シュールレアリストでありロリコン　西洋絵画の巨匠バルテュスの魅力に迫る

東西エロい絵対決2回戦

乙君氏（以下、乙君）：次じゃあ、玲司さんがいってくださいよ。

山田玲司氏（以下、山田）：了解。では。ちょっと待って、うちすごいのがいるんだけど。

久世孝臣氏（以下、久世）：いい子揃ってます？

山田：いい子揃ってます。やっぱ私がめっちゃ憧れる変態の1人でこの方を除いてはいないぐらいのやっぱり変態な方がいまして、いわゆるバルテュス先生ですね。

久世：そうです。

乙君：それくると思ってました、バルテュス。

山田：いや、これ出さなかったら私はバルテュスに怒られるから。

久世：まじかよ。

山田：だって、本気だもん、こいつ。本気中の本気だもん。だから、ハヤオMといい勝負ですけど。ハヤオMとは、また違ったかたちで一瞬の美ですよね。「俺が綺麗だと思ってるのは、この瞬間にしかありえねえ」って言って、ある時期の女の子と住んではいなくなり、また別の女と住んではその女を描きというのを5人ぐらい。繰り返したというので有名な超ダンディな、上野で（展覧会を）やったからね。

乙君：やった、やった。バルテュス。

山田：バルテュス、最後のほうは、日本の方と結婚なされて。

乙君：そう、嫁さんが日本人なんですよね。

山田：そう。これ有名なのが実はこの人がロリコンじゃないかと。まあロリコンでしょうけど（笑）、って言われた、はっきりして、随分大胆な造形なのですけど。この人、シュールレアリストでもあるんですよね。そのシュールレアリストの連中が結構彼を評価したという流れがあったのだけど、それ全部吹き飛ばして、ただのロリコン野郎だと思われてしまったやつが実はこの絵で。

これがいわゆる『ロリータ』っていう、絵の……。

乙君：みなさん、この女の子のパンツのとこを見てください。これやばいんだよね。これはアウトだよな。

山田：『ロリータ』っていう小説の表紙で使われたせいで、ここで完全に……。今回あれだよね、愛☆まどんな先生が、腐ってもロリコンの愛☆まどんな先生。

久世：腐ってもロリコン。

山田：こちらの方が大先輩ですよっていう。

乙君：ポージングは謎だよね。

山田：はい。謎です。ただやっぱ。

乙君：どの瞬間なのこれって。

山田：基本的にこの人は謎のポーズが大好きなのです。だから、ポーズはみんな謎です。だけど、白日の下にさらされているのに無自覚であるという状況を描いているというので、おなじみのバルテュス先生は外すわけにいきません。

日本のロリコン・寺崎広業

乙君：じゃあ、僕は同じロリコン行きましょうか。

山田：いいですよ。

乙君：このたび私。2番。ショート。寺崎広業。

久世：お前だけやで、やってんの。

乙君：寺崎広業って日本画の先生なんですけれども。これの、やばさわかりますかね？　あのね、裸なんかいらないんですよ。ロリコンはその少女の裸を求めてるんじゃないんですよ。少女であることを求めてるんです。

山田：はい。

乙君：無垢と健気さ、はかなさ、これ全部入ってて、この女の子が物憂げに毛糸を編んでるわけですな。この5本の白とこの模様の楓の赤がこれが女の象徴なんです。大人になる。これがもうちょっと伸びてね。さらにこの上の、見てください、このシダの模様。シダというか椰子の木っていうか、ぼかしでやってるんですけど。垂らし込みとかで。これがね、男なんです。男の、このなんていうのか。大人のあれが手が伸びてきているんですよこれ。

だからめちゃくちゃ実は象徴的で、猫とかもう構図も完璧だし、緑をだあってやって白をふわっと浮きたたせてるんだけど、1番目に入るのがこのスカーレットの辰砂の。

山田：なるほど。

乙君：つまりね、バルテュスは少女の肉体を愛したんですよ。だけど、寺崎広業は少女が少女であることを愛した。どっちがエロいか。

山田：どうですかね。

乙君：わかりますか。この物憂げな表情。これ晴れやかな笑顔だったら全然……。

山田：それではアンケートをお願いしまーす。止まらないので。どん。

久世：どっちだ。

乙君：わー、また僅差だ。くそー！

山田：いい勝負しますね。いい勝負。バルテュス先生だからね。

乙君：いやバルテュスはもう4番バッターですもん。

山田：実はちょっとこれも前半にちょっといいやつ。

乙君：松井秀喜対川相ぐらいだもん。

山田：そうですね。

久世：カードの切り方で勝負が変わってくるんで。

乙君：そうだね。

久世：なにが残ってるのかもう1回確認して流れを作った方がいいかもしれないですよ。出す順番大丈夫ですか？

山田：ああ。俺はこれでしょうがいない。

久世：決まってる？　どっちからいく？　次。

山田：演出さん、お願いします。