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会議を見せるテレビ第13回(全5記事)

「日本のコメディは半世紀遅れ」キンコン西野が絶賛する、神出鬼没のアーティストの正体

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ第13回」。今回は、西野氏が絶賛する海外のコメディ映画の内容を紹介しました。

ハイビジョンでお届けする「会議を見せるTV第13回」

絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):おー、始まった!

西野亮廣氏(以下、西野):まずあの……一般のお客さんが。

のぶみ:そういうことってあるんですね(笑)。

西野:始まる2、3分くらい前に独演会のチケットを買いに来てくださって。ほいで、「せっかくやったらチラッと見てったら?」みたいなことになって。初めてですね。

のぶみ:そんなことってありなんですね⁉

西野:よろしくお願いいたします。

のぶみ:さっきビックリしたんですよ。西野さんが独演会のチケット売ったじゃないですか。「じゃあ、写真撮っていいですか?」って西野さんが聞いてたのが衝撃でした。

西野:あれ、けっこう使えていいんですよ。例えば、さっき撮った写真を「チケット買いに来てくれた」みたいなことをつぶやくじゃないですか。(そうすると)買ってくれたあのお嬢ちゃんとかが、うれしくなって勝手にリツイートしてくれるんですよ。

のぶみ:なるほど!

西野:それで勝手に広がっていくっていう。

のぶみ:(お客さんに)それリツイートします? そういうの出たら。

観客1:します。

西野:今ちょっとツイートしてみていいですか?

のぶみ:ここに買いに来る人は見れるっていうことになったら、すごい来るぞ!

西野:そういうことですよね! 8時2、3分前にワニスタに来たら見れるっていう(笑)。

のぶみ:ほんと、そうですよ。ちなみにここ何人くらい入れるんすか? そんな入れないですよねえ。

西野:7、8人。

のぶみ:7、8人限定だよ。

西野:(コメントで)映像がきれいって。

のぶみ:なんで映像がきれいなんすか?

スタッフ:カメラ変えました。

のぶみ:カメラ変えた。

西野:すごいっすねえ。

のぶみ:すごいよね、ハイビジョンだよ。

日本のお笑いのレベルは本当に高いのか

西野:かっこええなあ。こんなんいけるすね。(ところで)今日、映画観に行ったんすよ。

のぶみ:映画観に行ったんすか。

西野:むちゃくちゃおもろかったです!

のぶみ:ドキュメンタリー映画?

西野:(コメントを見て)「いまから行ってもいいですか?」ってありますよ、のぶみさん。未成年はダメですよ、もう遅いですから。何時以降ダメとかありますよね、確か。

のぶみ:そうですよね。

西野:今日『バンクシ―・ダズ・ニューヨーク』って映画を観に行ったんすよ。ドキュメンタリーなんすけど。これちょっと長くなってもいいすか? ちょっとほやほやなんで。

まず昼間Facebookに書いたんですけど、「日本のお笑いはレベルが高い」とかけっこう言うじゃないですか? 芸人さんとかでもけっこう言うんですよ。近いとこで言うとダウンタウンの松本さんとかが。

のぶみ:まあ、言いますね。

西野:「日本の笑いのレベルは高い」みたいなことをおっしゃってた。人それぞれ思うところあるからあれですけど、僕はそうは思わないんですよ。

のぶみ:大丈夫かな(笑)。

西野:それは人それぞれだから。

のぶみ:そうですよね。個人のあれですよね。

西野:個人の。数字で出るものじゃないから。

のぶみ:決して西野さんが芸人さんにケンカ売ってるわけじゃない(笑)。一般論として、ですね。

西野:僕の考えで言うと、例えば大喜利の文化ってすげえと思うんですよ。予算がない中で、日本語って手数が多いじゃないですか。あれを上手に使って、大発明だなって思って。

のぶみ:『笑点』でもやりますもんね。

西野:あれは抜きん出てるなって思うんですよ。「この笑いは、お前らにはわからんやろ」って気持ちもわかるんですよ。でもそれって、どこの国にもたぶんあると思うんですよ。

中国にだって、スコットランドにだって、ブラジルにだって、内々で「これは俺らにしかわからない」みたいな、その国の文化で「これはおもろいわ!」「ハリウッドでいま流れてるアレよりもおもろいわ!」みたいなのは、たぶんどこの国にもあるなと思ったんですよ。

日本のコメディは半世紀遅れている

日本でいう大喜利みたいなのだったら、どこにでもあると。その上でコメディの話をすると……僕、コメディ超好きなんすよ。

のぶみ:アメリカのですか?

西野:いや、全部好きっすね。三谷幸喜さんも好きなんすよ。

のぶみ:おもしろいすよね。

西野:それで……。

ホームレス小谷氏(以下、小谷):すんません!

西野:小谷、今日アレやで。一般の人が来てる。

小谷:えっ⁉ ついに?

西野:チケット買いに来てくれた。

のぶみ:そうなんすよ。今、ホームレス小谷さんが来たんですよ。

小谷:違う道で来ようと思ったら、ぜんぜん違うとこ行ってしまいました。だめですね。違う道で行こうと思ったら。好奇心わいてしまって。

のぶみ:好奇心わいてしまった? 今、西野さんがコメディの話をしようとしてるとこだよ(笑)。

西野:コメディの話をすると、例えば1959年に『お熱いのがお好き』って映画がありまして。

のぶみ:僕、観ましたよ。

西野:大好きなんすよ。

のぶみ:大好きですね。

西野:超おもしろないすか?

のぶみ:女性に扮装して、マリリン・モンローに会いに行くんですよね。

西野:三谷幸喜さんの映画ってあれじゃないすか? 勘違い、すれ違いで、それが効いてきたぞって。

のぶみ:バレバレなのに、それがうまく続いてくってところで。

西野:三谷幸喜さんって、『お熱いのがお好き』の監督はビリー・ワイルダーなんすけど、超影響受けてると思うんですよ。

ビリー・ワイルダーというのは、その上のエルンスト・ルビッチってやつがいるんすけど。あれが1942年くらいにはあのかたちでやっちゃってるんですよ。『生きるべきか死ぬべきか』みたいなやつを。

のぶみ:けっこう前なんですね。

西野:けっこう前なんすよ。だから、もう60年以上前なんすよ。僕らがいまオンで笑っちゃってる勘違いすれ違いって、あっちではもう60年、70年くらい前にもうすでに仕上がっている。

でもあいつらって超賢いから「これじゃあんまり商業的に広がっていかないな」みたいなのがあって。さらにあの手この手で、ピクサーみたいな映画を作ったりとか。

のぶみ:笑い入ってますもんねえ。

西野:我々はそれと比べて「日本の笑いは……」とか言ってますけど、ちょっと待てよと。例えばそのコメディ1つとっても、単純に半世紀くらい遅れてるなって思ったんですよ。ビリー・ワイルダーの感じって。

のぶみ:そうか。

西野:単純に半世紀くらい遅れてるって思ったんです。そのことを知らないから、なんなら三谷幸喜さんがつくった形くらいに思ってるから。単純に遅れてるって思ったんですよ。

のぶみ:パロディはパロディですからねえ。その、三谷さんのやつがね。

西野:そう。あっちではあの手この手でもう人を楽しませるように、(コメントを見て)『古畑(任三郎)』もですよね。あれはもともとあったもんをこっちに輸入してきて。単純にちょっと遅れてると思ったんですよ。

向こうはそこからピクサーやって、『アナ雪(アナと雪の女王)』やって、『ベイマックス』やってバカスカ当ててるじゃないすか。単純に「あいつら、すげえ」って思ったんです。それで、決定打が『バンクシ―・ダズ・ニューヨーク』なんですけど。

のぶみ:おお! そうなんすか、そんなに⁉

西野:いや、あいつらはやっぱエンタメ、超成熟してますよ。

のぶみ:そうなんすか。

西野が絶賛する映画『バンクシ―・ダズ・ニューヨーク』

西野:もう僕らの何歩も先いってます。まず簡単にいうと。今日『バンクシ―・ダズ・ニューヨーク』って映画を観てきてん。

のぶみ:どんなのかちょっとだけ教えてもらおうかな。

西野:ざっくり言うと、神出鬼没の覆面アーティストなんすよ。街中でスプレーでこうパパッと絵描いたりするやついるじゃないすか。

ざっくり分類するとそこに入るんですけど。バンクシ―っていうやつの活動が、まあSNSの使い方と、人の巻き込み方とメディアの使い方が超うまい!

のぶみ:ちょっと似てるじゃないですか。

西野:僕だと思ったんすよ。

のぶみ:そうなんだ。

西野:いや、あいつのが超すげえってなったんです。

のぶみ:「そんなやついるんだ!」ってなったか。そういうことか。

西野:(自分も)だいぶうまいほうだと思ったんすよ。いま、日本で一番うまいんじゃないかなって思ったんすよ。SNS使って、全部メディア巻き込んでみたいな。

のぶみ:そうですよねえ。

西野:「いやあ、これ。しばらく負けないぞ」って思ったんすけど、やっぱ世界は広いっすね。バンクシ―、超すげえっす。

のぶみ:バンクシ―はどんなんやってんすか?

神出鬼没のアーティスト・バンクシーの宝探し

西野:あいつがやってんのは、その『バンクシ―・ダズ・ニューヨーク』というドキュメンタリー映画で描かれてたのは、まずバンクシ―はイギリスかどこかの人なんすよ。覆面だからわかんないんすよ。一応イギリスみたいな。

のぶみ:イギリスもちょっとコメディ上ですよね。『モンティ・パイソン』とかすごいですもんねえ。

西野:一応イギリス出身みたいなことになってんすけど。バンクシ―が10月の1ヶ月間だけニューヨークに行くんすよ。「ニューヨーク行きます」とインスタで言っちゃうんですよ。

ニューヨークで毎日街のどこかに1日1個僕のアートが出ます。その後は、一瞬ですげえ絵を描くんすけど、いつ描かれたか誰もわからないんです。

まず10月1日を迎えて、バンクシ―が「はい、これ僕が描いた絵です」ってインスタにパッとあげるんすよ。すげえ絵なんすよ。1個1個にメッセージ性があって、すごいんすけど。

じゃあこれを見て、ニューヨークの人たちは何をするかといったら、この絵がどこにあるか探し出すんですよ。

のぶみ:そりゃ、そうでしょうねえ。

西野:もう宝探し。みんなで情報交換して、ああだこうだってやって。

のぶみ:ちょっと西野さんっぽい(笑)。

西野:すごいんすよ。ニューヨーク広いじゃないすか。人もいっぱいいるし、絵なんてそこかしこに描かれてるし.。

その宝探しを楽しもうと思ったら、まずバンクシ―のインスタをフォローしてないとダメですよね。インスタのフォロワーが超増えるんすよ。

のぶみ:なるほど、なるほど。

西野:この絵を見ながら、みんな「どこだ、どこだ」ってやって。それでバンクシ―が超賢いから、時間が来たらその絵を消すんですよ。

のぶみ:え? どういうことですか?

西野:3時間だったら、せっかく描いた絵を上からスプレーでプシャーって消しちゃうんですよ。

のぶみ:それってグラフティアートなんですか?

西野:それもあるし、いろんなアートがあるんすけど。絵もあるし、立体の物もあるし、いろんなのがあるんすけど、基本的には3時間くらい経ったら消すんですよ。だからみんな、バンクシーのインスタにクギづけですよ。

のぶみ:見れないかもしれないって。

小谷:「急がな」と。

西野:みんなでブワーって情報交換して。

まずうまいのが、情報交換するじゃないですか。逆に自分だけ見つけたいから、嘘情報を流すやつもいるんすよ。

のぶみ:ああ、そうか!

小谷:なるほどね。

西野:それで人がこの情報はほんまかどうかと、嘘かどうかみたいのが、ブワーってSNSで情報交換して、見つけたらバシャバシャバシャって撮って「あったあった!」って。

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