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『「この世界の片隅に」 業界激震!別格すぎる名作が起こした5つの革命とは!?』山田玲司ニコ論壇時評12月14日号(全8記事)

『この世界の片隅に』はVR!? 『シン・ゴジラ』『君の名は。』との決定的な違い

ニコニコ生放送の人気番組「山田玲司のヤングサンデー」。今回は12月14日放送の「『この世界の片隅に』 業界激震!別格すぎる名作が起こした5つの革命とは!?」の内容を書き起こしでお届けします。本パートでは、『この世界の片隅に』が、2016年のヒット作シン・ゴジラ』と『君の名は。』の2作品との決定的な違いを語りあいます。

『この世界〜』では「なかったこと」にはならない

山田玲司氏(以下、山田):そしてですよ!

奥野晴信氏(以下、奥野):そして!

山田:最後ですよ。こうのさんどうしたかというと「なかったことにやならないんじゃ!」っていうのを一発かますわけですよ。「夢みたいなことにはならないんじゃ!」っていう。「これがこの国の正体かね?」って言ってる。これはだから、庵野さんは国まだ信じてる。この国の正体わかったから信じない。それで、なかったことにはならない。

この両方の映画をすぐさま否定している。どうするかというと、「それでも生きるんじゃ。」っていう。これを広島弁でやられるとたまらないでしょ? 「生き残った我々はそれでも生きるんじゃ。」って言われたら。どうすんのこれっていうね。

奥野:たしかに前作2つと比較するとそうなりますね。

山田:恐ろしいよね。実際はセカイ系って言われてね。自分と世界は同じ価値だと思ってる人。もしくは、俺が死んだら世界なくなるみたいなさ。世界と同じくらい俺は偉いんだとか思ってる感覚みたいなのは、実は本当は世界なんて見てないんじゃないかというメッセージを感じる。

奥野 おっと!

山田:なかなかきついやつなんだけど。世界の中にはとんぼや波のうさぎやキャラメルも入ってる。

奥野:おお!

山田:実は世界系っていうのは世界なんてみてないんじゃないかって。世界系に対して一発終止符を打ってしまったらっていう。

奥野:世界の中心で何かを叫ぶような?

山田:あれから10年経ってる。

奥野:あれから10年経ち。

山田:逆に言うと『エヴァンゲリオン』から20年なんだよ。今日も『エヴァンゲリオン』やるけど、本当に皮肉なことに『エヴァンゲリオン』が起こる2015年だっけ? 使徒がくるのが。

奥野:去年ですね。使徒が来たのは。

山田:こういうタイミングで2016年に終わりって告げられるのが、現実の2016年だなと思って。

『シン・ゴジラ』『君の名は。』との決定的な違い

山田:この変化ってなんだろうなと思うと、俺、のっぽさんに言われたんだけど。

奥野:のっぽさん!?

山田:のっぽさんと話ししてるときにね。のっぽさんあの番組終わってからよくしゃべるからね(笑)。

奥野:そうなんだ(笑)。

山田:めっちゃしゃべってくれて。俺が物語作ってるって聞いて、その時に俺に最後に言ってくれたアドバイスっていうのがあって、その時に言われたのが「山田さん、本当のような嘘じゃなくて、嘘のような本当を書いてください。」って言われたんだよ。わかります? 嘘のような本当でしょ? 『この世界の片隅で』描かれてるのは。

奥野:ああ、なるほどね。

山田:戦争くる、くるって言われたけど、「最近どの辺におるんじゃろ」って嘘みたいだったんだよ。でも本当なんだよあれ。あれ起こったこと本当なんだよ。虚構なんだよ。まさに。

奥野:『シンゴジラ』と『君の名』ははこっち(本当のような嘘)なんだ。

山田:そう。本当のようなことを言ってるけど、震災はなかったことにならないし、若手官僚は当てにならないよ。デブリは冷えてないよ。だからこっち(本当のような嘘)からこっち(嘘のような本当)なんだよ。これが最大の話というか一発出たなという。みんなで謝らなきゃいけないんだよ。

奥野:なるほど。のっぽさんすげー(笑)。

山田:のっぽさんすごいでしょ。だからこれは肝に銘じてますよ。本当に。

「普通の世界」は美しい

山田:だからこそ最後、原作やばかったよ。生きるんじゃの後に、孤児と一緒に呉に帰ってきてから一瞬だけページの端っこが色付くんだよね。で、見開きにすると大画面で。

奥野:それ原作の話ね。映画じゃなくて。

山田:そう。大画面で色の付いた呉の街。戦後の呉の街が描かれるんだけど、これがまあ美しい。ゴッホの星月夜だよね。「普通の世界には色があるんだよ」っていうね。色を失ってたんだよ。今まで。これこそがアナログの強さというか。白黒で描く漫画っていうメディアだからこそ、ここ1番でパートカラーをやれるわけよ。

奥野:そうなんですよ。俺も同じですよ。(笑)。

山田:だから哲がすずを「お前は普通じゃな。」って言って「お前だけは普通で居てくれ。」って言うじゃない。「意味なく自分は軍隊に行って叩かれたり、拝まれたりするけど、そういうふうにされるのは藁や神さんじゃ」って言うんだよね。人間じゃないって言うんだよね。「俺が死んでも拝んだりせんといてくれ。俺は普通なんだぞ」っていう。この状況っていうのが普通じゃない。

おかしなことなんだよ。俺を拝むようなことはおかしいんだよ。俺を英霊にするのはおかしいんだよっていう、いち兵士の視点が入ってる。これが強烈。右も左もぶち抜いて入ってくるのが哲なんだよ。これはなかなか壮絶だよね。だから疲れちゃった(笑)。こんなん疲れるわ。最後にちょっと「ミソジニー」の話し、女性嫌悪の話し先週してたんだけど。

この映画って本当に何を感じさせられるかっていうと「やっぱ女っていいよな。」っていう。女嫌いになっちゃった俺たち。高度経済成長からここまで生きてて。女の嫌な所一杯見てきちゃった。いや女のいい所って一杯あるよなっていうのが、この「ミソジニー」が限界にきてトランプが誕生した年に同時に起こるっていうのがすごいおもしろいよね。

奥野:それはたぶん 『この世界の片隅で』に関しては懐古主義ですよ。そういう意味でこういう女性がいいっていうのが結局古典主義みたいなことですよね。

かつての女性が持っていた“強さ”

山田:あのね、すずさんのお母さんや、すずのお兄ちゃんが亡くなった後のすずのお母さんの態度ってあるじゃん。これが本当の強さだと思わない? このタフさみたいなものって、これが一種の普遍だと思うし本来持ってた。

奥野:本来そうだったはずなんですよ。日本っていうのは。だけどそこからフェミニズムとかいろいろ入ってきて、多様性が増えたことによって女性が自分探しを始めちゃってという所で男性化はしてきますよね。男も女性化してきて。

山田:家事みたいなことしたくないみたいなことずっと言ってた女たちの歴史があったじゃん、それを女の作家さんが書くんだよ。その素晴らしさを。「いわし3匹で家族3人のご飯を作らなければならない。これが私たちの戦いじゃ。」っていうわけ。

奥野:うーん、頭が下がる。

山田:頭下がるだろ(笑)。みんな反省させられるんだよ。それで、家に落ちてきた焼夷弾の火を全身で消すでしょ。ふとん持ってさ。あれ原作よりも丁寧に書いてるね。映画のほうはね。ゆっくりと。どうか火が燃え移らないでくれと思いながらも見てしまうみたいなさ。

いやいやどうもね。なかなか一言で「女がんばれ。女って素晴らしい。」っていうアンサー。アンサーっていうか、メッセージっていうか。八卦っていうか。かつて日本女性が持っていた素晴らしさっていうのを。

奥野:こういうのは窮屈だと思う女性もいるし。

山田:もちろん、そうだし。

奥野:正解の1つではあるし、ということですよね。

山田:上手いのは遊郭の人も出てくるし、おねえさんみたいな人も出てくるんだけど、日本女性にこういう人たちがいたというのがわかる。総じて強いんだよ。やっぱり。しなやかだし。後半のみんなが言ってる、とある事件があった後のすずの絶叫シーンがあるんだよ。

今まで「ありぁ困ったねぇ。」ってやってるすずが絶叫シーンがあるんだよ。あれで思い出すのは去年の『マッドマックス』のフュリオサだよね。フュリオサはずっと喋らないんだよ。フュリオサも心の中に「困ったねぇ。ありゃぁ。」って言いたかったんだよ、マックスに。マックス何も言ってくれないから。それで絶叫に繋がるわけですけど、フュリオサも泣いとったんじゃ(笑)。

(会場笑)

奥野:なんの話?

『この世界〜』は、体験の映画だ

山田:言いたかないけど宮駿さんはやっぱりロマンチストなんで、ある種戦争ものみたいなもので「風立ちぬ」っていうのを書いてるじゃないですか、素晴らしい作品だけどやっぱり肝心な所を見ないようにしてた。肝心な所をみないようにしない宣言「見ないことにはせんのじゃ!」という宣言。これが本物の大人の姿だなと思ってね。

奥野:戦争を直接体験してないからこそ、客観的にある程度描けたという、そのナチュラルな距離感を担保してるからできた作品というのもあるかなと思いますけどね。

山田:基本的にどんなコンテンツでも作った人に会いに行くという体験なんだよね。これはゴッホの絵を見に行く時には、ゴッホ自身会いに行くという体験なんで、この作品はこの作品を作る前に、実際にそれを体験した人に実際にこうのさんが会ってると。会って、それから監督もそうなんだよね。監督も会ってるというね。それで、乗っかっちゃってる。彼らに会いに行くという体験なんですよ。

奥野:はぁ。

山田:体験だから言葉にならないわけ。メッセージではないの。「こうなんじゃよ。」って言われるのではなくて、「こういうことがあったんだ。」というのを体験する。実はこれ、VRなんですよ。

奥野:ほう!

山田:よくできた。最後にだから体験の年ですよ2016年。次に行きましょうか。疲れちゃった。もう55分になっちゃったじゃんかよ(笑)。

(会場笑)

奥野:もっと突っ込みたいことが一杯あるので、それは後半に、いつもの山田さんで、がっつり話したいと思ってますが、こうのさんは、すずさんとぜんぜん違うというコメントもあったので、他の作品も山田玲司さんも読んだっていうお話しですし話したいなと思っています。

山田:はい。

奥野:後半はお金掛かるんです。525円でね。今までの加工動画全部見放題なので、ぜひ。ぜひ。

山田:あっそう。加工動画全部見られるんだよ。俺がラピュタの動画全部見た動画見られるんだよ。そんなの見なくていいって?(笑)

(会場笑)

山田:興味ない?(笑)見てください。

奥野:じゃぁ、ちょっとだけ延長してやりますか。次、『この世界の片隅に』やった後で何かあれですけども。

山田:だから難しいんだよね。時事で取り上げるやつじゃないんだよね。がっつり2時間やるやつじゃない? 本来はね。

奥野:まあみんなこのタイミングがよかったんだよね。

山田:まあ、そうだね。

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