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「ヤバいぞ日本の貧困 こち亀終了 食べログ騒動を斬る!」ニコ論壇時評9月14日(全7記事)

マジでヤバいぞ、日本の貧困 炎上した貧困JKを叩いていたのは誰?

漫画家・山田玲司氏がNHK貧困女子高生騒動から感じた『ヘイトフル・エイト』とは? ニコニコ生放送の人気番組「山田玲司のヤングサンデー」。今回は9月14日放送のニコ論壇時評「ヤバいぞ日本の貧困 こち亀終了 食べログ騒動を斬る!」の内容をお届けします。テレビ番組で自身の貧困を訴えた女子高生に批判が集まってしまった理由を独自の視点で分析します。

貧困JKが集めたヘイトの主は?

山田玲司氏(以下、山田):それでは、ヘイトフルその1(笑)。

乙君氏(以下、乙君):え?

山田:『ヘイトフル・エイト』の1人目、同級生男子です。貧困JKにムカついてヘイトフルになって叩いた1つの種類は同世代の男子なんですけど、同世代の男子はやっぱりめちゃめちゃ……。彼女と同じような貧困にいるわけだよ、やっぱり。

乙君:はい。

山田:同じような状況にいて、おまけに女子がやさしくしてくれない。「このまま、俺はたぶん童貞のまま死ぬんだろうな」って思うような、同級生男子のヘイトフルですわ、奥野さん。

乙君:ほう!

山田:そして、同級生女子が2人目なんだけど、これも「私のほうがつらいし」みたいな。

乙君:「俺のほうが貧困だし」みたいな?

山田:「貧困だし!」みたいな奴が、同世代だと余計に目立つわけだよ。「あいつ、うまいもん食ってたじゃん」みたいな。

乙君:そうね。「高い色鉛筆みたいなの買ってたじゃん」と。

山田:だから、哀しいわけよ。みんなつらいのに、たまたまテレビ出ちゃって、目立つから「あいつ、なんなの?」みたいな感じになるという。この2つのヘイトも、本当に当事者のせいじゃない、時代のせい。だから、本当、気の毒だな。パート3、3番目。

しみちゃん氏(以下、しみちゃん):はい。

山田:これ、やっぱり、JKおじさんですね。

乙君:JKおじさん?

山田:JK教のおじさんたち(笑)。

乙君:はい。

山田:だから、岡田(斗司夫)さんみたいな(笑)。

(一同笑)

山田:「かわいいの?」みたいな。「えっ、JK出てんの? かわいいの? なんだ……」みたいな(笑)。

乙君:「岡田さん×JK」って、ちょっと危険な……(笑)。

山田:いいんだよ。岡田さん、今、絶好調だから。

乙君:絶好調なの?

山田:そうそう。岡田さん、最高だから。渡米してるから。

今だからできる贅沢が叩かれる哀しさ

乙君:そして?

山田:4番目、お姉さんたち。お姉さんたちも、JKに対してやっぱりいろいろな思いがあるわけよ。「あんたたち若いんだから、そんな甘ったれたことを言ってんじゃないわよ」みたいな。

乙君:あー。「私はがんばってこの地位にいるんだから」。

山田:「その肌のツヤがあるんだから、なに甘ったれたこと……」。

乙君:「貧困でギャーギャー言うなよ」と。

山田:本当ここの問題で一番キツいのは、よく言うんだけど、「いくら持ってたら、なに買いたい?」って話があるんだよ。あるところまでお金儲かるじゃん、もらったとするじゃん。そしたら、好きなもの買うじゃん。「なに買う なに買う?」ってなるじゃん。

しみちゃん:はい。

山田:そうするとだいたい、バイクぐらいで止まるのね。例えば、バイクとかギターとか、そういう何十万みたいなもの。「さらにその上にほしいものってなに?」っていうと車になるんで。

乙君:はいはい。

山田:いきなり100万円台に飛ぶんだよ。

乙君:そうですね。

山田:さらにその後、家とかになってくるわけよ。

しみちゃん:はい。

山田:だから、その貧困JKが堪能してた贅沢というのは、ものすごい低いところで(笑)。

乙君:あー。

山田:大学に入るってところは、もっともっと上だから。そこの……、なんて言うのかな。ギャップみたいなものがあって。だから、大学には行けない、車も買えないけど、1,000円ランチぐらいは食うっていう。そういう庶民の贅沢みたいな話ね、実は。

乙君:つつましい話なんですか? あれは。

山田:だから、実はそうなのよ。あれ親が出してくれないから、学校行けないよって人たちの問題と、今だからできる贅沢として、高いごはんを食べましたって話、違うんだよね。話のレベルが違うっていうか。

「じゃあ、奨学金で……」みたいな話になるけど、奨学金問題は奨学金問題でけっこうキツい話があるんで、それはまた別なので。だから、大変だなって話。このへんもね……、で5番目。

乙君:うん。

片山さつきの発言は正論?

山田:レペゼン貧困、ガチの人たち(笑)。ガチの人たちは、そりゃしょうがないと思うよ。ガチで食うや食わずの人がいたら、「おまえ、ふざけんな」「俺はキーボードも買えない」って。

そういうレペゼン貧困の人は、やっぱりそれは、こっちのほうがシャレにならないんだから。今日、寝るとこがないんだから、っていう人たちはしょうがないよね。あと6番目。さつきですね。

乙君:片山?

山田:さつきですね。片山さつきさんの言っていたことって、「頭使ってパソコン買えんじゃん」って言うんです。「やりようによっちゃね」「できるじゃん」って。

乙君:そうそう。

山田:これ、ファミレスの言論おばさんみたいな(笑)。「うちらの頃は、もっと……」みたいな(笑)。

乙君:でも、俺、片山さつきの肩を持つわけじゃないですけど、それは正論だと思いますよ。だって、1,000円のランチやめて、自分でおにぎりでも作って。それで、好きなもの我慢して。

本当にやりたいことのためにお金を貯めて努力してるけど、それでも絶対叶わない。それぐらいヤバい状況なんだってことなら、「うわー、それは貧困がヤバい。社会問題だな」って思うけど、彼女自身がめちゃくちゃ努力してますみたいなのを、あまり……。

だから、それはもうちょっと削るとこ削れるんじゃない、みたいな。事業仕分けじゃないけど。そんな感じで、片山さつきは、「いや、もうちょっと節約すれば?」っていうような感じだったと思いますよ。

山田:だから、そういうヘイトフルね。

乙君:これ、ヘイトなの?(笑)。

(一同笑)

乙君:えー!(笑)。

情報が得られない環境の問題

山田:でも、実際のところは、この問題ってもっと深刻で、情報がないとか、チャンスがないとか、そういう人間関係にないとか、策がないって話なのね、実は。だから、実を言うと、片山さんは非常に恵まれたところにいたわけ。それで、恵まれた人間からすると、「この方法があるじゃん」。

これ、いわゆるホリエモンがよく言うやつだよ。知ってるから、「この方法あるじゃん。この方法もあるじゃん。この方法もあるじゃん。なんで気がつかねーんだよ、バカだな」って言うけど、そこに気がつかない人がいるんだよ。だから、ここが問題なの。それは環境も大きいんだよ、やっぱり。

そういう人たちに出会えるとか、そういう人たちが身内にいるとか、そういう環境にある人と、ない人がやっぱりいるんだよ。そういう力とか策がないのに、我慢している人たちもいっぱいいるわけだよ。

しみちゃん:はい。

山田:これが、7番目のヘイトフルじゃないかな、と俺は思う。

乙君:7番目。

山田:8番目は、NHKヘイトフル(笑)。「NHKムカつくよね」っていう人たち。NHKも、この話をするとまた長くなっちゃうので、NHKの問題は別にしますけれど、って感じですわ!

乙君&しみちゃん:はい。

山田:っていうエイトでした。

乙君:……あ、え!(笑)。

(一同笑)

乙君:あ、ありがとうございます。

富が再配分されない社会構造

山田:問題はその後なんだけど、これって結局、富の再分配の問題。実際のところ、俺、バブル経験してるから、あの時も貧しい奴がいたんだよ。

乙君:うんうん。

山田:結局のところ、富というものは集中するようになる。だから、これは本当に試されてる時期だな、って気がする。

乙君:あー。

山田:とくに、下降して、全体の富が少なくなったら、やっぱり身内の金庫にいくんだよね。だから、ここはもう構造的な問題になっちゃっていて。本来はこういうふうに一部の人間がお金を持ってます。

これ、俺はまた「左翼」とか言われちゃうかもしれないんだけど、左翼ではないですよ(笑)。そういう不満みたいな、こういうヘイトフルって、歴史的には暴動とかに向かったんだよ。

乙君:そうそう。

山田:自己責任って洗脳されてるから、自傷に向かっちゃう。だから、これが本当の深刻さだなって気がする。

乙君:もっと人のせいにしてもいいんだよ、ってこと?

山田:っていうか、これ、流れなんだよ。

乙君:うんうん。

山田:それで、あの時にこの政策、あの時にこういう転換、みたいな。1個1個、全部しないで、Windows95のまま、いまだにずっと来てるの。だから、まだ景気対策がインフラなんだよ。それはもう終わってんぞっていう。変えなきゃいけないことが、変えられてないってところ。

乙君:構造改革ができなかった、ってことでしょ?

山田:構造改革っていうショーをやってた。

乙君:うんうん。

マジでヤバいぞ、日本の貧困

山田:だから、それはなにも変わらない。今までの既得権益の人たち、今までのお上が、神のまま、ずっと続いていくっていう。それで気がついたら、ものすごく離されてた状態が現在。

だから、タイトルの「マジでヤバいぞ、日本の貧困」って、俺、本当にそう思う。

乙君:うんうん。

山田:だけど、それを脱出する方法がありますから。それは後半にやります。

乙君:え、あるの?

山田:あります。

しみちゃん:(笑)。

乙君:今日、解決策つき?

山田:要するに、これは哲学の問題なんだよ、本当に。恐怖教育をされた後にどうするか、どうやって脱却していくかって話ですね。

乙君:うんうん。

山田:それは、いろんな人がめちゃめちゃ言ってる。だけど、情報として出てこない。長い! 41分だ、ごめん!

しみちゃん:(笑)。

乙君:じゃあ、その解決策とやらを有料でやるそうなので、ぜひお楽しみにしててください。

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