2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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乙君氏(以下、乙君):はい、じゃあ、いきますか。「貧困女子高生騒動 『相対的貧困』への無理解」ということなんですけれど……。
山田玲司氏(以下、山田):まず、貧困JK問題というのは、先週、先々週ぐらいに炎上して、みんなが忘れている頃にまだやるんですかって話ですけど。
しみちゃん氏(以下、しみちゃん):はい(笑)。
山田:なにも知らない人も、少しだけいるかもしれないので、ざっくり言うと、NHKの番組で「貧困ヤバいぞ」という話になった時に、そこに一般人の女子高生が出てきて、「私はこんなに貧困です」みたいなことをおっしゃった時に、この人が実は、高いランチを……って言っても千何十とかでしょ。
乙君:まあ、ランチで。
山田:とか、アイドルのコンサートに行ってる、みたいなことで「おまえごときが……」みたいな。
乙君:あと『ワンピース』が好きで……。
山田:ってことを言われて、大騒動になったところに(片山)さつき登場、みたいな話でしょ?
乙君:うん。
山田:我らがさつき登場、みたいな話でしょ(笑)。
しみちゃん:(笑)。
乙君:「我ら」ではないけど(笑)。
山田:知らないですけど(笑)。そんな感じだったわけです。貧困JK事件、乙君、どう思ってるんですか? あなたは。
乙君:え、なんで俺の意見を最初に言わなきゃいけないの?(笑)。
(一同笑)
乙君:(山田氏が)論客でしょ?(笑)。
山田:コーヒーが飲みたかったので、はい(コーヒーを飲む)。
乙君:いや、単純に……、本当にぶっちゃけていいですか?
山田:はい。
乙君:どうでもいい。
山田:ありがとうございます(笑)。
乙君:(笑)。いや、だって、女子高生が、キーボードだけしか買ってくれなかった、みたいなことでしょ、あれ。
山田:そうそう。パソコン買ってもらえなくて、キーボードだけ買ってもらいました、みたいな。
乙君:それでお涙ちょうだいって誘っておいて。
山田:ピアノがないから紙に書いた鍵盤で、みたいな話。
乙君:そうそう。なのに、1,000円以上のランチを、けっこうしょっちゅう食ってたり。
山田:ぜんぜん貧困じゃねーじゃねーか、みたいに。
乙君:そう。なにかのコンサート、7,400円のとかに行っててというのをさっきちょっと見たんですけど、だから、それはちょっと我慢しろよって話じゃないですか? 単純に。それを貧困って呼んでいいのかって話ですよね。
山田:うん。
乙君:好きなことやってんじゃん。
山田:これを、岡田(斗司夫)さんも、同じような感じで論客として語ってたのを見たんですけど、なんて言うのかなあ、「この件に関しては哀しみしかない」って言ってて(笑)。
俺もそう思うのね。だから、これに関わっている人たちすべてが、哀しみと憎しみの問題だな、と。それぞれの個人的憎しみや哀しみを抱えた人たちの、なにかなんだろうなっていう感じが、どうしてもしてしまいました、奥野さん。
乙君:はいはい。
山田:これはあれですよ。俺はこの問題は『ヘイトフル・エイト』だと思うんですよ。
乙君:はあ?
(一同笑)
山田:「はあ?」って言われた……。だから、8人のヘイトフルなピープルが、JK問題で熱くなっていたということで、この哀しみの8人がどういう人たちかということを後半……、じゃあ、今から説明しますね。
乙君:はい。
山田:その前に……。
乙君:え。これ、『ヘイトフル・エイト』の話なの?
山田:ちげーよ! ヘイトフルっていうのは、憎しみがいっぱいの人たちのことでしょ?
乙君:そうね。ヘイトがフルな8人の(笑)。
しみちゃん:こらこら(笑)。
山田:盛り上がらせてくれよ、俺を。
(一同笑)
乙君:盛り上がってるよね?
しみちゃん:下げてるじゃん(笑)。
乙君:盛り上がってるよね? イエー!
しみちゃん:下がってるじゃん(笑)。
山田:おまえだけだろうが!!
(一同笑)
山田:だから(笑)、それぞれの憎しみを抱えた人間たちが、出会ってしまったことによって起こるなにかってドラマをタランティーノが描いてて。これは後半に細かく言いますけれど、これを見ていた矢先だったので。
しみちゃん:はい。
山田:「あれ? このJK問題に関わってる人たちは、みんなこの映画から出てきた人たちなんじゃないかな?」って、ちょっと思っちゃったわけですよ。
乙君:ほうー! ちょっと詳しく聞きたいですね。
しみちゃん:うん、聞きたい。
山田:はいはい。そのへんを論客なので!
(一同笑)
乙君:漫画家じゃなくて論客。
山田:あー! 漫画家にさせてくれよ、俺を!
(一同笑)
乙君:なに? どうしたの? 自分で(笑)。
山田:情緒不安定だから、はい……。まず、第1の問題。火種の1つ目は、JKという、この後、貧困のこともちゃんと言いますけれど、問題はそれにJKって乗っかっていることなんですよ。
乙君:ほう。
山田:それで、JKとはなにかというと、現代の日本で神と言えばなんですか?
乙君:え、神?
山田:JKじゃないですか。
乙君:そうなの?(笑)。
(一同笑)
乙君:え、そうなの?
山田:おまえは、2年も俺の相棒をやっていて、「そうなの?」って。
乙君:神はJKなんだ。そうなんだ。
山田:いや、だから、この国で戦後、なにが神になったかというとJKなんですよ。
乙君:はいはいはい。
山田:それでその……、JKクロニクルいきます?
乙君:JKクロニクル来ましたか。
山田:はい、いきますよ!
乙君:ちょっとそれ、聞かせてください!
(一同笑)
山田:太宰が『女生徒』って書いてますよね。先ほどおっしゃったおさむちゃん。
乙君:『女生徒』、うん。
山田:おさむちゃんは『女生徒』という小説を書いてますよね。あの時は……。
乙君:あれ、めちゃくちゃいいです。
山田:いや、だから、太宰のなかの少女が書いてるんですよ。
乙君:太宰の……、いや。
山田:だよな?
乙君:いや、違うんですけど。
(一同笑)
乙君:本当のことを言うと、あれは太宰のファンに、ファンレターというか、手紙をもらって、それになにか日常を書いてたんですって。
山田:そうだね。
乙君:「これいいじゃん」と言って、「俺もこういうのを書きたい」と、女学生のリズム感を使って書いたっていう。
山田:そうそう、使ってなんだけど。
乙君:なんだけど。
山田:結局、女生徒の外から見てるんじゃなくて、内から見てるって話ですよ。
乙君:まあまあ、太宰のなかにある女、乙女が、それを書かしたと。
山田:そうそう。それで、一方で田山花袋の『蒲団』に出てくる女生徒は、おっさん目線なんだよね。
乙君:あー、そうね。
山田:それで、若い男に取られちゃうんだよ。
乙君:うん。
山田:だから、あれの違いはあるんだよ。それで、そんなこんなで、女生徒というものを、徐々に徐々に神格化していく歴史をたどっていくんです。
乙君:はい。
山田:それが決定的になるのが、60年代、70年代って、ウーマン・リブの流れがあるから、それで、吉永小百合もいるんだよ。だから、か弱き乙女か、強い女か、みたいなのに分かれるわけだよ。
乙君:か弱きのほうは吉永小百合で、強いほうは誰?
山田:吉永小百合は後にシータになりますからね。
乙君:あー、うん。
山田:あのおなじみの。だから、そうそう。
乙君:これは第5回のヤンサンを参考にしていただければ(笑)。
しみちゃん:(笑)。
山田:5回で説明してますね。
乙君:なつかしいな。
山田:それで、そういった、なにかいろんな言い訳をしながら、女子高生的なものを愛でてた歴史があるんだよ。政治的ななにかとか。そういうのにかけて。それが一番出てたのが、70年代のあれですよね。
乙君:どれですか?
山田:天井桟敷ですよね。
乙君:お。
山田:セーラー服なのに、眼帯して鎖ガマって、俺大好きなんだけど、あれ。
(一同笑)
山田:あれね。
乙君:それ、JKなの?
山田:だから、寺山(修司)。寺山JK。おまえ、寺山JKなめんな。
乙君:なめてないよ。
(一同笑)
山田:寺山JKは……。
乙君:どういうカテゴリーかなあ。
山田:みなさん、検索してみてください、寺山JK。
乙君:それで検索出るの?(笑)。
山田:あの時代のアングラ演劇にいろんなキャラクターが出てくるんだけど、サーカスの一団みたいな感じなのね。そんなかに必ず、なぜか武装したセーラー服が出てくるんだよね。
乙君:ほー。
山田:あれが俺はたぶん、『セーラー服と機関銃』につながっていくんだと思うんだよね。だから、『セーラー服と機関銃』って、男の子の好きなもの2つそろえてるんだよ。
乙君:はい。
山田:武器ガジェットと、若い女子高生の女の子。それを総合してるから、これで火がつかねえわけねーべ、というようなコンテンツだった。あのあたりから……言い訳。でもね、まだ、ヤクザの親分になっちゃった、みたいなさ。けっこう大義みたいなのがあるんだけど、あれの直後ぐらいにやすす(秋元康)が登場なので。
乙君:『セーラー服を脱がさないで』。
山田:そうそう。80年代の、だから半ば頃ぐらいから、やすすが登場するので。その当時。
乙君:え、『スケバン刑事』ってあれですよね?
山田:あれはまだ、70年代入ってるんだよ。
乙君:あ、そっか。だから、寺山の残り香でポップにしたのが『スケバン刑事』とか。
山田:そうそう。それで、だんだん、ぶっちゃけていくわけよ。
乙君:ぶっちゃけてくんだ。
山田:つまり、「俺たちは若い女が好きだ」ってのを言い出すんだよ(笑)。
乙君:ほう。
山田:「女子高生最高!」ってなって、「別にそれでなにが悪いんです?」ってマジョリティに変わっていくのが80年代、『セーラー服を脱がさないで』。
乙君:あー。
山田:だから、ちょっとそういう意味で、そこからですよ。JKイコール神。それで、同時に、若さ信仰も始まるわけね。
乙君:うんうん。
山田:だから、女の人も含めて、「女子高生の時代が人生で最高の時期だ」ってことを認識してしまう。
乙君:女子高生自身がね。
山田:実際は違うんだよ。しみちゃんのように妙齢の方も好きだ、みたいな(笑)。
しみちゃん:(笑)。
山田:大井先生(大井昌和氏)のように。
しみちゃん:公式で(笑)。
(一同笑)
山田:あ、ごめんなさい。
しみちゃん:いやいや(笑)。
山田:これ、支持されますよ!
しみちゃん:はい、そうです(笑)。
山田:今、「若けりゃいい」とか言ってるようじゃダメだよ、っていうような人もいるわけだから。味方ですからね!
しみちゃん:そうです。
山田:男たちは、みんな、そんなに10代の女の子だけが好きではないんだけど、この時期からやっぱりJKが神格化して、決定打は『高校教師』ですね、野島(伸司)ですね。
乙君:あーあーあー。
山田:だから、あの時に。
乙君:真田広之?
山田:真田広之ですよ。
乙君:はいはい。
山田:森田童子ですよ。
乙君:あー。
山田:止めろ(笑)。
しみちゃん:(笑)。
山田:あの時だよ! だから、女子高生というものの、イメージが、性と結びついて完全に商品化する。そして、コギャル、マゴギャルみたいなこと言い出して、90年代がやってくるわけ。
乙君:あー。
山田:だから、下地として80年代に準備したJK神話みたいなものが、「はい、商品のタームです!」ってバーンってなるわけです。そうすると、「パンツ売ります」って話になっていって。
乙君:ブルセラになるわけか。
山田:そこから、JK暴落が始まるわけですよ。
乙君:JK暴落?(笑)。
(一同笑)
乙君:株価がね、JKの。
山田:JKの暴落は、株価と連動してるんです、本当に。
乙君:え?
山田:だから、バブル崩壊からメイクが強くなりますから。
乙君&しみちゃん:あーーーー!
山田:それで、本当にバブル最悪で、95年がやってくるわけじゃないですか。だから、要するに、阪神大震災、オウムというカタストロフが来ちゃうわけですよ。『ドラゴンヘッド』になっちゃうわけです。
乙君:あー。
山田:その時になにになったか、ヤマンバになったわけです。ヤマンバの後になにが来るかというと、汚ギャルですよ。もう、風呂に入りませんから。
乙君:(笑)。
山田:もう、「吉永小百合が遠くにーー!」みたいな(笑)。
(一同笑)
山田:「小百合ーーー!」みたいな(笑)。
乙君:いつも思うんだけど、風呂入ってると思うんだよな、俺。
山田:だから、あれは、彼女たちなりのレジスタンスなんだよ。
乙君:うんうん。
山田:「商品化すんだったら、うちら風呂入んねーから」という、戦いだったんだよ。「おまえら、メイクとか好きだべ?」みたいな。だから、「超ぬるし」みたいな(笑)。って戦いだったと思うんだよね、あれって。
だから、そんなこんなで、どういうことが起きたかというと、俺たちは、90年代のJKイメージだから、要するに幸子ですよ、幸子。桜井幸子ですよ。
乙君:はい。
山田:だから、清楚な、そしてエロティックなJKの残像に、とらわれてるおじさんたちがたくさんいるわけですよ。
乙君:ほー。
山田:だから、俺たち……、ね?
しみちゃん:はい。
山田:支配されてんだよね、俺たちは。
しみちゃん:そうですよ(笑)。
山田:そこで、JKって付いた途端に、パーンと跳ね上がるわけよ、ハードルが。
乙君:幻想が、そこに。
山田:そこで、岡田さんが言ってる哀しい問題ですよ。
乙君:はい。
山田:JKっていうから見てみようと思ったら、「そうでもねーな……」という。
乙君:それは女の子が?
山田:見た目として。だって、その子は貧困問題で出てるわけで、桜井幸子で出てきてるわけじゃないのに。
乙君:まあまあ。
山田:みんなJKっていうと、「どれだけかわいいんだべ?」って見るわけじゃん。そこでガッカリ。
乙君:なるほど。それぞれの幻想JKがあって。
山田:もうね、人権問題です。これは!
(一同笑)
山田:ダメです! そんなことしちゃ! ただ出ただけなんですよ。それで勝手に、「JKたる者……」みたいな妄想を。
乙君:これ、大丈夫なの?(笑)。
(一同笑)
山田:あれ……? ダ、ダメですか?
しみちゃん:(笑)。
山田:だと思った。これが1個です、奥野さん。
乙君:うん。
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