2024.12.03
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8 Strange Animal Sleeping Habit(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:睡眠。それは私たちに必要不可欠で、人生の3分の1を費やしているもの。なぜ私たちに睡眠は必要なのかは科学者にもはっきりとわかっていません。いくつかのそれらしい憶測はなされていますけどね。
眠ることが人体にとって大切な生体機能なのだということは、どのようなかたちであれ、すべての動物が眠る必要があるということからも明らかです。
しかし、8時間もの間、気を失った状態ではとても生きては行けない動物もいるわけですよね。そんな動物たちは自分たちの状況を賢い打開策でもって乗り越えて来ました。
馬や像、サイなどの大型動物はとても狙われやすいものです。開けた平地に住んでいる上に、目につきやすい大きさをしていますからね。
どんな時でも素早く逃げ出さないといけない生活をしている彼らにとって、体を横たえて眠るという行為はとても危険な行為に相当します。
そのため、それら大きな草食動物たちは立ちながら居眠りできるように体を発達させてきました。それが可能だったのは「静止し続ける器官」のおかげです。この「静止する器官」というのは靭帯と腱から成る組織で、しかるべき部分に固定されているため、立ち続けるために筋肉を使わずに済むのです。
馬のような種はもっとも深い睡眠であるレム睡眠をとるために体を横たわらせなければなりません。群れを成しているほうが都合がいい理由がそこにあります。
レム睡眠をとるために何匹かが体を横たえて眠っている間に、ほかの何匹かは立ったまま眠るのですから。
群れのなかで2つの眠りを分けることは、巨大な草食動物が危険に対して行っている対応策なのです。しかし、群れのなかで眠りの分配がはっきりと分けられているわけではありません。深い眠りと、そうでない眠りを、交互に交代し合ってとっているのです。
馬のような巨大な草食獣同様、キリンは立ったまま眠ります。しかし、立って眠ることはとくに特筆すべきことではありません。キリンはほとんど眠らないのですから。
研究者が飼育しているキリンの観察により、大人のキリンは1日あたり5時間ほどしか眠らないことが判明しています。
馬やキリンは深い眠りを得るために、時にはその身を横たえます。枕にするかのように、お尻の上にその長い首を曲げて載せて。
しかし、それはたったの数分のことです。それも、大人になるにつれてそう言った眠り方はだんだんしなくなっていくのです。巨大な動物たちはほとんど眠らないのになぜ素早く動けるのかは解明されてはいませんが、進化が生み出した恩恵なのでしょう。
ほとんど眠らないということは、その分より周囲に目を配り、そして警戒することに時間を割けるということです。つまり、無意識になる時間が短くて済み、外敵に襲われる危険性を減らすことができるのですから。
キリンは草食で、とてつもなく大きいということも、あまり眠らないことと無関係ではないでしょう。キリンは1日あたり37キロ以上もの葉っぱを食べます。それだけ食べるのは結構な時間を要しますからね。
グンカンドリの生き様はなかなかのものです。ほかの鳥同様、例えばアマツバメのように、グンカンドリは1週間もの間休むことなく飛び続けることができます。しかも、同時に眠ることもできるのですよ!
空を飛ぶのは大変なことです。長い間、鳥類学者は鳥だって眠っているということは突き止めていたものの、具体的にどうやって眠っているのかは突き止めていませんでした。
8月に出版されたネイチャー誌に載せられた研究結果によると、研究者は15匹のグンカンドリを捕獲し、頭にセンサーをつけて放し、そのグンカンドリの3,000キロにも及ぶ10日間の飛行中の脳波を監視したのだとか。
その結果、グンカンドリは飛行しながらも眠ることがわかったのです。地上に降り立っている時のように長時間眠っているわけではありませんが、確かに空中で眠っていたのです。長時間飛行するようなほかの鳥も同様に、飛行しながら眠れるのです。
水中で暮らしているようなほ乳類は、すべての脳を一度に眠らせることは出来ません。空中で息継ぎをしなければならないというやっかいな状況と折り合いをつけなくてはいけないのですから。
1つは呼吸を意識的に操作し、誤って水を飲み込んでしまうという事態を避けるということ、そしてもう1つは定期的に水上に上がり、呼吸をする、という2つのことをしなければならないのです。そう考えると、眠るという行為は不可能であるように見えます。
バンドウイルカは「半球睡眠」という、一度の眠りで脳の半分だけ眠らせるという方法でこの問題を回避しています。
つまり、起きている片方の脳が危険に備え、4、5分毎に水上へと呼吸しに行くように促すのです。そして、2時間後にはもう片方の脳が同じように働くので、結果として両方の脳が休むことができるのです。
この方法を用いて眠るのはなにもイルカだけに限ったことではありません。カモだって、この方法を用いるのですから。
マガモは泳ぎながら一列になって眠ります。列の中央に居るマガモは目をつぶり、完全に眠っています。しかし、列の最後尾に居るマガモの外側の目は開いていて、見張りをしているのですが、そのマガモの脳も半分だけしか眠っていないのです。
かつて、海洋生物学者は水中に暮らすすべての生物が半球睡眠を行い、息継ぎや睡眠をやりくりしているとみなしていました。
しかし2008年になって、マッコウクジラは別の方法で休息をとることを突き止めました。
マッコウクジラは長い時間息を止めることができます。実に90分以上もの長い時間の間、息を止めていられるだろうことが推測されているくらいです。数分毎に海上に出て息継ぎをしなければならないイルカとは違い、そんなに頻繁に海上に出てこなくても大丈夫なのです。
このことが生み出した一風変わった眠りの方法があります。研究班はマッコウクジラの小郡が海のなかで直立して浮かんでいるところに出くわしたことがあります。マッコウクジラたちは研究班のボートがうっかりクジラたちに衝突するまで、研究者たちの姿に反応することなく、微動だにしなかったのです。
クジラが直立して漂っていることに興味を持った科学者は追跡票を使って調査に乗り出しました。すると、マッコウクジラは定期的に「ドリフト・ダイブ」と呼ばれる、立ったまま海中を漂う行動をとっていることが判明したのです。
呼吸をするために海上に上がってくるまでの30分以上もの間、じっと、直立し続けるのです。
クジラがじっとしていて無反応なことから、クジラは立ったまま眠りに落ちているだろうことが推測されます。しかし、このようなかたちで海中を漂っているのは日に3時間も満たない時間です。
これはマッコウクジラの睡眠時間としては十分な時間とは言えない時間です。そう考えると、通常はマッコウクジラも半球睡眠を取っているということが考えられます。時にドリフト・ダイブで眠ることが、マッコウクジラによりぐっすりと快適な眠りをもたらしてくれるのでしょう。
ある種のサメがそうであるように、回遊生物は寝ている間もじっとしてはいません。私たちが想像する方法でサメが眠るのかどうかは定かではありませんが、サメにも休息の時間があることは確かです。
ある種のサメは呼吸するためにエラから海水を出し続けないといけないので、動き続けなければなりません。つまり、生きるためには寝ている間も泳ぎ続けないといけません。そのため、サメは眠る時に海洋学者がヨーヨーダイビングと呼んでいる方法をとって眠ります。海上に向かって泳ぎ、しばらくそのまま体が落ちるに任せる、という方法です。
水がひれを横切る間に体を休ませ、また起きてその動作を繰り返すのです。こういった特別な潜水方法はサメが呼吸をしながら、なおかつ休むにはもってこいの方法なのです。
この方法をすべての種類のサメが行っているわけではありません。進化した空気孔を持つサメは、定期的に動く必要はないのですから。そういったサメは、目の後ろにある特別なエラで酸素が入った水を取り込めるので、海底で横たわることもできるのです。
ブダイの仲間でぎょっとするような眠り方をするものがいます。夜になると、特殊な腺を使って大きな泡をつくり、その泡の内側にぴったりとくっついて眠るのです。
粘液寝袋をつくるのは時間を要しますし、たくさんのエネルギーを消耗するのにも関わらず、です。ブダイにとって、そうまでしなければいけない理由というのはなんなのでしょうか。
かつて、調査員は、泡はブダイが眠っている間に沈泥から身を守るためや、敵から身を守ったり警戒したりするためのものだと思っていたのですが、その仮説を裏付ける証拠はどこにもありませんでした。
数年前、ついにある科学者がハゲブダイの泡は厄介な吸血生物である寄生虫、ウミクワガタの脅威から身を守るのに有効なのだと明らかにしました。
ブダイは日中は寄生虫に寄生されないようにホンソメワケベラのような掃除魚を探せばいいわけですが、夜になるとホンソメワケベラのお世話になることはできません。
夜、ブダイが眠っている間というのは寄生虫の脅威が忍び寄る時間でもあります。粘着質の泡はそんな寄生虫の脅威から身を守ってくれるのです。
タコは私たちが思っているよりもずっと人間ぽい生き物です。私たちのようにレム睡眠であることがうかがえます。
タコは無脊椎で、私たちとはかけ離れた生理機能を持っていることから、調査員はタコの眠りというものはあってないようなものだとみなしていました。
多くの無脊椎生物には起きている時間と寝ている時間とが存在します。しかし、それらの生物の脳は脊椎生物の脳とは違います。科学者にとって、無脊椎生物にとっての眠りとはなんなのかを理解することは容易ではないのです。
海洋学者は、イカが10~15分の間、体の表面を不鮮明な色に変えてじっと横たわった後、しばらくぴくぴくしながら違う色で体をピカピカ光らせることを発見しました。
突き詰めた調査により、タコがぴくぴくしながら不規則に体の色を変える行動は急速眼球運動、つまりレム睡眠に入るという徴候だということがわかっています。
レム睡眠にはほ乳類を知るための重要な鍵が隠されています。無脊椎生物もレム睡眠をするということは、無脊椎生物を知る鍵を1つ手に入れたと言えるのでしょう。また、無脊椎生物が知性あふれる生物に見える謎を解く鍵にもなるのでしょう。
今回挙げたさまざまな動物たちのように、無脊椎生物もおねんねしたかったということなのでしょうが。
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