2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Antimatter Light Spectrum Discovered!(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:みなさんは、おそらく、基本的な原子についてはある程度ご存じでしょう。正の電荷を帯びる陽子、無電荷の中性子、より小さく軽い、負の電荷を帯びる電子。
しかし、これとは別に、通常の物質で観測されるものとまったく逆の性質をもつ亜原子粒子が存在します。この粒子が、組成するのが反物質です。
今週発売された雑誌『ネイチャー』によると、50人以上の研究者によって構成される国際チームによって、水素原子の反物質、つまり反水素原子から発する光のスペクトル(波長の分布)が観測されました。何十年にもわたる実験のすえの大きな成果です。
反物質は、宇宙における最大の謎の1つでした。私たちが知りうる物理法則によると、反物質の粒子と、逆の性質をもつ通常の粒子が衝突すると対消滅を起こし、膨大なエネルギーが放出されます。私たちが知りうる限り、ビックバン以降、同じ質量の物質と反物質が存在するはず、つまり、宇宙に存在するすべてのものが、対消滅を起こすはずなのです。
しかし、そうはなりませんでした、やった!
私たちは、いまだに銀河系に生き、星々が存在し、地球上で人間として生きています。靴や「ポップ・タルト」のある生活! すべてのすばらしいものが実際の物質として存在しています!
世界中の物理学者たちは、この論理のどこに誤りがあったのか、究明しようとしました。なぜ、ビックバン以降も、余りものが存在するのか。
反水素原子の光スペクトラムの観測は、この謎を解く鍵となります。
物質が残らないはずだという物理法則に則ると、反物質というものは、物質が鏡に映ったように反対の性質をもつはずです。この考えを検証するもっとも効果的な方法は、水素原子と反水素原子の光特性を比較することです。
物質の原子中にある電子に、エネルギーを与えると、エネルギーレベルが上昇し、次に下降します。その過程で特定の波長の光を放出します。それぞれの電子は独特な波長を発しており、原子のスペクトルを形成しています。
同様のことが、反物質にも当てはまります。ただし、陽電子、つまり正の電荷をもつ反物質版の電子を除きます。仮に、反物質が本当に、物質の鏡に映った姿なのであれば、反水素原子における陽電子も、昔ながらの水素原子の電子とまったく同じスペクトルを発するはずです。
しかし、科学者たちは、この予測を検証することができませんでした……今までは。
スイスにあるCREN研究所の科学者たちの取り組みによって、15分周期で14個の反水素原子を取り出す方法が考え出されました。これ以前の研究では、1.2個の反水素原子しか取り出すことができませんでした。これによって、より多くの検証が可能となりました。
科学者たちは、レーザーを使って陽電子を高いエネルギーレベルに引き上げ、下降する際に発する光を測定しました。
この光は、たった14個の反水素原子が発するものです。つまり、決して目立つものではありません。しかしながら、反水素原子が、水素原子とまったく同じ光スペクトラムを発していることを彼らは見つけました。そう、彼らが期待していた通りの結果を得たと言えます。
この結果は、私たちが知る物理法則は正しい予測を立てていた、ということを意味します。ただ同時に、反物質の謎については、解決の糸口が未だない、ということです。
しかしながら、少なくとも、反物質をより多く取り出し、その光特性を観測することができるようになりました。この実験によって、将来の反物質研究への道筋を作り、一体なぜこの宇宙にあらゆる物質が存在するのか、という謎に対する答えを導き出してくれることが期待されます。
もう1つの謎があります。規模は若干小さくなりますが、実に奇妙な謎です。
鳥類は歯を持ちません。しかし、ティラノサウルスは、巨大な歯を誇っていました。それは、みなさんご存じの歯というよりも、朝食で食べるバナナのように見えます。
鳥類が恐竜たちの子孫であるならば、このステーキナイフのような歯が、どこかの段階で、歯のないくちばしに進化しなければいけません。なぜこんなことが起こったのか、私たちはいまだによくわからないのです。
昨日発売された雑誌『カレント・バイオロジー』の記事によると、研究者たちが手掛かりを見つけたと発表されました。それは、乳歯が抜け落ちる恐竜です。
私たち人間は乳歯が抜けると、新しい歯が生えてきます。しかし、この恐竜は、乳歯が抜け落ち、代わりにくちばしになります。
これは、知られている中では、成熟とともに乳歯が完全に抜け落ちる初めての爬虫類です。カモノハシはこれに該当します。
魚類のいくつか、また両生類もこれに当てはまる場合があります。ただし、この恐竜は、私たちが知る中で、ただ唯一、歯が抜け落ちる爬虫類と言えます。他の恐竜も成長に伴っていくつかの歯が抜け落ち、生え変わることがあります。しかし、すべての歯が完全に抜け落ちるということはありません。
当初、研究者たちは、この恐竜の幼体と成体を見て、2つのまったく異なる種だと考えました。しかし、より詳しく研究を進めるにつれ、化石のあらゆる点において同じであることが判明しました。ただ、唯一、歯があるかないかを除いては。
そこで、すべての化石を一同に並べてみると、同じ種が成長し、成体になっていくことがわかりました。
こうして、研究者たちは、成長に伴って歯を失う恐竜の発見に至りました。
次に、なぜ成体の恐竜に歯が必要ないのか、という疑問が起こります。そこで、研究者たちは、幼体と成体両方の化石に含まれる炭素と酸素の含有量を分析しました。
植物や動物には、異なる種類の炭素と酸素が蓄積されます。そのため、これらの要素がどのような形で動物の中に存在するかを調べれば、その動物が何を食べていたか知ることができます。
研究者たちは、歯の変化が、食事の変化に対応して起こるらしいと気が付きました。この恐竜は、子供の時は雑食で好きなものをなんでも食べますが、大人になると厳格な菜食主義になるのです。このライフスタイルの変化が、歯を失う進化へと至った可能性があります。
鳥類は、歯を生やすための発達経路をまだ持っています。ただ、そのスイッチが切られているだけです。
この恐竜は、鳥類の直接の祖先ではありません。どちらかというと、遠いいとこのような存在です。そのため、この発見が、尖った歯をもつ恐竜から歯のない鳥類へと、直接つながる道とは言えません。しかし、少なくとも、歯を持たないという進化が起こり得る、という実在の事例を手に入れました。これによって、古生物学者たちが、鳥類に何が起こったのかを解明する手がかりとなるでしょう。
あとは、反物質の謎の解明に近づいてくれればいいのですが。
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