2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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山田玲司氏(以下、山田):サウスパーク本編のほうでも実は、「モルモン教の矛盾」みたいなものをずっとカイルが突いてる。
でも、最終的にその矛盾がどうこうというよりも、「俺たちは家族と仲良くやって幸せに生きていきたいと思ってるだけなんだ。お前たちのことも尊重して仲良くしようとしてるんだ。だから、それを意に介せないお前たちの方がファックだ」っていう言い方をするっていう。
だからこっち側(モルモンサイド)が一発かまして、それを見たカートマンが「あいつクールだぜ」って言って終わるっていう最高の回。
おっくん氏(以下、おっくん):オチ言っちゃった(笑)。
山田:こっちのオチではないから。このサウスパークの方の着地はそうなの。
だから同じように、カイルのユダヤ人の従兄弟がやってきて、すげー性格が悪い。いつも「乾燥する」って文句ばっかり言って「こんなとこにいたくない」って言って友達ができなくて嫌なやつで。
要するにウッディ・アレンみたいにブツブツ言っているユダヤ系の悪いところの象徴。そして、そんなユダヤ人であることを嫌いだっていうユダヤ人ぽさ。みたいなことを自分で言っている従兄弟がやって来て「あいつサイテーだよな」って言ってるんだけど。
その間にItっていう謎のマシンができて、飛行機に乗らなくても高速で移動できるっていうマシンができて、大騒ぎになる。みんなただ騒いでるだけなんだけど、実はその子が内緒で投資してるんだよね。で、その子が超大金持ちになって帰っていくって話なんだよ。
その、見事なまでに良さみたいなものも描いているところもあって。これね、言い始めるとキリがないんだけど、バターズのゴスの話もしたい(笑)。
だろめおん氏(以下、だろめおん):僕も長渕と微妙ににつなげる話をしたかったんですけど。W.W.J.Dって言葉知ってますか?
山田:何すかこれ。
だろめおん:これアメリカにいたら、だいたい聞く言葉なんですよ。
これ、略語で「What Would Jesus Do?」。この状況だとキリストは何をするか?これ日本語で言うと
「俺はいいよ。でもYAZAWAはどう思うかな?」って。
おっくん:似てる!
山田:さすが。
だろめおん:要するにキリストはYAZAWAか長渕かって話なんですけど、これは宗派によっても違うと思うんですよ。
要するに、カトリックはYAZAWAなんですよ、どっちかと言えば。ローマ司教ってすっごいキラキラしてて。プロテスタントは長渕なんです。
おっくん:長渕だね。
だろめおん:モルモンも長渕なんですよ。途中でキャラクターがすごい迷うシーンがあるんです。「でも、キリストだったらこういう時何するか? キリストだったら男を見せるだろ!」で「キリストはどうやって男を見せたか」って歌が始まるんです。
キリストは十字架にかけられるってなった時、キリストは泣いたか? 「ホラ、釘やれ!」って言った。「かっけえ〜! 男だキリスト!」っていう、男っぽさのようなものをキリストに見てるっていうのが、実は中央のアメリカでは根強くあるんじゃないかと。
おっくん:マッチョイズムみたいなものと合流してる。
だろめおん:ついでに言うとマット・ストーンの一番好きな映画、トップ5は「ロッキー」1から5なんです。
おっくん:気が合うね!気が合いそうだなあ(笑)。
だろめおん:これだけ言いたかったんで。
山田:さっき言ってたサウスメソッドの何がすげーかっていうと、やっぱりなんていっても8歳の子供からの視点っていうのがすげーなと。
おっくん:そうですね。
山田:しかもね、彼ら性的に目覚めてない、微妙に。目覚めてるかも? っていう範囲内なんだけど、女に支配される前の、最後の、いわゆるスタンドバイミー期っていうやつで。
これって完全にフリーダムなんだよ。男の人生のなかで唯一のフリーダムなんだよ。妖精みたいなもんなんだよ、この時期って。神視点でもあるわけ。
おまけに食うだの寝るだの欲望の化身でもあるので獣でもあるんだよね。獣的な神みたいなところがあって。ちょっと、視点変えると実は俺、死者の視点でもあるんだと。なんでかっつーとこれ利害関係無いんだよ。
これ言っちゃまずいなっていう時代がないんだよ。死んだ人ってこれ言っちゃまずいなっていうのないじゃん。そういう意味で、これちょっとヤバいぞって思うの。この死者の視点って。
つまりこれはどういうことかっていうと、本当の意味での理想っていうのを言えちゃう立場なんだよ。あれ言ったらヤバいよなっていうのがなく。
ここで彼らが言ってる理想っていうのが……、けっこう彼ら、建国の理想とか出てくるじゃん。「そもそも俺たちアメリカ人ってどうしてこれ作ったの?」みたいな理想を語ってんだけど、アメリカの理想というものが彼らの口から出てきたりするわけ。
そうすると、おかしくなったこの社会を死者の目、神の目から突いてくっていうのが、これがサウスメソッドとして最大だと思う。彼らにとっての最大の悪、究極のものは何かっつったら、これなんだよね。
おっくん:無視。
山田:無視ですね。ハイこれ読んでください。
だろめおん:Neglect.
山田:そうそう。これ、どういうことかっつーと、いるんです。こういう人もちゃんと世の中に。ユダヤ人もドイツ人もいて黒人もいて、なんでいないことにしてんだって話だよ。
後もう1つの楽しみはスルーなんですよ。どういうことかっていうと、2人がされてきたことだと俺は思うんだよ。アメリカのスクールカーストの彼らは絶対上じゃないよね。
どー考えても彼らはイケてない集団にいたんだよ。そこで「俺達だっているんだよ」って言う奴がアニメとか作ってくるわけ。自費で(笑)。
それをダビングして配ったりするんだよ。そういう、「俺たちいるんだよ、ここに!」っていうこと。これ皮肉にも「ボウリング・フォー・コロンバイン」の地元なんだよね。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」って何かって言うと、要するにアメリカの中心部で高校生が自分を、その無視してきた連中がいっぱいいる高校に乗り込んでって、トレンチコートマフィアっつってね。
黒いトレンチコート着て武装して殺したっていう事件があったじゃん。あれをテーマにした「ボウリング・フォー・コロンバイン」っていうマイケル・ムーアの映画にマットも出てるよね。
それでケンカとかしたらしいんだけどさ。まあ、そこで彼らが言ってたのは「ないことにするな」と。「俺達もいるんだぞ。いないことにするなよ」っていうのを「イマジネーションランド」の回のテーマでかなり深くやってる。
おっく:んー、にゃるほどねぇ。
山田:なんであのイマジネーションランドがすごいのかって話はこのあと限定で解説しますけど。なんであれがエミー賞を獲るかっていうと、やっぱ彼らの、その本気の思いが乗っかっちゃってるんだよね。
で、あと1個言うと、彼らが言ってるのが「世界はクレイジーだけど明日は来ちゃうんだよ」っていう。死んでも、ケニーは何度も死にますけど、死なないから。
おっくん:基本的に毎回出てきて死ぬんですよこのケニーって。爆発したりとかネズミにかじられたりとか。いろんな原因で死ぬんですけど。でもその度に次の回にいくといると。フツーにね。
山田:そうそう。それで、サウスパークっていうのは脱ファンタジー、脱妄想みたいなものからの脱出っていうことで、反セカイ系だなあと俺は思うわけ。
それで、俺達は選ばれた王子でも勇者でもないぞと。女の人も姫でもプリンセスでもない。そういうった、幻想みたいなものをぶっ壊すっていう。まあ、アレだよね。PS4の回でケニーがジャパニーズプリンセスになりますわ。
で、思いっきり、なんつーの? プリキュアみたいになりますわ。だけど「かわいいだけで何にもないよ!」結局、ジャパンのアニメーションの文化とかは現実と格闘してないよねって言っちゃってる。
反セカイ系だなあと。で、これってどういうことかっつーと最終的には目が覚めるんだすよ。目を覚ませっていってるんですよ。
おっくん:そう、究極の覚醒コンテンツですよ。
山田:まさにそう。これ、ちょうど書いてました。さすが(笑)。1年もやってるとね、強烈な覚醒コンテンツ。一発入りました! ありがとうございますみたいな感じなんですよね。
おっくん:そうそう「おもしろそう」とかいうコメントがあるんですけどマジでおもしろいから。こないだの質問で「酒飲めない奴は損してるか」ってのあったけど、人生の半分を損してるって。
酒と同じくらいサウスパーク見たことないっちゅーのは世界の半分損してる、人生の半分損してると言い切れるくらいとんがってるし、ファンキーだし。
山田:そうだ! 俺、説明するの忘れてた! ブッダとは「目覚めた人」という意味です。サンスクリット語で。だから、サウスパークを見るとなぜかブッダになるっていうところに持っていきたくて。すごいおもしろいなーと思って(笑)。
おっくん:ブッダにはならないけど(笑)。
山田:ブッダは目覚めた人なんです! 「う、うん」じゃない! これ言っとくけど、密教とかもそうなんだよ。だから、ちゃんとした仏の教えがあった後に、結局俺たち殺して生きてんだよってちゃんと教えて覚醒するっていうのが密教の悟りの道なんだよ。
だから最後のところでサウスパーク的なものを密教で教えるんだよ実は。で、これ長くなるからやめる(笑)。
おっくん:今日は相当なとこ言ってますけど、後半、もっとおもしろいから!
山田:お前無責任だな(笑)。
おっくん:今日はね、俺ね、あの傍観者の立場でね。お二人にお任せして野暮なことは言いませんわ。
山田:つーか俺ら10年間くらいこんな話してる(笑)。
(有料会員放送に続く)
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