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What’s the Ultimate Campfire Fuel?(全1記事)

キャンプの前に知っておきたい、薪と炭の違い

キャンプで食材などを加熱する時には燃料が必要になります。代表的なものと言えば薪と炭。しかし、その2つは化学的な性質が違うのです。同じ木からできているのに、なぜそれほど違うのか。そして、どう使い分けたらいいのか。今回の「SciShow」では両者の違いについて解説します。

薪と炭はどちらがいい燃料か?

ハンク・グリーン氏:バーベキューをやってキャンプファイヤーの周りでスモアを作る季節がやって来ました。でも、木と木炭はどっちのほうがいい燃料なんでしょう。

火は燃焼の化学反応ですよね。燃料があって、それに熱を加え、その分子が酸素に反応すると、ブワッとそこに火がつくわけです。

それは発熱反応で、つまり光と熱、目に映って肌で感じる炎、そしてそのほかいくつかの副産物のかたちでエネルギーを放出するということです。

木と木炭は化学的には少し異なるもので、木炭のほうが燃えたときにより多くの熱を放出し、煙は少ないです。

木はセルロースと呼ばれる大きく長いグルコース分子の連鎖と、そのほかの有機的な構造の化合物を作り出します。その化合物が250度まで熱せられると、熱分解と呼ばれる過程で分裂します。

この有機的な分子はより単純な分子に分裂し、すぐに蒸発する可燃性の揮発性ガスを放出します。水、二酸化炭素、そして揮発性ガスが混ざると煙が発生します。

そして酸素に反応したガスはみな熱を生み出し、それがさらなる熱分解と燃焼反応を引き起こして、より大きな炎を作り出すのです。

もしあなたたちが湿った木、あるいはたくさんの水分を含んだ生の木を使って火を起こそうとするなら、熱が液体の水を沸騰させて湯気が出ますね。でもそれは可燃性ガスではありません。

これは基本的により多くの熱を生み出す代わりに、空気中にエネルギーを放出します。

木炭は煙を出さず、長時間エネルギーを放出する

木を燃やしたときに残る素材は焦げたもの、あるいは木炭と呼ばれますが、これは70~80パーセント純粋な炭素です。そしてそのほかの残った鉱物は灰になります。

工業会社は、それほど多くの酸素を使わずに木や木製の製品を加熱して木炭を大量生産することができます。これは熱分解の段階を踏みますが、化学変化としての燃焼を引き起こすわけではありません。というのは揮発性ガスが反応する酸素が十分にないからです。

だから、化学的な観点から見ると、木炭はよりよい燃料源になるのです。なぜならそれはほとんど炭素なので、それを燃やすことで煙を含む副産物をあまり出さずに、長時間にわたってより多くの熱エネルギーを放出するからです。

でも工業的な観点から見ると、大きな経済的問題も出てきます。

工業的な工場には莫大な量の燃料が必要です。そして木炭は木の熱分解によってできる副産物なので、アフリカや南アメリカの一部における森林破壊への大きな要因になってしまうのです。

だからこういった資源を節約して効果的に使用するために、方針を決めて研究努力を始める必要があるってことですね。

究極的には、あなたたちが煙のない直火焼き体験をしてみるために木炭を使おうが、大きな温かいたき火をするのに木を使おうが、楽しんで安全な夏を過ごすためのニーズに合う燃料を使えばいいんだよ!

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