2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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森林原人氏(以下、森林):今日はこうして面と向かって直接お話しできるので、なにか質問とか聞きたいこと、あとは本に関係なくてもいいです。なにかあれば、みなさんとお話したいなと思ってます。急に振られても困るかもしれないですけど、なにか聞きたいことがある方。
参加者1:こんばんは。○○と申します。聞きたいことがあるんですけれども、以前雑誌でAVの監督とか男優をやられている人が結婚して子供ができたら、子供に対して自分の職業をどう説明するかという非常にシビアな問題を話されていたんですけれども、森林さんも結婚して子供ができたら、自分の子供に職業についてどう説明するのか教えてください。
森林:はい。アテナの代々木さんの組の撮影が先日あって、そのときに代々木さんと銀次さんと話していたことがそれに近い内容でした。代々木監督も銀次さんもお子さんがいます。銀次さんのところは男の子ばっか。代々木さんのところは女の子ばっか。
代々木さんは、「もしうちの子が男の子ばかりだったら、撮る内容が変わってたな」と。どういうことですかと聞いたら、「生まれた子が女の子だったから、自分の撮っているセックスが、娘にも見せられるものでありたいと思った」と。
代々木さんは性の探究者として、AVという自由な表現が確保されているなかで、セックスとはなんぞやとか、男女の機微というか、本当に男と女の人が盛り上がって見つめ合って愛おしく思って行うセックスとはどういうものかを撮ってる方なので、どの作品を見せても、娘に後ろめたいとは思わないと。
それで実際に娘さんに見せているんですよ。代々木さんは。僕も「見せたんですか?」と驚きました。
しかもけっこう早い段階で、小学校低学年くらいのときから見せているんですよ。それは家で代々木さんが編集をしていたんですって。そのときに、お父さんなにやってるのと娘が部屋に入ってきちゃって、そのときに、見ちゃいけませんとか、これは大人のだからだめだよ、とか言っても、子供は絶対に興味を持つものだと。見ちゃいけないということは、なにかいけないものなんだと思うと。
そうするとそれでなにがあるのかなと余計気になるし、親がいないときにこっそりと見たときに、セックスの映像だったとする。そしたらセックスとはいけないものだと思っちゃう。セックスはいけないものじゃないとわからせるためには、セックスとはこういうものだよと、堂々と話したほうがいい。そういうふうに代々木さんはおっしゃっていた。
だからもし僕に女の子が生まれたら、まぁ、自分の映像を見せるかどうかはわからないですけど、勝手にこっそりと見られちゃうよりは、こういったものが性なんだよと言って、お父さんの仕事は性を扱う現場で、こういったこともするし、大人の娯楽としてのファンタジーとして、パフォーマンスとしてのセックスもしているという話は、自分から頃合いを見てしたいなと思います。
もしも男の子だったら、「ちょっと来い」みたいな感じで、エッチなのがあるよみたいな感じでこそこそ見せていくところから、「すげえなこのおっぱい」とか「お母さんには内緒だよ」とか言って男同志のつながりの中で話をしていく。そして、「実はね」みたいな話をしていけたらなと思います。
ちなみに銀次さんのところは、一切言ってないんですよ。銀次さんが週刊誌のインタビューかなんかで答えていたから、知ってる人もいるかもしれませんが、銀次さんのところの長男が中学を卒業して卒業アルバムをお母さんに渡すわけですよ。そしたら寄せ書きがあるわけですよ、クラスの。
そのなかに、ほんとは佐川じゃないですけども、「佐川、目指せAV男優」と書かれてるんですよ。それを奥さんが見つけて、「ちょっとあんた見てもらえる?」と言って、銀次さんに差し出してくるんですって。銀次さんがそれを見て、「……うん」と一言だけ言って返したらしいですよ。
(会場笑)
それでも、銀次さんと銀次さんのお子さんの関係は、ちゃんとした親子関係として成り立っている普通の仲のいい親子です。まぁ、女の子のときはちょっと悩むかなと思っています。
参加者1:ありがとうございました。
森林:はい。じゃあ、その後の方。
参加者2:ブロガーやってます○○と名乗ってます。よろしくお願いします。
本を読んで、すごくおもしろかったです。いいご両親に育てられて、だけどいろいろと挫折も味わったと書いてあるのでいろいろと苦労を感じました。できたらでいいんですけど、教えていただきたいのは、なかに出てる女優さんが誰かっていうのを教えていただきたいなと。もし可能であれば、世界的な女優さんという……。
森林:言えない!
(会場笑)
参加者2:以上です。
森林:その、世界的な女優さんというのは、言えないですよ。もしかすると、その人からすると、いい思い出じゃないかもしれないから。だから名前は伏字にしたんですけども、誰が挙げれるかな。
一番最初の、「からみとセックスは違う」の章(著書『偏差値78のAV男優が考えるセックス幸福論』のなかの章)で書いた、「なんで男優さんは発射したあとに離れていっちゃうんですか」と聞いた人は、星野あかりさんという方です。
いまも現役でやられている女優さんで、10何年くらいやっていて、最近は漫画を描いたりもしてます。四コマ漫画。テレビのドラマにも出たりとか、ピンク映画に出たりとかいろいろ幅広く活躍されている方です。
最近はそんなに一緒に仕事をする機会はないですけども、「あの時、なんで泣いたの?」みたいな話をしたことはないんですよ。なんかどうなるのかわからないから。向こうはどういう気持ちになるのか。
僕は本の中でからみとセックスは違うということを示すために、彼女の涙はなんだったのかということを追求していくことで見えてくるものがありました。セックスというのは2人が盛り上がった結果深く相手とつながっていくものだと。
でも、絡みというのは、第三者、カメラがいるわけですよ。カメラの向こうには見るユーザーがいる。そういうことがあるから、2人だけの密室感はないし、だから相手と深くつながるには無理があるんですよ。
さっき話した、銀次さんと女優さんの密室感。2人だけで見つめ合う世界観というのが許されるのは代々木組くらいですよ。
ほかのところでやると、撮りにくいからとか言われちゃって終わりなんですよね。撮りにくいから言われた通りにやってくんないと困るよ、とか言われてしまいには使われなくなっちゃうから、そういうところを銀次さんはうまく使い分けてやっていく方なんですけども。
星野あかりさんがそのときに、涙を流すことによって寂しい思いをして、そのあとも女優を続けていってるので、彼女のなかにどういう変化があったのか本当は聞きたいんですけど、絡みというモードを自分のなかでつくれるようになったのか、それともセックスに絶望しちゃったのか。それとも現場ならではの楽しみ方を見つけてくれたのか。
わからないんですけども、そこを踏み込んで話すには時間も欲しいし、それなりの環境でないと。本当は聞きたいですけどね。
ほかに?
参加者3:○○県から来ました。
森林:どこから来てもいいんですけど(笑)。
(会場笑)
参加者3:お兄さんがいらっしゃるということで、お兄さんから感想メールなどはなかったんですか?
森林:兄にも送りましたが、感想はまだ来てないです。
ちなみに親にカミングアウトしたところで、実は兄も関係してきてるんです。一番最初に仕事がバレたのは、兄にでした。それは男優を始めて1ヵ月くらいですぐにバレました。
AV女優さんに聞くと、だいたい、現場にあったものを持ち帰ったときにバレるんですよ。ポラロイドとか変わった衣装とか。僕は台本を持って帰ってたんです。
その時、実家暮らしだったんですけど、僕の部屋があって、兄の部屋があって、それぞれの部屋があったんですけど、そのなかで暗黙の了解でエロ本をやり取りしていました。
(会場笑)
お兄ちゃん貸してよとか。借りるよとかじゃなく。あれここにしまったはずなのにないぞとか思うと、兄貴のベッドの下にあったりとか。無言で部屋に入って、そういったものを貸し借りしたりしていました。
そのなかで、僕が持って帰っていた台本を見つけたみたいなんですよ。それで、台本と一緒に兄からの置手紙があった。
兄貴は大学では文学部の哲学科にいったんです。堅く考える感じだったんですけども、手紙には、「人間とは」とか、「自我とは」とか、なんかちょっと難しい哲学用語とかいろいろ書いてあるんですよ。で、「お前はいま迷っているだけだ」と。
(会場笑)
半分くらい、難しくて意味わかんなかったんですけど、とにかく辞めた方がいいよと。早く辞めなと。
それに対して僕も、無言で手紙を兄の部屋に手紙を置きました。自分で辞めるタイミングは決めると。できたらお父さんとお母さんには黙っておいてほしい。自分で言うからと。そうして、2年間黙っておいてくれたんですよ。
それで親に話をして、やめなさいという話になったんですけど、僕のほうから「実は兄貴には昔に言ってたんだ」と。兄貴もお父さんとお母さんと同じように辞めろって言ってたんだけど、辞めるタイミングを自分で決めないと後悔するからって兄にも言ったんだ、という話をしまして。
それで僕と両親の話は終わった後、両親から兄に話があったんですよ。「知ってたんだって?」と母親が話をしたみたいなんです。「黙って秘密にしておくのは大変だったでしょう。ありがとね」と。すると兄は、「大丈夫、あいつを信じればいいよ」と言ったらしいんですよ。
だから、そんな兄だから、本を読んでどんな感想を送ってくるのかわかりませんけど、まぁ、怒られはしないかなと思っています。
参加者3:ありがとうございました。また難しい文章が書かれているのかなあと思います。
森林:(笑)。ほかにある方?
参加者4:年齢差について聞きたいんですけど、僕の学校の先生は、やってくる生徒はずっと19とか20の生徒ばっかりで自分だけ歳をとっていくんですけども、男優をやられてから何年か経って、女性の方はだんだん若くなっていらっしゃるので、その差についてお聞きしたいです。
森林:ちなみにいまは何歳でしょうか?
参加者4:20です。
森林:きみと同じ年に男優を始めたんですよ。そのときは、だいたいが年上の女優さんでした。最初に勃起しなかった現場は、母親と同い年の女優さんだったんです。20歳のときに44の女優さんと絡むときに勃起しなかったんです。なんか、「母親と同い年かよ、くそ!」みたいな感じで。もうぜんぜんだめだったんですよ。
でも、今は37ですけど、「44、ぜんぜんいいでしょ」となるわけですよ。そして「20歳の子、いいでしょ」という感じなんです。
年齢が上がると、同世代はオッケーなんですよね。20歳のときは20歳の同世代もちろんオッケー、30のときは30の同世代オッケー、50になった人は、きっと50の女の人はオッケーになるんですよ。
それは当たり前でどの男性でもそう。それができない人は自分の老いを受け入れられない人で、まあ、生きていくのが辛い人なんだと思うんですけど。
なので、年齢を積んでキャリアを積めば積むほどストライクゾーンが増えていくんですよ。若い子のよさ、熟女のよさ。超熟女のよさ。そういう感じで振り幅が広がっていくので、楽しみ方が変わっていますかね。
もちろん、今、僕は37で、18歳とか19歳の女優さんとセックスするときというのは、ジェネレーションギャップがあるわけですよ。
歳をとったなとまず思ったのは平成生まれの女優さんが来たとき。平成生まれの人が来た時。その時には、もうそんなに歳になったんだと思いましたね。僕は昭和54年生まれですけど、一番最初に会った平成生まれの女優さんは佐山愛ちゃんでしたね。
今はもう平成生まれなんかザラですけども。歳上でいえば69歳というのが一番上で、その人はまあ攻略できなかったんですけど、なんかしらこう、楽しみ方があるなとは思ってきたから、これからどんどん楽しくなってきますよ。
なので、学校の先生はジェネレーションギャップとかを実は楽しんでたりするんじゃないかなと。同世代のほうが楽しいのかもしれないですけども、学校の先生は先生で楽しいと思いますけどね。
よろしくお伝えください。
参加者4:ありがとうございました。
森林:ほかにあれば? はい。
参加者5:数年前に、ロフトでイベントがあった時、(森林氏が)クッキーを焼いて持ってこられて、それがすごく美味しい印象があって。
今回本を書かれて、すごく多彩な方だと思うんですけど、これから挑戦したいジャンルのものってありますか。
例えばお芝居であったりとか、将来やってみたいこととかがあれば。
森林:舞台とかはないと思いますけど。代々木さんの章で書かせてもらったんですけども、代々木さんは40過ぎからでAVを撮り始めた方で、いまは78歳。ずっと性を探求している方なんですよ。代々木さんは80で引退すると言っているので、あと1、2年で辞めちゃうんです。
代々木さんが培ってきたもの。セックスとはこうものじゃないのかっていうのを残したいっていう気持ちが僕とか銀次さんとか市原さん(市原克也)にもあるんですけど。
代々木さんの人生は振り幅がすごいんです。ヤクザやって、お花の道にいって師範になるくらいまでなって、それから映像の世界に入ってくるんですけど、すごい振り幅だからこそ、たどり着けたというところもあったりする。
代々木さんの真似をしても、もちろんできないと思うんですけど、なにかしら、代々木さん以外の方からも教わった、性へのいろんな可能性とか、セックスとはこういうものなんじゃないかなとか、そういう探求をしていきたいと思っています。
それは、AV男優としてパンツを脱げない歳になっても、チンポが勃たなくなっても、なにかしら性に関わっていきたいと考えているので、それが書く仕事のなかでセックスをテーマに書き続けさせてもらえるのか。
あとは相談所みたいな。性の相談所みたいなかたちで性の相談を受けて対話を重ねて、セックスのことをもっと突き詰めていけるのか。なんにせよ、性に関わる仕事をしていきたいと思ってます。
なので純粋にお芝居をやりたいとか、そういう気持ちはないんですよ。AV男優というのは確定申告する時は俳優と書くんですけども、ちょっとおこがましいなとは思っていて(笑)。
セリフが言いたいから、役がほしいから男優をやってるんじゃなくて、セックスがしたいから男優をやっているので、なにかしら性に関わる仕事ができたらいいかなと。
それで、クッキーの話なんですけど、我が家、うちの母親のレシピで作っています。どこで出しても褒めてもらえるからチンコ型クッキーも出そうかなと思ったことはありました。
(会場笑)
なんにしても性に関わる仕事をしていきたいと思ってます。じゃあ時間が1時間経ったんですけれども、なにかあれば。
参加者6:若いころお洋服が大好きで、アパレルのアルバイトをしていた時期があったんですけど、森林さんいつもすごいおしゃれなお洋服を着てらっしゃって、普段どういうところでお買いものされてたり、月にどれくらい掛けられたり、好きなブランドがあるのかなということに興味があるんですけど、教えてくれたらうれしいなと思います。
森林:服は好きなんですよ。好きになるきっかけは、性なんですよ。僕が一番最初にオナニーのおかずにしたのは家にあった母親の通信販売のセシールです。
(会場笑)
女の人の裸が見たいと思って、なかなかないなか、セシールは下着のカタログなんで、「これだ」と思って。
それで、女性誌には女の裸が載ってると気づいて、女性雑誌をいろいろと探していったら、モード雑誌、ハイファッションの雑誌にコレクションの紹介があって、ナオミキャンベルのおっぱいが出てたりするわけですよ。
そういうのは普通の顔して本屋で買えるから、ファッション雑誌を読むふりをして、エロ本代わりにして、オナニーをしたあとの賢者タイムっていう一番頭がすっきりしている段階で、もう1回ファッション雑誌をひまつぶしがてら読むわけですよ。そうするとすごく入ってくるんですよね。
(会場笑)
それきっかけでファッションが好きになって、男優を始めて自由にお金が使えるようになってからはけっこういろいろな服に、経費としても落とせるから、お金を使っていました。一番使った月でヴィトンのバッグとかいろいろ買って200万円とかありました。
でも今は、日比野正明監督からキツいお叱りの言葉を受けまして、「お前はなにを勘違いしておしゃれをしているんだ」と。「お前は行きつけの店とかあんのか」と。「はいあります、どこどこです」と言うと、「そこ行くと、ようこそいらっしゃいましたね。森林さんにしか似合わない服をキープしてますとか、これが似合うと思いますよとか言われて紹介されるんだろ。キャバクラと一緒だからな」と。
(会場笑)
「お前が金を出すと分かってるから似合わない服を似合うって騙されてんだ」って言われて、ハッとしてすごい慎重に買うようになりました。
(会場笑)
間違っても「残り1点ですよ」と言われて買うのはやめました。それで今は好きなのは、コム・デ・ギャルソンというブランドで、シーズン初めに、そのシーズンならではのパンチの効いたものを買ってるという感じです。
参加者6:ありがとうございます。
森林:ありがとうございます。はい、以上です。
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