CLOSE

The 17+ Different Kinds of Ice!(全1記事)

宇宙には“熱い氷”が存在する? 知られざる水の性質を解説

水が凍ると氷になることは小学校で習ったはずですが、実は私たちがよく見る氷のほかにも、違った形をした氷がたくさん存在します。地球上ではお目にかかれませんが、理論上ではおよそ17種類とも言われており、なかには“熱い氷”すら存在するのです。今回のYouTube科学系チャンネル「SciShow」では、地球上では見られないさまざまな氷の形について解説します。

氷には17種類の形がある

ハンク・グリーン氏:水は奇妙です。これはいい意味で言っています。水は、ある書籍の内容を占めるほどすばらしい化学的特性を持っており、誇張ではなく、水の特性は私たちを生かすことを可能にしてくれています。

しかし、本当に奇妙な物質です。ほとんどの化学物質は1つまた2つの固体を持っています。誰に聞くか、またどのように数えるかによりますが、水は17またはそれ以上の固体があると言われています。地球上には1つしかないとはいえ、私たちはこれらのエキゾティックな形を宇宙空間で見つけることを期待してしまいます。

温度と気圧は、どんな時でも化学物質が固体、液体、気体のどの状態で存在するかに大きな影響を持っています。それらは、分子がどのようにしてもっとも安定した配列をするかに影響します。そして、水の分子は特別な性質のため、たくさんの種類の氷があります。水の分子中の酸素原子は、2つの水素がくっついており、さらに2つの孤立電子対がくっついています。

電子は小さいですが、負電荷は互いに反発します。したがって、これらの孤立電子対は場所をとります。効率よく、4つのものが酸素原子にくっついており、互いに可能な限り距離を保つためにシャッフルしています。そうすると酸素を中心にして四面体の形になります。

異なる水分子上での水素原子と孤立電子対は、1つの水素原子と電子というように互いに水素結合を形成します。すべての水分子がきちんと隣と水素結合している限り、氷を形成するようになります。

しかし、四面体は1つの方法以上でもくっつき、さらにすぐ近くの分子の孤立電子対は互反発しあい、分子を離れさせるために押し出すことができるのです。その結果、水分子は、安定した構成を探すために頻繁に押し合いを繰り返しているのです。温度や気圧の変化はほんのわずかで、分子は異なる結晶構造に変わります。約17の結晶構造があり、古い氷の発見の順番によってそれぞれロマン数字で名前がつけられています。

約17個と述べた理由は、すべての個体を作成するために、実験室で極端な温度や気圧に到達するすることが非常に難しいからです。観察されたものの1つには、準安定原子または安定分子があります。氷のほかの構造は理論的に温度と気圧によって決められますが、準安定原子構造では、少しの間分子が沈着した形態です。また別の氷の構造は、コンピューターモデルやシミュレーションによって存在が予期されるものもありますが、私たちには決して作り出すことはできません。

熱い氷も存在する?

そうなると、ロマン数字では記録されていないほかの氷の構造があることになります。なぜならばそれらは結晶構造ではないからです。非結晶質の氷は規則正しさがなく、結晶構造を繰り返すので、番号をつけることができないのですが、ガラスやバターのように固形状で存在しているのです。

そして、超イオンアイス(氷)と呼ばれる、より野生的な構造もあります。超イオンアイスでは、酸素原子がクリスタル格子に閉じ込められているのですが、水素原子は自由に周りを動き回ることができます。どのくらいの数の氷が混ざり合ったり、または雪だるまを作るのに使われているのでしょうか? おそらく1つだけです。空から降ってくる氷そして地球上に積み重なっている氷の全ては氷1(ICE I)です。とくに、氷1の六法晶形型です。

雲に見られる、立法型の氷1もあります。結晶が少し異なって成長しますが、分子レベルでは区別できないので、同じ番号がつけられたのです。しかし、氷1は宇宙の氷の中ではもっとも一般的な構造ではないのです。

宇宙でもっとも一般的なのは、星間塵の素粒子の層がぎっしり詰まった非結晶質の氷です。非結晶質の氷の様に非結晶質の構造は、個体がきっちりした結晶構造に落ち着けないほど速く冷たくなった時に形成されます。そして星間の空間は、クレイジーなほどに冷たいのです。

超イオンアイスは、おそらく氷の惑星である天王星または海王星に存在しているでしょう。ある科学者は、この奇妙な氷の様相はこれらの惑星で観測されている、未知の磁界の物質によるもだと考えています。

そして私たちの太陽系外、そしてグリーゼ436bと呼ばれる太陽系外惑星では、すべての熱い氷を留めていると考えられています。これは言葉の誤りではありません。私たちは普通氷が熱いとは考えません。しかし太陽系外惑星の表面の温度は、快適さを保つには439度だと推定されています。

ここで、温度と気圧の関係が作用し始めることになります。太陽系外惑星上の気圧は高いので、暖かい液体状になっている水は基本的にぺちゃんこに潰された状態で凍るのです。おそらくもっと奇妙な形の氷が私たち発見されるのを待っていることでしょう。

私たちは非常に一般的で不可欠なものに対し、その化学がどれだけ特異なものか考える傾向がありません。しかし、近くでもっとよく見てみるとそれらの分子はあなたを驚かせることでしょう。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!