CLOSE

Bigfoot, Yeti: Meet Science(全1記事)

イエティは本当に存在するのか? オックスフォード大学が本気で研究した結果、驚きの発見が

ビッグフット、サスカッチ、イエティ。猿人のような正体がはっきりしない動物の都市伝説は世界中に広がっています。これまで非科学的だとされていた未確認動物たちですが、実は数年前にまっとうな研究機関が調査に乗り出しました。2012年の5月、オックスフォード大学とフランスとドイツにある倫理博物館は、変種の霊長類に関する物質的証拠を握っている人はいないかと大衆に呼びかけました。最終的に、個人所有物からと世界中の博物館からで57個もの毛や毛皮の標本見本を受け取り、本格的に研究を行ったのです。

イエティやビッグフットをまじめに研究した結果

リンジー・ドー氏:「SciShow」へようこそ! ハンク(通常の指南役、ハンク・グリーン氏)が休みなので、私、リンジー・ドー博士が今回の指南役を勤めます。

今から私が熱弁することはあなたが耳を疑ってしまうようなことでしょう。科学とは相反するものと、あなたが認識していることについてお話しするのですから。

ビッグフット、サスカッチ、イエティ。猿人のような正体がはっきりしない動物の都市伝説は世界中に広がっています。ブータンでも、ロシアでも、呼び方は違えど、その都市伝説は存在します。

存在が不確かだったため、科学者はその生物に関する名前は付けていません。しかしながら、先日、地質学者の国際研究班は、変種の霊長類と呼んでいるその生物に大いに関心を注ぎ、伝説と現実とをわける、新たな分子遺伝学のパンドラの箱を開いたのです。

2012年の5月、オックスフォード大学とフランスとドイツにある倫理博物館は、変種の霊長類に関する物質的証拠を握っている人はいないかと大衆に呼びかけました。最終的に、個人所有物からと世界中の博物館からで57個もの毛や毛皮の標本見本を受け取るに至りました。

研究班は標本に汚染物質が含まれていないかどうかを検査し、ミトコンドリアDNAを分離させる為の細胞片を摘出しました。ミトコンドリア細胞から発見される先祖伝来のDNAは、動物がその両親から受け継ぐものとはまるで違うDNAなのです。

研究班はこの神秘の標本のDNA遺伝子を、10万以上もの生物の遺伝子配列が公式に収められているデータバンクの情報と照らし合わせました。

水曜日に研究班が英国王立協会Bの議事録のなかで研究結果を発表したのですが、その結果は、期待通りのものだったものの、完全に満足させてくれるものではありませんでした。検査の結果、ほとんどの標本見本は普通の動物、その標本見本が見付かった場所ではごくありふれた動物のものだと判明したのですから。

アメリカ西部でビッグフットの証拠品だとして出された毛のほとんどはクロクマ犬、もしくは牛だと判明しましたし、たぬきや、ヤマアラシのものもありました。

おふざけがお家芸のロシアからの標本に至っては、牛と馬、そして熊の毛が混ざったものでした。

しかし一方で驚きの発見も

しかし、イエティ伝説のあるインド、ブータン、ネパールの標本見本からは驚きの発見がありました。

イエティともっとも関係が深いネパールからの標本見本は、ヤギのようなアジアの山の森林地帯に住む野生動物のカモシカで間違いなないとされましたが、ブータンとインドからの標本見本は、現存するホッキョクグマの遺伝子とはまったく異なる、ノルウェーで発見された4万年前のホッキョクグマの化石の遺伝子のデータベースとしか一致しなかったのです!

一方の標本見本はインド南部で40年前に狩人によって集められたもので、山で今まで見たことのない熊のような奇妙な動物と遭遇したと報告されています。もう一方の標本見本は、ブータンの竹林の、動物のねぐらか巣かはっきりしないところで発見されました。

化石と一致したDNAの欠片はとても小さかったことから、科学者たちは露骨に調査班に調査から身を引くように促してきました。彼らの報告書によると、2つの標本見本は科学的に未だ証明されていない未確認の熊の一種の存在証明、ヒグマと、ホッキョクグマの混合種、もしくはヒグマとホッキョクグマに分岐する以前の血統種である証明であるとの仮説が立てられています。

「どうして科学者がビッグフットやイエティのことを気にするの?」思っている人もいるでしょう。

ロンドンの自然史博物館館長で古生物学者、ノーマン・マクレオドは議事録での解説で、今回の変種の霊長類の調査は小さなとっかかりから始まったものだが、科学の厳格さが似非科学と定説とで固められた未確認生物学の領域に真っ向勝負を挑む結果となった、と述べています。

未確認生物学者は、科学機関が考えを認めてくれないとは、もはや言わなくなるでしょう。

マクレオドなら、難解な科学データと仮説検定の言語とマクレオドが呼んでいる、同じ言語を両方が話し始めたのだと言うでしょうね。

そもそも、今回の調査が奇妙な熊の発見という結果を生みだすなんて、誰が予測できたでしょうか! サスカッチではないでしょうが、特別ななにかであることに違いないのですから。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!