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BORDERS | 5 Artists in 5 Minutes | LittleArtTalks(全1記事)

地図×アート 世界の姿を描きだす芸術家たちの挑戦

人類の歴史において「地図」は常に重要な役割を担ってきました。人々は地図を元に移動し、未開の地へ冒険に駆り立てました。今の世界も、地図で表現することができます。私たちは、必ずどこかの国に属しています。そして、そこにある国々を分かつのは、境界線です。YouTubeのアート系チャンネル「Little Art Talks」。今回は、国々を分ける境界線をアートに用いた芸術家たちの作品に迫ります。

地図を使った芸術達

カリン・ユエン氏:みなさん、他人に最初に出会った時、どこから来たか尋ねますよね。そして状況に応じて異なる返事をするでしょう。たとえば私は、サンフランシスコで生まれ育ったと答えています。

私たちは、どこから来たかに重きを置きます。しかし、それは経済や政治面から決定され、設置された任意の境界線から離れたことのようにみえます。今日は地図や地勢図、そして環境的な境界を用いて作品を作る、5人のアーティストをシェアしたいと思います。

マーク・ブラッドフォード(Mark Bradford)は、ロサンゼルスを拠点に活動するアメリカ人アーティストです。印刷物と絵画をコラージュとして繋ぎ合わせた、格子状の抽象絵画で知られています。

『軌道(Orbit)』(2007年)は、雑誌のバスケットボールの画像が中央に置かれ、ロサンゼルスの格子状に密集した道路を空中撮影したイメージを思わせます。そこでは、足したりそぎ落としたり、輪郭を引かれたり、切断されたり、衰退したりした、入り組んだ道路が、見知らぬ力に対して、もはや構造的な完全性が維持できなくなったように思えます。

ジュリー・メーレトゥ(Julie Mehretu)は、ニューヨークで活動するアメリカ人のアーティストです。彼女は、レイヤーが密集した大画面の抽象絵画と版画を手がけています。ペンやアクリル絵の具、そしてインク、厚い絵の具の流れから、レイヤーが立ち上がります。しばしば建築的な要素や、都市地図や建築図面、そして地理的な図式のようにも見えます。

彼女は自分の作品について以下のように述べています。「私が抽象的なマークを制作するのは、一種の記号や語彙、シニフィエ、文字といった言語が、全体のアイデンティティーを特長づけ、社会的な行為主体を持つためです。このような地図の文字たちは、旅したり、進化したり、文明を構築することを企てます」。

「私は、これらの文字の経験と発展、そして彼らの都市や境界域、彼らの内乱や戦争を、図式化し分析してきました。多くの建築図面と絵を組み合わせることで、歴史を構造的、象徴的にみる見方を創造したかったのです。私は、自分の絵を時間と空間の中に置きたかったのです」

芸術が写す世界の姿

アリギエロ・ボエッティ(Alegiero Boetti)は、イタリアのコンセプチュアルアーティストです。1971年から亡くなる1994年まで続いた、世界地図を刺繍した一連の『地図』という作品で知られています。

ボエッティは、カブールの刺繍学校の女性たちに、それぞれの国に国旗をとり入れた世界地図を刺繍するように依頼しました。当初は1作品を制作する予定だったのですが、生前におよそ150作品を注文し続けることになりました。そして2つとして正確に同じ大きさのものはありませんでした。

彼の地図は、ソ連崩壊、ベルリンの壁崩壊を含む1971年から94年までの間の、地政学的世界の変化を反映しています。最大500人のアフガニスタンとパキスタンの職人が刺繍した地図は、共働のプロセスによる成果であり、デザインは地政学的な現実に対応し、色の選択は刺繍を担った職人たちに任されました。刺繍者がある特定の色が足りず、別の色に替えたとき、海は青ではなく赤や黄になりました。周縁の文字には、作品の制作に関連する日付と詳細が含まれています。

バク・イソ(Bhac Yiso)は『Wide World Wide』という作品を2003年に制作しました。タイトルは恐らくWorld Wide Webをもじったと推測され、世界中の行ったことのある184の名前が、地形的な場所と関連付けられ、掲載された韓国語表記の地図です。韓国語の上に、ローマ字化された名前が重ねられ、流動しながら止めつけられています。

作品は、地図上に存在する場所がどれだけ簡単に操作され、社会の主潮からいかに意識され難いかを喚起しています。インターネット上には莫大な知識がありますが、断片化され、表面化された、そして視界に入らないような未知の場所があります。地図上の名前を読むことで、心の中にその存在を留めるのです。

ザリーナ・ハシミ(Zarina Hashimi)はインド人のアーティストであり、主に紙を用いて制作します。彼女は、それが個人的なものであれ、地理的なものであれ、あるいは国家的な、精神的な、そして家庭のものであれ、家の概念を探求しています。作品の多くは、文化や経済だけでなく、言語や地理上の繋がりを共有していながら、1947年に軍事力による分離が行われて以降、歴史並びに政治的な緊張に満ちた2つの国家、インドとパキスタンの間の複雑な関係を扱っています。

『家からの手紙(Letters from Home)』(2004年)はパキスタンに住む妹からの手紙が元になった版画で、手書き文字が、青い家の地図上に重ねられています。

『私の世界の地図(An Atlas of My World)』(2001年)では、インドとパキスタンの国境線が、曲がりくねった厚い黒い線として表現され、

『Dividing Line(分断線)』(2001年)では、この厚い黒い線が、版画全体に渡って横切っています。

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