕目線からですよ。なんだけど、どこを改善したら……。

乙君:ミニストップもあるし、トポスもあるし。

柿内:それ全部好きなんですけど、ファミマ……。

乙君:ファミマをとにかく応援したい?

柿内:ファミマに行くこともあるじゃないですか。

乙君:(笑)。あるある。

柿内:そしたら自分が心地いい感じであってもらったほうがハッピーじゃないですか。

乙君:(笑)。そうですね。

柿内:なので、ファミマで……。

山田:その話、後半ゆっくりしてもらうということで、後半9時またぎなんで、とりあえずカッキーはB級グルメ王なんで、人知れずうまいものを作っているお店を見つけるのが大好きな人なんだよ。それで毎年ベスト10をTwitterで発表してもらって、今このタイミングで、B級グルメ選手権カッキーのベスト10を発表したTwitterのアカウントがあるんで、それをみなさんフォローしてもらって。

柿内:そうですね。去年のいつぐらいだったかな。

山田:12月だね。

柿内:12月くらいにツイートしたかな。B級グルメオブザイヤーっていう賞があるんですけど。

山田:これ誰にも頼まれてませんから(笑)。勝手に応援してます。

乙君:柿内ベスト10ってことでしょ? カキログでしょ。

柿内:そうです。

山田:そのカキログの話を後半にしようと。あとこのあいだ一緒にVR体験もしましたし。

乙君:えっ一緒に行ったの?

山田:一緒に。

柿内:いや、会社にあるんです。

山田:その話もちょっと後半にするって話で。ちょっとまたぎましょうか、9時。

来週のテーマは『モブサイコ』『CICADA』

乙君:じゃあちょっとここであれなんですけれども、来週は2月1日公式生放送でございます。こちら何話すかっていうのは、あれですよ『モブサイコ』受賞。

山田:『モブサイコ』ですね。なんで『モブサイコ』かって話をね。

乙君:と、中国の言論弾圧(笑)。飛ぶなあ。

山田:ネットの規制が中国厳しくなってきてるよねって話から『CICADA』は漫画が禁止されている時代の話なので、その関連で言論の弾圧、表現の規制みたいなもののクロニクルみたいなことをちょっと。

乙君:なかなか新しい角度でね。

山田:そうだね。俺やっててどんどん描きづらくなっていったのを体験してるんで、自分がデビューしてから、どれだけ描きづらくなってきたかっていう話もちょっとしようかなって思ってる。

乙君:そして『CICADA』の話ですね。

山田:『CICADA』の話。

乙君:『CICADA』の発売がもうすぐなんで、その話も公式でさせてください。そしてマーティン・スコセッシ『沈黙』を山田玲司が斬ります。

(会場笑)

山田:まだ観てないんだよ。

乙君:かたくなに観たくない観たくないって。

山田:辛い思いをしたくない。

乙君:隠れキリシタン系は俺苦手なんだってずーっと言うから、あえてそこは観ないと。

山田:もう観た?

柿内:いやまだ観てない。今週末観ようかなって。

山田:マジで?

乙君:一緒に。

柿内:僕も言いたいことめっちゃあります。

山田:あるんだ。

柿内:『沈黙』に関しては。

山田:それじゃあ後半ちょっと。

柿内:カトリックの学校に行ってたんで。

山田:そうなんだ、じゃあこれも後半。

乙君:まさかの。

山田:まさかの。それも含めて来週。

乙君:ちょっとフライングで『沈黙』の話も。みなさん『沈黙』観れる方は観て、来週に備えてください。そして、10日の金曜日は実は『ヤンサン』放送100回記念になります。

山田:いやーすごいね。

乙君:全部合わせて100回記念。

山田:100回もこんなことやってんの。

乙君:で、『CICADA』が発売日。10日にやりますから、金曜日ですからよろしくお願いします 。

山田:金曜日です。ありがとうね。

乙君:これまた、来週お知らせします。では後半は『君エヴァ』とカッキースペシャルってことでよろしくおねがいいたします。チャオ!

山田:チャオ!

(会場拍手)

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