2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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DaiGo氏(以下、DaiGo):みなさん、先延ばしってします? けっこうしますか? だいたい、人間って自分の行動とかそういうものを先延ばしにする傾向があるということは、みなさんわかってると思うんですけど、いろんなジャンルでそれが起こるんですね。
例えば、さっきジムの話をしたので、少しだけジムの話をすると、ジムって会員になるじゃないですか、フィットネスジムね。会員になったら、実際どれぐらいの人が行かないと思います?
先延ばしっていうのは、結局やらないってことなんです。人間って、悪い習慣をやめる場合には、「この習慣をやめよう」と思うより、「あとでやろう」って思うようにすると、その悪い習慣を断ち切れるという話があるんです。だからつまり、先延ばしというのはやらなくするための、一番重要な、一番効果的な方法なんですね。
(ニコニコ動画のコメントにて)「5割」「7割」あ、今、答えが出てましたね。7割です。ジムの会員の70パーセントはほとんど通ってないんです。幽霊会員なんですね。だから、最近、通い放題のジムとか増えてますけど。しかも、通い放題にすると、1回あたりのコストが計算できなくなるんですよ。
例えば、すごい安いジムだとして、月会費が1万円だとしますね。「1万円のジム、通い放題です」って言われたら、1回のコストがいくらかわからないじゃないですか。でも、1万円で、例えば月4回って決められたら、「1回2,500円だからちゃんと行かないと」って思えるんですよね。こういう違いが出てくるわけですね。
のちのち先延ばしを防ぐための具体的な方法を話しますけれど、数値化するってことが大事なテーマになってくるんですね。だから、1回行かなかったとか、先延ばししたことによって、どれぐらいコストがかかってるのかってことを認識してほしいんです。
1つ目のポイントは先延ばしによるコストを理解するということですね。これが非常に重要なんですね。自分が先延ばしにすることによって、どれぐらい損をしているのかということを考えてほしいんです。
例えば、通い放題のジムに行ってたりする場合、だいたいみんな平均でどれぐらい通うのかって考えるんですね。だいたいジムって、7割の人が行ってないって言いましたけど、例えば週1とか週2ぐらい通ったらいいんじゃないかと。月5回にしましょうか、計算しやすく。
そうすると1万円払って通い放題でも、ジムの平均的な人たちから考えてみたら、1回通ったら2,000円だと。っていうことは、「週2回以上通ったら、毎週2,000円分得してるじゃん」みたいに考えるんですね。
つまり、そういうふうに数値化することによって、いわゆる先延ばしを防ぐことができるんですね。先延ばしを「防がないと」って一生懸命自分を奮い立たせてやろうと思うんですけど、だいたいそういう自分で自分の心をコントロールすることは、人間はできないってことがわかってるんです。
例えば今から、前もやりましたけど、みなさんに「頭の中でピンク色のゾウについて考えないでください」って言ったら、考えないようにしようとすればするほど考えちゃうんですね。これと同じです。
だから、自分の頭の中で奮い立たせることはほぼ不可能なので、どうすればそれができるのかって方法をお話していこうかなと思います。
あとは先延ばしでいうと、怖いこととか、例えば未来のこと。未来のやらなきゃいけないことにはなかなか手がつかないけど、近々でおそろしくなってきたこと。例えば、「締め切りにならないとできない」みたいな人がいますけど、「明日締め切りだから、これを一生懸命やらないと……」とか。
あとは目の前に不安が立ちはだかると、戦おうって思っていたのに心が折れちゃう人っていますよね。そういう人たちがなんで誘惑に負けるかというと、これは非常に簡単で、人間の脳の性質がそうなってるんですね。人間が基本的にリアリティを感じるのは、具体性なんですよ。
のちほども解説しますけど、具体性を持つことがすごく大事なんですね。基本的に目の前に不安が迫ってきたときは、非常に具体的で、目の前に不安があるからリアリティ、「キュー」って言うんですけど、刺激が強くて、そして、リミットも決まっていますよね、どれぐらいで近づいてくるかという。
人間が即行動するために必要な要素が全部そろっちゃってるんですね。だから、人間は目の前の不安から逃げるっていう選択を取りやすくなっちゃうんですね。
だから、どうすればいいかというと、目の前でみなさんが不安を感じるときのように、将来のことを考えられればいいんです。具体化するとか、数値化するってことが重要になってくるんですよ、というお話です。
(ニコニコ動画のコメントにて)「今日、お目目でかい」そうですか? ありがとうございます。あんまり疲れてないからかな。
(ニコニコ動画のコメントにて)「勉強のとき、部屋の模様替えするよね」それはセルフ・ハンディキャッピングっていう理論で説明できてですね、人間ってなにかをしようと思ったとき、言い訳をしたりとか、違うところに注意を向けたくなっちゃうんですね。
こういうことがやっぱり問題になってくるので、部屋の片付けとかは基本的にしないほうがいいです。ただ、片付けないと勉強ができない状態ってありますよね、机の上とか。
そういう場合は、横に箱を用意しといて、普通にAmazonのでっかいダンボールでもいいんですよ。Amazonパントリーの箱でもいいので、僕はとりあえず「ボックス」って言ってるんです。とりあえずボックスの中に全部入れちゃうんですよ、机の物を。
それで、閉じる。閉じて箱を上下ひっくり返すんです、クルンって。ここがポイントで、上下ひっくり返すんですよ。閉じたらひっくり返しておく。そうすると、中の物を取り出そうとして、ダンボールを持ち上げると、全部グシャーッて崩れて、ほんとにイヤな感じになるんですよ。だから、上下ひっくり返しておくと、開けたくないんです。
「あれが入ってたけど、取り出したいな。取り出したら、さっき入ってた鉛筆とかほかの物とか、小物がジャラジャラ出てくるのイヤだよな。片付けんのめんどくさいよな。じゃあ、やめよう」ってなるんですね。
だから、ダンボールに入れて蓋を閉めて、蓋を閉めたらそのままひっくり返す、グルンと。ただ閉じておくだけじゃダメなんですよ。ただ閉じておくだけだと、上からあさっちゃいますよね。閉じたらひっくり返すんですよ、上下。これやるだけで、ほんとに取りたくなくなるんです、めんどくさくて。
(ニコニコ動画のコメント)「結婚おめ」結婚おめちゃうわ、もう(笑)。学生の方とか10代の人とかで、ほんとに誘惑に負けて、自分は勉強できなくてつらいっていう人いると思うんですけど、そういう人は、あまり気にしなくても大丈夫です。
これからやる方法をすれば、もちろん先延ばし癖っていうのは減らすことができますし、あと10代の人とか20代の人が先延ばし癖があるのはしょうがないんです。
これはなぜかかというと、先延ばしをコントロールするために人間の脳の前のほうにある前頭葉って場所を使う必要があるんですけど、人間の肉体の成長って10代後半とかでピークになるんですけど、脳の成長って20代入ってもぜんぜん続くので、前頭葉が未発達なんですね。
だから、誘惑に弱くて当然なんですよ。だから、そういうことなんです。性的な欲求に抗えないとかいうのも、しょうがないんです、10代だったら。
(ニコニコ動画のコメント)「50代は?!」50代は、ちょっと自制心鍛えろよって話になりますね(笑)。(ニコニコ動画のコメント)「ゲスの極み」ゲスの極みはほんとにゲスの極みだったんですね。はい、失礼しました(笑)。
ちなみに、もう1個救いになることを言うと、もちろん先延ばしはこれから言う方法で克服することができます、ちゃんとやれば。できるんですけども、先延ばしの半分は遺伝なんですよ、実は。
じゃあ、遺伝子としてはどういうものか。「先延ばしの遺伝子があるんですか?」って聞かれるんですけどそうじゃなくて、先延ばしってだいたいほかのものに集中力を奪われたりとか、やるべきことがあるのにそれじゃない、いわゆる未来、先にある、遠い未来にあるやるべきことから目を背けちゃう、近くの誘惑にどれぐらい弱いかでわかるので、簡単に言ったら、遺伝子でいうと「衝動性」なんですよ。
騒動買いするとか、衝動性が高い人というのは、実は先延ばししやすくなるんですね。だから、自分がけっこう衝動的だなって人は、気をつけたほうがいいんですね。
ちなみに、これ、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』にも書いてあるんですけど、そのなかには、いろんな、例えば古代ギリシャとかのアリストテレスとかの話とか、そういう話がよく出てくると思うんですけど、そのなかで先延ばしを扱ってる部分があって、先延ばしの性質のことをアリストテレスは「マラキア」って呼んでるんです。
このマラキアって別の意味があって、どんな意味があるかというと、先延ばし以外にゲスのきわ……ゴホン、失礼しました、ゲス野郎という意味があることがわかってるんですね。簡単に言ってしまうと。
だから、アリストテレスの時代から、先延ばしはマラキアって言われていて、なんて言うんですか、よくない特質だってわかっていたと。だから、先延ばしと戦ってるんですよね、人は。そうなんです、まさしくゲスの極みだったわけですね。
あとは、進化心理学の話とかでもおもしろい話があって、じゃあ、なんで人間ってそんな、わざわざ生きていくのに苦しくなるような、正しいことができなくなるような性質をゲットしてしまったのか、って話があるんですけど。
これは、実は昔はよかったんですよ。昔は人間って基本的には目の前の誘惑とか衝動に負けるというか、誘惑とか衝動のままに生きたほうが得だったんですね。例えば、目の前に食べるべき果物があったり、甘い物があったら、昔は甘い物って……、いわゆる狩猟とかしてた時代ですね。
甘い物ってなかなか手に入らなかったので、むしろ甘い物を見つけたら、衝動に任せてすぐそれを手に入れる必要があったんですね。しかも、食べ物も保存が効かないので、すぐに食べないとダメになっちゃうから、とっとと食ったほうがよかったわけです。
だから昔は、いわゆる衝動と、それによって引き起こされる行動が人間の人生をもっとも正しい方向に導いてくれていたんです。でも今は、衝動に従ってしまうと損をする時代になってきてるんですね。
だから、ここはやっぱり人間、自分の力でどうにかするしかないわけですよね。そうじゃなかったら、旧石器時代の生活をするしかなくなっちゃうってことなんです。ってところが、やっぱり難しいところですね、というお話でした。
というわけで、ここから先は実践的な話をしていきたいと思います。けっこう話しちゃいましたけど、もう1個だけ、初めての方もいらっしゃるんで、もう1個だけ無料で話をして、次の実践的な話に進んでいきたいな、と思います。
ちなみに、人間って先送りでどれぐらい時間やお金を無駄にしてると思います? みなさん、どれぐらいだと思います? 先送りの性質によって、どれぐらい時間とお金を無駄にしてるか。
例えば、みなさんが8時間労働してるとしますよね。そうすると、だいたいみなさんが稼ぐ年収と労働時間から考えて、1時間あたりの価値が算出できます。だいたい人間がどれぐらい1日に先延ばしをしているか。そして、それによって時給換算でどれぐらいのお金を失ってるかとい
(ニコニコ動画のコメント)「1億円」1億ってすげーな(笑)。1年間だよ、1年間。1年間で1億ってすごいですね。先延ばしで1億ってことは、少なくとも僕より収入は高いですね(笑)。(ニコニコ動画のコメント)「卒論先送りして100万の学費無駄にしたよ」なるほどね。
ちなみにこれを、平均的に調べてみると、アメリカオンライン、AOLとサラリーマンドットコムが、1万人以上の労働者を調べたことによってわかったんですけど、だいたい、平均的な労働者は1日8時間労働のうち、なんと2時間を先送りによって無駄にしてる、ってことがわかったんです。
8時間中2時間ですよ。労働時間の4分の1は先送りによって無駄になってるんですね。すごいと思いません? これは、会社を持って社員を持つ人間からすると、とんでもない話なんですよね。約4分の1を無駄にしてるってことがわかってるんですね。
ちなみにこれ、昼休みとか休憩時間とかは別にしてです。実は正規の調査だと、2時間以上なんですけれども、約2時間というふうに考えます。2時間って考えたときに、だいたい平均的な所得から考えて、1年間でどれぐらいのお金を無駄にしてるかを考えると、1年間に約9,724ドル無駄にしてることがわかるんですね。
9,724ドルってぱっと思いつかないと思うんですけど、正確に計算してみましょうか、今のレートで(2016年1月)。9,724ドルですから、だいたい114万1,266円。だいたい114万円ぐらい、先延ばしで損をしてることになるわけです。だから、これ、けっこう衝撃的な話なんですね。
これは、平均的な人でってことですから。だから、逆に言えば、みなさんがこれからこの放送を聞いていろいろチャレンジしたり、起業したりできたってありがたい報告をいただいてますけど、そういうのを実現したら、先延ばし癖っていうのはもっとダイレクトに響いてくるわけです。
給料が上がれば上がるほど、みなさんが無駄にする時間から得られていたはずのお金、失われていたはずのお金って大きくなります。だからやっぱり、この放送を通じて、まずは先延ばし癖をなくしておいて、それから成功しないともったいないかなと思いまして、それで今回はこの先延ばしの放送をやらせてもらったというお話でした。
では、ここから先は先延ばしの具体的な直し方。先延ばしとの戦い方のお話をしていきたいと思います。ここから先は会員限定でやっていきたいと思います。やっぱり1時間半コースになりますね。
というわけで、無料のみなさん、ありがとうございました。ぜひ、今回のテーマ「先延ばしを防ぐ心理学」に興味がある方は、見ていただければと思います。入門者の方はぜひノートを用意していただければなと思います。
あ、入門した方いらっしゃいますね。ありがとうございます。それでは、タイムイズマネーですから、ポンポン進んでいきたいと思います。それでは、無料のみなさん、ありがとうございました。じゃあ、入門者のみなさんはこの先もお付き合いください。それでは切り替えます。
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