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The Deal with Carbs(全1記事)

糖質制限のデメリットは? 知っておきたい炭水化物の科学

ダイエットをしている人のなかには、炭水化物を食べないようにしている人もいます。しかし、炭水化物は身体にとって敵であるわけではありません。今回の「SciShow」は、さまざまな糖質の種類と、それぞれが身体にどんな影響を与えるかを科学的に見ていきます。

炭水化物の科学

ハンク・グリーン氏:多くの人は炭水化物を敵だと思っています。炭水化物と聞くと、スパゲティ、白パンなどの太らせる食べ物を想像するかもしれません。

しかし、食べ物の科学はそれよりもっと複雑で、炭水化物は果物、穀物、野菜、牛乳にも含まれています。炭水化物はエネルギーを生み出したり、蓄えたりし、便をよくしたり、生きるのに必要な多量栄養素のうちの1つなのです。

科学的には、炭水化物は結構シンプルです。炭素、水素、そして酸素でできています。Carbohydrates(英語の炭水化物という単語)のcarboはcarbons(炭素)、水を表すhydrate(水和物)という単語からできています。

しかし、すべての炭水化物が同じわけではありません。なかには単糖と二糖という単純糖質と、複合糖質や多糖があります。これらの言葉は、分子の構造を説明しています。ですから、単純糖質は、長い炭素の鎖が土台となっています。通常それはただの砂糖と呼ばれ、甘い味がします。

「グルコース」という名前を聞いたことがあるでしょう。

私たちはグルコースに関して、植物、または実際私たちが食べるほとんどの炭水化物に感謝できるでしょう。なぜならそれは光合成の間に二酸化炭素と水をグルコースに変えてくれるからです。

「果糖」という分子は果物や蜂蜜に含まれていて、「ガラクトース」は牛乳に含まれます。これら3つの分子は異性体で、同じ化学式ですが、その原子のアレンジが異なります。それにより、それぞれに違った化学特性が生み出されます。

例えば甘さの加減などです。砂糖の味はすばらしいですよね。

糖質の種類について

しかし、炭水化物は非常に大切です。なぜならエネルギーの源だからです。グルコース代謝はグルコースがATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる分子を作り出すための、たくさんの化学変化を起こすことを言います。

そして体内の細胞はATPの化学エネルギーを使って、なんでも行います。動いたり、成長したり、特に脳を働かせます。単糖は小さいので、腸から血管に行くこともでき、それから体内の様々な細胞に入って、エネルギーを生産する化学反応を始めさせるのです。

しかし、私たちが食べる炭水化物の多くはただのシンプルな単糖ではありません。二種類のものが結合すると二糖になります。例えば、加熱したサツマイモを甘くする麦芽糖、卓上砂糖のショ糖、牛乳の糖である乳糖があります。

これらは血管に入る前に、酵素により消化されなければなりません。乳糖不耐症の人は、そのすべてを分解することができません。ですから代わりにバクテリアがそうするため、ガスが溜まったりお腹がふくれたりしてしまうのです。

多糖、また複合糖質は、ただ単糖がたくさん繋がったもののことをいいます。

例えば、デンプンはグルコース分子が長く連なった物で、植物はそれを使ってエネルギーを蓄えます。私たちの体内には穀物やジャガイモなどのデンプンを分解する酵素がありますが、消化吸収するまでに、飴のような単糖食品よりも時間がかかります。反対に、余分なデンプンはグリコーゲンとして、多くは肝臓と骨格筋細胞に保管されます。

膵臓からインシュリンと呼ばれる物質が生み出され、それは血糖値を調整してくれます。もし血中に多すぎるグルコースがあれば、さらにインシュリンが放たれます。そして身体にグリコーゲンを作り出すように指令を出し、後でエネルギーが必要になった時のために保管するようにします。

マラソン選手などの耐久力のあるアスリートは、グリコーゲンのために、運動前にたくさんの炭水化物を摂取します。それによりさらに多くのグリコーゲンを身体に蓄え、身体がエネルギーを欲する時に細胞が多糖を分解し、新陳代謝のためのグルコースを得るのです。

糖質を摂取するのは不健康ではない

しかし、大切なのはこれです。保管には限度があります! 肝臓や骨格筋細胞が蓄えきれなくなると、余分なグルコースは保管されるためにエネルギーの詰まった脂肪に変化します。

聞いたことがあるのではないでしょうか? 炭水化物を食べすぎると太るという恐ろしい話を。

ですから多くの人は低炭水化物ダイエットをして、脂肪細胞を作り出したり蓄えたりしないようにするのです。適度に炭水化物を摂取するのは不健康なことではないのにもかかわらず、そうしてしまっています。

もし身体が少ない炭水化物で動くようになると、代わりに脂肪を代謝することによりエネルギーを作り出します。それには異なる化学反応が関係し、異なる副産物が生み出されます。しかし、もし食事から一切の炭水化物を除いてしまうなら、身体が充分な繊維を得ることができなくなってしまうかもしれません。

繊維は複雑な炭水化物を含む、化合物のグループで、消化のための酵素を持っています。私たちは通常、身体にエネルギーを与えたり、さらに身体を形成するための物質のブロックを得るために食事をするので、はじめはそれが助けになるとは思わないからもしれません。

しかし、ある種の繊維質、例えばセルロースという多糖の、植物の形成のサポートとなる物質は、我々の便に繊維を加えることにより、健康的な腸の動きを促進してくれます。その他の種類の繊維物質は水溶性で、LDLコレステロールレベルを下げる、どろっとした混合物を作ります。

LDLコレステロールは血中に溜まると危険です。これらの繊維細胞はコレステロールと、胆汁酸と呼ばれるコレステロールからできている物質と腸内で結びつき、排泄してくれるのです。ですから、繊維は友達です。

それに炭水化物を恐れるべきではありません。これらは大切な栄養素で、味も美味しいですし、身体にたくさんのエネルギーを与えてくれます。しかし、いいものもたくさん摂りすぎると、よくないということなのです。

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