2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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山田玲司氏(以下、山田):ただし問題は、この赤い糸映画のなかで、なぜ、みんなが「この赤い糸のマジックにかかりやすくなっているのか?」っていうことを、クロニクルからいきます。
乙君氏(以下、乙君):おーー!
山田:おなじみクロニクルの時間がやって来ました!
乙君:来た来た! クロニクルおじい、来たー!
山田:クロニクル・ダンディがやってきました。
乙君:ダンディなんだ(笑)。
山田:はい、クロニクル・ダンディって呼んでください(笑)。
乙君:3年目はダンディになった(笑)。
山田:まあまあ、言ってみれば、じゃあ、今年16年。
しみちゃん氏(以下、しみちゃん):はい。
山田:『君の名は。』が出てくるまで、どんな流れだったのかってことを。
乙君:までの、赤い糸伝説みたいな。
山田:はい。これは、やっぱりあれですよ。もうバブル経済が崩壊し、ギャルがパンツを売る、と。それで、(顔を)塗りまくる。そして、夢、少年たちの夢は粉砕される。
「え、パンツ、そんな値段で売ってんの? おまえら」みたいな。だから、みんな、バーチャルに逃げる。それで、第1段階が、僕がよく言っている「07年に繁殖をあきらめた」説ですね。
乙君:はいはい。
山田:だから、汚ギャルが現れたのと同時に、初音ミク登場ってことで。
乙君:うんうん。
山田:さよなら人類、なわけですよ。
(一同笑)
山田:だから、そこから9年目なんです。来年で10年なんですよ。
乙君:うん。
山田:その、だから、前夜祭なんですよ。
乙君:これは前夜祭なの?
山田:そこからいよいよ流れとして、「俺たちは、もう生身をあきらめるんだ」って10年間がずっと来てる。
乙君:はい。
山田:それで、いよいよ、この流れですね。
山田:『アナ雪』『(マッド・)マックス』、VRって流れが、14年、15年、16年なんですよ、これ。
乙君:あーーー!
山田:「レリゴー、レリゴー、お城のなかで私、1人で暮らします、寒くないわ。男いらないわ」っていうことになりました。これ、もう、あれですから。王様はインチキ野郎で。
乙君:そうですね。
山田:しかも、助けてくれるバディは、ソリをもらって終わりですから。
乙君:あはははは(笑)。
山田:新しいソリをもらってよかったね、で終わりです。男いない、ぞんざいみたいな。これは姉妹者ですね。姉妹で生きていく。
乙君:うんうん。
山田:そして、『マックス』ですよ。我らが『マックス』ですよ。希望を持つな。この先にはなにもねぇ。
乙君:ここではないどこかなんてないんだ。
山田:運命の人なんかいねぇんだよー!!
(一同笑)
乙君:俺に言わないでよ(笑)。こっちにやってよ(笑)。
山田:ごめん(笑)。って言ってたわけじゃないですか。それで、「いないんだー」って思って、がんばって、戦車に乗る女の子にすがったりとか、いろいろやるわけですよ。
乙君:はいはい。
山田:アイドルのプロデューサーになろうとか、そういうの、がんばったわけですよ。
乙君:はあ。
山田:もしくは、なんなの? 水泳をやってる男の子たちに入れあげたり。
(一同笑)
山田:そんなふうにして、この悲しみをやり過ごそうとした時に、ついに、プレステ4のVRが登場ですよ(笑)。
乙君:はいはい
山田:すいません、情緒不安定で。
(一同笑)
山田:このVRで、これ(HMD)を付けた瞬間に、サマーレッスンが始まるわけですよ。
乙君:うん。
山田:目の前に女子高生がいるわけですよ。外したら、もういないんですよ。
しみちゃん:はい。
山田:どうしよう!!
乙君:どうしよう(笑)。
山田:これで終わるのかーー! っていうのが、2016年です。
乙君:は、はあ……。
山田:でもね、人は、そんな簡単にいかないんですよ。やっぱり、「それは無理っすよ」っていうことを、言いたくなるわけじゃないですか。
乙君:うん。
山田:それで、僕としては、そこまで10年間がんばったけど、やっぱり人肌恋しい。
しみちゃん:はい。
山田:やっぱり、どっかに運命の人がいるって信じたい。
乙君:はい。
山田:え、あんなに、あんなに否定してたのに! だけど、やっぱり、みんな思ってたの。それが、いわゆるティッピング・ポイント。環境問題でよく言うところの、一定の環境破壊が起こると、もうそこから崖を、雪崩を打ったように止まらなくなるっていう、その地点をティッピング・ポイントって言います。
乙君:あー。
山田:要するに、植物では二酸化炭素が吸収できない限界があるんです、そこには!
しみちゃん:はい。
山田:どうでもいいですよね、すみませんね(笑)。そして、そのティッピング・ポイントが、今年来た。要するに、恋愛飢餓のティッピング・ポイントが来ちゃったのよ。
乙君:ほうほう。
山田:だから、みんな、爆発寸前だったわけですよ。
しみちゃん:はい。
山田:そこに、「運命の人って、いるんですよ」ってマコト・シンカイが言ったから、みんなが「私やっぱり無理だったーー!!」みたいな。
乙君:あーーー。
山田:「やっぱり1人無理。『少しも寒くないわ』じゃない」っていう(笑)。
乙君:「寒い」と。
山田:「私は寒いわ」(笑)。
(一同笑)
山田:っていう、すごい素直な感じになっちゃった。
乙君:ほうほう。
山田:人間ですから。いくらそこで「私寒くないわ」とか言ったところで、やっぱり『アナ雪』を歌い上げて、カラオケで「寒くないわ」って歌って、帰るとやっぱり、それは「ベッドが広いわ」みたいになるわけだよ。
しみちゃん:(笑)。
山田:「え、『寒くないわ』のはずなのに」って(笑)。
乙君:VRだと、温度感じないですからね。今のところですけど。
山田:要は、これを英語で言いますと、「Between ELSA & MITUHA」っていうね(笑)。
乙君:はーー! あ、三葉似てる!
しみちゃん:似てる。
山田:今、女子はエルサと三葉の間に立ってるんですよ、これ。
乙君:へぇーー!
(一同笑)
山田:それで、2年前は大きくエルサに寄ってたんですよ、これ。
乙君:あー、なるほど。
山田:でも、ここ、氷の女王なんで。
乙君:氷の女王のほうにね。
山田:氷の女王は、寒いんですよ。
乙君:寒いんだ。
山田:寒いんで、糸守町に行きたくなっちゃった。
(一同笑)
山田:だって、そっちでは、きっと会えるんだもん。「きっと会えるよ」って言って。そしたら、マコト・シンカイは、今回は裏切らないで、「会えるんだ」って答えを出してくれたわけじゃん(笑)。
しみちゃん:はい。
山田:それで、そしたらやっぱり、この下に、いるわけだよ。
乙君:男子が?
山田:男子もいる(笑)。男子も密かにこっち寄りだったのが、「俺、もう別にいいっす。あの……、俺の嫁は2次元なんで」みたいなこと言ってた奴が、「え、ちょっとちょっと、やっぱり寒いんで」(笑)。
(一同笑)
山田:「やっぱ寒いよー! 俺もリボンほしいよー!」みたいになっちゃった。
しみちゃん:(笑)。
乙君:あー。
山田:なっちゃったよ、これ。どうするよ? 奥野さん、これどうします?
乙君:……え?(笑)。
(一同笑)
山田:それで、そんな状態で起こったんですけど、俺が言いたいのは、これね、やっぱり、誠マジックを決定づけた川村マジック、ゲンキ・カワムラってプロデューサーが、世界に猫がいなくなったら困る人なんですけど、彼は。
(一同笑)
乙君:そうなんですか?
山田:そんな人がいるんですよ。知らないですか。カッキー(柿内芳文氏)の友達で、カッキー、すごい悔しがってて。「今回は負けた」って言って。
乙君:へぇ。
山田:「俺は川村元気に負けた」って言って。俺、川村さん会ったことあるんだけど。それで、この人がプロデューサーなんだけど、いろんなアニメーターの逸材を集めて、旧ジブリのものすごい人たちをガンガン集めて、すごいクオリティのものを作ったってわかるけど、俺はチューニングだと思うんだよね。川村チューニング。
乙君:ほう。
山田:ここに出てきました、ポイント。川村チューニング(笑)。
乙君:デデデン!
(一同笑)
山田:川村チューニング。川村チューニングとはなにかというと、これはやっぱり、でかくて。ノイズを消してるんだよね。いらないノイズを。
乙君:例えば?
山田:やっぱり大きく3つあるんだけど、1つは、やっぱり、「東京はステキ」(笑)。
乙君:ほう!
山田:「すごいな」と思ったのが、本当に東京ネイティブとか、東京にずっといると、そらホームレスもいますわな。
乙君:うん。
山田:だから、「東京そんなステキじゃない」って知ってますよ、そりゃ。
しみちゃん:はい。
山田:東京キツいっすよ。
乙君:キツいっすよ。
山田:人だらけで。うんざりですよ。
乙君:うん。
山田:でも、違うんだよ。上京前は、キラッキラッなんだよ、渋谷が。
乙君:まあ、なるほどね。
山田:もう、あれ、『るるぶ』です。
乙君:は?
(一同笑)
山田:『るるぶ』映画です、あれは。
乙君:あーー! だから、いいところをピックアップして、いい写真を撮って。
山田:そう! だから、長野の田舎で「こんなとこ、やだよー。なにもないよー。カフェに行きたいよー!」っていうのが出てくる、あの三葉の頭の中にある脳内東京というものが、ほとんど日本中の地方の、東京っていうものに幻想を抱いてる人たちのチューニングにピッタリ合ってて。
乙君:それはそうですね。
山田:しかも、これ、絶対に野暮なツッコミをしないわけだよ。
乙君:まあね。
山田:だからもう、冗談みたいに「はとバスツアー」なの。東東京抜きの、はとバスツアーをやるわけだよ。
乙君:あー、はいはい。
山田:「どうして、上野・浅草抜くかなあ? なんで四谷かなあ?」みたいなことは思うんですけど。上野派の私としては。上野もキラキラしてますよ?(笑)。
(一同笑)
乙君:まあね。
山田:でも、それは、こっちの人間としては、恥ずかしくてできないですよ、そんなに。
しみちゃん:うん。
山田:今さら、渋谷の109とかセンター街みたいな、キラキラみたいなさ(笑)。ないない!
乙君:(笑)。
山田:それを! それを川村チューニングは、「やれよ!」っていう。でも、そうなの。そう見えてるんだもん、向こう側からは。そら、共感されるでしょ。だから、「東京行ったらうれしい。きれいなものたくさんある」。
これ、逆に言うと、『るるぶ』と「はとバス」なんだけど、要は、みんなが見たいものにチューニングを合わせるので、作家主義の人間でも、ルサンチマンを入れないようにするのね。
乙君:あー!
山田:だから、俺は、ゲンキ・カワムラ・チューニングで……。
乙君:個人の思い入れとかを、1回ノイズキャンセルするというか、イコライザー使っちゃった、みたいなことですか?
山田:そう。ルサンチマン、自己否定みたいな、ツッコミみたいなものとか、『エヴァ』的ななにかみたいなもの、もういらない。というか、やりつくしたんですよ、それは。もうわかってるから。
だから、「気分よく観たいんだから、気分よく観せてやれよ」っていうふうに切ったチューニングで。
これ、一番おもしろいのが、対になってるものの1つは、俺、『千と千尋の神隠し』だと思ってるんだよ。
乙君:え?
山田:『千と千尋』は赤い糸伝説なんだよ、実は。ハクとの。
しみちゃん:はい。
乙君:あー、名前っていうテーマのね。
山田:そうそう。それが、すげーおもしろくて。
乙君:ほう。
山田:そうそう。それで、あれって、神隠しに遭って、名前を失ってんだよ。
乙君&しみちゃん:うん。
山田:「君の名は?」みたいなね。
乙君:うん。
山田:だから、俺たちのいる世界は神隠しに遭って、名前がなくなってて、みんな「あ、名前が……」みたいな、ちょっとそこでリンクがある。おもしろくて。
乙君:はいはい。
山田:それで、非常に、ノイジーなんだよ。要するに、風刺が入ってんの、『千と千尋』には。
乙君:『せんちひ』にはね。
山田:それはめちゃめちゃおもしろい。俺は、実は『千と千尋』好きなの。ジブリ、あんまり好きじゃないけど。
乙君:え……! 初めて聞いた!
しみちゃん:(笑)。
乙君:そうなんだ? 俺……、へぇ。
山田:あれは、もうやりすぎなぐらい、批判精神が入ってる。両親なんか、豚だから。
乙君:うーん。……まあ、そうですよね。
山田:それで、神々は、いわゆる引きこもりだったり、ニートだったり、オタクだったりするのが、神様として入ってるわけだよね。
乙君:うんうん。
山田:だから、そこで仕える少女っていうの(笑)。このメタファーの乗り方、もう最高じゃん。
乙君:まあ、そこまでよく考えるとね。
山田:その神隠しに遭った、こっち側の世界、向こう側の世界って、要は、いわゆるあれでしょ? みなさんご存知だけど、そこのお湯屋さんみたいなの、あるじゃん。あの……。
乙君:愛媛県の道後温泉です。
山田:だけど、あれはいわゆる売春宿なわけじゃん。
乙君:そうですね。
山田:だから、そこで働かされることになった千尋は、身売りされてんだよね。
乙君:うん。
山田:そこでお客さんはなにかといったら、神なんだけど、この神というのは、自意識をこじらせた消費者の……、もしくはオタクマインド。それらのものが乗っかって……。しかも、そこに、非常にサイコパスで、ボスとしての湯婆婆。
乙君:うん。
山田:「母親は一番ヤバいんだぜ」っていう。それで、でっかい赤ちゃん作っちゃって。最高だよね。
しみちゃん:うん。
山田:だから、その……、『君の名は。』が、千尋問題の先をいって。
乙君:あー。
山田:誰と戦ったか。俺、「湯婆婆と戦ってたのかな」みたいなね。
乙君:え? 『君の名は。』が?
山田:それはどうでもいいんだけど。
(一同笑)
山田:そんなことも思ったりなんかするようなやつですよ。
乙君:思ったりなんかしちゃったりして。
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