2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Why Are Smartphone Batteries Combusting?(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:またこの時期がやってきましたね。そう、スマートフォンを最新で派手なモデルにアップグレードする時期です。
しかし、スマートフォンの購入者のなかには不満をもらす人もいます。
例えば、最低でも90人以上のサムスンのGalaxy Note7購入者から、スマートフォンが熱くなりすぎて火傷してしまったとか、火がついたという報告があがっています。
サムスンと米国消費者製品安全委員会は、9月15日以前に販売されたGalaxy Note7のリコール(製品回収)を公式に発表しました。バッテリー関連の製品トラブルのため、これらのスマートフォンを使うことはとても危険です。
バッテリーは、カソードと呼ばれる正極とアノードと呼ばれる負極から構成されています。そしてこれらの電極は、充電された分子を運ぶ作用のある電解液もしくは電解質によって繋がっています。
電子もしくは鉄が片方の電極から他方に流れるにつれて、バッテリー内部の化学反応が電力を生み出します。
とくにリチウムバッテリーは、携帯電話からノートパソコンまで多様な電化製品に使われているように、とてもコンパクトで再充電可能なバッテリーです。
リチウムバッテリーのカソードは、リチウム金属酸化物で構成され、アノードは黒鉛からなっています。そして、これらは薄いポリマーセパレーターによって分離されていますが、リチウムイオンに限っては両極を行き来することができます。
バッテリーを充電している時、リチウムイオンは電解物を通してカソードからアノードへ移動します。
そしてバッテリーを消費している時には、リチウムイオンは逆にアノードからカソードへ移動します。
リチウム原子の構造上、このタイプのバッテリーはたくさんのエネルギーを保存することが可能で、携帯電話のような製品にとってはうってつけです。
しかし、バッテリーの過度な充電や、両電極の間にあるセパレーターの損傷のような問題が起きると大変なことになります。
例えば、セパレーターが損傷し穴が開いてしまった場合、リチウムイオンが新しくできた経路を通過してくることにより、漏電を引き起こす事があります。
そしてその漏電が、バッテリー内の発熱化学反応を増進させ、それが熱暴走という品質低下の始まりとなります。これが、バッテリーが発火したり爆発したりという原因です。
設計に不備のあるリチウムイオンのバッテリーを持つどのデバイスでも起こるというわけではありません。
初期のGalxy Note7の場合、構造上の問題のためにバッテリーがオーバーヒートしていたのでしょう。製造工程でのエラーにより、最初に作られていたスマートフォン内部のバッテリーに、漏電と発熱を引き起こすカソードとアノードを圧迫する異常な圧力がかかっていたとサムスンは考えています。
そのため、携帯電話を普通に充電したり使っている人たちが、突然オーバーヒートしたバッテリーによって火傷をおってしまうのです。
一般的に、この問題を解決するには無害の携帯電話に交換するしかありません。なので彼らはリコールという選択をしたのです。もしあなたがGalaxy Note7を9月15日以前に購入しているのであれば、火傷を負う前に新しいものに交換することをオススメします。
ところで、あなたはこんなオーバーヒートしたバッテリーの熱にも耐えられる生物のことを知っていますか? クマムシです!
ウォーターベアとしても知られるクマムシは、無脊椎動物門の一種であり、4対の足やチューブのように突起した口、特殊能力を持つ生物です。
クマムシは海底から沸騰する温泉のなかまで、どんな過酷な環境下でも見つけることができます。科学者たちはクマムシを干からびさせたり、放射線を浴びせたり、宇宙へ放ったりしましたが、なにをしても死にません。
『Nature』という科学雑誌の記事によると、日本の研究者たちがクマムシを無敵にさせている遺伝子を発見しました。そして、その遺伝子には放射線障害から人類のDNAも守るタンパク質が含まれていることがわかったのです。
東京大学の研究者が主導する科学者チームは、それをヨコヅナクマムシという種類のクマムシのゲノム配列と結論づけました。さらに彼らは、酸化ストレスを抑えて損傷したDNAを修復することによって、動物達の細胞保存を助ける作用のある遺伝子も発見しました。
加えて、Dsup(損傷を抑制するもの)と呼ばれる核DNAの染色体と結びつく新しいタンパク質も発見しました。
科学者たちは、仮説を検証するためにヒトの培養腎細胞にクマムシタンパク質を含んだDsupを埋め込みました。そして、DNAの二重螺旋の片方か両方の染色体の損傷を引き起こすX-ray放射能と、同じくDNAに損傷をもたらす過酸化水素を細胞にあてました。
結果的にクマムシタンパク質を含んだ細胞は、未保護の細胞よりもDNAへの損傷が大幅に少なかったのです。より多くの保護された細胞が生存し、まるで何もなかったかのように細胞分裂を続けていました。
科学者たちは、ほかの動物のDNAデータベースからもDsup遺伝子がないか調べましたが見つかりませんでした。つまり、この余分なタンパク質はクマムシにしか持っていないものなのです。
そして、もしかするとこれは代謝ストレスを抑えるあらゆる遺伝子やタンパク質のひとつかもしれません。なにがとてもタフなクマムシのような強い生命体を作り出しているのかを理解することで、過酷な環境下でも人類の細胞を保護する新しい方法を見つけることができるかもしれません。
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