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The Agony of Motion Sickness(全1記事)

乗り物酔いで吐き気が起こるのはなぜ?

乗り物酔いはなぜ起こるのでしょうか? 乗り物酔いというのは要は感覚の不一致。中枢神経系が目、内耳、そして脊椎と関節にある感覚器官から相反する情報を受け取っているということです。ふつう、これらのシステムは一緒に機能して、私たちに平衡感覚をもたらしています。転ばずに道を歩いているときは、内耳のなかにある前庭器官が目で見ているイメージと合致しているということです。しかしそれが合致しなくなったとき、乗り物酔いが発生します。

乗り物酔いの原因は感覚の不一致

ハンク・グリーン氏:私はよく旅行します。新旧いろんな場所に行くのが好きなんですが、そこにたどり着くまでが楽しいとは言えないときがありますよね。

なぜか? なぜなら私は車酔いするし、飛行機酔いするし、船酔いするし、馬酔いするし、一度なんて、スタンドアップパドルボードに乗ったらスタンドアップパドルボード酔いしたこともあります。

知らない人2人に挟まれて彼らに吐いてしまわないように集中しながら乱気流の飛行機で3時間過ごすのは、楽しくないですよね。

でも自分の苦痛を理解することでその役に立ちますよ。今回はそれについて話してみましょう。

乗り物酔いというのは要は感覚の不一致で、つまり中枢神経系が目、内耳、そして脊椎と関節にある感覚器官から相反する情報を受け取っているということです。ふつう、これらのシステムは一緒に機能して、私たちに平衡感覚をもたらしています。

みんなが転ばずに道を歩いているときは、内耳のなかにある前庭器官が目で見ているイメージと合致しているということです。

前庭器官というのは、プレッツェルみたいな形の、内耳の蝸牛にある小さな感覚器官一式のことです。

これらの器官は、前後に直線状の動き、そして回転の動きを検出することによって、人間の姿勢制御装置のようなものを形成します。

ところが、もしあなたがステーションワゴンの後ろに乗ってでこぼこの道を走っていて、揺さぶられていたとしましょう。あなたの目は、動いていない座席を見ているので「安定している」と言います。しかし、あなたの内耳は道路のでこぼこすべてを感知しているので、そこで脳があなたに怒り出すというわけです。

こういう感覚の不一致が、なぜ人に胃の中身を吐き出したくさせるのかということについては正確にはわかっていませんが、脳の“吐き出しセンター”を開店させる悪意ある特定の神経伝達物質に関連していると研究者たちは考えています。

そう、あなたたちのなかには吐き出しセンターがあるんです。

身体は毒を出そうとしている?

抗ヒスタミン剤、抗コリン作用剤、セロトニンが入っている特定の医薬品は、乗り物酔いの症状を緩和する傾向にあることから、それぞれの薬が具体的に狙っている神経伝達物質、ヒスタミン、アセチルコリン、セロトニンなどの解放と吐き気が関係していると科学者たちは考えています。

そして、乗り物に乗ったときの動きに関連する特殊な吐き気もあるようです。なぜなら、かつて、たとえば化学療法によって発生する吐き気を抑制するために使われていた薬が乗り物酔いには効かないというのは、異なる神経経路が作動していることを示していますよね。

人口の約30パーセントのラッキーな人たちは、生まれつき乗り物酔いに免疫があります。それがなぜかは研究者たちもよくわからないそうです。残念ながら、残りの私たちにとって、それは手当てはできるけど治すことはできない問題なのです。

自分の感覚が全部同じ方向に働くのを助けるように動きを予測するため、車では前の席に座るといいですよ。

それから、自分は揺れていないと瞑想しながら目を閉じているっていうのは魅力的ですが、目をしっかり開いて少し先の景色に集中したほうがいいでしょう。

もちろん、夜、船に乗っているときやジャンボジェット機の真ん中で動きが取れないとき景色が見られないから、そういう場合はドラマミンを持っていっておいて、さらにエチケット袋を手に持っておくといいですね。

事実、荒れた海にこぎ出す前にショウガの粉を飲んだり、回転する椅子に縛り付けられていたりすることは、あらゆる中和療法よりも乗り物酔いを防ぐのに効果的に違いないと、いくつかの研究が示しています。

さらに、完全に明らかにはなっていませんが、チリペッパーをピリッとさせる化学薬品と関連があるジンゲロールは、ストレスを受けた胃腸を食べ物がきちんと通過するのを助けるということを示唆する研究があります。食べ物が胃にたまると吐きたくなっちゃいますからね。

そして気になってるんじゃないかと思うんですが、人間じゃないほかの動物たちも乗り物酔いするんです。

遠洋航海で船酔いした馬は歴史上計り知れないほどいますし、おそらくみんなも国境を越える長旅をやり通すために、飼い犬や飼い猫に特別な薬を与えなくちゃならなかったこともあるでしょう。

明らかに、私たちを含む動物は乗りものに乗るように進化しなかったのです。でも見当識を失ったと感じることになぜ私たちがこれほど強く反応するのかについては、毒物予防、特に神経毒に対する防御と関係があるのかもしれません。

なぜなら、私たちがボートやワゴンを乗り回すようになる前、私たちの感覚がおかしくなるときというのは、有毒植物やなんかを食べてしまったときだったはずです。

目では見えていないのに動いていると感じることで、脳はなにか深刻に悪いことを示す幻覚を起こしているんだと判断して、つまり毒を排出しようとして吐くのかもしれませんね。

でも、みなさんの身体と脳が一元化されて、でこぼこ道が幻覚を起こさせるような旅に出ていることを意味するんじゃないってことに気づいてくれるまで、ポケットにショウガかドラマミンを入れておくことをオススメします。

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