2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
The Best Way to Fight the Flu(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:肌寒さを感じますね。北アメリカとヨーロッパを含めた世界中のあらゆる場所で、インフルエンザの季節となっています。
毎年、私たちはインフルエンザワクチンでインフルエンザを撃退しようとしています。このウイルスは早く進化するので、研究者たちにとって毎シーズンが新たな戦いです。今年も例外ではありません。インフルエンザがあるということは、医師や医療組織がそれに対して準備ができるということです。
しかしなぜ毎年インフルエンザの季節があるのでしょうか? なぜ1年を通して世界中にインフルエンザウイルスが飛び散らないのでしょうか?
実は、北半球と南半球で反対の時期に冬がくるので、1年に2回インフルエンザシーズンがきます。したがって、例えば北アメリカでは、インフルエンザシーズンはだいたい11月から3月まで続きます。南半球では、シーズンはだいたい5月から9月の間になります。
インフルエンザウイルスは1年を通して循環しますが、冬休みの休暇に入る頃にシーズンのピークに入り、インフルエンザ感染者が急増します。研究によれば、冬は寒気と低湿度を運び込むため、インフルエンザウイルスの伝染において、この期間が最適な季節だと言われています。
空気によって運ばれるくしゃみや咳による飛沫を通して、インフルエンザウイルスは伝染します。気温や湿度が低くなると、これらの飛沫が抵抗なく空気を通して飛びやすくなります。
しかし暖かく湿度が高い場合は、空気中の余分な湿度が飛沫をより重く大きくするため、空気中でのウイルス拡散を妨げます。したがって、ウイルスが遠くへ広がることがありません。
もちろん、気温が低くなればより室内で過ごすことが増え、ウイルスに感染しやすい閉ざされた空間にいることで感染者を増やすことになります。うなずけますよね? しかしウイルスは北半球から南半球へ移動し続けているにもかかわらず、どうして毎年違うワクチンが必要なのでしょうか?
実は、年々インフルエンザウイルスは変異するので、インフルエンザの季節は毎年固有のものなのです。インフルエンザウイルスには主に、A、B、Cに分けられた3つのウイルスがあります。
インフルエンザA型ウイルスは、外側の細胞にコーティングされている2つのタンパク質によってさらに異なる亜類型に分けられます。HAまたは、ヘマグルチニンと呼ばれるタンパク質とNAまたは、ノイラミニターゼと呼ばれる2つのタンパク質があります。
これらのタンパク質は、宿主細胞へ発信機のような役割をし、ウイルスに付着し感染させるように細胞を騙す働きをします。こういったタンパク質は、ヘマグルチニンにH1からH18、ノイラミニターゼにはN1からN11の異なる亜類型があります。したがって、この異なる組み合わせが、私たちがウイルス株をH1N1またH3N2と呼んでいる理由なんです。
しかし、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼは抗原連続変異と呼ばれるプロセスを通して簡単に変異します。このような変化はウイルス自体を大きく変えることはないのですが、時間が経つとその変化が堆積し、完全に元のものとは異なるウイルス株になってしまうのです。
そして時に、まれなケースにおいて、ウイルスの遺伝子変異は大きな、そして危険な変化を起こします。この現象を抗原不連続変異と呼び、ウイルスをより感染しやすい状態、そして完全に新しい遺伝子の組み合わせを引き起こすのです。
みなさんは、2009年に抗原不連続変異が起こったことを覚えているかもしれません。その時に新型インフルエンザが形成されました。
異なるウイルスの組み合わせは常に変化するのに、どうやって冬に備えての私たちが受けるべき予防接種のウイルス株を特定することができるのでしょうか?
1年を通して地球上のさまざまな国々でインフルエンザウイルスを観察し、医療機関によって集められたデータにもとづいて、4つの株が選ばれます。そのウイルス株を世界保健機関によって運営されるネットワークを通して報告し、インフルエンザの季節にどのウイルス株が循環するかを予測するためのデータをまとめ、その年の予防接種で推奨されるワクチンが決められていきます。
北半球と南半球で冬があるので、一般的に片方の半球でインフルエンザの季節に集められたデータは、もう片方の半球でどのインフルエンザ株が効果があるのか、そしてどのワクチンがしっかり働くのかという情報を集める手助けができます。
インフルエンザワクチンは、ワクチンを作成しテストするために、インフルエンザシーズンのピークに達する1ヵ月前に発達しだします。しかしワクチンが制作されている間に、インフルエンザウイルスは変化し続けることもありえるので、ワクチンの効果がなくなる場合もあるのです。
では、今年(2016年)のウイルス株はどのようなものなのでしょうか? それはA/カリフォルニア/7/2009/(H1N1)PDM09-LIKEウイルスといい、この長い名前はいつどこで最初に分離したか、そしてタンパク質(ヘマグルチニンとノイラミニダーゼ)の亜類型によって決められたものです。
インフルエンザA型ウイルスは、最初にカルフォルニアで分離されその株は2009年のH1N1の拡散(パンデミック)によってできました。そうして、A/香港/4801/2014(H3N2)–LIKEウイルスができます。そして、オーストラリアのヴィクトリアからきたBウイルスから由来するB /ブリスベン/60/2008-LIKEウイルスができました。ウイルスBは亜類型によって分類されないので、このウイルス名は比較的短くなっています。
鼻腔用スプレーのような4価ワクチンでは、第四株が含まれ、それはB/プーケット/3073/2013-LIKEウイルスは、日本の山形のBウイルス系統から伝わったものです。
したがって、春、夏、秋、冬のように毎年巡ってくるインフルエンザシーズンは避けられないものです。しかし科学者たちは、私たちに新しい情報を伝え、変化するインフルエンザウイルスから私たちを守るために1年を通してベストを尽くしています。
したがって、あなたの住んでいる地域が冬に近づいた時、もしまだ行ってない場合は、インフルエンザ予防接種に行ってください。そしてインフルエンザシーズンに備えましょう。
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