CLOSE

What's the Best Position for Pooping?(全1記事)

正しいうんちの姿勢 「便座に座る」という常識は間違っていた?

洋式トイレに座るよりも、和式トイレでしゃがむほうがうんちが出やすいという話を聞いたことはないでしょうか? 実際に、直腸と肛門管がより一直線になりやすいという研究結果もいくつかありますが、実はこれまであまり大規模な研究は行われておらず、実験としての信ぴょう性はさほど高くないのです。

座るよりもしゃがんだほうがいい?

マイケル・アランダ氏:ネットをご覧のみなさん。みなさんにいただいたご質問に、お答えしようと思います。うんちについてです。

それは、人が年がら年中するもの。通常は1日3回から3日に1回ぐらいの頻度でするものです。

みなさんは、自分の方法が間違っていると聞いたことがあるかもしれません。その意見に従って、座らずに、しゃがんでしている人もいるかもしれませんが、確かにしゃがむと排便が少し楽になるのは本当のようです。

しかし排便が少し楽になるということをのぞけば、姿勢を変えても消化の問題を解決してくれるわけではありません。

人は何千年もの間、しゃがんで排便をしていました。欧米の人々が立体的なトイレを作り、座ってし始めたのは、ここ数百年の間だけです。

つまり、この排便の姿勢についての議論は、人の体はしゃがむ姿勢に合わせて進化したのだから、しゃがむことは体の歪みを整えてくれる、という考えが根本にあるのです。

体外へ出る道のりで、大便は直腸を通り、肛門管から出ます。

この2つの器官の間にある消化管の周りを囲んでいる、恥骨直腸筋と呼ばれる筋肉があります。それが、いきんでない時に、便を体内に押しとどめるのを助けてくれます。

そして基本は、直腸と肛門管の間にあり、直腸に圧力を加えることで便を体外に出したり、逆に体内に出ないよう押さえたりもします。

そして恥骨直腸筋がゆるんだ時は、直腸と肛門管が、ほかの弛緩している筋肉や縮小している筋肉を連動させ、体内のものを外へ引っ張り出すのです。

信ぴょう性はそれほど高くない

排便に関わる解剖学の研究がそんなに行われていないのは、驚くことではないかもしれません。しかし、いくつの小さな研究では、しゃがむ方が座るよりも、直腸と肛門管がより一直線になりやすいそうです。

また別のいくつかの研究では、座らずにしゃがんだ場合、力みも少なく、排泄に時間もかからないようです。

ただし以上の研究の規模は小さいものです。ある研究には28人のボランティアが参加し、もう1つの場合はたった6人しか参加していないものでした。

ですから、これらの研究結果以外になにかあるか考える余地はありますし、この結果が科学的事実だと決定づけられる前に、より大規模で慎重に管理された研究を行う必要があるでしょう。

しかし……しゃがむほうが楽な姿勢だとすれば、そのぶん痔になりにくくなる可能性があります。

痔は、肛門と直腸に近い拡張された静脈が痛みを伴い、かゆみや出血を起こさせることもあります。排便時に、いきみすぎると、よく発症してしまうのです。

しゃがむことで、いきみやすくなるのなら、あまり痔になりそうにないですね。しかし、基本的にこれが知られている潜在的利益のすべてなのです。

排泄物(ストゥール)を出すのを手伝ってくれる便座(ストゥール)を売っているメーカーはいくつかあります。

そういった会社は、ときどき誇張された宣伝を行います。たとえば、しゃがむことで、過敏性腸症候群を治せる、大腸ガンですら防げると言ったりするのです。

これらの宣伝に確かな証拠はまったくありません。胃腸の専門家は、たとえ排便に異常がなくても、しゃがまなくてはいけない、はっきりした理由はないと見ています。

なので、しゃがんでもなんの害もないでしょうが、今までのやり方で問題ないのならば、わざわざ方法を変える必要はないのです。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!