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今の時代は0円で発信したもん勝ち? CDがバカ売れした90年代との違い

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ第18回」。今回は、西野氏とのぶみ氏が絵本やCDの売り方についてアイデアを出し合いました。

絵本を無料で公開するメリット

絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):僕はニコ生に出たときに、『ママがおばけになっちゃった!』を読んだんですよね。その読んだ画像をアップ……。

西野亮廣氏(以下、西野):あー、そうっすよね。それも0円で出してるんですよね。

のぶみ:うん。0円で出して、『スッキリ‼』とか『とくダネ!』に出た後に、再生回数がもうぶっちぎりでドーンって上がったんですよ。たぶんタダで見てる人たちもいっぱいいるんだけど、それにしても「買おうか」という感じにもなるんですよね。

西野:そうですよね。

のぶみ:だから、絵本というのは、書店でずっと見てたんだけど、お母さんが1回立ち読みしてから買ってるんですよ。

西野:はいはいはい。

のぶみ:だから、あながち間違ってなくて。

西野:結果、立ち読みも0円で。

のぶみ:0円でやってるんです。

西野:そうですよね、1回届けてるわけですもんね。

のぶみ:子供が(隣に)グワーッているときは、「あんまり読めないわ」みたいな感じで買うしかないんだけど。YouTubeにアップしてると、1回確認してからやるんですよ。「絵本ナビ」というサイトがあって、1,000万人ぐらい見てるんですけど、それは1回だけ読める機能がついてるんです。

西野:それいいっすよね。

のぶみ:すごい大事なことですよね。

西野:本当にそうで、本ってそもそも立ち読みができるんだから、だったら世界中の人に立ち読みさせたほうが……分母をでかくして。結局、買う買わへんは比率があるかもしれないけど、世界中の60億人に立ち読みさしたら、「まあ1億冊ぐらい売れるんじゃね?」みたいな(笑)。「60人に1人ぐらい買ってくれるんじゃね?」みたいな。

山口トンボ氏(以下、トンボ):うんうんうん。

90年代にCDがバカ売れした理由

のぶみ:よく歌手の人たちが、YouTubeに1番だけアップするじゃないですか。それで、2番をアップしないじゃないですか。

西野:なんか古いんですよ。

トンボ:(笑)。

のぶみ:あれって、やっぱり全部フルのほうが。

西野:僕は絶対フルのほうがいいと思う。CDの話をしたばっかりで申し訳ないんですけど、それはいろんなやり方があって、CDを売られる方もいらっしゃって、それはすごいと思います。僕がやるんだったら、もうCDでマネタイズはしないです。

トンボ:そもそも、そこはあきらめるってことですよね。

西野:そこはあきらめる。なぜなら、90年代のCDに勝てないから。90年代にGLAYさんとか、ラルクさんとか、浜崎あゆみさんだとか、安室ちゃんとかがやってたあのCD、あのときの競争に勝たないと意味がないから。

そうなったときに、あんときのCDがすごく売れた理由って、まず歌がすごくよかったのはもう当たり前の話で。

トンボ:当たり前の話なんだよね。

西野:そう、みんな超いい。クオリティの話は1回置いといて、あんときはやっぱりCDがインテリアとして機能してたというのがすげー強くて。

トンボ:そうですよね。

西野:要は、「CDがいっぱいある部屋かっこいい」みたいな。つまり、みんなCDを買っていた。

トンボ:本当にね、見せる飾り方してた。

のぶみ:本当だよなあ。

西野:見せCDみたいな。

のぶみ:昔のレーザーディスクとかもそうだったもんね(笑)。

西野:そう! 姉ちゃんの部屋にこんな長いCDラックが。

トンボ:俺もあった!

西野:あった? お前、かっこええ部屋やな!

トンボ:はい。

西野:こういっぱい入ってるのが、「オシャレだね~」みたいな。

トンボ:それこそ本当に、ジャケ買いですよね。

西野:そうそうそう。要は本当に、CDがいっぱいある部屋がイケてるってなってた。

トンボ:なってたなってた。

西野:CDを買うまでの距離がすごく近くて、今はもう断捨離みたいになっていて、物がない部屋のほうがイケてるみたいになっちゃってきたから、あまりに分が悪い。でも、僕がミュージシャンだったら、安室ちゃんに負けたくないし、GLAYさんに負けたくないし。大ファンですけど。

でも、やっぱり競争相手だから、そこに勝とうとしたらどうしようかなと思ったら、やっぱり違うアプローチを……CD0円ですね。本当に0円でばらまいて、ライブに来ていただいて、違うところでマネタイズするという。

のぶみ:だけど、例えばCMでかかってるヒット曲がiTunesでタダだったらびっくりしますよね。

トンボ:びっくりする。

西野:あー。

のぶみ:ダウンロードして、「えっ!? これタダじゃん!」ってなったときに、「こいつ、何なんだろう?」ってちょっと思うかもしれないですよね。

きゃりーぱみゅぱみゅの成功例

西野:きゃりーちゃんとか、PVどうしてるんだろ。フルでやってんのかなあ。

トンボ:フルで見せてると思いますよ。

西野:たぶん、きゃりーちゃんって、みなさんが思ってるほどCD売れてないと思うんですよ。

のぶみ:そうなんですか?

西野:きゃりーぱみゅぱみゅちゃんって……言いにくいなあ!

のぶみ:言いにくいですよ。

トンボ:今?(笑)。

西野:どうやったら言いやすくなる……(ドラえもん風に)きゃりーぱみゅぱみゅ〜!(笑)。

のぶみ:ドラえもん!

トンボ:今それやる?(笑)。

西野:4年前にこれ言った(笑)。そもそも、そういうやり方をしてないと思うんです。売れてないってことは決して悪いことではなくて、知られてPVが広まって、アイコンとして成立して広まっていって、CMだ、ライブだ、ファッションのアイコンだというところでマネタイズして、歌をまた。

トンボ:そうですね。

西野:大切なことは歌い続けられることだから。だから、あっちになってくんじゃねーかな。

のぶみ:今の若い人たちって、YouTubeを繰り返し流してるから、買わないんだよね。

トンボ:いや、単純にそうなりますよね。

のぶみ:だってフルで見れるから。

トンボ:でも逆に、フェスの動員って上がってるはずなんですよ。

のぶみ:そういうことか。

西野:そう。だからフェスの動員を上げたほうがいいじゃないですか。そうなったときに、1番しか流さないミュージシャンの曲は、好きになる前にバーンって終わるから、フェスに行こうとも思わないし、ライブに行こうとも思わない。

だから、ライブに行く理由があんまないんですよね。YouTubeで1番聞いちゃったからまずCDは買わないし、ライブに行こうってなるぐらいハマる前に切られてしもたし。

トンボ:どっちの可能性も殺してるっていう。

のぶみ:あー、そっか。

西野:だから、あれは90年代の売り方なんですよ。

売れるモノ・売れないモノの境界線

のぶみ:あとなんか……今って、「売れるか・売れないか」のどっちかなんですよ。

西野:はいはいはい。

のぶみ:中途半端に売れるものがなくって。

西野:なるほどなるほど。そのへんがないってことね。

のぶみ:これはなんでなのかなと思って。もちろんクオリティが高いのは当たり前のことで。例えば西野さんが本出します。それで、今はその本を誰かが紹介するか、テレビが紹介するかしないと買わないんです。だから例えば西野さんが、「これすごいいいよ」ってずっと言い続けても、売れない時代なんですよね。

課題図書がなんで売れてんのかなって見たら、おもしろいおもしろくないじゃなくて、勉強になる感じだったんですよ。それでおもしろくないから、子供がもう1回読んでという感じじゃないから、なんなんだろうなって思ったら、「なるほど」と思ったのは、「青少年読書感想文コンクールがあるからなんだ」と思ったんですよ。

トンボ:なるほどなるほど。

のぶみ:コンクールやってるから出そうというのは、もうコンクールが先じゃないですか。買う買わないの話じゃなくて、もうその先に1個立ててるわけだから。

西野:本当にそうだな。

のぶみ:そういうの大事だなというのは感じましたね。

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