2024.10.10
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7 Kinds of Makeup Chemistry(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:化粧をする際、顔になにを塗っているのかを意識したことはあるでしょうか? ぜひ考えてみてください。そして500年前に生きていなかったことに感謝するはずです。
1500年代、完璧にすべすべした白い肌のために鉛のような有害物質が使われていました。結果は想像できるでしょう。
ですが、ありがたいことに、私たちは16世紀以来化学に関する知識を積み重ねてきました。化粧の歴史は長く、少なくとも1万年前には行われており、素材は毒性化学物質から動物の排泄物までさまざまです。
それが現代では、ほとんどの化粧品は研究室で作られています。まつげを暗くしたり、顔をすべすべにしたり、化粧品がどのような効果があるのかは化学に頼っています。化粧品の裏にある化学を意識し、朝のルーティンの方法を変えることを検討しましょう。
あなた自身が使っているかいないかに関わらず、口紅はもっとも代表的なコスメティックの1つです。しかし、あなたの好きな色を作り出す成分はたった5パーセントに過ぎません。口紅の主な成分はオイルと混ぜたワックスで、香りと染料はわずかなのです。ワックスが口紅の構造を支え、他の成分を一緒にまとめる効果を持っています。
口紅のタイプでワックスの種類は異なりますが、ほとんどが蜜蝋か、ブラジルのカルナバヤシの木から採れるカルナバワックスを使っています。カルナバワックスは摂氏84度に届くまで溶けないので、車に置き忘れても溶けず利便性が高いのです。また通常、ひまし油、ミネラルオイル、オリーブオイルがワックスに混ぜられており、うまく広がるのを助けます。
そして残りの5パーセントが、ほとんど研究室で作られている香料とカラーです。しかしいくつかのカラーは、より自然の原料から作られます。例えば、サボテンに棲むエンジムシが作るカルミン酸は、赤の染料に使われます。小さな虫の染料で、見た目をきれいにするほどすばらしいことはないでしょう?
固形の口紅を使わないのであれば、リップステインやリキッドリップスティックはいかがでしょう? リップステインは固形のリップスティックと同じカラー成分が使われていますが、汚れが付きにくく、より持続性に優れています。固形のリップスティックは染料がワックスとオイルに混ぜられており、コーヒーカップに口を付けるなどすると、簡単に消えたり、徐々にとれたりします。
しかしリップステインは、染料が水やジェル、アルコールに分解されており、唇に塗ってしまえばアルコールは蒸発し、色がリップ上で乾き残ります。この方法だと、一日中カラーは落ちにくいのです。リップステインは長持ちしますが、アルコールが入っているのでリップスティックに入っている保湿剤を含まず、肌を乾かしやすいとも言えます。
ほかのメークアップの定番といえば、アイライナーです。暗めのラッシュラインでメイクアップすれば、ブラックパール号で7つの大海を航海するのも悪くないですね。リップのメイクアップと同様、スティックからペンシル、リキッド、クリームまで豊富なオプションがあります。
いずれの種類でも、アイライナーは同じ3つの成分からできています。最初が塗膜形成要素。炭素、水素、酸素の複雑なつながりで、ときに窒素も含むこともあり、まぶたに薄いレイヤーを広げるのを助けます。塗膜形成要素はアイライナーを引くのを助けますが、その後濃厚剤がアイライナーをキープします。リップスティックと同様、濃厚剤は通常ワックスかクレイでできています。
最後に、色素と染料になります。アイライナーには酸化鉄などの化学物質が使われており、鉄と酸素の混合物は黒や茶色になります。ですが、クロム分子2個、酸素分子3個を持つ緑酸化クロムや、アルミニウムやナトリウム酸素、シリコンから作られる群青色などより明るいコンパウンドもあります。化学物質があなたのスタイルを決める、そう思い始めたのではないでしょうか?
アイライナーのタイプは、主に成分のバランスで決まります。ペンシルやスティックタイプは固形のため、より厚みを得られます。クリームタイプは濃厚剤を含まないため、混合成分はブラシで薄く広げられます。またリキッドアイライナーは、リップステインのような働きがあります。水とアルコールに色素が溶解されており、塗った後は色が肌の上で乾きます。そのため、リップステインと同様、リキッドアイライナーはもっとも持続性があるのです。
もし耐水性のアイライナーを選んだ場合、ジメチコンコポリオールと呼ばれるシリカ誘導体を含みます。通常のシリカはシリコン分子についた2つの酸素分子で構成されますが、ジメチコンコポリオールはより複雑で、シリコンと水素、炭素、酸素の大きなグループから作られます。複雑な構造が通常のシリカより耐水性を高めます。この化学物質は、髪の毛をきれいに整えるシャンプーやコンディショナーにも使われています。
見た目にカラーの要素を加えたいときは、アイシャドーが最適でしょう。一般的に、ほとんどのアイシャドーは同じ方法で始まります。はじめにベースは普通、マグネシウム、シリコン、酸素から作られるミネラルのタルクが施されます。バインダーと呼ばれる化学物質が混ぜられ、まぶたへののりをよくします。もっとも使われているバインダーは、亜鉛かマグネシウム誘導体で、オイルを吸収し水を弾くことで、アイシャドーを所定の場所にキープします。
ときにはなめらかさを増すために、シリカやナイロンが加えられることもあります。または塩の一種である亜鉛ステアリン酸を加え、汗や雨などの水気に触れたときの凝縮を防ぎます。また、炭素、酸素、水素の鎖であるグリコールなどの防腐剤が、コンパクトの中でバクテリアの増殖を防ぐために加えられます。パウダーの代わりにクリームアイシャドーを使う場合は、よりクリーミーにし、広がりやすくするためにキャスターオイルや蜜蝋が加えられます。クリームアイシャドーのカラーは、肌の上で乾燥するために持続性があります。
古代ギリシャでは、アイシャドーはマラカイトのような宝石でグリーン、ラピスラズリでブルーにカラーリングされていました。ですが、財布にもありがたいことに、今日のカラーは一般的に安価な物質から研究室で作られているのです。
いくつかの染料はリップスティックやアイライナーで使われているのと同じものですが、カラーパレットには酸化チタンやパープルマンガンバイオレットも見られます。
目のメークアップについての話は、マスカラなしでは終わらないでしょう。まつげを厚く濃く、そして長くしたいときに使うのがマスカラです。マスカラにはグアノやコウモリの排泄物が含まれていると聞いたことがあるかもしれません。しかしそれは、神話に過ぎません。
マスカラには、排泄物ではない化学物質グアニンが、まつげに光沢を与えるために使われています。今日ではビスマスと酸素、塩素を組み合わせたオキシ塩化ビスマスと呼ばれる化学物質が代わりに、その役目を果たします。
さらにマスカラは高分子ポリマーと防腐剤、そしてオイルや水などの溶解剤に分解されている増粘剤を混ぜて作られています。長いチェーンで構成されるポリマーは、まつげをコートするフィルムを作ります。そしてワックスやオイルなどの増粘剤は、流れやすい水状になるのを防ぎます。
ほとんどのマスカラはブラックで、ブラックアイライナーのように酸化鉄でカラーリングされます。しかし、大胆な見た目にしたければ酸化クロムのグリーンや、ウルトラマリーンのブルーもあります。どのブランドを買うかによって、水を含まないマスカラか、オイルと水の混合物で作られたマスカラかを選択することになります。
水を含まないものは耐水性になりますが、オイルと水の混合物は、1日の終わりに落とすのがより簡単になります。一般的に水の含有量が低いほど、耐水性が高まります。悲しい映画やエモーショナルな一日を過ごすときには、マラカスのラベルの成分をチェックしましょう。
これまで顔のパーツを目立たせるメークアップについて話してきましたが、逆に目立たなくするメークアップについてみていきましょう。そう、ファンデーションとコンシーラーです。ファンデーションで肌のトーンを目立たせたり、コンシーラーでにきびを隠したりするにしても、ポイントになるのが可能な限り傷のない肌に仕上げるところです。
製品の種類はソリッド、リキッド、スプレーなどさまざまですが、すべて同じ方法で作られます。ファンデーションやコンシーラーは通常、ベース、保湿剤、染料、フィルターで構成されます。ソリッドタイプのベースはオイルかワックスで、リキッドとスプレーはオイルと水のベースになります。
保湿剤はあなたが選ぶブランドによりますが、フィルターは均等になめらかに広がりやすくする効果があります。もっとも一般的なフィルターは、アイシャドーで使われている同じミネラルのタルクです。ファンデーションに筋が入る、またはパウダーのように見えるのであれば、肌が非常にオイリーだったり、乾いているためです。もしくは使っているフォーミュラが厚すぎるため、ブレンドすることなく早く乾燥しているのかもしれませんし、または、保湿剤やプライマーなどほかの製品と反応し、分離するのかもしれません。
自然な肌のトーンにするため、ファンデーションやコンシーラーの色素は暗めのブラウンかブラックにする酸化鉄や、レッド、イエロー、ブラックのさまざまなシェードを作る二酸化チタンが使われます。ベーシックな成分の上に、いくつかのファンデーションはニキビに対抗するサリチル酸、オイリーな肌をコントロールするコーンスターチ、肌の保湿をする他のオイルを含みます。ファンデーションとコンシーラーの準備のために十分な時間を割いたので、一日中保つための方法を知ることができます。
そこでセッティングパウダーの登場です。顔全体のためのアイシャドーのようなものです。ファンデーションで使われるのと同じ酸化鉄や二酸化チタンが、タルクパウダーのベースにミックスされています。ブラシやパウダーパフで肌に塗布し肌のトーンを均一にし、ファンデーションとコンシーラーの乗りを長持ちさせます。メイクアップと汗の間、または肌をこするときに別のレイヤーを作ることで機能します。
ベースは少量の水分を吸収するのに優れているため、顔のオイルを除きたいときに一日中セッティングパウダーを塗布できます。セッティングパウダーが多少多くなると、厚く見えたり、パウダーっぽくなることに気づくでしょうか? それは、あなたが買うパウダーに関係があります。
ソリッドタイプ、コンパクトに入った圧縮パウダー、ルーズパウダーなどから選べます。主要な成分は同じですが、鍵となる違いがあります。ルーズパウダーは粒子が小さく、軽めの仕上がりになります。ですが、圧縮パウダーを作るには、固形を保つためにワックスやシリカを添加する必要があり、粒子が大きくなります。ルーズパウダーより粒子が固まりやすく、注意しなければ固まったりパウダーっぽくなってしまいます。
ベースや保湿剤、フィラー、溶媒、カラーなど、メークアップには見た目以上のものが含まれていることが分かったでしょう。化粧品の陳列を通ると、さまざまな化合物をバッグに詰め込むことになります。ですが、あなたの顔に塗布するものが何かを、またどんな効果がある化合物なのかをよく理解できたでしょう。
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