2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
2016 ユーキャン新語・流行語大賞(全1記事)
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生島ヒロシ氏(以下、生島):発表させていただきます、今年のユーキャン新語・流行語トップ10。まず最初はこちらです。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、「聖地巡礼」。
司会者:受賞理由、世界遺産に登録されているスペインの、サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街を……という話ではない。漫画やアニメの舞台となった場所や建物、景色などを実際に訪問することを言う。
その現象が見られるようになった2000年頃は、いわゆるオタクの人たち特有の行動と見られていたが、テーマパークもない、施設もいらない場所に、自然と人が集まってきてくれる集客性に目をつけた自治体が、地方活性化の一環と位置付けるなど定着し、今や巡礼地は5,000以上にものぼるという。
そして今年、アニメーション映画『君の名は。』の大ヒットによって、巡礼者が一般の人にまで広がった。ロケ地の飛騨市は、観光客が3倍に増えたという。
手書きのアニメーションで、丁寧に緻密に描き込まれ、ダイナミックに展開する一つひとつの場面とそのストーリーは、大震災を経験した日本人の気持ちを癒してくれた。飛騨古川を訪問し、組紐を体験することは、まさに巡礼なのかもしれない。
生島:それでは、受賞者です。いち早く聖地巡礼マップを巡礼・発表している、ディップ株式会社さんです。
表彰盾は代表取締役社長兼CEO、冨田英輝さんに受け取っていただきます。それではどうぞ!
司会者:表彰盾を、俵(万智)選考委員より贈呈いたします。
生島:おめでとうございます。ひと言、受賞の喜びをお願いします。
冨田英輝氏(以下、冨田):この度は、すばらしい賞をありがとうございます。
当社は2013年から「聖地巡礼マップ」というサイトを始めまして、5,000以上の日本全国のアニメの聖地をユーザーの方から登録いただいております。ですので今回は、ユーザーの方の代表としてこの賞をいただきたいと思います。
日本が誇るアニメ文化を全世界に発信していき、世界中のアニメファンの方が、これからもアニメの聖地である日本の各地に巡礼としてどんどん来ていただけるように情報発信をしていきたいと思います。どうもありがとうございました。
生島:おめでとうございます。それでは、発表を続けさせていただきます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10。出ました、「トランプ現象」。
司会者:受賞理由、レイシスト、ポピュリズム、セクハラ、スピーチ盗用、暴言王……。憧れの民主主義国家・アメリカを率いる世界のリーダー、アメリカ大統領のイメージとは対極のドナルド・トランプ氏が、アメリカ大統領にまさかの当選を果たした。
今さら「政治家は清廉潔白に」とは言わないが、当選後、他国のリーダーから諸々複雑な祝辞を出されたリーダーがほかにいようか? 選挙後に見えてきたのが、隠れトランプの存在だ。
品格よりも、「Make America Great Again!」。実現性よりも、「Make America Great Again!」を選択したアメリカは、自由と平等の理想をベールで覆い、なりふりかまわぬ国になりつつある兆しなのか。
しかし、市場は当選直後のショックから脱している。"ビジネスマン・トランプ"への期待から相場は活況が続くなど、上向きだ。
トランプのカードは全部で54枚。今はジョーカーに見えるトランプ氏も、これからは多彩なカードを切ってくれることを世界が願っている。
生島:レディース・エンド・ジェントルマン……Mr.ドナルド・トランプ! ……来るはずないですよね(笑)。
司会者:(娘の)イヴァンカさんとか、メラニア夫人とかね。
生島:いや~、本当に、まっとうな世界を希望しております。
生島:さあ続いての発表です。2016ユーキャン新語・流行語Top10、「マイナス金利」。
司会者:受賞理由。黒田東彦日銀総裁による「黒田バズーカ」第3弾、マイナス金利付き量的・質的金融緩和が2016年1月、発射された。
アベノミクスの「3本の矢」が放たれ3年が過ぎたが、いまだ物価上昇2パーセントの目標は達せられていない。マイナス金利でマイナスなのは金融機関、消費者にはプラスに働くはずであったが、「マイナス」の語感が気持ちを冷やしたのか、消費の活発化は見えていない。
カジュアル衣料ユニクロが脱デフレに軸足を移し、値上げを断行したものの、追随する企業はなく、客足も遠のき、結局値下げ路線に舵を戻すほど、消費者の低価格志向は盤石となってしまっているのだ。
矢にはほかに1本「成長戦略」がある。バズーカカンフル剤ではどうにもならない状況で一番重要なのは「成長戦略」。日本はなにを目指すのか?
来年は、世界秩序が大きく動く年になることは間違いない。インバウンドにばかり目が向きがちな昨今、日本も新しい判断ならぬ新しい目で2017年を迎えたい。
生島:「『マイナス金利』という言葉が本年に新語流行語大賞に選ばれたということですが、日本銀行の政策、それがもたらす経済・社会への影響について、幅広いみなさんが高い関心を持たれたということの表れと受け止めております。我々といたしましては、今後とも日本銀行の政策や業務運営について、国民のみなさなまのご理解が得られるよう努めてまいります」。
このようなメッセージが届いております。残念ながら黒田さんはお見えにならないということでございます。
司会者:そうですね。次の一手がなんなのか、お聞きしたかったですけれどもね。
生島:知りたかったですね。残念。
発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語Top 10。出ました。「ゲス不倫」。
司会者:受賞理由、国会議員、タレント、ミュージシャン、お笑い芸人、歌手、歌舞伎役者、落語家、文筆家、漫画家。今年は不倫謝罪会見がワイドショーを賑わせた1年だった。
一連の流れのなかでだんだんと定番になってきたのが、「認めて、謝罪」というスタイルだ。この「逃げも隠れもいたしません」のお手上げ状態の図式を確立させたのが『週刊文春』だ。
2016年、文春バズーカが繰り出す硬軟の大玉が当たりに当たった。女性タレントと「ゲス極み」の名に恥じない既婚男性ミュージシャンには「ありがとう」と開き直られ、「センテンススプリング」と英訳までしてもらう媒体はそうそうあるものではない。
育児休暇取得予定の国会議員の、妻の出産入院中というタイミングは、まさにゲスの極みで、結局辞職。ゲス不倫はいつしか『週刊文春』の徹底した取材力を印象づける言葉になった。
SNS、ブログ、出所不明のニュースキュレーションサイトなど、むき出しで不確かな情報があふれる今、厄介ごとを恐れずに粘りの取材で書く記事の強さを改めて認知させてくれた『週刊文春』に、同業マスコミも悔しさを抱きながらも賞賛したのである。
生島:さて、受賞者がいらっしゃいます。来てくださいました。不倫報道に始まりまして、金銭授受問題、それから学歴詐称、疑惑報道等々、衝撃的なニュース・話題を提供してくれた、株式会社文芸春秋、週刊文春編集部さんにお越しをいただきました。それではさっそくご登場いただきましょう。
司会者:表彰盾、室井選考委員よりお願いいたします。
生島:では、ひと言受賞の喜びをお願いをいたします。
受賞者:どうも。『週刊文春』の記者をしております。これ、文春の公式キャラクターといいますか、文春(ふみはる)と申します。
なぜ私がこのような格好をしているかといいますと、僕自身が本当に張り込み記者なものでして、あまり人前に出てしまうと今後の張り込みに支障をきちゃうということで、この格好をさせてもらっています。
私が受賞を今いただけたんですけど、本来ならば、取材対象者でありますベッキーさんでしたり、宮崎前衆議院議員さんがもらう賞だとは思うんですけれども、代表していただきます。ありがとうございます。
生島:あのかっこいい編集長は今日会場に来ていらっしゃるとか?
受賞者:いや、ちょっとですね、やっぱり編集長もやはり顔がさしてしまうので、私が行けということで。
生島:私、実はベッキーの事務所の社長に電話したんですよ。「ぜひとも来てほしい」って言ったんですけど。
受賞者:一緒に受けたかったです。
生島:ねえ。殴られるんじゃないですかね。
受賞者:そうですねぇ。
生島:今日残念ながら来られなかったんですけど。でも、いろんなスクープを次から次へと、ある意味ではプレッシャーもあるんじゃないでしょうか?
受賞者:そうですね。プレッシャーもありますし、どんどんみなさんいろんな方が「次のスクープはもっと大きいんじゃないか」とか、そういう意味でのプレッシャーが大きいですよね。話題・スクープにどんどん人が慣れていってしまうという。
生島:振込記者さんはどういうスクープをしたんですか?
受賞者:……張り込みです。
生島:あ、張り込み。振り込んじゃいけませんね(笑)。
受賞者:うちはどこにも振り込んでいませんので。張り込みでございます。
生島:例えば誰を張り込んでスクープしたんでしょう?
受賞者:僕は、去年の(流行語に選ばれた)とにかく明るい安村さん。たまたま撮れちゃったという。
生島:張り込んでたんじゃないんですか?
受賞者:あれ、実はSMAP張り込んでたあとに。まあ、ある程度うまくいったあとに、ちょっとみんなで……。
生島:飲んでたんですか?
受賞者:はい。そしたら情報が入ってきまして、近くに行ってみたら「本当にいるじゃん!」という感じでしてね。
生島:じゃあ、えらい迷惑だったわけですね。
受賞者:でも撮れちゃいましたからね。
生島:でも、あれからなんか安村さんね、ちょっと元気がなくなっちゃって。
受賞者:そうですね。
生島:責任は感じないですか? そのへんは。
受賞者:まあでも、僕らも商売なんで。はい。今後も大きなスクープを。あとやはり……。
生島:ちなみに、今、なにを狙ってるんですか?
受賞者:それはちょっとまだ言えないんですけれども。
生島:来週なにが出るんですか?
受賞者:また来週、再来週もいろいろ。まあ今週だと、「二股ザッピング愛」というのを書かしてもらったんですけど、また来週、再来週も大きいのを狙っていこうと、週刊文春全体がやっていますので。
生島:わかりました。みなさんもお気をつけいただきたいと思います。
受賞者:また不倫ネタとかも。
生島:どうもありがとうございました。
受賞者:ありがとうございます。
司会者:ありがとうございました。どうぞお気をつけてお席にお着きください。
生島:そうですね。いつ夜道を狙われてるとかないんですか?
受賞者:帰りは。
生島:あ、じゃあ気をつけてるんですね。いつもと違う道を通るとか。
受賞者:若干やはりそこは。
生島:じゃあすいません、(被り物のせいで)前がぜんぜん見えない状況ですね。先行き不透明。大丈夫ですか?
来年もがんばってください。ありがとうございます。みなさま大きな拍手をお願いいたします。
(会場拍手)
生島:さあ、それでは発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、このインパクトも大きかったですね。「保育園落ちた日本死ね」。
司会者:受賞理由、近年ではネットでの扇動的な情報発信が社会的議論の契機となることも少なくない。待機児童問題。2016年2月15日、匿名で日記を書き込めるネットサービス、「はてな匿名ダイアリー」に、「保育園落ちた日本死ね」と題された文書が書き込まれたのだ。
育児中の母親とみられる人物が、「議員が不倫してもいいし賄賂を受け取るのもどうでもいから保育園増やせよ」などと訴える内容だった。衆議院予算委員会の質問でも、この書き込みが引用されたほか、書き込みに賛同する有志が国会前で抗議行動を起こした。
生島:私もフリーアナウンサーの立場で申し上げますと、決してきれいな言葉ではないんですが、お母さんの息災的な、言うに言えない言葉がこういうかたちになったんだと思うんですが、あえてこの言葉を使って予算委員会において、安倍首相と論戦したことによりまして、待機児童問題を政府、国民に知らせた衆議院議員・山尾志桜里さんにお越しいただきました。どうぞ、お迎えください。
司会者:表彰盾を清水(均)選考委員より贈呈いたします。
生島:では山尾さん、受賞の言葉をひと言お願いします。
山尾志桜里氏(以下、山尾):私がこの賞を受け取っていいのかどうか、とてもためらっているんですけど、「保育園落ちた日本死ね」という声を上げた、名もない1人のお母さんと、今生島さんがおっしゃったように、鋭い言葉ですよね。その1人のお母さんの鋭い言葉を、「保育園落ちたの私と私の仲間だ」というふうに、優しい言葉でみんなで包んで、後押ししてくれた、27,682人の女性たちに代わって、この賞を受け取らせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
このことは1週間で起きた奇跡のようなことだと思っていて。この言葉がネットで話題になって、そしたら19歳の大学生の女の子が、これを安倍総理に質問してくれというふうにやってきまして、それで質問しましたら、「誰かわからない」ということで、たくさんの女性たち、お母さんたち、男性も、保育士になりたいという男の子も、「じゃあ、僕たち私たちが名前を名乗るよ」ということで、その1週間後、27,682人のみなさん、ベビーカーや抱っこひもで赤ちゃんを連れてきてくれたお母さんと一緒に政府に署名を渡しました。
そこからこの待機児童問題が、みんなの力で政治課題の隅っこからど真ん中に、場所移動をすることができたと。ここから先は、ど真ん中に「えーい!」と移動させたこの問題を、みんなでシェアしながら解決するときだと思っています。
私はたまたま国会議員なので、質問するという役割を担ったわけなんですが、やっぱり、できる人が、できることを、できる限り、みんなでつながってやっていく女性たちの柔らかいアクションが政治を動かし、社会を動かしていく1つの大きなきっかけになればいいなと思います。本当にありがとうございます。
生島:おめでとうございました。
生島:さあ、発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、「盛り土」。
司会者:受賞理由、リオオリンピックがメダルラッシュで終幕し、「さあ東京だ」と目を向けると、「納得できない」「なぜ?」の疑問ラッシュに。なにより不思議なことはこれらについて誰も説明しない、できないということだ。
視覚的にはっきり確認でき、都民に衝撃を与えたのが、豊洲新市場の主要建築物下に積まれる予定であった「盛り土」がされていないという問題。
一方で、移転費用は4年でおよそ3倍に膨れ上がっているという、「予算盛っても土盛らず」の状態に納税者は怒り、移転延期となった築地市場関係者は生活の基盤を揺るがされた。
このブラックボックスに切り込んだのが、公正な第三者による検証でも疑惑が晴れなかった前都知事に代わり、自民党の公認を得られず、崖から飛び降りる覚悟で立候補し、ポイントグリーンで選挙を戦い、圧倒的都民の支持を受けて当選した小池百合子都知事。
都民ファーストの鎧で都民改革を貫いてほしいという期待値は高い。しかし、都民ファーストは知事が都民をファーストクラスでよきところへ連れていってくれる話ではない。鎧を強くするのかしないのか、それは都民次第なのだ。
生島:小池さん、都民ファーストが選ばれるかなと思ったんですが盛り土。会見で「盛り土は私ではありません」とおっしゃってましたけれどもね。ということで、受賞者は、受賞を辞退されたということでございます。
発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、「ポケモンGO」
司会者:受賞理由、アメリカでのポケモンGOの人気がすごいとニュースになったのが7月はじめ。中旬に日本に上陸してからは、日本列島ポケモンジャックといった様相に。
官房長官が重要施設のセキュリティに言及。原子力規制委員会は原発警備強化。町おこしにつなげようとポケストップをアピールする自治体も。経済ではポケモノミクスで関連株が急上昇。交通死亡事故も発生するなど、深刻な事態も問題となったが、「ピカ、ピカ、ピカチュウ」は世界を席巻した。
技術的にはすでに普及しているAR(拡張現実)、GPSを利用したものだが、この技術がこれだけ活かされたのも、「ポケットモンスター」のキャラクターの魅力に尽きる。日本のキャラクター人気がここまで世界に浸透していたのかと、日本人としてはうれしい現象でもあった。
それにしても、子供も大人も、日本人も外国人も、手のひらのスマートフォンに操られるようにフラフラと歩く不思議な光景は、まるで宇宙からの電波に人間が支配されるSFの世界。操られるのがかわいいモンスターの内はよいのだが。
生島:世界マーケットでソフトの分野は60兆円ぐらいあるらしいんですけど、ゲームは日本は世界のなかでも18パーセントぐらいを占めていて。アニメはまだ0.1だそうですけれども。
さて受賞者ですが、スマートフォンアプリの開発・運営を手掛ける株式会社ナイアンティックさんと、アプリの開発・運営協力・ポケモンライセンサーの株式会社ポケモンさんです。本日は北海道出張ということで残念ながらご欠席でございますが、コメントを頂戴いたしました。
「このたびはユーキャン新語・流行語大賞に選出していただきまして誠に感謝申し上げます。年末でもっとも話題になる歴史ある賞と言うことで、改めて『ポケモンGO』をお楽しみいただいているプレイヤーのみなさま、選考において票を投じてくださった選考委員のみなさまに心より御礼申し上げる次第でございます。
『ポケモンGO』はポケモンならではのゲーム世界観と、ナイアンティックが培ってきたリアルワールドゲームの土壌、技術力の融合によりまして誕生した、日本とアメリカのチームが作り上げたコンテンツ。今後も両者で、より安全でより健全でより魅力的なポケモンGOの世界を作り上げるべく努力してまいりたいと考えております。ぜひこれからの展開にもご期待ください」。
株式会社ナイアンティック、株式会社ポケモンさんからのメッセージでございました。ありがとうございました。
さあ、後半にまいります。続きまして、2016ユーキャン新語・流行語トップ10。「神ってる」。
司会者:受賞理由、帽子とヘルメットを燃える赤に変え、赤ヘル軍団がリーグ優勝をしたのが1975年。黄金期を経てカープのチームカラーが赤に定着し、そして2016年、マジック点灯時には唐辛子をモチーフとした「真赤激ユニフォーム」もお目見え。今年のスポーツ紙一面は、逆転、延長、サヨナラの赤い文字が踊りまくり、赤白に染まった。
ことのはじめは、交流戦での鈴木誠也選手のミラクルな活躍に対し、緒方監督が表現した「神ってる」。これが今年の躍動するカープを象徴する言葉となった。
「カープ女子」で女性や広島県外のファンが増えたのが2年前。そして世界の黒田が古巣に帰ってきたのが1年前。この女子力と男気。そして鯉の滝登りを地で行く勢いで活躍を見せたタナキクマル、誠也に代表される若い力。
そしてなによりも、戦後初めて広島を訪問したアメリカ大統領オバマ氏を快く迎え入れた広島市民の平和を希求する懐の深さと、いつのときも広島カープを応援し続けるカープファンが融合したカープは強かったのだ。
生島:さて、受賞者はお二方いらっしゃいます。広島東洋カープ緒方監督と、まさに神がかった活躍を見せてくれました鈴木誠也選手。監督は広島空港から優勝記念旅行ということですが、なんと別便で鈴木選手、わざわざこの表彰式に駆け付けてくださいました。鈴木誠也選手です。どうぞ!
司会者:表彰盾を姜選考委員より贈呈いたします。
生島:では鈴木選手、受賞の喜びをひと言お願いいたします。
鈴木誠也氏(以下、鈴木):本日はこのような授賞式に呼んでもらい、本当にありがとうございます。
僕自身が言った言葉ではないので、どうやって喜んでいいかわからないんですけど、本当にうれしく思っています。広島東洋カープ自体が優勝して、すごくいい年にはなったと思っているので、こういう年に「神ってる」という言葉が授賞されたこと、僕は一生忘れないと思っています。本日は誠にありがとうございました。
生島:おめでとうございました。来年はぜひとも日本一をね。
司会者:そうですね。そしてWBCでもぜひ神ってる活躍を期待したいと思いますね。
生島:さあ、発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、「(僕の)アモーレ」!
司会者:「ゲス不倫」が世間を賑わせていた頃、ハリルホジッチ監督率いるサッカー日本代表のキリンカップ、対ブルガリア戦終了後、なんともさわやかな交際宣言が飛び出した。「僕のアモーレです」と堂々とする発表するその姿は完全にイタリアン。世界トップのサッカーチーム「セリエA」で、けっして恵まれた体型とは言えない体ひとつで戦っているアスリートの男らしさ、陽気さが日本を元気づけてくれた。
サイドバックから駆け上がり、シュートまでも持っていくスピードと、キレキレのドリブルフェイントで、ピッチでも私生活でも「ゴール」を決める姿を、サポーターのみならず応援しているのだ。
生島:さあそれでは受賞者は、サッカーの日本代表、セリエAインテルミラノ所属の長友佑都さんです。長友さんは現在イタリアリーグに参戦中でございまして、本日は女優の平愛梨さんにお越しをいただきました。盛大な拍手でお迎えいただきましょう。どうぞ!
……どよめきましたねぇ。おめでとうございます。
司会者:おめでとうございます。表彰盾をやく(みつる)選考委員より贈呈します。
生島:さあ、平さん。実は今長友さんからもメッセージが届きました。
「大切な人に向けた言葉が、日本の多くのみなさんに使っていただき、今回の賞をいただいたことを心からうれしく思います。私自身が好きな言葉なので、もっと多くの人に遣ってもらえるとうれしいです。支えてくださるすべての方に感謝しております。今の僕は、とにかくピッチの上で結果を出すためにがんばりたいと思います。本日は本当にありがとうございました」。
長友さんからでございました。長友さんありがとうございました。それでは平さんからもひと言、受賞の喜びと、長友さんにメッセージを贈ってください。
平愛梨氏:失礼します。平愛梨です。
この賞を今手にしまして、驚いています。こんなに素敵な賞をいただくことができて本当にうれしく思います。長友さんに「アモーレ」と言っていただいて、周りのたくさんの方から「アモーレ、アモーレ」と温かくお声をかけていただきまして、遠距離である私は、この言葉に支えられました。
私にとってはとても大切な言葉で、2人で一緒にみなさまが「アモーレ」とたくさんいろんなところで発してくださったおかげで、2人で一緒にいただけた賞を大切にします。本当にありがとうございました。
生島:本当におめでとうございました。もう涙ぐんでいらっしゃるけども、あのときのアモーレは、「今日やるからね」っていうのは事前に長友さんからあったんですか?
平:会話の中で、たまに「僕のアモーレはなにしてる?」って言ってくれてたんですよ。なので私はびっくりしました。
生島:あのときはご存知なかったわけですね。じゃあ今、長友さんにひと言メッセージをお願いします。
平:え、長友さんに? すごく大変な状況だと思いますけれども、本当に勝負をする方なので、こんな私なんですけれども、末永くよろしくお願いしますと言いたいです。
生島:来年はいつ頃、華燭の典というか、予定はもう決まってるんですか?
平:長友さんが今年の年末のほうに戻られますので、そのときに一緒にお伝えできたらなと思います。
生島:何日に戻るんですか?
平:何日かな、20何日かな。
生島:クリスマスの前後ですね。楽しみにしております。おめでとうございました!
生島:さあ、発表を続けます。2016ユーキャン新語・流行語トップ10、「PPAP」。
司会者:受賞理由、中学1年生習う英語「I have a Pen.」がこんなにも全世界に通用するとは。コミュニケーションは言語能力だけではないということを見せてくれた。なにがなんだかわからない。だけど最後まで見ずにはいられない。そして笑わずにはいられない。
この不思議な「ペンパイナッポーアッポーペン」は、YouTubeにアップロードするなり火がつき、世界134ヵ国で配信。12月19日付、全米Billboardソングチャートで77位、曲の尺最短ランキングで歴代1位でギネス記録に認定。世界で6億回以上再生されるという、世界的大流行旋風を巻き起こした。
11月の安倍総理とトランプ氏の会談前には、トランプ氏の5歳の孫娘が「PPAP」を踊る姿が動画サイトにアップロードされたことが、トランプ家から日本へのメッセージだとの見方もあり、外交ツールとしての可能性も指摘された。安倍総理、このピコ太郎の勢いを借り、「トランプTPPを」のダンス、『TTPP』も作ってもらったらどうでしょうか。
生島:実はピコ太郎さん、ここでドーンと来ていただきたいんですけど、本当にお忙しくて……でも電話がつながっております。ピコ太郎さーん。
ピコ太郎氏(以下、ピコ太郎):はーい、私千葉県出身のシンガーソングライター・ピコ太郎と申します。
生島:おめでとうございます。どうですか? トップ10に選ばれましたよ。
ピコ太郎:私の「神ってる」でしたっけ?
生島:神ってませんよ。
ピコ太郎:「PPAP」ですよね? これはもう、ありが玉置成実と言わざるをえませんね。
生島:必ずなにかくっつけてきますね。
ピコ太郎:分析されると恥ずかしい限りでございます。
生島:でもこれは世界的に……再生回数も3億突破ですか?
司会者:6億突破ですね。
ピコ太郎:ちょっといってるというお話は、私の耳たぶあたりには入ってきてますね。
司会者:耳たぶに?(笑)。
生島:こんな反響は予想してました?
ピコ太郎:世界の中で一番予想してないのが自分でございます。
生島:今日せっかくですので、会場の方は生で見られなくて残念ですよね。ぜひとも今、「PPAP」をやっていただけませんか?
ピコ太郎:アカペラでですか? うまくできればいいんですが……。じゃあ参りたいと思います。
(ピコ太郎、電話口で歌う)
ピコ太郎:音が会場と合ってないと思うんですが、大丈夫ですか?
生島:大丈夫ですよ。ノープロブレム。
ピコ太郎:……ペンパイナッポーアッポーペン。今、こっちで踊ってまーす。
司会者:ありがとうございます。
ピコ太郎:あの、生島さん。これ軽く事故ってると思うんですが、大丈夫ですか? 「事故ってる」は流行語にノミネートされてないですよね?
生島:ないです(笑)。また来年も引き続き来てくださいよ。
ピコ太郎:はーい、がんばりたいと思います。
生島:だけど本当に、YouTubeで世界的にというのは、奇跡的なことですよ。
ピコ太郎:ついこの間も、韓国・シンガポール・台湾と行ってきまして、ものすごい熱狂ぶりで。本当に聴いて応援してくれているんだなというのをようやく実感できた感じでございます。
司会者:ハリウッドスターのような歓迎でしたよね。
ピコ太郎:いやもう本当に、「キアヌリーブスか?」って自分でも思ったくらい。系統は近いなとは思っているので。
生島:ちなみに今日は、海外ですか?
ピコ太郎:今は思いっきり都内です。
司会者:……じゃあ来てくれればいいのに(笑)。
ピコ太郎:けっこうちゃんと、すごい重要な仕事をしておりまして、本当にありがたく、手足頭が小刻みにふるえるくらい忙しくて、今日はちょっと撮影でございます。
生島:そうなんだ、残念。撮影抜け出して10分間だけとかみんな期待してましたけれども。
ピコ太郎:あのー、そこらへんの詳しいところはavexまでよろしくお願いいたします。
(会場笑)
生島:かしこまりました(笑)。本当にお忙しいところありがとうございました。
ピコ太郎:こちらこそ、ありがとうござい間下このみ。
司会者:ありがとうございました。それにしても生島さん、無茶ブリですよ。電話で「PPAP」って聞いたことないですよ。
生島:ぜんぜん曲も用意してなかったですからね。でも本当にサービス精神旺盛でした。ありがとうございました。
生島:実は今年は選考委員特別賞がございます。特別賞はこちら! 「復興城主」。
司会者:受賞理由、2016年4月14日に発生した熊本地震はマグニチュード6.5、丸1日以上経って本震を上回る強さの余震が2度。その後も揺れはやまず、余震数が過去最大を記録する地震だった。上空のからの映像で日に日に明らかになっていく、熊本城の天守閣や石垣の崩壊は、形が残っていることが特徴とされる熊本地震の象徴となった。
もう1つ、熊本ならではの動きが見られたのがくまモン応援イラストだ。ちばてつやさんがくまモン応援イラストをブログに掲載したことに呼応し、『はじめの一歩』の森川ジョージさんが「くまモンを描いて励まそう」とTwitterで呼びかけると、『ONE PIECE』の尾田栄一郎さん、『花より男子』の神尾葉子さん、『ハイキュー!!』の古舘春一さん、『キン肉マン』のゆでたまごさん、『進撃の巨人』の諫山創さんらが、続々とくまモンとのコラボレートイラストなどを投稿。活動を自粛していたくまモンも再稼働し、「FOR KUMAMOTO PROJECT」をスタートさせた。
元祖熊本のシンボル熊本城も11月、もともとの一口城主制度をリニューアルして、城主証、限定配布の尾田栄一郎さんの描きおろし原画を利用したグッズセットなどを特典とした、復興城主制度を発足。寄付を募ったところ申込みが集中し、およそ2週間で2億円近くが集まった。熊本城は全国各地からの復興への思いを集めるランドマークとなったのだ。
生島:本日は、熊本市長、大西一史さんと、熊本市のイメージキャラクター「ひごまる」さんにお越しをいただきました。それでは拍手でお迎えいただきましょう。どうぞ。みなさん、ひごまるさんです。拍手をお願いいたします。
司会者:おめでとうございます。
生島:いや、大きいですね。スペース取り……お、飛ぶ飛ぶ。
司会者:身軽ですね。これはね。
生島:張り切りすぎだって。
司会者:特技はダンスらしいですからね。
生島:おー。
司会者:さあ、表彰楯を姜選考委員より贈呈いたします。
生島:姜さん、熊本出身と言ってました。では市長、熊本弁交えて、受賞の喜びをお願いいたします。
大西一史氏(以下、大西):熊本市長の大西一史でございます。本日は本当にこういう、流行語大賞の特別賞受賞ということで本当に、熊本弁で言うと、たまがっております。びっくりしております。
復興城主ということで、この4月熊本地震で被災をして、本当に熊本は大変な状況にあります。今まだまだ復興の途中にありますけれども、11月1日に熊本城の復興のために、多くのみなさんから一口1万円以上のご寄付を募って、その方々に復興城主として城主証を差し上げる。そして城主手形を差し上げて、熊本にぜひ足を運んでいただいて、熊本の復興に力を貸していただきたい。そのように始めたこの1ヵ月でございました。
11月1日から開始をしましたけれども、実は昨日までで21,895件の城主の申込みをいただき、なんと1ヵ月間で3億3,000万円を超えるご寄付をいただきました。本当にありがたいことだと思っております。
今回のこの特別賞の受賞というのは、この熊本の被災した人々にとって、本当に大きな励みになると思います。そして復興城主として寄付をしてくださっている多くのみなさんにも、本当にうれしい特別賞の受賞だと心から感謝を申し上げるしだいでございます。
ここにいるひごまる君、実はくまモンよりもずいぶん前に誕生した、熊本城の妖精というキャラクターであります。くまモンにいつの間にかグンっと追い抜かれてしまいましたけれども。
くまモンと一緒になって、熊本の復興をがんばって、これから私たち突き進んでいきたいと思いますので、どうか全国のみなさん、これからも熊本へのご支援、そして復興城主もまだまだ受け付けておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。本日は本当にありがとうございました。
(会場拍手)
生島:おめでとうございます。「ネバーギブアップ!」ですね。市長、ありがとうございました。ひごまる君はどうするんでしょうかね。どうぞみなさま拍手でお送りいただきましょう。ひごまる君がんばってください。ありがとうございました。
司会者:ひごまる君、元気いっぱいですからね。本物の熊本城も早く元気になってほしい。
生島:さあ、お待たせをいたしました。いよいよ年間大賞の発表に移ります。年間大賞受賞者のお方には、瀬戸の焼き物を記念品としてお送りさせていただきます。焼きは、現在、「御深井(おふけ)」と呼ばれまして、江戸時代のはじめ頃、名古屋城の御深井丸にあった御用窯から由来する、特徴ある釉薬を使った焼き物ということでございます。
さあ、それでは年間大賞の発表です! 2016ユーキャン新語・流行語年間大賞は「神ってる」!
司会者:おめでとうございます。どうぞステージのほうへお越しください。
生島:誠也さんでしたね。
司会者:記念品を室井選考委員より贈呈いたします。
(会場拍手)
司会者:おめでとうございます。
生島:鈴木選手、トップ10に選ばれるだけでも大変なんですが、さらに年間大賞ということになりました。今のお気持ちはいかがでしょうか?
鈴木誠也氏(以下、鈴木)もう信じられないのひと言です。はい。
生島:今日はどうですか。日本シリーズの舞台でたいへん厳しい場面のなかで打席に立ったときと、気持ちはどうでしょう?
鈴木:こっちのほうがやっぱり緊張しますね。
生島:それは緊張ですか。でも本当に「神ってる」、ご自分のなかでは、あのように調子が出てきたというのは、なにか秘訣はあるんでしょうか?
鈴木:いや、正直わからないんですけど、本当に試合に出たいという一心で一生懸命やった結果がああなって。で、こういう言葉をもらって、数多くのファンの方に名前を覚えてもらったことを本当にうれしく思っています。
生島:やはりファンのみなさんの声援とか応援というものはやっぱり一段とモチベーションが上がってくるもんでしょうかね。
鈴木:そうですね。今はどっちかというと野次のほうが多いので、うれしい言葉をかけてもらえるように、来シーズンはがんばっていきたいなと思っています。
生島:男気の黒田さん。黒田さんの影響力も今年はやっぱり大きかったんじゃないでしょうか?
鈴木:そうですね。やっぱり今年で引退するというのは薄々自分も感じていたので、なんとか優勝して、黒田さんにいい状態で迎えれればいいかなという思いで今シーズン臨んでいたので、日本一は逃しましたけど、25年ぶりの優勝できてよかったです。
生島:黒田さんから学んだことはなんでしょうか?
鈴木:ピッチャーなので、あんまり見る機会はないんですけど、練習態度であったり、やっぱりあの男気ですかね。
生島:ということで、今年の年間大賞は「神ってる」、鈴木誠也選手でございました! 大きな拍手を。
(会場拍手)
生島:さあ、以上で「2016ユーキャン新語・流行語大賞」のTop 10ならびに年間大賞の発表を終了させていただきます。どうもありがとうございました!
司会者:ありがとうございました。
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