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マラソン大会で記録を出したい人が、ランニングマシンを使うべきでない理由

トレッドミル、通称ランニングマシンは、室内で走りのトレーニングをすることができるすぐれものです。多くのスポーツジムでも導入されていて、トレーニング機器としてポピュラーな部類に入ります。そんなトレッドミルには、実は欠点があることをご存知ですか? 屋外で走るよりも膝への負担が少ないと言われているトレッドミルですが、室内の同じ場所で一定速度で走り続けるので、ペース感覚を身につけることができないのです。マラソンで記録を出そうと思うのなら、ペース感覚が必要不可欠です。ペース感覚をつけることによって、単純な体力のやりくりだけでなく、姿勢や体の動きの維持ができるようになります。つまり、記録を残したいなら、屋外で走ったほうがよいのです。そうした屋外トレーニングの利点を、武道の考え方を用いた運動法をレクチャーするYouTubeチャンネル「理論スポーツ」の管理人・高橋氏が解説。強さを手に入れたい方は必見です!

ランニングマシンと屋外はどっちが良い?

高橋大智氏(以下、高橋):こんにちは。理論スポーツ管理者の高橋です。

今回お話したいのは、トレッドミルについてです。通称ランニングマシンと言われていて、室内でランニングすることができる機械です。

こんなふうにコンベアーが回ります。その上を人が走るわけですけども、トレッドミルで走るのと、屋外を走るの。これは、はたしてどっちがいいのかと。

例えば、マラソンで記録を出したい、今よりもいい記録を出したいと思ったときに、トレッドミルで走るほうがいいのか、それとも外で走るほうがいいのか。「どっちがいいんだ!」ということはスポーツ科学の本などで議論されているんですね。

両者ともに、科学的な観点でいうと、こういった良い部分がある。だけど、こういった悪い部分があるとも言われているんですね。先に答えを言うと、トレッドミルは、ひざの負担がないんです。外で走ると、コンクリートの上で走るんで、ひざへの負担が強いんです。

対してトレッドミルは、それがありません。だから、ひざの負担がないから、多く走れるということで、トレッドミルがマラソンやランニング向いていると言われています。

一方、屋外で走る利点というのは、トレッドミルは、同じ場所を走り続けると。そうすると何が起こるかと言うと、コンベアーに対して、走ることをやらなくてもいいんですね。実際やれば、わかると思いますが、ひざに負担がかからないので、ジャンプすれば、けっこう走れちゃうんです。

コンベアーがどんだけ進んだかという、移動の距離で計算するので、上にジャンプしていても、距離は進みますよね。それで何キロ走ったかが出るわけです。それを見て自分が何キロ走ったかを感じれるわけですね。だけど、ただジャンプしてるだけじゃ、走ってることならないですよね。

屋外の場合だと、それがないと。屋外の場合は、本当に前に走らないといけない。あるいは、実際のマラソンの大会は外で走るので感覚が変わるから、やはり外で走ったほうがいいって議論されたり。

結果を残したいなら屋外を走れ!

両者も、良いとこが悪いとこがあります。悪いところがあるので、そのためにうまく使いわけなきゃいけないという話がありますですが、トレッドミルには決定的な欠点があります。これは、私はマラソンをやってまして、弓道で姿勢や体の使い方に関しては、ものすごい勉強してきて。

トレッドミルを1年間ずっとやってたときもあったし、マラソンで、いざ本格的に記録出したときに、屋外でずっと(走った)。今はもうトレッドミル使ってないんですけど、外で走ったことによって、大きな記録を手に入れることができたんですね。

マラソンにおける体の使い方を姿勢の観点でいうと、断然屋外なんですね。トレッドミルだと、あきらかに欠点がでてしまいます。それは、なんなのか。なんで屋外がよくて、トレッドミルがダメなのか。

スポーツ科学の観点で言うと、トレッドミルにもいいところはあります。ひざの負担がないとか、あるいは、逆流するスピードに対して足を蹴る走り方が身につくから、トレッドミルがいいと。しかし、姿勢や体の使い方の観点では、屋外のほうが圧倒的にいいんですよ。

じゃあ、それはなんでかというお話すると、屋外だと、マラソンや姿勢の維持をするのに、絶対的に必要な「あること」が身につくからなんです。それはペース感覚です。つまり、1周1.5キロの公園があったとしたら、「あのラインまで行くと、だいたい500メートル。ここの駐車場を通過すれば、だいたい1キロ。

ここで1周だ。自分は、1キロ6分ぐらいのペースで行こう。これぐらいの感覚、これぐらいの体の状態で、抑えた感じで走れば、6分ぐらいでいけるな。このぐらいの感覚で走れば、5分ぐらいだな。めちゃくちゃ全力で走れば、3分ぐらいだな」というような、ペース感覚ってあるんですよ。マラソンやってる人は、これがものすごく大事なんですね。マラソンランナーがいい記録を出せるか出せないかというのは、このペース感覚が養われているかどうか。

ペース感覚が強さを作る

つまり、42.195キロあるとしたら、後半の何キロから何キロまでは、何分何秒で走んなきゃいけないのか。何分何秒で走るためには、自分の中で、スピード感覚を持っているかどうか。これが、すごく重要なんですよ。これを持ってるかどうかで、42.195キロという長い距離を走れる体力、精神力が身につくわけです。

精神力、体力とかいろいろ言葉で言われますけど、要するにペース感覚なんですよ。これが養われれば、むちゃくちゃ強いんですね。このペース感覚が養われると、自然と姿勢や体の動きが身についてくるんですね。こういったのが、どんどん変わってくんですよ。

それはなぜかというと、これぐらいのペースで走る。「あの駐車場でだいたい2分ぐらい」。「この場所でだいたい4分ぐらいで行ければ、ゴールは、何分何秒ぐらいでいけるだろうな」って。私なんか、近くの公園とかで走るときは、そういうふうに考えながら走るんですけど。

それが無意識にできる人っていうのは、姿勢や体の動きが強いです。ランニングやマラソンで圧倒的な強さを持ってます。例えば、どこかの大会で雨が降ってきて、走りにくい平地がきても、ペース感覚があれば、姿勢や体の動きは、ぜんぜん崩れないです。

ところが、トレッドミルの場合はどうかというと、これがないんですよ。ペース感覚が、わからないんですね。なぜわからないというと、機械がスピードを制御してくれるんですよ。だから、1キロ4分で走りたいと思えば、スイッチ押せばそのぐらいのスピードを出してくれるんですよ。

だけど、そのスピードに対する自分の手の動きであったり、足の動きっていうのは、これはコンベアーの動きに対して、もうすでに出されてるわけですよ。すでに出されてるものに対して、自分がそれ、受ける感じですね。

そういう受け身な感じで無理やりペース感覚を作ったんじゃ、実際に外で走ったときに、大きくずれてしまいます。これは1キロ6分から7分ぐらいの遅いペースであれば、トレッドミルでも普通の平地でも、同じように出るんですけど。

問題なのは、1キロ3分前半とか、4分台え3コンスタントに走りたいとか、そういうふうになってきた場合は、屋外でのトーレーニングはものすごい優れてるんですね。やはり、ペース感覚なんですよ。この感覚ですね。そこに、尽きるわけです。あるいは、ケガをする人とか、そういった人も結局ペース感覚がどっかで狂っちゃって、動きが悪くなっていく。

スポーツ科学で言ったら、例えば筋肉とか関節とかのことを考えたり、あるいは、エネルギーとか。それで言ったら、ひざの負担がない。トレッドミルだと。ただ蹴る運動だけで、力が身につかない。

いろいろな、筋肉や関節、エネルギーといった観点で話すと、どっちがよくて、どっちが悪いかというのは、曖昧になっちゃうんですけど。ここで1つ、姿勢とか体の動きっていう観点で、どっちがいいのかっていうのを考えてみましょうと。

なので、トレッドミルと屋外どのように使いわけるか、筋肉やエネルギーの観点でいけば、「使いわける」という結論になるんですけども、姿勢や体の動きを改善したいと思うのであれば、外で走るっていうことを心掛けてみてください。以上で説明を終わります。ありがとうございました。

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