2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
第60回『とにかくこれだけは抑えとけ!〜レイジなシネマアーカイヴ・第一幕「ざっくり映画史編」開帳!!』(全10記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
山田玲司氏(以下、山田):ここからすごいおもしろいのが、実はこれ33年に、もうトーキーになってるけど、『キング・コング』が撮られる。
乙君氏(以下、乙君):え、1933年に?
山田:そう。
乙君:早っ!
久世孝臣氏(以下、久世):すごいんだよ。
山田:めちゃめちゃ早い。
乙君:あれ戦前の映画だったの?(笑)。
山田:これがいわゆるクレイアニメみたいな感じで、コマ撮りで撮って。こうやって1個ずつ。で、ここから、みんな大好きなハリーハウゼンが登場ですね。
久世:(笑)。
山田:ハリーハウゼンだろ。ハリーハウゼン!
久世:みんな大好きかな? すごいこと言うな。
山田:みんな大好き、ハリー。ハリー大好きでしょ? みんな。ごめんね、わかりにくかった(笑)。
乙君:(コメントにて)「ハウゼン、ハウゼン!」って言ってるよ。みんな。え、大好きなの?
山田:ハウゼン大好きだよ。ハウゼンって……説明しますよ。奥野さん(笑)。
久世:奥野さん、聞いてますか?
乙君:聞いてます。
山田:この人、シンドバッドの冒険とかですごい有名。コマ撮りで骸骨が動いたりとか、恐竜とかがこうなったりとか、いわゆるそういう特撮。コマ撮り特撮。CGとかがない時代の、フィルムとかも加工しない最初の特撮が、この時期に早くも登場する。しかも、このハリーハウゼン、レイ・ブラッドベリの高校の時の友達なんだよ。
乙君:ええー!
山田:すごくない? ブラッドベリの友達だよ。すごいよね。
乙君:それはすごい。
山田:そのブラッドベリが53年に作った『原子怪獣現わる』という映画があるんだよ。これの特撮をやっているのが、特撮というか技術やってるのがハリーハウゼンで。これ、どういう話かというと、ほぼゴジラです。「核実験で恐竜出てきちゃいました。みんなでどうやって倒しますか?」って話なの。
乙君:ゴジラやん。
山田:ゴジラなの。で、『ゴジラ』が54年です。だから、翌年なんですよ。翌年に『ゴジラ』が登場なの。だから、英二も見てたんです。
乙君:あ、円谷英二が……。
山田:円谷の親っさんもこれを見て。親っさんは『キングコング』から見てたの。「なんとかなんねーかな」って思ったら、原子怪獣が現れちゃったの(笑)。「これや」と思って。
乙君:「もうサルは古い」と。
山田:「そしたら、もうゴリラとクジラ合わせてゴジラにしたるわ!」っていうのがゴジラですから。
乙君:そうなんだ。
久世:そうやで。
山田:そうそう。「でかいぞー!」っていう(笑)。それでゴジラになっていくというのがあって。
乙君:勉強になるなあ。
山田:で、このハリーハウゼン、ピクサーの人たちも大好きで、『モンスターズ・インク』のなかに、「デートするならどこのお店がいい?」って目玉の人が連れていくシーンがあるじゃん。あの時の店が「ハリーハウゼン」という店なんだよね。日本料理屋なんだけどね。なんで日本料理屋でハリーハウゼン……。
久世:(笑)。
山田:「ハリーハウゼンだよ!」とかって絶叫してるので。
乙君:日本通だったんですかね? ハリーハウゼンが。
山田:ピクサーのなかに、たぶんピート・ドクターだっけかな、あの映画。たぶん監督がすごく好きなんだと思うんだけど。でも、あのピクサーの人たちの世代は、これはたぶん基礎教養もいいとこだと思うよ。下手すると、子供の時に観てる可能性もあるぐらいの。あ、ないかな。ちょっとないね。
乙君:ごめんなさい。ちょっと混乱してるんですけど、『メトロポリス』を撮ったのは誰なの?
久世:フリッツ・ラングだっけな。たしか。
乙君:あ、それはここ(ホワイトボード)には出てきてないの? ここには書いてないという。
山田:書いてないけど、そうだね。
乙君:『メトロポリス』って映画がもうエポックメイキングで、その後の特撮の流れとかSFの……。
山田:これね、特撮じゃないんだよ。でも、SFをやっちゃうという。
乙君:SFにつながるという、オリジナルになるってことね。
山田:そうそう。これ実は、トーキーにいくまでの間にめちゃめちゃすごいところまでいっちゃってるのね。映画って。
乙君:そっか。サイレントなのにもう完成度というか。
山田:完成度が高い。なんでかというと、演劇がもうそこまでいってたの。演劇、文学、絵画、それから写真もきてたから、全部の要素が映画に入っちゃった。それで、入ったやつを全部漫画に引っ張ったのが治虫だから。
久世:(笑)。
乙君:ああ!
山田:あいつが一番強烈なんだけど。
久世:それはすごいな。
乙君:パクリ大王やん。
山田:治虫といえば、絶対忘れちゃいけないのがこれ。27年。これやばいんだよな。27年に『ジャズ・シンガー』というトーキーの映画がスタートするんだけど、なんとこのあとの28年に出てくるのが『蒸気船ウィリー』ですからね。
久世:お、来たね。
乙君:……へ?
山田:え!?(笑)。
久世:『蒸気船ウィリー』だよ。
乙君:きかんしゃトーマスしか知らん(笑)。
久世:違うよ!
乙君:俺、「ウィリーってやつおったのかな?」と思ったんだけど。
久世:ネズミさんや! ネズミさまや。
山田:これです。
山田:ミッキーマウスです。
久世:そうです。
乙君:え?
久世:ミッキー。ミッキーの原型のやつ。
乙君:あ、そっち。
久世:ネズミでピンと来いよ(笑)。
山田:なんでそれがすごいことかというと、ディズニーってそれまでライバルがめちゃめちゃ多かったんだよね。ディズニー兄弟でやってるときにさ。それでオズワルドというキャラクターを取られちゃったりとか、いろいろ苦労するんだけどさ。やっぱり気がついたら、前の年にトーキー出ちゃったっていって、「これしかない」って、もうものすごい……翌年だからね。
乙君:早いってこと?
山田:早いんだけど、めちゃくちゃ完成度高い。(歌いながら)タタンターン、タタタタタターンって知ってる?
久世:運転してるの。
山田:タタタタタターン、タタタッタっていう。知らない?(笑)。
乙君:ごきげんですね(笑)。
(久世氏、口笛でメロディをなぞる)
山田:そうそう。まさにそれ。
久世:出てくるやんか。最後、ディズニーの映画の。
山田:お前、知らないの!?
久世:なにやってんねん。
乙君:ここ(山田氏との間)に長江流れてるんで。
久世:流れてないよ!
山田:赤壁上がってこい!
久世:一緒に船に乗せたやん。お前ら。
乙君:乗ってない。乗ってない(笑)。
久世:なに途中で降りてんねん? 勝手に。
(一同笑)
乙君:ちょっと、今日の趣旨は「誰でもわかるやつ」ですよ。「なんで知らんねん?」という……ちょっと意味がわからない(笑)。
久世:Oops, sorry.
山田:わかった、わかった。そのとおりです。だからなにがすげーって、ディズニーが本当に口の動きからすべて音楽にピッタリ合わせてアニメ作っちゃったんだよ。だから、ここでもう1回ゴールしちゃってる。もう頂点までいっちゃてる。ポーンて。
BGMじゃないんだよ。本人たちが歌って動いているのに合わせて音楽をつけるということをやっちゃったから、まあとにかくここの27年から28年のこれは革命ですね。だから、俺、最初の革命はここのトーキーだと思うんだよ。
久世:第1の革命「トーキー」、来た。
乙君:エジソンじゃなかったんだ(笑)。
山田:これは黎明期なので。ただ、ここまで安定した政権が続いてたんだけど、革命が起こっちゃったのがこれ。第1次革命がまさに起こって。しかもこれ、皮肉なことに27、28年ぐらい、ここは焼けてないんだよ。アメリカだから。
乙君:焼けてない?
山田:だから、第一次世界大戦でそれまでのヨーロッパはもう焦土と化してるじゃん。まあ熱狂のパリ時代があるんだけど、もうおかしくなってる。その隙を縫って、アメリカがガーッと映画産業をしたたかに積み上げていって、ここでもう完全に文化として上にいってしまうという。追い抜いてしまう。それまで(の映画史の舞台は)、だってこれ、ソ連だから。
乙君:そもそも文化がないから、そっち側に全部新しいからガーっていっちゃう土壌というのはあったんですね。
山田:もう本当にすごいよね。フロンティア精神ってさ、「Go West」じゃん。だから、本当にGo Westの先がハリウッドだったわけでさ。そこでなんにもない砂漠のなかにベガスを作っちゃうわけじゃん。
そこで、なんでもいいから新しいものを作るっていまだにそこは残ってるよね。あそこが中心というか先端みたいなノリが残ってて。「まさに一発目がトーキー。ディズニーやべえ」ってって覚えておいてください(笑)。
久世:覚え方簡単(笑)。ディズニーやべえ。
山田:そうそう(笑)。
乙君:トーキーが革命で、ディズニーがやべえ。
「こんなのも観てないんだ」映画のハラスメントに負けないための“ざっくり映画史”
彼女と映画を観た後、なにを語るべきか? 余裕のあるウンチクの話し方を伝授
ハリウッド誕生の影にエジソンあり 山田玲司が“映画のカンブリア紀”を語る
“映画の父”からSFの元祖まで 発明だらけのシネマ創生期を振り返る
知っておきたい映画の歴史--トーキーの始まりとディズニーの『蒸気船ウィリー』について
映画史総ざらい--ハリウッド黄金期とテレビの登場、娯楽としての映画の終幕
ゴダールはなぜすごいのか? 映画史における“ヌーヴェルヴァーグ”の功績を解説
ベトナム戦争は映画史にどんな影響を与えた? モテるためのシネマアーカイブ
スピルバーグとルーカスは映画史をどう変えた? 1977年の革命に迫る
スピルバーグたちがドリームワークスを設立して“大人”を殺した?
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05