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The Future of Air Travel(全1記事)

1時間で大西洋を横断 音より速い旅客機は再び現実のものとなるか?

音速を超える旅客機といえば、コンコルドがありましたが、2000年に墜落事故を起こし、2003年には商用運航が停止されました。それから13年、今再び商業用の超音速飛行が現実になろうとしています。それどころか、マッハ5を超える極超音速の飛行機も研究されているのです。

超音速の旅客機が再び現実に?

なぜ飛行機に乗って、数時間で、モンタナからロンドンに行けないのでしょうか?

音速よりも速く空を飛んでみたいですよね。あなたが以前にコンコルドジェットで飛んだことがあったとしたら、または戦闘機のパイロットだったら、たぶん音速より速く飛んだことがあるでしょう。

そして、いくつかの企業が、商業用の超音速飛行を再び現実にしようとしています。いつか、1時間以下で大西洋の空を飛べるようになるかもしれないのです。

一番大きな問題は、ほとんどの人がロケットのように飛びたくないということ。さらに超音速の飛行機が我慢辛いほど熱く、うるさくなるという問題もあります。

だからエンジニアはいくつかの問題点を解決しなければなりません。1903年12月17日の朝、オービル・ライトが最初の飛行機のパイロットとして制御された飛行を行いました。

彼の飛行は12秒続き、ノースカロライナ州のビーチを120フィート飛び 、平均速度はおよそ11キロでした。そして、彼の兄ウィルバーは同じ飛行機で、時速16キロで1分間弱連続飛行を行いました。

その後、1970年代に、旅客機は超音速になりました。

コンコルドとソ連のツポレフの2つのモデルの超音速飛行機があって、合計数十台が空を飛んでいたのです。しかし、ツポレフは1977年から1978年の1年間しか飛んでおらず、たった54回しか普通に飛行したことがありませんでした。

コンコルドも2000年に墜落した後、だれもが飛びたくなくなりました。結局、コンコルドを飛ばすのは経済的に意味がなくなって、2003年に引退しました。

音速を超えるときの障壁が課題

それから13年経った今でも、新しい超音速の旅客機は現れていません。しかし、もうすぐ、出てくるかもしれません。

その前にさまざまな企業がいくつかの問題を解決しようとしています。主な課題は、マッハ1として知られている速度を越えたところで出てきます。

音は通常1時間あたり約1,230キロを移動しますが、それは一定の数値ではなく、空気の温度や湿度によって変わります。

マッハ1は、音の速度です。それより遅いものは亜音速と呼ばれ、より高速なものが超音速と呼ばれています。

しかし、亜音速から超音速へ加速するのは難しいのです。そのため、音の障壁を越えなければなりません。音の障壁が飛行機へ衝撃を与えるほど強く、墜落させることもありえます。

音の障壁の原因は、音が空気を圧縮したり、延伸したりすることです。圧縮空気は圧力が高くなり、延伸空気は低くなります。

飛行機が飛んでいるときには、音波を出して、圧力が低い領域と高い領域を生み出します。飛行機が十分速くなったら、音波に追いついてしまいます。

新しい音波は、古い音波に重なり、圧力が低い領域と高い領域の変化が激しくなります。圧力の激しい変化で、飛行機が軽いおもちゃのように扱われて、つぶされるおそれがあります。

低気圧領域では温度が下がり、空気中の水分を凝縮し、蒸気コーンとと呼ばれている曇りが発生する可能性もあります。

もう1つの問題、ソニックブーム

音の障壁を乗り越えることができる最初の飛行機は1947年に作られたベルX-1(Bell X-1)でした。

これは、重力の18倍の力に耐えられるように設計されており、機関銃の弾丸をモデルにした飛行機です。

1970年代半ばには、超音速飛行機の商業利用のための準備ができていて、英国とフランスはコンコルドを設計して、そしてソ連はツポレフを設計していました。

コンコルドは約3時間半でニューヨーク~ロンドン間で乗客を運んでいました。これは、昔ながらの亜音速旅客機にかかる約半分の時間です。

しかし、コンコルドはその1つのルートしか飛んでいませんでした。できる限り海の上を飛んでいた理由は、ソニックブームでした。

音の障壁と同様に、ソニックブームは圧縮された音波、すなわち衝撃波からなっています。

衝撃は飛行機から離れていきます。これが非常に大きな音として聞こえるのです。地震と間違えるほどの大きい音です。

そして、ソニックブームは飛行機が音の障壁を破ったときのように、一度発生するだけではなく、超音速飛行の間、ずっと続くのです。

この現象はマッハコーンとして知られています。これは、音波が飛行機の後ろに重なり、外側へ円錐状に拡大するために起こります。

飛行機が土地の上空を飛んだとき、人々はその信じられないほど大きな音を聞くことになります。だからコンコルドの超音速商業便は、西ヨーロッパと北アメリカの東部の間を飛んでいたのです。

超音速よりさらに速い飛行機も?

コンコルドを使えなくても、まだいつか超音速飛行機で飛ぶことができるチャンスはあります。例えば、米航空宇宙局(NASA)が、ソニックブームの影響を減衰させる方法に探しています。

その1つの方法は、1個か2個のエンジンを羽の上に移動して、衝撃波を上向きにさせることです。

これにより、ソニックブームは空に向けて起こることになります。

また、エアバスが開発しているコンコルドツーもあります。コンコルドツーは、最初に約30キロの高さまで、上向きに飛んでいって、その後テイルフィンの向きを変えます。これにより、地上の人に音が届きにくくなるのです。

コンコルドツーはマッハ4~5まで加速することができると予想されています。その速度では、ロンドンからニューヨークの旅は1時間もかかりません。

しかし、これでも遅いと思ったらどうでしょう? コンコルドツーは超音速を越えていますが、ぎりぎり極超音速を超えません。

音の5倍以上の速度が極超音速といわれています。このスピードでは飛行機の温度が問題になるので、独自のカテゴリがあるのです。

こんなに速くなったら、空気との摩擦で大量の熱が生じてしまいます。極超音速の速度では、飛行機がは1,000度を超える温度に耐えなければなりません。この温度ではほとんどの金属が弱くなるか、溶けてしまいます。

さらに普通のジェットエンジンはこんな状況では動きません。

亜音速飛行機は、タービンを使用して、入ってくる空気を圧縮し、燃料を噴射し、それを燃やして飛びます。

高速飛行では空気がすでに圧縮されているので、超音速の場合はこれはさらに容易になります。

その場合には、エンジンには、タービンが必要ではなくなります。そんなエンジンをラムジェットエンジンと呼びます。

極超音速の問題点

しかし、極超音速ではこれがうまく動作しません。空気は確かに圧縮されていますが、それは非常に速く、実際に燃焼時間もなく、飛行機を動かさないのです。

だから極超音速飛行機は自分の燃料と酸素を必要とします。NASAの初めて極超音速に到達する飛行機X-15もそのように作られています。

X-15は極端な温度から自身を守るために、チタニウムのスキンを着用し、およそマッハ6で飛行することができました。

しかし、X-15は、商業的に使用することができません。理由の1つには、それが2分未満で燃料全てを燃やしてしまったことがあります。

さらには、パイロットは運転しているときには、地球の重力の8倍の力を経験することになります。それはただのサラリーマンにはきついでしょう。

だからエンジンはより効率的かつ実用的になるまで商業極超音速飛行機は現実的ではありません。これを解決する方法は、スクラムジェットかもしれません。

スクラムジェットエンジンはラムジェットのような動作をしますが、より速い空気を処理できるように設計されています。

NASAのテストの結果、理論的にマッハ15までの速度を達成できることがわかりました。

しかし1つの大きな欠点があります。スクラムジェットエンジンは極超音速でしか動作できないのです。

例えば、無人試験飛行機のX-43Aは、マッハ5に加速されてからしか動作できません。つまり、ロケットと一緒に亜音速飛行機で離陸したのです。

飛行機は約6キロの高さまで上がって、そこからロケットで30キロの高さとマッハ5の速度になってから、X-43Aを解放し、独自飛行が始まる……。極超音速飛行機で大西洋をわたるのはまだまだ先のことのようです。

しかし、地上の人々にソニックブームの迷惑をかけずに、地球の反対側へ音速より速く行くのはそれほど遠い未来ではないかもしれません。

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