CLOSE

Did Dinosaurs Really Have Feathers?(全1記事)

思ったよりもふっさふさ 科学の力が解明した、恐竜たちの本当の姿

1993年に公開された映画「ジュラシック・パーク」は、世界中の人々に恐竜のイメージを定着させました。大きく、凶暴で、爬虫類のような見た目をしているというイメージは、様々な分野での恐竜の描写に使われてきました。しかし、それは誤りだったかもしれません。近年の研究の結果、恐竜には羽毛があったのではと考えられています。それを裏付けるような証拠も次々と見つかっており、私たちはこれまでの考え方を改めなければならないかもしれません。YouTubeのサイエンス系チャンネル「SciShow」。今回は、恐竜たちの真の姿に迫ります。

恐竜には羽毛があった?

ハンク・グリーン氏: 人気映画シリーズ以外で近年、恐竜に関して見聞きしたことがあれば、いくつかの種類の恐竜に羽毛があったことをご存じかもしれません。恐竜に羽毛があることが科学的事実として確認されてほぼ20年になります。ですが実はそれよりずっと前から、恐竜には羽毛があったのではと考えられてきました。

古生物学者たちは、どの種類の恐竜が羽毛を持ち、それがどのような姿をしていたのかを解明しようとしています。ヴェロキラプトルやティラノサウルスを含む、ある特定の種類の恐竜は、みな羽毛を持っていたようです。

18世紀の初め、動物解剖学の専門家たちは、恐竜と鳥類の類似性に気がついていました。進化論の支持者のトーマス・ヘンリー・ハクスリー(Thomas Henry Huxley) は、当時初めての鳥として考えられていた始祖鳥とコンプソグナトゥスが、非常に似ていることを指摘しました。

なぜ始祖鳥が鳥と考えられていたかというと、見間違えようのない羽の痕跡が化石化されていたからです。

たんぱく質でてきている羽根は、化石になる前に分解します。そのため、たとえ羽毛を持っていたとしても、羽が損なわれることなく化石が発見されることは通常ありません。しかし近年、多くの羽毛つき化石が、地質的に保存に適していた中国から主に出土しています。

恐竜やその皮膚の周りの痕跡にそれらを確認することができます。過去20年、古生物学者はこれらの発見について研究してきました。最もインパクトを与えた最初の羽つき化石は、1996年に見つかりました。それは獣脚竜と呼ばれる恐竜の一種であるシノサウロプテリクスです。

2本足の肉食で、やがて鳥類に派生するこの化石には、明らかにふわふわした綿毛に囲まれています。この綿毛のようなものは、羽毛からできています。飛行用の羽毛は、しっかりして中央に骨がはいったもので、羽根と呼ばれています。

古生物学者がDinofuzz(ダイノファズ=恐竜の縮れ毛)と呼ぶこれらの羽毛は、簡素な構造をしていて、シノサウロプテリクスは飛ぶことができませんでした。その代わりに、Dinofuzzは配偶者を引き寄せたり、体温を保ったりするのに使われました。

シノサウロプテリクスが羽毛を実際どのように使ったのかよくわかっていません。しかし、それがどのような色だったのかはわかっています。化石化した羽毛の色の構造を顕微鏡で見ることができます。私たちが知る限り、青や黄色という色は、何百万年も保持することができません。

しかし、赤色や黒色は残ります。細胞の構造は赤や黒の色素をはっきりと保持し、良い状態の化石にはこれらの細胞の形態がよく保存されています。電子顕微鏡を使えば、始祖鳥が白と黒の羽毛を持ち、シノサウロプテリクスが赤と白のストライプの羽毛を持っていたと学者たちは言うことができるのです。

シノサウロプテリクス後の長い間、綿毛のような羽毛を持つ恐竜の時代が続き、いくつかの種類はシンプルな構造のDinofuzzを持っていました。それ以外の恐竜が持つ羽毛は、鳥類が持つ飛行用の羽根によく似始めました。実際、ほとんどすべての獣脚竜は、原始的な羽毛を持っていました。

獣脚竜とは近縁でないいくつかの恐竜も、シンプルなタンパク質からできた羽毛を持っていました。このことから、これらの種類に共通する恐竜もみな羽毛を持っていたとみられます。

映画にも登場したあの恐竜も

獣脚竜には、ポップカルチャーが好む2つの有名な種がいます。ヴェロキラプトルとティラノサウルスです。

私は誰かの夢を壊したり、映画製作者を批判したりするつもりはありません。しかしヴェロキラプトルには、まちがいなく羽毛があります。2015年夏、古生物学者たちは、ヴェロキラプトルに非常に近い種の恐竜の化石を発見しました。これまで発見されたヴェロキラプトルの化石よりも非常に状態の良いもので、その上腕部には、大きな羽根のようなものがありました。

この恐竜は、ヴェロキラプトルに非常に近い種類のため、学者たちはその姿形はとても似ていただろうと推察しています。学者たちは、ふわふわの羽毛つきのヴェロキラプトルの想像図を描きます。

ヴェロキラプトルの羽毛つき化石を発見しなければわからないというならば、近縁種が持つ羽毛の存在と、ヴェロキラプトルの骨の化石にある、羽根装着用の穴の存在から、この恐竜にはほぼ間違いなく羽毛があっただろうといえます。

ティラノサウルス属のTレックスが羽毛を持っていたかどうかについては、少しだけ判明してます。進化のはじめのほうの分岐点では、ティラノサウルス属にはDinofuzzがありました。

ティラノサウルス属は、ゾウとサイにいくつかの共通点を持っています。それは巨大だったということです。ゾウやサイの先祖たちは毛皮を持っていましたが、現在のゾウやサイたちには、もはや毛皮はありません。彼らは大きいので、保温する必要がないからです。

この論理は、Tレックスのサイズにも当てはまります。先祖は持っていても、巨大化することで保温する必要がなくなり、Tレックスは羽毛を失ったのかもしれません。

事実2012年、科学者は、ユウティラヌスという、ティラノサウルス属と関連のある恐竜を発見しました。この恐竜は体がとても大きく、シンプルな羽毛を持っていました。このため、ティラノサウルス属も羽毛を持っていた可能性があります。

Tレックスの皮膚の痕跡を見つけるまで、私たちは確信できません。しかし、わたしたちは確実に恐竜時代の想像図にプードルのようなふわふわの羽毛を付け加える必要があります。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!