2024.10.01
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Neanderthals: Smarter Than You Think(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:もしきみたちにネアンデルタール人を思い浮かべてみてと言ったら、きみたちが頭で想像するのはそれほど素敵なものじゃないかもしれないね。
斜めに突き出た額、うなり声をあげる、おそらくマンガみたいに大きなこん棒を持ち歩いている。だいたい合ってるでしょ?
さて、最近――ここ5年から10年のことだけど――の発見の多くは、ネアンデルタール人が野蛮な石器人にはほど遠いことを示唆しているんだ。
彼らはおよそ20万年前から解剖学上の現代の人類――僕たちのことだけど――がだいたい4万年前に大陸に現れるくらいまでの間、ヨーロッパで暮らしていた。彼らは科学者たちがかつて考えていたよりもずっと僕たちと大差ないんだ。
事実、多くの専門家たちは、ネアンデルタール人と現代の人類が別の種だと考えられるほどの違いがあるかどうかわからないと言ってるんだよ。
たとえば、50世紀前の基準でいくと彼らの技術は驚くほど進んでいたことがわかってるんだ。
ネアンデルタール人は石器を作ったんだけど、ただ先の尖った石を地面から拾って棒にくくりつけたわけじゃない。
石器を作る工程には、スナッピング(ポキンと折ること)と言われる石のかけらを自分たちの好む形に変える作業から、ハフティング(柄をつけること)と言われる石のかけらを取っ手に付ける作業まで多くの段階があって、手腕と技術が必要とされたんだ。
もっと興味深いのは、その打ち砕かれた石はピッチと呼ばれる粘着質の物質を使って、やりの柄にくっつけられることもあったってことだ。
ピッチは樺の木の樹皮から作られるものなんだけど、取り出すのは簡単じゃないんだよ。
その樹皮は400度、それも考古学者たちが再現するのが困難なほど細心の注意が必要な難しい温度まで、酸素がない状態で熱する必要があるんだ。でもピッチはネアンデルタール人の生息地域で見つかっているし、それが樫の木の樹液から抽出されたものであったことが化学分析によって明らかになっている。
これは世界初の工業的過程の痕跡だと言っている考古学者もいる。同じように意外なことに、ネアンデルタール人は僕たちが今日も使っている道具を発明したかもしれないんだ。
それはリソワと呼ばれるもので、革細工に使われる。
それは皮をより強くしなやかにするために設計された、なめし器あるいは研磨器の一種だ。ネアンデルタール人は骨で作られたリソワを使っていた、なぜならそれはきっちり仕事をしてくれない木や石よりも柔軟だったからだ。
これは、自分たちが使っている素材について彼らが理解した上でそれらを特定の作業に合わせて改造していたことを示している。文化とも呼べるものに関するネアンデルタール人に関する証拠もいくつかあるんだ。
たとえば多くの考古学者たちは、彼らが死体を埋めていた、絵を描くのに顔料を使っていた、そして装飾にビーズを使っていた、と考えている。専門家の中にはあまり信じていない人もいるけどね。
でもおそらくネアンデルタール人に関してもっとも議論を引き起こすのは、彼らに言語を使う能力があったかどうかだろう。骨や石器とちがって、言語は化石化しない。だから科学者たちはどうやってその証拠を探すかに関してものすごく想像力を働かせなければならなかった。
骨の分析から1つの手がかりが出てきた。
人間が話すためには、舌を支える舌骨が必要だ。ほかの霊長類にはこの骨があるのに、僕たちがするような複雑な発声の一種を行うために必要な正しい位置に配置されていないんだ。
しかしオーストラリアの科学者は、ネアンデルタール人の舌骨のコンピュータのモデルを作り出して、その動きをシミュレーションしてみた。その分析結果は、僕たちと似たような方法でそれが使われていた可能性があるということを示していたんだ。
それはネアンデルタール人が話していたことを証明するものではないけれど、彼らは話していたかもしれないという可能性を示すものではある。それに、ネアンデルタール人が言語を使っていたかどうかに関する別の手がかりを彼らのゲノムの中から見つけられるかもしれない。
さて、FOXP2として知られる特別な趣向を持った遺伝子があるけども、それは多くのさまざまな動物の間で言語や認識に含まれるものとされている。
小鳥は歌うためにこの遺伝子が必要で、現代の人類にもし1つでもこれが欠けていたら、話すのに問題が生じる可能性がある。でも現代の人類はみんな、チンパンジーを含む他のすべての動物とも異なる遺伝子に2つの小さな変化が起こっている。それは僕たちの複雑な言語能力を際立たせているものの一部だ。
ドイツの科学者チームがネアンデルタール人の遺伝子のなかのFOXP2を見て、そこに僕たちと同じ2つの遺伝子変化が起こっているのを発見した。
この番組の、初期の人類のセックスライフに関する回を見たことがあったら、現代の人類とネアンデルタール人の間でかなりの数の近親交配が行われていたのを知っているだろう。
でも科学者たちは、近親交配によってFOXP2遺伝子が交換されたとは考えていない。代わりに彼らは、もっと前の共通の祖先がこの変化をネアンデルタール人と現代の人類の両方に伝えたんじゃないかと思っている。
現在、僕たちが持っているFOXP2遺伝子とネアンデルタール人が持っていたFOXP2遺伝子の間にはほんの少しの差異があることがほかの研究からわかっているんだ。そして言語は、たった1つの遺伝子がそのすべてを語るにはあまりにも複雑すぎるからね。
だから、ネアンデルタール人が話すことができたかどうかはわからないけど、僕たちが考えていたよりずっと多くの共通点があることはたしかだ。彼らは科学技術、文化、そして言語さえも持っていたかもしれないってことがわかると、彼がまだ生きてこの辺をうろついてくれていたら、テレビゲームなんかをして一緒に遊べるのに、なんて考えちゃうよね。
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