2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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DaiGo氏:今、『GIVE&TAKE』の本がチラッと出てきましたけれど、今日のテキストは『GIVE&TAKE』です。アダム・グラントって人の本なんですけれど、このアダム・グラントさんはすごい人で、ものすごく簡単に言うと、非常に若い時に、組織心理学の権威になりました。ものすごく若い時に大学教授になったんです。
大学の終身教授、だいたい大学教授の目標というのはたくさんの論文を書いて、終身教授になって、一生食いっぱぐれなくなるというのが、一番最初の目標なんですけれど。ウォートン・スクール、ビジネススクールのなかで非常に権威のある有名な学校、ウォートン・スクールの最年少終身教授になった人です。
この人が書いた本で、『GIVE&TAKE』って本がありまして、今日はその本の内容を中心に、お話していく感じになると思います。
与える人がなぜ成功するのかを、非常にわかりやすく示している本で、心理学の本に慣れている人だったら、速読も可能なレベルの本です。非常によいです。
ギバー、テイカー、マッチャー、今日は与えるってことに集中してお話しますけれど、ギバーとテイカーの見分け方。つまり、与えるタイプの人と、持っていくだけ、自分だけが得しようと思う人の見分け方だったり。
あと、なぜギバーになるといいのか。いわゆるギブ&テイク以外の部分でも、例えば、ギバーの人のほうが社会的に成功する確率が高い。なぜかというと、ギバーの人は、ネットワークを使ってより大きな価値を生み出していくからですね。
例えば、ビジネスをして100万円儲かったとするじゃないですか。テイカーの人は、1パーセントでも多くほしいから、「自分はこれだけ仕事をしたんだから、90パーセントもらわないとダメだ!」とか言い始めるんですよ、チームのなかで。これはテイカーなんです。だから、100万のうち90万円をもらって、その人たちとはもう二度とチームとして仕事ができなくなっちゃうのが、テイカーなんです。
ギバーは、「いや、別にみんながやったから、俺は10パーセントだけでいいよ」と言うわけです。ところが、そうすると、「あの人と仕事すると、すごくいいから」と人が集まってきて、もともとの利益、例えばテイカーがやった仕事だったら100万円しか利益が出なかったとして、そのなかで90パーセント持っていったところで90万円じゃないですか。
でも、ギバーがやると、極端な話、そこから2000万円、3000万円って利益が生まれるわけです。ネットワークがうまく回ってくれるので。そのなかの10パーセントをもらったらどうなるかというと、200万円、300万円なわけです。全体としてパイを大きくしているから、結果的にギバーのほうが得するんです。そういう話を、けっこう書いてあるんですね。
僕も、どちらかというと、わりとテイカーなタイプだったと思うんです。テイカーというか、僕はギブ&テイクすらしないような人間だから、「1人でやりたい」みたいなタイプなんですけど。
こういうのを見ると、「やっぱりそういうことをちゃんとしなくちゃいけないかな」ってことを考えますね。
(「このチャンネルがギバー」というコメントを受けて)そう、ギバーね。このチャンネルは、ギバー。それは間違いないかも。僕はどちらかというと、ギバーの人を周りに集めるという、やり方をしていると思います。
うちの会社のスタッフの人でも、いろんなところにいろんなものを持っていったり、プレゼントしたり、いろいろして。
その人に、3日前ぐらいに言えば、300人とか500人とかが簡単に集まるような人がいますけれど。やっぱり、そういう人が周りにいてくれるので、僕はあまりそれをやらなくてよくなったってことがあるんですね。だから、知識的にはギバー、そういうことですね。そんな話をしていきたいと思います。
ただ、ギバーにもいろんな問題があって、今日はまずそのギバーの問題を最初にお話します。そして、ダメなギバーじゃなくて、価値を見出して、自分も得するし、みんなも得する、一番いいギバーのかたちになる方法を会員限定にしてからお話していきたいと思います。
(コメントにて「DaiGoさんはギバってる?」)僕の場合は、ギバーの人がすごく周りにいるんですよ。いてくれるので。(コメントにて「ジェバー」)ジェバーもいますね(笑)。
ギバーの能力ってすごくおもしろいんですけれど、ギバーがどういう能力を駆使して人をうまく使ってるのかって話もあるので、それも後々お話していこうと思います。
それで、さっき言ったように、ギバーというのは与えまくる人なんですけれど、じゃあ、「与えまくったり、人のために自分を犠牲にする人って、果たして本当に得するんですか?」って話があると思うんです。答えを言うと、得しない場合もけっこうあるんですよ。
実際に調べてみると、エンジニアについて調査した研究とか、医学部生を調査した研究とか、セールスマンを調査した研究とか、成績が出るあらゆる業界の人たちを調査すると、一番ボトムにいる人、順位でいう一番下、最下位にいる人たちというのは、実はギバーの傾向があったんですよ。
例えばエンジニアだったら、他人の仕事ばっかり受けちゃって、自分の仕事があまり進んでなかったり。医学部の生徒だったら、人のためにいろいろやったり、頼まれると断れなくて雑務をやっていて集中できないとか。セールスマンだったら、ギバーすぎるから、自分の成果なのに他人にあげちゃったり。
がんばってるんだけど、結局周りにいいように使われちゃってる人たちが最下層。つまり、テイカーに食われてる人たちが、最下層にいるわけです。一番下にいるのは、テイカーに食われてるギバー層なんですね。
それで、実際にそうするとどうなるかというと、そういうタイプのテイカーに食われている最下層ギバーの人たちは、上司とか社会からの評価も非常に低くなっちゃうんですよ。さらに、収入も非常に低い。
そういうタイプのギバーの人は、収入がだいたい14パーセント、テイカーやマッチャーに比べると少ないですし、詐欺とかの被害にあう可能性、友人とかから勧められて投資しちゃってという、そういう詐欺にあう可能性も、マッチャーやテイカーに比べると2倍も高いんです。
さらに、他人に影響を与えて自分が動かしていく、人を動かす力ですね。インフルエンス、影響力も22パーセントも少ないってことがわかってるんですよ。シュールですよね。
さらに、ギバーに比べてマッチャーやテイカーは、年間売上を比べると、だいたい2.5倍ぐらい売上があるってことがわかってるんですね。そんなシュールな結果が出てるわけです。
だから結局、ギバーの人は、与えることによって損をしてるんじゃないのかっていうのが、研究で出てるんですね。けっこうな数字ですよね、売上2.5倍というのは。
でも、だとしたら、「ギバーになろう!」なんて話にはならないじゃないですか。そもそも、人に与えるなんて話にならない。古典とかでも、人に与えたり、施したりすることのすばらしさを書いてある本がいっぱいありますけど、そんな本なんて出ないじゃん、と。
これは実はちゃんと調べてみると、おもしろいんですけど、なんと、セールスマンだったり、医学部生だったり、エンジニアでもなんでもそうなんですけど、あらゆるジャンルでボトムはギバーなんですよ。
でも、トップもギバーだってことがわかったんです。つまり、不思議なことが起こってるんですね。
テイカーに吸い取られているギバーの人たちは底辺にいるんですが、そのギバーとしての性質を100パーセント活かしている人は、トップ・オブ・ザ・トップにいるってことがわかってるんです。つまり、世の中というのは、上はギバーなんです。そして、一番下もギバーなんです。真ん中の中途半端なところに、テイカーとマッチャーがいるってことなんですよね。
例えば、成金な人とかいるじゃないですか。「俺は金持ってんだ。ヒャッホー!」みたいな。ああいう人たちは中途半端なんですよ。テイカーまたはマッチャーだから。
計算して、「相手がこれぐらいあげるって言ってくれるんだったら、これぐらいやってあげようかな」と思ってる人とか。「俺のほうがもらわなくちゃいけないんだ。ギャー!」みたいなことを言っている人たちというのは、金持ちだったとしても中途半端な金持ちってことですね。
トップ・オブ・ザ・トップはギバーなんです。だから、みなさんもトップ・ギバーにならなくちゃいけないんですね。
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