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コミPo!5周年記念イベント(全7記事)

コマ割り次第で『キングダム』感は演出できる? セブ山と人気少年漫画の融合

2015年12月17日、ロフトプラスワンでマンガデザインツール「コミPo!」の誕生5周年記念イベントが行われました。本パートでは、セブ山氏を使って少年漫画のコマ割りを再現する実験的な取り組みを紹介しました。

セブ山ってどんなやつ?

田中圭一氏(以下、田中):じゃあ、セブ山さんと、谷沢川コウさんの「コミPo!」を使って名作漫画」ってやつですね。そちらをまず披露していただけないかなと思うんですけども。まずは、セブ山さんのほうで作ったものが。

セブ山氏(以下、セブ山):そうなんです。ただ、今日僕は本当に別にコミPo!をめちゃくちゃ使ってるユーザーというわけじゃないのに呼ばれたんですよ。まずは、僕が作った4コマを見ていただきたいんですけども。

田中:じゃあ、見せてください。

ダ・ヴィンチ・恐山氏(以下、恐山):部外者の作った(笑)。

セブ山:もう仲間だからね。これ、ふだん僕がやってることなんですけど。

(会場笑)

たぶん「セブ山って誰なんだ、どんなやつなんだ」っていうのが一番よくわかると思うんですけれども。

田中:オモコロでよく見る?

セブ山:セーター1枚で冬を乗り切ろうというので。僕がこうセーターを着て。お金がないから服を。

谷沢川コウ氏(以下、谷沢川):モザイクなしですから。

セブ山:セーターを逆向きに着ると、こうなって暖かいよっていうのを、普段オモコロというサイトで。

(会場笑)

田中:よく幼稚園上がるくらいの子供がやってるやつですよね、本当に。

セブ山:こういうことをやってるんですけど。これをね、じゃあどういう名作にしてくれるんだと、送ったんですよ。

漫画『キングタム』風のコマ割りを再現

谷沢川:はい、いただきました。『キングダム』知ってる人? 

(会場挙手)

ああ~、みなさん6~7割方知ってますね~。『キングダム』は名作ですわ。

セブ山:知らない人のためにも説明すると……何でしたっけ?

谷沢川:三国志の前の、項羽と劉邦より前の、始皇帝の時代の戦いを描いた戦国ものですね。戦記ものといいますか、ヒーローアクションものですわ。バトルがすごい。何万体と戦ってる、英雄がいっぱい出てくる話ですよ。これを……。

セブ山:これやります? めちゃくちゃなこと言ってるでしょ。これを『キングダム』風にやるっていうのは。

僕はちょっと素人の目ではわからないんで、教えてもらっていいですか? どういう独特のコマ割りか。

谷沢川:独特のコマ割りの説明は、セブ山さんの漫画に変えたときに話しますから。これは戦ってるわけですよね。

戦ってる最中。この一騎打ちが、今こういう戦いの中でやりますよっていう話なんですね。バーンって。これもう一番前半の盛り上がりですわ。

これ何巻だっけ、今? 21巻ですね。今40巻まで出てますから。ちょうど中盤の盛り上がりですね。廉頗 (れんぱ)将軍と戦ってるところです。廉頗将軍の四天王である輪虎 (りんこ)と信 (しん)が戦ってるところですね。もう一番盛り上がる。

このシチュエーションを……もうパンパンいきましょう、セブ山さんと合体したら。

取り囲まれてるシーン。

セブ山:「バババ」。ぐはぁ。

谷沢川:次のページは。

恐山:なんでダメージ受けてる?

谷沢川:「ガギ、ギギギギギィー」。

セブ山:ふざけてんのか。

(会場笑)

谷沢川:何かと戦ってる。なんかわからないけど緊張感溢れてる。

セブ山:これどうなんですかね、これは。どうですか。

田中:『キングダム』ぽいですよね。

セブ山:ぽいですね。

田中:もう口のアップとかで完全にキングダムじゃない。

セブ山:なるほど。あ、そういうことですか。

谷沢川:そうそう。

田中:おそらく『ヤングジャンプ』に載ってても、みんな気が付かないよ。

セブ山:気が付くでしょう(笑)。

谷沢川:気がつかないと思う。

効果のつけ方で『進撃の巨人』にもできる

しかもね、目線がやっぱぜんぜん留まんないんですね。スムーズなんですよ、流れが。流れが綺麗。やっぱり左上の2つのコマあるじゃないですか。

セブ山:なるほどね。「人が周りにいて、あ、見られてるんだ」っていう説明が。

谷沢川:ちなみにすごいのは、ポイントは、セブ山さんのセーター持った姿があるじゃないですか。あれ、足がなかったの。

田中:1コマ目ですよね。

谷沢川:足、加えました。

田中:追加してるんだ(笑)。

セブ山:なんか変な(笑)。

田中:気持ちわる〜、これ。

恐山:進撃の巨人にこういうの出てますよね。

谷沢川:しかもね、バージョン3で出てきたパースつけるやつ。あれで立たしてるわけです。立たして周りにいるから、なんとなく立体的に見えるっていうね。

田中:ニーハイなのかなーとかね。

谷沢川:真ん中のコマは流れだからいらないっすよ。だから、意味がなくていい。

田中:何かが起きてる。

セブ山:「着てる」感じをこうバーって表してくれてるんですね。

谷沢川:実際、着てるかどうかわかんないわけですよ。わかんなくてもいいんです。次のページへ流れるコマだから。

セブ山:これやっぱ進撃の巨人じゃないですか、やっぱり。

谷沢川:なんか戦ってるじゃないですか。

田中:進撃の巨人的な魅力も、もう包括してるってこと。だから単行本にしたら『キングダム』と『進撃の巨人』の倍ぐらい売れるわけ。両方のファンがついて。

谷沢川:しかもね、こうするだけで対決シーンに見えるんですよ。

セブ山:確かに。

田中:上のコマちょっとモンハンっぽい感じしない?

谷沢川:狩られる側ですからね。序盤で狩られる側ですよ。

恐山:理性がないですもんね。

谷沢川:そうそう、顔が理性ないもん。

セブ山:なるほどね。

谷沢川:「ギ、ギ、ギ、ギ」っていうのあるじゃないですか。この「ギ、ギ、ギ、ギ」。このコマを飛び出してるこの「ギ」がいいんですよねー。あとここの血ね。この血。口から出てる。これがまた大事ですね。

句読点の使い方で躍動感アップ

ちなみに、コミPo!使ってる人はわかると思うんですけれども、ちっちゃい丸ってつかみづらいんですよ。だからどうしたかって言うと、実は丸じゃないんです。句点「。」なんです。

田中:ああ~。テキストデータ?

谷沢川:テキストボックスは必ずつかめるんですよ。だからこれもね「U」ですから。

田中:「U」?

谷沢川:汗じゃないから。「U」だから。これは使いやすい。

田中:これ「U」?

谷沢川:うん。これ「U」です。これはすごい使いやすいですよ。

田中:これが飛んでるだけでものすごい緊迫した感じが……。

谷沢川:出ますよね。一瞬時が止まった気がするんですよ。だから、空中に埃とか塵が止まっていることによって、パッと気づいて「あれ、何?」っていう。「何、あの人?」ってなるんですよ。

田中:止まって、止まって、次のコマで躍動感ですね。

谷沢川:躍動感あるんですよ。『キングダム』のスピード感ですよ、これが。これ誰でも使えますからね。絵がなくても大丈夫っていう。あと血しぶきね。これ大事。

田中:だから、皆さんあれですよ。コミPo!持っている方も当然多いと思うので、ちょっとセーター用意して、今日の夜。

(会場笑)

谷沢川:セーターを用意してもらって。

セブ山:いや、セーターじゃなくて「コマ割り」の話でしょ。

恐山:むしろ、その「セーター」が事態をややこしくしてる(笑)。

セブ山:まさにそうですね。

谷沢川:どんな素材でも『キングダム』になりますから。『キングダム』にね。大丈夫。

セブ山:なるほどな~。これはもう僕の負けですね。『キングダム』になった。

谷沢川:いや、恐縮ですね。

田中:コマ割り論を熱く語る、この柿崎さんならではのこの……。

セブ山:小回り、そのね、もう「丸」をやってるっていうのも、こだわりまで言われちゃうともう僕の負けですね。

谷沢川:あとね、何がキングダムの……。まあ、いいや。長いからいいや。

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